- 更新日 : 2024年10月10日
法人税はクレジットカードでも納付できる!支払い方法を解説
法人税は、金融機関または税務署において現金で支払う方法や預金口座からの振替が一般的でした。しかし現在では、クレジットカードでも法人税を納付することができます。
本記事では、法人税をクレジットカードで納付する方法や、クレジットカードで納付するメリット・デメリット、クレジットカードにより支払うことのできるその他の税金について解説します。
目次
法人税をクレジットカードで納付する方法
法人税をクレジットカードで納付するためには、国税長官が指定した納付受託者のトヨタファイナンス株式会社が運営する「国税クレジットカードお支払サイト」を使用します。
クレジットカードで法人税を納付するための具体的な手順は、以下のとおりです。
- 利用にあたっての注意事項を確認して、ページ下部にある同意ボタンをクリックする
- 氏名・住所・納付する国税の税目や納付税額等、必要な納付情報を入力する
- クレジットカード情報を入力する
- 手続き内容を確認する
- 納付手続きの完了
なお、支払いの際は個人名義カードでも法人カードでも、どちらでも支払えますが、以下の国際ブランドでなければ使用できません。
- VISA
- Mastercard
- JCB
- American Express
- Diners Club
- TS CUBIC CARD
支払いは個人カードでも法人カードでも可能
クレジットカードで法人税を納付する際は、個人名義カードでも法人カードでも支払えます。
ただし、1,000万円以上納付する場合は、クレジットカード納付は利用できません。また、1,000万円未満の場合でも、納付額はクレジットカードの決済可能額までとなります。
消費税・法人市民税もクレジットカードで納付できる?
法人税だけでなく、消費税および地方消費税、法人市民税などの税金も、クレジットカードで納付できます。ただし、地方消費税や法人市民税は、地方税に分類され、国ではなく都道府県や市町村に対して納付する税金です。
そのため、「国税クレジットカードお支払サイト」ではなく、「地方税共通納税システム(eLTAX)」や、「地方税お支払サイト」を利用する必要があります。
自宅や職場のパソコンから納付する場合は「地方税共通納税システム(eLTAX)」、スマートフォンなどで納付したい場合は「地方税お支払サイト」を利用するとよいでしょう。いずれもクレジットカードを用いた電子納税が可能です。
クレジットカードで納付できる税金一覧については、後の項目でも詳しく解説しています。
クレジットカードで法人税を納付するメリット
クレジットカードで法人税を納付すると、主に以下3つのメリットが享受できます。
- 現金を引き出さなくてよい
- ポイントやマイルが貯まる
- 支払うタイミングを遅らせることができる
現金を引き出さなくてよい
現金を引き出さずに法人税を納付できることは、安全性の面でメリットとなります。
金融機関または税務署の窓口で現金納付する場合、納付額が大きくなると、多額の現金を持ち歩くことになりますが、その結果、紛失してしまったり盗難されたりするリスクが生じます。このようなリスクを軽減する意味で、クレジットカードでの納付は安全な納付方法といえます。
また、「国税クレジットカードお支払サイト」を利用すれば、外出する必要もなく、インターネットで納付手続きが完結します。
ポイントやマイルが貯まる
ポイントやマイルが貯まることも、クレジットカードで納付することのメリットです。納税額が大きくなると、0.5%や1%のポイント還元でも大きな金額になりますので、還元率の高いカードをうまく活用しましょう。
支払うタイミングを遅らせることができる
これは、クレジットカードの特長でもありますが、クレジットカードで税金を納付することで支払いのタイミングを遅らせることができます。
現金や預金口座からの振替により納付する場合、納付日に支払を行うことになるのに対して、クレジットカードの場合には、納付日から引き落としまで1ヶ月から2ヶ月程度のタイムラグが生じるため、支払いのタイミングを遅らせることができます。資金繰りに困っている場合には、手元資金に余裕ができることが1つのメリットとなります。
クレジットカードで法人税を納付するデメリット
クレジットカードでの納付は便利な反面、意識しておきたいデメリットもあります。
