- 更新日 : 2024年5月30日
法人向けETCカードの種類・メリットを含めて選ぶポイントを解説!
法人向けETCカードは、有料道路料金の割引やポイント還元に加え、経理精算を効率化できる点がメリットです。クレジットカードにETCカードを付帯できるタイプのほか、クレジット機能なしのタイプもあります。今回は、法人向けETCカードのメリットや選び方のポイント、作り方などを解説します。
目次
法人向けETCカードとは?個人向けとの違い
「法人向けETCカード」とは、その名のとおり法人を対象としたETCカードのことです。法人向けETCカードには、ETCカードを付帯できるタイプの法人用クレジットカードのほか、クレジット機能がつかない法人向けETCカードや、ETCコーポレートカードがあります。
ETCとは「Electronic Toll Collection System」の略で、「高速道路や有料道路における自動料金支払いシステム」を指す言葉です。「ETC車載器」と「ETCカード」があれば、ETCを利用して有料道路を通行できます。
法人向けETCカードは有料道路の割引サービスのほか、経費処理が効率化できる点などがメリットです。ETCカードとしての基本的な機能は個人向けETCカードと変わらないものの、条件によっては通行料金がさらに割引になる点が特徴です。
法人向けETCカードの種類
法人向けETCカードの種類には、主に以下の3種類があります。
- クレジット機能付きの法人ETCカード
- クレジット機能なしの法人ETCカード
- ETCコーポレートカード
それぞれの特徴を解説します。
クレジット機能付きの法人ETCカード
「クレジット機能付きの法人ETCカード」は、クレジットカード会社が発行する法人向けカードに付帯するETCカードのことです。クレジットカードの利用料金と一緒に、ETC利用料金が一括請求されます。
カード会社やカードの種類によって異なるものの、1枚のクレジットカードに対してETC専用カードを複数枚発行できるタイプが主流です。
クレジット機能付きの法人ETCカードは、「平日朝夕割引」「休日割引」「深夜割引」の3つの曜日・時間帯割引によって、ETCの通行料が割引になります。さらにクレジットカードのポイント還元によって、お得に使える点がメリットといえるでしょう。
法人カード(法人向けクレジットカード)の中には、付帯サービスとしてETCカードを無料で発行できるものもあります。法人カードの付帯サービスについては下記記事で詳しく説明していますので、参考にしてください。
クレジット機能なしの法人ETCカード
「クレジット機能なしの法人ETCカード」は、ETC協同組合や高速情報協同組合などが取り扱う法人向けのETCカードを指します。
クレジット機能がないため審査なしで発行が比較的スピーディな点や、ETC車載器が搭載されていれば1台の車に限定せずに使える点がメリットです。また、「ETCマイレージサービス」も利用できます。
ETCマイレージサービスとは、高速道路などの通行料金の支払額に応じてポイントがたまるサービスのことです。貯めたポイントは有料道路の通行料金に利用できる「還元額」に交換が可能です。
クレジット機能なしの法人ETCカードの発行枚数は4枚までなので、小規模な法人や個人事業主に適しているでしょう。
また、クレジット機能ありの法人ETCカードと同じように、曜日や時間帯に合わせて割引されることが一般的です。ただし、ETCコーポレートカードのような利用料金に応じた割引サービスはありません。
クレジット機能なしの法人ETCカードはカード発行時の組合への出資金や、走行金額に対して毎月料金の5~8%の手数料の支払いが必要です。毎月送付されてくる請求書に基づき、口座振込によって料金を支払います。
ETCコーポレートカード
「ETCコーポレートカード」はクレジット機能のない法人向けのETCカードで、上記の法人ETCカードと同様に、高速情報協同組合などが取り扱います。「大口・多頻度割引」があるため、運送業をはじめとする大口の利用に向いている点が特徴的です。また、曜日や時間帯に応じた割引制度もあります。
一方、ETCマイレージサービスへの登録ができない点や、利用できるのはETCカードに記載された車のみといった制限がデメリットに挙げられるでしょう。
ETCコーポレートカード発行には、通常、出資金やカード発行手数料、年会費がかかります。また、保証金の支払いが必要な場合もあります。
法人がETCカードを作るメリット
法人がETCカードを作るメリットは、主に次の3つです。
- 経費精算の効率化
- ETCカードの利用で有料道路の利用料金が安くなる場合も
- 利用額に応じてポイント還元がある
以下より、順番に解説していきます。
経費精算の効率化
ETCカードを作ることで交通費の立て替えが不要になるため、社員の負担軽減および経理部門の業務削減につながります。またカード会社などが発行する利用明細に「いつ、どこで、いくら利用したのか」が記載されているため、一目で確認ができて経費処理が効率化できるのもメリットです。
