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  3. 信用保証とは?計算方法と仕訳・勘定科目まとめ
  • 更新日 : 2024年8月8日

信用保証とは?計算方法と仕訳・勘定科目まとめ

監修:岡 和恵 (税理士 / CFP)

事業拡大や設備投資などのため、事業者が金融機関などから融資を受けることもあります。金融機関から融資を受ける際に知っておきたいのが信用保証の存在です。この記事では、信用保証はどのような仕組みなのか、信用保証を利用する場合の信用保証料の計算や仕訳はどのように行うのか解説していきます。

目次

  • 信用保証とは?
  • 信用保証料の計算方法
  • 信用保証料の仕訳
    • 前払費用として処理する場合
    • 税法上の繰延資産として処理する場合
  • 信用保証料の仕訳のパターンを知ろう

信用保証とは?

信用保証とは、中小企業などが金融機関から事業資金の融資を受ける際に、公的機関である信用保証協会が保証人となる制度です。信用保証を利用することで、次の図のような関係が成り立ちます。

信用保証

信用保証協会は、融資を受けたい事業者からの申し込みに伴い、信用調査を行います。協会が事業内容や経営計画などから保証をしても問題ないと判断できれば、事業者からの信用保証料支払いを受けた後、融資元となる金融機関へ保証承諾の証として信用保証書を発行します。金融機関は信用保証書の発行を受けて初めて事業者に融資を行えるようになります。

事業者は通常の融資を受けた場合と同じように、融資後は返済計画に合わせて金融機関に返済をしていかなくてはなりません。しかし、資金繰りの悪化などにより支払いができなくなることもあります。信用保証が活きてくるのはこのようなケースです。

事業者が返済できなくなると、信用保証協会は金融機関に対して代位弁済を行います。代位弁済は事業者に代わって金融機関へ返済を行う行為ですが、あくまで立て替えであり、事業者の債務が消えるわけではありません。代位弁済が行われた後は、事業者は金融機関ではなく信用保証協会に対して弁済を行っていく必要があります。

信用保証は、金融機関は信用保証協会から代位弁済があるという点で、万一のときでも安心が保証されている制度です。これにより、事業規模が小さい会社なども融資を受けやすくなりますし、融資枠の拡大を図ることも可能となります。

ただし、信用保証が利用できるのは、中小企業や小規模事業者のうち、金融業など一部の業種を除く企業に限られます。また、例えば小売業では資本金5千万円以下、常時雇用の従業員50人以下といった事業規模も条件に含まれます。

信用保証料の計算方法

信用保証料は、事業者が信用保証協会に保証人になってもらう場合に、信用協会に対して支払う保証金です。信用保証料の額は、利用する制度や保証期間、分割回数などで変わってきます。ここでは、東京信用保証協会の信用保証料を例に計算方法を見ていきましょう。

    1. 満期一括返済の場合
      貸付金額×信用保証料率×保証期間の月数÷12
    2. 均等分割返済の場合
      貸付金額×信用保証料率×保証期間の月数÷12×分割係数
    3. 据置期間(元本返済の猶予期間)がある場合
      据置期間とは、融資実行から第1回返済月までのうち、元金返済が猶予されていると見なされる期間です。据置期間が設けられている場合、据置期間部分と分割返済部分の返済額は計算式が異なります。

      A(据置期間部分).貸付金額×信用保証料率×据置期間の月数÷12
      B(分割返済部分).貸付金額×信用保証料率×分割返済期間の月数÷12×分割係数
      A+Bの額

    4. 確定日保証(終期の日付をあらかじめ決定している貸付根保証など)の場合の計算式
      貸付金額×信用保証料率×保証期間の日数÷365

計算式で出てくる信用保証料率は、事業者の決算内容、利用する保証制度などにより変わります。ちなみに、2022年5月20日時点での東京信用保証協会の信用保証料率は、0.2~2.2%です。

分割係数については、以下の表の係数を使用します。

分割返済の回数
均等分割
不均等分割
2~6回
0.70
0.77
7~12回
0.65
0.72
13~24回
0.60
0.66
25回以上
0.55
0.61

参考:「信用保証料の計算例|東京信用保証協会」をもとに作成

このように、信用保証料は、信用保証料率さえ分かれば簡単に計算できます。どのくらいの信用保証料を負担するべきか事前に確認したい場合は、計算式を利用して試算してみると良いでしょう。

信用保証料の仕訳

信用保証料の仕訳は、支出した信用保証料が前払費用になるのか、税法上の繰延資産になるのかが論点となります。

前払費用として処理する場合

前払費用とは、費用の前払いを示す勘定科目で、まだ役務の提供が完了していないものを表します。費用収益対応の原則から、契約時点では役務の提供が完了してないと考えられる場合、つまり繰り上げ返済などで返金がある場合などは前払費用として処理します。前払費用として処理する場合の仕訳は以下のとおりです。