- 手数料がかかる
- 領収書が発行されない
- 支払上限額がある
手数料がかかる
クレジットカードで税金を納付する場合、納付税額に応じて決済手数料がかかります。なぜ決済手数料が必要なのでしょうか。
国税庁は決済手数料が必要な理由について、以下のように回答しています。
納付受託者が国へ納付した後、利用者から代金が支払われるまでの間、一定のタイムラグが生じることとなり、納付受託者は貸倒リスクを負う一方、利用者は納付繰り延べなどの利益を得ることとなります。
決済手数料は、このような納付受託者のリスクや利用者自身が享受する利益に対して納付受託者が決定しているものであることから、利用者自身がご負担していただく必要があります。
上記の理由から、クレジットカードで納付すると手数料がかかります。ただし、ポイント還元等の特典が受けられることを考慮すると、決済手数料は決して高いものではありません。仮に還元率1%の法人カードを使用した場合、10,000円では100円のポイント還元が、50,000円では500円のポイント還元が受けられます。
納付税額に必要な決済手数料は次のとおりです。
※以降も同様に10,000円ごとに手数料が加算されます。
領収書が発行されない
クレジットカードで納付を行う場合、領収書が発行されません。クレジットカードの取引自体が「信用取引」であり、代金のやりとりが正式に終了していない段階では領収書の発行ができないためです。経理処理の際には、「クレジットカード売上票」や「カードの利用明細」を証票として利用しましょう。どうしても領収書が必要な場合は、金融機関や税務署の窓口で納付する必要があります。
支払上限額がある
クレジットカードで納付を行う場合は、支払える上限額は1,000万円未満までと定められています。そのため、1,000万円以上の国税を納付する場合は、現金や預金口座からの振替により納付を行う必要があります。また、支払い限度額は契約しているカードの設定にも準じます。
他にもクレジットカードで納付できる税金はある?
法人税以外にも、以下の税金をクレジットカードで納付することができます。
- 申告所得税及び復興特別所得税
- 消費税及び地方消費税
- 相続税
- 贈与税
- 源泉所得税及び復興特別所得税(告知分)
- 源泉所得税(告知分)
- 申告所得税
- 復興特別法人税(連結納税)
- 消費税
- 酒税
- たばこ税
- たばこ税及びたばこ特別税
- 石油税
- 石油石炭税
- 電源開発促進税
- 揮発油税及び地方道路税
- 揮発油税及び地方揮発油税
- 石油ガス税
- 航空機燃料税
- 登録免許税(告知分)
- 自動車重量税(告知分)
- 印紙税
- 国際観光旅客税
- 国際観光旅客税(告知分)
また、自治体によっては、固定資産税や個人事業税等も支払える場合があります。詳しくは自治体のホームページ等でご確認ください。
法人税は法人カードで納付しよう
法人税は、クレジットカードで納付できます。クレジットカードで納付すると、ポイントやマイルが貯まるだけでなく、現金支払いよりも支払うタイミングを遅くできるというメリットがあります。ただし、1,000万円以上の法人税は、クレジットカードで納付できないので注意が必要です。
法人税をカードで納付する際は、カードの利用限度額に準じられます。そのため、利用限度額が高く設定できる法人カードで納付することをおすすめします。また、通常業務で忙しい人こそ、窓口へ行かずにインターネットで完結できるクレジットカード納付を始めてはいかがでしょうか。
よくある質問
法人税はクレジットカードで支払えますか?
払えます。法人税をクレジットカードで納付するためには、国税長官が指定した納付受託者のトヨタファイナンス株式会社が運営する「国税クレジットカードお支払サイト」を使用します。詳しくはこちらをご覧ください。
法人税をクレジットカードで支払うメリットはありますか?
ポイント・マイルが貯まる、支払うタイミングを遅らせることができる等のメリットがあります。カードで法人税を納付すると、引き落としまでにタイムラグがあるため、現金で支払う場合と比べて約1ヶ月の猶予ができます。 詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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