• 更新日 : 2024年5月30日

法人カード利用時の領収書は必要?経費精算に使える証憑を解説

法人カードを使って決済を行う場合には、支払いを証明するために領収書は特に不要です。この記事では、法人カードを利用することでどのようなメリットがあるのか、また別に提出する書類があるのかについて解説します。税務調査で指摘を受けないためのポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

法人カードで決済したとき受領する領収書は支払を証するものではない

法人カードを使って決済するときは、基本的には決済の証憑として領収書の受領がなくても問題ありません。クレジットカードの決済は、その場で現金が動くのではなく後で支払いが行われる「信用取引」のため、決済の証憑としてお金のやりとりを証明する領収書ではないからです。

しかしながら、いつ、どのような経費が発生したかが書かれたレシートや取引票は経費発生の証憑として必要です。

例えばある経費が発生した場合、基本的な会計仕訳は次のようになります。

借 方貸 方摘要
8/1会議費1,200円未払金
など
1,200円取引先〇〇社営業部A氏と打合せ
コーヒー@600×2 □駅前カフェX

この場合、法人カードを利用したとしても借方の費用を証するものは発行されたレシートなどになり(クレジット売上票も発行されたら保存しましょう)、貸方の負債を証するものが領収書やクレジットカード明細書となります。したがって、たとえ領収書がなくても、後にクレジットカードで確認ができます。

クレジットカードでの取引はすべてクレジットカード会社が発行するクレジットカード明細書(オンライン上で確認するWeb利用明細書も含む)に記録されます。

法人カード決済時に必要な書類はクレジット売上票

店舗などで法人カードを使ってクレジット決済をしたときには、「クレジット払い」と記載された領収書を受け取ることが一般的です。

経費処理の手続きで必要となるのは領収書ではなくクレジット売上票です。クレジット売上票と領収書をセットにしておくとより詳しい会計の資料となるので、いらないとすぐに捨ててしまうのではなく、受け取ったときは保管しておきましょう。

法人カード決済時の領収書は支払いの証憑書類ではない

クレジットカード決済をした際、領収書だけでは支払についての証憑書類とはなりません。しかし、クレジットカードの領収書は補助書類として、クレジット売上票などとともに提示することによって取引の証憑となります。クレジットカードを利用した場合に交付を受けた領収書も、証憑として保存することをおすすめします。

もし会社から何らかの事情で手書きの領収書を受け取るように指示されているときは、次のすべての項目が記載されているか確認しましょう(下記の項目はインボイス制度において、領収書をインボイスとして利用する場合を想定しています)。

  • 購入した日付
  • 購入者の名前や会社名
  • 購入金額
  • 購入した商品やサービスの内容(軽減税率の場合はその旨)
  • 税率ごとに区分して合計した対価の額および適用税率
  • 領収書を発行した会社、人、住所、登録番号

領収書をインボイスとして受け取ったらすぐに上記の項目がすべて記載されているか確認し、不備があるときは再発行を依頼しましょう。

参考:インボイス制度に関する情報ガイド|国税庁インボイス制度への事前準備の基本項目チェックシート

法人カードで経費精算の効率が上がる場合も

法人カードを利用することにはさまざまなメリットがあります。その中でも経費精算に関わるメリットとしては、次の点が挙げられます。

  • 経費の立替が発生しなくなる
  • 会計ソフトと自動連携がしやすい
  • 経費の透明性が高まる

それぞれの点について解説します。

経費の立替が発生しなくなる

法人カードを使わない場合、経費処理には次の工程が必要です。

  1. 社員による立替
  2. 社員が経理担当者に申告
  3. 経理担当者が領収書などを審査
  4. 社員への立替分の支払い

しかし、法人カードを使ってクレジット決済をすれば、これらの工程のうち、1や4は不要になります。また、経費処理の工程がシンプルになることで、次のようなメリットもあります。

  • 立替金を社員に払った・払っていないのトラブルがなくなる
  • 社員が立替を申告する手間がなくなる
  • 経理担当者の審査・支払い作業がなくなる

ただし、社内で法人カードの利用ルールが設けられている場合にはよく確認して利用しましょう。

会計ソフトと自動連携がしやすい

クレジットカードの利用明細と会計ソフトを連携すれば、より会計処理がシンプルになります。Web明細に対応している法人カードであれば、会計ソフトとも自動連携できることが多く、手間をかけずに経理の簡便化を実現できます。