【前払費用で処理する場合】

(仕訳例-初年度)
期首に信用保証料100万円(保証期間120カ月)を普通預金から支払った。

借方
貸方
支払保証料
100,000円
普通預金
1,000,000円
前払費用
100,000円
長期前払費用
800,000円

(支払保証料の計算)1,000,000円×12/120=100,000円
(前払費用の計算)1,000,000円×12/120=100,000円
(長期前払費用の計算)1,000,000×96/120=800,000円

支払保証料に計上するのは当期に繰り入れるべき信用保証料です。保証期間のうち、当期の月数に該当する分だけを費用計上します。仕訳例では支払いタイミングが期首となっているため12カ月で計算していますが、年度途中に信用保証料を支払った場合は、支払った月数から事業年度終わりの月数(3月決算で10月に支払った場合は6カ月)をもって計算します。

また、前払費用で仕訳をする場合は、1年基準により前払費用と長期前払費用を区分しなければなりません。仕訳上の前払費用は、事業年度終了日の翌日から1年以内に費用処理される信用保証料で、長期前払費用は1年を超えて費用処理される信用保証料を表します。

(仕訳例-2年目)
前期首に信用保証料100万円(保証期間120カ月)を普通預金から支払っている。決算整理仕訳として長期前払費用や前払費用の振り替えを行った。

借方
貸方
支払保証料
100,000円
前払費用
100,000円
前払費用
100,000円
長期前払費用
100,000円

(前払費用/長期前払費用の計算)1,000,000円×12/120=100,000円

2年目以降は、前期に前払費用として処理したものを支払保証料へ、事業年度終了の翌日から1年以内に費用化する信用保証料を長期前払費用から前払費用へ振り替える処理を行います。

税法上の繰延資産として処理する場合

税法上の繰延資産とは、支出後も複数期間にわたって効果が継続すると考えられる費用をいいます。前払費用と異なるのは、役務の提供が完了している点です。つまり、将来、繰り上げ返済などで返金が行われないものについては、税法上の繰延資産として考えていくことになります。税法上の繰延資産で処理する場合の仕訳は以下のとおりです。

【税法上の繰延資産で処理する場合】

(仕訳例-初年度)
期首に信用保証料100万円(保証期間120カ月)を普通預金から支払った。

借方
貸方
長期前払費用
1,000,000円
普通預金
1,000,000円

税法上の繰延資産に該当しますので、勘定科目は「長期前払費用」を使用します。

(仕訳例-初年度末)
期首に繰延資産として計上した信用保証料100万円(保証期間120カ月)のうち、当期分を費用に振り替えた。

借方
貸方
繰延資産償却
100,000円
長期前払費用
100,000円

(繰延資産償却の計算)1,000,000円×12/120=100,000円

(仕訳例-決算時・2年目以降)
前期首に信用保証料100万円(保証期間120カ月)を普通預金から支払っている。決算整理仕訳として、当期分を償却した。

借方
貸方
繰延資産償却
100,000円
長期前払費用
100,000円

(繰延資産償却の計算)1,000,000円×12/120=100,000円

償却費として処理する必要があるため、信用保証料ではなく、「繰延資産償却」の勘定科目をもって償却していくことになります。

信用保証料の仕訳のパターンを知ろう

信用保証は、中小企業などが金融機関から融資を受ける際に活用できる制度です。信用保証を利用する場合は、信用保証協会に信用保証料を支払わなければなりませんが、返金対応の有無で仕訳の仕方が変わります。どのような勘定科目で処理するべきなのか、毎期末どのような処理が必要になるのか、制度の利用状況に応じた仕訳を行いましょう。

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よくある質問

信用保証とは?

中小企業などが金融機関から融資を受ける場合に、公的機関の信用保証協会が保証人となる制度を指します。詳しくはこちらをご覧ください。

信用保証料の計算方法は?

貸付金額に、信用保証料率や保証期間、分割回数などを考慮して計算を行います。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
  • 監修:岡 和恵 (税理士 / CFP)

    大学卒業後、教職と専業主婦を経てシステム会社に入社。経理や会計システム開発に携わり、税理士・FP資格(CFP)を取得。
    2019年税理士事務所開業後は、個人・法人の税務全般に幅広く対応。ERP技術者としてのIT知見を活かしたサポートに自信があり、個人事業主の確定申告から法人の決算までトータルで支える。現在は実務の傍ら執筆や監修も手掛け、会計・税務のあらゆる側面からクライアントに併走している。ビジネステンプレート集の監修も担当。

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