交通費の経費精算に関して、詳しくは以下の記事をご覧ください。
ETCカードの利用で有料道路の利用料金が安くなる場合も
ETCカードの利用によって、休日や深夜、平日の朝と夕方などに最大30%の割引を受けられることがあります。
ただしETCコーポレートカード以外の法人ETCカードにおける「平日朝夕割引」は、ETCマイレージサービスに登録している場合のみである点に注意しましょう。
利用額に応じてポイント還元がある
法人ETCカードはETCマイレージサービスによって、利用額に応じたポイント還元があることがメリットの1つです。ただし、ETCコーポレートカードはETCマイレージサービスへの登録ができないため、上記のポイントは付きません。
さらにクレジット機能付き法人ETCカードの場合、カードのポイント還元サービスと合わせてダブルでポイント還元を受けられるためお得です。
法人向けETCカードの選び方
法人向けETCカードを選ぶ際には、以下のポイントをチェックするのがおすすめです。
- 発行手数料・年会費
- 複数枚発行できるか
- 与信審査の厳しさ
1つずつ解説していきます。
発行手数料・年会費
法人向けのETCカードの多くは、発行手数料や年会費などがかかります。これらの費用を抑えたい場合、それぞれの発行手数料や年会費などを比較することがおすすめです。
複数枚のカードを作ろうとしている場合は、費用が1枚ずつかかるのか、枚数にかかわらず一律でかかるのかも確認しておきましょう。
複数枚発行できるか
ETCカードが複数枚必要な場合、それが可能かどうかもチェックする必要があります。個人事業主で今後も必要枚数が増える可能性がない場合を除き、ある程度余裕を持った枚数を検討しておくと安心です。
法人カード1枚につきETCカードを発行できる枚数は、カード会社によって異なります。そのため、法人カードを複数枚持つことで、必要な数のETCカードを確保することが可能です。
法人カードを複数枚持つメリットや注意点については、下記記事で解説しています。
与信審査の厳しさ
クレジット機能付き法人ETCカードは、与信審査に通らないと発行できません。そのためクレジット機能付きのタイプの発行を検討している場合は、候補に挙げている法人ETCカードの与信審査の厳しさを調べておきましょう。
創業から間もない会社などで与信審査に通らない可能性が高い場合は、与信審査が不要なクレジット機能なしのETCカードを作るのが無難でしょう。
法人向けETCカードを作る方法
法人向けETCカードの作り方は、現在法人カードを保有しているか否かで異なります。ここでは、既に法人カードを契約しておりそのカードがETCカードサービスを提供しているケースと、新しく法人カードを契約するケースに分けて解説します。
契約している法人カードがETCカードサービスを提供している場合
既に保有している法人カードの付帯サービスとしてETCカードを発行できる場合は、簡単な申込み手続きで法人向けETCカードを発行できます。
ETCカードの発行に手数料がかかったり、ポイント還元率が低かったりするなどデメリットが気になる場合もあるかもしれません。その場合は、ETCカードを発行する前にクレジットカード自体を見直してみることをおすすめします。
新規で契約する場合
新規で法人カードとETCカードを契約する場合、自社にとってメリットが大きいカードを自由に選ぶことが可能です。
しかし新たにクレジット機能付きのETCカードを発行する場合、与信審査を受けなければならない点に注意が必要です。与信審査に通る見込みが低く、クレジット機能の必要性が高くない場合は、クレジット機能なしの法人用のETCカードを作るとよいでしょう。
メリットの多い法人向けETCカードを活用しよう
法人向けETCカードは、有料道路料金の割引やポイント還元などのメリットがあるだけでなく、経理精算の効率化にも役立ちます。この機会にぜひ、法人向けETCカードの発行を検討してみてはいかがでしょうか。
法人向けETCカードは主に3種類あるため、それぞれの特徴やメリットなどを考慮して、利用しやすいタイプを選択しましょう。
よくある質問
法人向けのETCカードとは?
法人を対象としたETCカードのことです。既に保有している法人カードにETCカードサービスを付帯するか、法人カード自体を新たに発行して作ります。 詳しくはこちらをご覧ください。
法人がETCカードを作るメリットは?
有料道路料金の割引やポイント還元が受けられるほか、経理精算の効率化につながる点などが挙げられます。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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