- 更新日 : 2025年2月20日
借入金返済計画表とは?テンプレートと合わせて書き方をわかりやすく解説
借入金返済計画表は、借入金の概要や返済の予定について情報が網羅された書類です。借入金の内訳を把握したい場合や新たな融資を受けたい場合などに活用できます。今回は、借入金返済計画表のテンプレートの紹介と書き方、作成の流れについて解説します。
目次
借入金返済計画表とは
借入金返済計画表は、借入金の返済期日や返済期間、返済にかかる利息など、返済を滞りなく行うための書類です。借入金返済予定表といわれることもあります。
利用する場面
借入金返済計画表は、将来の返済計画を確認するのに活用できる書類です。複数の金融機関で融資を受けている場合や過去に融資を受けていた場合は、借入金返済計画表に記載される融資額や金利などが、今後の借入金利用の参考になります。
また、融資を受ける前に、どのくらいの借り入れであれば月々無理なく返済できるか、借入金返済計画表はシミュレーションにも活用できます。
借入金返済計画表を作成するメリット
ここでは借入金返済計画表を作成するメリットを取り上げます。
負債の全容を把握できる
借入金返済計画表は負債の全容を把握できる点で作成のメリットがあります。借入金返済計画表は、返済期日や返済額だけでなく、借入金に関する情報も含めて作成するためです。融資に関する書類をその都度集めなくても、借入金返済計画表を確認すれば、借入金の情報をすぐに把握できます。
複数の金融機関から融資を受けている場合は、金融機関ごとに個別に作成することで借入金の内訳がわかります。借入金の総額や返済状況をいつでも確認できるため、資金繰りの改善や見直しにも役立つでしょう。
融資交渉に利用できる
金融機関から融資を受けている最中であっても、より条件のよい金融機関に借り換えるケースがあります。また、追加の設備投資が必要となったときは、追加での借り入れを検討する場合もあるでしょう。
金融機関と融資の交渉をする場面で役立つのが、過去の借入金返済計画表です。書類に記載している融資総額や金利などについて、金融機関からの借り入れの交渉条件の根拠としても活用できます。
借入金返済計画表の記載項目
借入金返済計画表に決まった形はありません。一般的に記載しておくと便利な項目を紹介します。
項目 | 記載内容 |
---|---|
借入日 | 借り入れを開始した年月日を記載します。 |
借入金総額 | 全体で借入金がいくらあるか、借入金の総額を記載します。 |
返済開始日 | 借り入れ後に返済が始まった年月日を記載します。 |
返済終了日 | 借入金全額を支払い終わる予定の年月日を記載します。 |
返済回数 | 全体に返済回数を記載します。 |
返済方法 | 元金返済方式、元利返済方式などの返済方法を記載します。 |
利息 | 借入金の利息(年率)を記載します。 |
月々の返済額 | 月々の返済金額を毎月の返済期日とともに記載します。 |
返済残高 | 毎月の返済金額を支払った後の借入金の残高を記載します。 |
返済状況 | 返済済なのか滞納中なのかなど、返済状況を記載します。 |
借入金返済計画表のテンプレート(無料)
マネーフォワード クラウドでは、借入金返済計画表の無料テンプレートをご用意しております。無料でダウンロードできますので、ぜひお気軽にご利用ください。
借入金返済計画表の書き方
借入金返済計画表は、テンプレートを活用すると簡単に作成できます。必要な記載項目が網羅されたテンプレートを活用して作成するのがおすすめです。
すでに融資を受けている融資について借入金返済計画表を作成する場合は、金融機関から発行された書類などをもとに、記載項目を埋めていきます。月々の利息の返済額は、利息(年率)と前回から今回までの返済期日で概算できますが、金融機関から受領した正式な書類があれば、転記した方が正確な情報を記録できます。
借入金の利用を検討していて、シミュレーションのために作成する場合は、下記の手順により借入金返済計画表を作成します。
- すでに借入金がある場合は総額を確認する
- 借入金総額から逆算して毎月の返済可能額を計算する
- 返済可能額をもとに借入金返済計画表を作成する
借入金返済計画表を活用するポイント
