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  3. 会社経費を個人のクレジットカードで立替えた場合の仕訳・勘定科目は?
  • 更新日 : 2026年1月27日

会社経費を個人のクレジットカードで立替えた場合の仕訳・勘定科目は?

監修:岡 和恵 (税理士 / CFP)
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法人の場合、クレジットカードでの支払には、通常その法人名義のカードを利用します。しかし、急な支払いなどで担当者が個人名義のクレジットカードで会社の費用を立て替えることがあります。これはあくまで「立て替え」であるため、会計上の問題はありません。この記事では、会社の経費を個人名義のクレジットカードで支払った場合について解説します。

目次

  • 会社経費は個人のクレジットカードで立替えできる?
  • 会社経費を個人のクレジットカードで立替えた場合の仕訳・勘定科目
    • 立替金発生時
    • 立替金精算時
  • 会社経費を個人のクレジットカードで立替えるメリット
    • クレジットカードのポイントやマイルが貯まる
    • 月々の利用明細を管理しやすい
    • 支払いのタイミングを遅らせてキャッシュフローを改善できる
    • 急な出費にも対応できる
  • 会社経費を個人のクレジットカードで立替える時の注意点
    • クレジットカードを利用したことが明記された領収書が必要
    • 領収書が発行されない場合は利用明細書が必要
    • 領収書や利用明細書は7年間の保管が必要
    • 収入印紙が必要になる場合がある?
    • プライベートの支出と分ける必要がある
  • 立替金の利用ルールを決めておこう!

会社経費は個人のクレジットカードで立替えできる?

個人名義のクレジットカードで会社の経費を立て替えることは、会計上は特に問題ありません。

実際に、従業員の立替金などではクレジットカード決済が使われているケースも少なくありません。特に起業直後の会社などでは、まだ法人カードができていない場合も考えられ、個人カードでの立替が必要になることもあります。

会計で大切なことは、いつ、誰が、どこで、何の費用を、いくら立て替えたのかという「事実」が証明できることです。立替者の支払手段が現金なのかクレジットカードなのかについては、常識の範囲であれば問題視されることはないと言えます。

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会社経費を個人のクレジットカードで立替えた場合の仕訳・勘定科目

ここで、個人のクレジットカードで会社の経費を立て替えた時の仕訳を確認しておきましょう。(以下、仕訳は税込経理とし、日付は省略。)

立替金発生時

例)従業員Aは、訪問先に向かう途中に手土産(3,300円)を買いました。帰社後、社内ルールに沿って、レシートを添えて立替金の申請をしました。

借 方貸 方摘要
接待交際費3,300円立替金3,300円X社訪問につき手土産、Y商店

立替金については、社内の多くの従業員に発生する可能性があるため、補助科目などで分類しておくほうがよいでしょう。

立替金精算時

例)上記の立替につき申請が認められ、Aに現金精算をした。

借 方貸 方摘要
立替金3,300円現金3,300円従業員A:立替金精算

立替金が頻繁に起こる営業部員などは、月ぎめなどでまとめて精算することや、給与データに組み込んで給与と一緒に支払をすることもあります。

給与と同じタイミングで支払う場合の仕訳は次のようになります。

借 方貸 方摘要
立替金3,300円現預金153,300円従業員A:立替金精算
給与150,000円従業員A:給与

会社経費を個人のクレジットカードで立替えるメリット

会社の経費を個人のクレジットカードで立て替えるメリットには、次のようなものが挙げられます。

クレジットカードのポイントやマイルが貯まる

立替者側のメリットは、クレジットカード利用によるポイントなどを貯められる点です。後でお金は払い戻されるため、結局はポイントやマイルを無償で得られることになります。

通常、代金の決済で与えられるポイントについては、そのポイントを取得した者にとって経済的利益と考えられます。取得額によっては、一時所得または雑所得になり得るため気を付けましょう。

従業員立替金は、そもそも高額なものを想定していないため、社内における立替金のルールを明確にしておくことが大切です。

参考:
確定申告が必要な方|国税庁
一時所得|国税庁

月々の利用明細を管理しやすい

例えば、経営者が毎月の業界新聞購読料を個人のクレジットカードで立て替えるとします。この場合、当初の契約書とクレジットカード会社からの利用明細(請求明細)があれば、会社側で立替処理ができて管理しやすいと言えます。

反面、利用明細には他のプライベートの買い物も合わせて掲載されているため、提出しづらいケースがあるかもしれません。

なお、ここで気を付けたいのは、クレジットカード会社からの請求明細(請求明細)だけでは、消費税の仕入れ税額控除ができないことです。原則としてクレジットカード会社ではなく、購入した店(カード加盟店)からの領収書が必要となります。