マネーフォワード ビジネスカードなら、マネーフォワード クラウドで経費を見える化できて便利です。また、会計ソフトに連携することでカードごとの仕訳ルールが適用され、入力の手間なしに仕訳候補を自動で作成します。

経費の透明性が高まる

法人カードですべての経費の支払いを行うと、クレジットカードの利用明細ひとつで経費をまとめて確認できるようになります。種類の異なる経費であっても同一のフォーマットで確認できるため、税務調査のときにも経費関連の資料を見やすい状態で提出でき、経費の透明性が高まるでしょう。

ただし、あくまで法人カードの利用明細は「決済内容を確認」するためのものなので、利用、購入した場合のレシートなどは必ず保存し、経理の求めに応じて提出等するようにしましょう。

また、社員や役員に法人カードを渡している場合は、だれが、いつ、何に、いくら使ったかを確認することが可能です。使途不明金を減らせることでも、経費の透明性が高まります。

法人カードでの経費精算時に注意したいポイント

法人カードを経費精算に用いることで経費処理がシンプルになるだけでなく、経費の透明性が高まり、より健全な経営を実現することができます。次の2点に注意して、法人カードを上手に活用していきましょう。

  • 二重計上に気をつける
  • 証憑書類をきちんと保管しておく

正しく経費処理することで、会計監査や税務調査にも慌てずに対応できます。それぞれのポイントについてわかりやすく解説します。

なお、証憑書類を電子データとして取得する場合には、原則として電子帳簿保存法にしたがって保存しましょう。

二重計上に気をつける

領収書とクレジット売上票を別々に管理していると、別の経費だと間違えて経費処理してしまい、二重計上が生じるリスクがあります。領収書はあくまでもクレジット売上票の補助書類のため保管する必要はありませんが、両方保管するときはホチキスなどでまとめ、同じ会計に関する書類であることが一目でわかるようにしておきましょう。

二重計上のリスクを回避したい場合には、クレジットカード会社で発行するクレジットカード明細書(もしくはWeb利用明細書)と照らし合わせて、クレジット売上票や領収書が同じ会計を指していないか確認することで、二重計上のないように管理できます。

また、毎月のカード決済日における引き落とし内容に問題がないかチェックしやすいように、カード単位で処理をしたり、カード利用者との連絡方法などを工夫したりしておきましょう。

証憑書類をきちんと保管しておく

クレジット売上票などの証憑書類は、正しく保管することで、税務調査にも備えられます。紛失しないように適切に管理しておくことが大切です。

また、誤ってクレジット売上票を破棄し、領収書を残すことがないよう、法人カードを受け取っている従業員・役員に「原則として店舗などから発行されたものは保存すること」を今一度周知しておきましょう。

法人カードで経費精算の簡便化を目指そう

法人カードを使うことで経費精算を簡便化できます。従業員に経費を立て替えてもらうことがなくなるだけでなく、経理担当者への立替金の支払い業務もなくなり、従業員の負担を軽減することが可能です。

また、クレジットカードを使ったときに受け取るクレジット売上票は、証憑書類として必要な書類のため、正しく管理して経理の透明化を目指しましょう。クレジットカード決済時の領収書は、クレジット売上票の補助書類として使えることがあります。二重計上しないように、クレジット売上票とセットにして、ホチキスなどでまとめておきましょう。

よくある質問

経費の支払いを法人カードで行った際、領収書は保管しておくべきですか?

法人カード利用による領収書は支払いの証憑として保管の必要はありません。クレジット売上票のみ、あるいはクレジット売上票と領収書をセットで保管することが必要です。詳しくはこちらをご覧ください。

経費の支払いを法人カードで行うメリットはありますか?

社員に経費を立て替えてもらう必要がなくなること、経理が審査・立替金の支払いをする必要もなくなって業務がスムーズに進むこと、会計ソフトと連携するとさらに会計処理が簡単になることなどのメリットがあります。詳しくはこちらをご覧ください。


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