借入金返済計画表を事業で活用する際に押さえておきたい2つのポイントを紹介します。
資金繰り表とともに運用する
損益計算書上は利益が出ているように見えても、手持ちの現金が不足して、資金繰りが厳しくなることがあります。資金不足が起きるのは、掛取引により入出金のズレが生じることなどが理由です。
資金繰り表は、現金の収支が確認できる書類です。資金繰り表を作成することで、現金にどれほどの余裕があるかわかります。借り入れの返済を計画表通りに滞りなく行うには、返済期日に資金不足が起きないことが重要です。借入金返済計画表と資金繰り表とあわせて活用することで、将来の資金繰りの予想を立てやすくなります。
新規借入や繰り上げ返済があったら都度修正する
事業の状況はその都度変化します。設備投資などが必要になり、新規借入を申し込むことや、資金繰りに余裕ができて繰り上げ返済を申し込むこともあるでしょう。借入金について動きがあった場合、作成した借入金返済計画表も更新するようにしましょう。
借入金返済計画表が古いままだと、実際の返済計画がわからなくなってしまいます。また、最新の情報が反映されていないため、借入金返済計画表を十分に活用できなくなってしまいます。借入金について何らかのアクションをしたときは、その都度修正して最新の情報を確認できるようにしておきましょう。
負債の把握に借入金返済計画表を活用しよう
借入金返済計画表には、借入金に関するさまざまな情報が記載されます。負債の全容を把握したり、将来の借入金の利用をシミュレーションしたりする場合に便利です。負債を整理したいときや、負債の管理で資金繰りを改善したい場合にも活用できます。借入金の返済は資金繰りにも関係しているため、資金繰り表とあわせて管理するのがおすすめです。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
予実管理とは?目的・必要性とポイントを解説
会社の経営者にとって、会社の経営がうまくいっているのかどうか判断することは、必要不可欠です。会社の経営状態の判断材料として重要となるのが「予実管理」です。ここでは、予実管理の意味や目的について解説します。 予実管理とは 予実管理とは、その読…
詳しくみる中小企業・零細企業が会計ソフトを比較するための13のポイント
従業員が増え、会計処理も増加すると、いよいよExcelや紙ベースでは管理が難しくなってきます。経理業務効率化のため会計ソフトの導入を考えている中小企業もあるでしょう。 しかし、会計ソフトは、その種類が豊富なため、いざ導入するとなったとき、ど…
詳しくみる地方法人税はなぜ創立された?その理由と申告・納付方法について解説
地方法人税とは、平成26年施行された税制度です。 この税制度の創設の理由と申告方法、納付の仕方について、基礎知識をご紹介します。 地方法人税はどんな税制度? 地方法人税と聞くと、地方に納める税金のように聞こえますが、この税金は国に納めるもの…
詳しくみるものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金を活用しよう!
「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」という制度があるのをご存じでしょうか。革新的なものづくりやサービスを創出するための補助金です。今回は、ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金制度の内容について見ていきましょう。 事業…
詳しくみる請求代行サービスとは?業務範囲やメリット・デメリット、選び方を解説
自社の業務効率化のために、請求代行サービスの利用を検討することもあるでしょう。請求代行サービスは、請求書の発行だけでなく、与信管理や督促業務まで幅広いサービスを代行するサービスです。 この記事では、請求代行サービスで利用できる業務や、利用す…
詳しくみるソフトウェア仮勘定の会計処理方法や消費税の取り扱いを解説
ソフトウェア仮勘定とは、長期にわたるソフトウェア開発プロジェクトにおいて、制作に関する費用を計上するための勘定項目です。関連費用をソフトウェア仮勘定として計上することで、会計や税務をより正確に行うことができます。 本記事では、ソフトウェア仮…
詳しくみる