ただし、タクシーチケットなど月々の利用明細しか得られないケースもあり得ます。この場合には利用した店が「インボイス発行事業者」であることを確認できれば、仕入れ税額控除が可能です。

参考:クレジットカード会社からの請求明細|国税庁、インボイス制度に関するQ&A|国税庁(問108-2ご参照)

支払いのタイミングを遅らせてキャッシュフローを改善できる

一般に、クレジットカードを利用すると支払いに1〜2カ月の余裕ができます。立替金の負担者への支払は社内ルールにもよりますが、例えば3カ月以内支払うこととしている場合なら、さらに1カ月支払を延期することができます。

この期間を活用してキャッシュフローを改善することは可能ですが、このようなことに頼らずに法人の費用は法人カードで支払うのが原則です。

急な出費にも対応できる

従業員の場合、予め会社のクレジットカードの貸与を受けていないと、会社名義でのカード決済はできません。出先での緊急対応などで支払が必要となった時に、個人のクレジットカードで決済すれば、後で精算処理をすることで対応できます。

ただし、どの程度緊急性があるか、いくらまで対応できるのかなど、社内ルールを確立させておくことが重要です。

会社経費を個人のクレジットカードで立替える時の注意点

会社の経費を個人の立替とする場合において、クレジットカードを利用することは問題ありませんが、いくつか注意点があります。

クレジットカードを利用したことが明記された領収書が必要

クレジットカードでの決済であっても、会社の経費となる商品やサービスを購入したという証拠は必要です。いつ、どの店で、何を購入したのかがわかるような書類を交付してもらわなければなりません。電子取引であれば、電子データが必要となります。

立替金の精算をするためにはレシートや領収書等が必要なため、失念しないようにしましょう。

領収書が発行されない場合は利用明細書が必要

店舗によっては、クレジットカード決済においては領収書ではなく「利用明細書」や「クレジット売上票」が交付されます。これらはクレジットカード会社が発行するものにあたり、レシートに添付して提出しましょう。

領収書や利用明細書は7年間の保管が必要

会社の経費となる支出については、証憑の保管義務があります。法人においては、取引に関して受領した書類については7年間の保存義務があります。立替金の申請に添付されている領収書や利用明細書は、必ず保存しなければなりません。

なお、電子取引の場合でも保管期間は変わらないため、電子データについても同じ期間の保管義務があります。

参考:帳簿書類等の保存期間|国税庁

収入印紙が必要になる場合がある?

領収書は金銭の受取の事実を証明する目的で作成されるもののため「課税文書」に該当し、一定の金額を超えると収入印紙が必要です。しかし、クレジットカードのように直接金銭を取り扱わないことを領収書に記載したものは、「課税文書」に該当しません。

例えば、領収書のただし書き等に「クレジットカードによる受領」などと書いてあれば、収入印紙は不要になります。

参考:クレジット販売の場合の領収書|国税庁

プライベートの支出と分ける必要がある

基本的に、法人の経費は法人用のクレジットカードを利用すべきです。しかし、特定の経費が継続的に役員個人のクレジットカードから引き落とされているようなケースにおいては、次のいずれかの対策によって公私混同を避けましょう。

  • その役員専用の法人カードを貸与する
  • 個人が利用するカードにおいてプライベートと分けて利用する

立替金の利用ルールを決めておこう!

会社の経費を個人のクレジットカードで立て替えることは問題ありません。月々の利用明細しかない場合でも問題ないケースもあります。しかし、経理処理において、あまりにも多くのケースがあると煩雑になり、ミスのもとにもなります。

継続的な利用の制限や、一定額を超える利用の制限など、会社内でのルールを決めておき、ルールから外れる場合には事前申請を出すなど、個人の立替におけるクレジットカード利用ルールを定め、周知徹底することをおすすめします。

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  • 監修:岡 和恵 (税理士 / CFP)

    大学卒業後、教職と専業主婦を経てシステム会社に入社。経理や会計システム開発に携わり、税理士・FP資格(CFP)を取得。
    2019年税理士事務所開業後は、個人・法人の税務全般に幅広く対応。ERP技術者としてのIT知見を活かしたサポートに自信があり、個人事業主の確定申告から法人の決算までトータルで支える。現在は実務の傍ら執筆や監修も手掛け、会計・税務のあらゆる側面からクライアントに併走している。ビジネステンプレート集の監修も担当。

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