• 作成日 : 2022年8月26日

法人カードなら領収書は基本的に不要!経費精算の効率は上がる?

法人カードなら領収書は基本的に不要!経費精算の効率は上がる?

法人カードを使って決済を行う場合には、基本的には領収書なしに経費精算ができます。領収書がいらないことでどのようなメリットがあるのか、また別に提出する書類があるのかについて解説します。税務調査で指摘を受けないためのポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

広告

法人カードで決済したときの経費精算に領収書は基本的に不要

法人カードを使って決済するときは、基本的には領収書を発行してもらう必要はありません。クレジットカードの決済は、その場で現金が動くのではなく後で支払いが行われる「信用取引」のため、お金のやりとりを証明する領収書は不要となります。

また、クレジットカードでの取引はすべてクレジットカード会社が発行するクレジットカード明細書(オンライン上で確認するWeb利用明細書も含む)に記録されるため、領収書を受け取っていなくても経費精算をすることが可能です。

法人カード決済時に必要な書類はクレジット売上票

店舗などで法人カードを使ってクレジット決済をしたときには、「クレジット払い」と記載された領収書を受け取ることが一般的です。しかし、この「クレジット払い」と記載された領収書は正式な会計処理では認められない書類のため、注意しましょう。

経費処理の手続きで必要となるのは領収書ではなくクレジット売上票です。クレジット売上票と領収書をセットにしておくとより詳しい会計の資料となるので、いらないとすぐに捨ててしまうのではなく、受け取ったときは保管しておきましょう。

法人カード決済時の領収書は証憑書類にならない

クレジットカード決済をした際の領収書は、証憑書類とはなりません。クレジットカードの領収書はあくまでも補助書類としての位置づけのため、税務調査や確定申告の際に提出を要求されるケースはほぼないと考えられます。

ただし、レジから発行される領収書には「クレジット払い」と記載されるため、補助書類として使えない場合もあります。もし会社から何らかの事情で手書きの領収書を受け取るように指示されているときは、次のすべての項目が記載されているか確認しておきましょう。

  • 購入した日付
  • 購入者の名前や会社名
  • 購入金額
  • 購入した商品やサービスの内容
  • 但し書き
  • 領収書を発行した会社、人、住所

領収書を受け取ったらすぐに上記の項目がすべて記載されているか確認し、不備があるときは再発行を依頼しましょう。

法人カードで経費精算の効率が上がる場合も

法人カードを利用することにはさまざまなメリットがあります。その中でも経費精算に関わるメリットとしては、次の点が挙げられます。

  • 経費の立替が発生しなくなる
  • 会計ソフトと自動連携がしやすい
  • 経費の透明性が高まる

それぞれの点について解説します。

経費の立替が発生しなくなる

法人カードを使わない場合、経費処理には次の工程が必要です。

  1. 社員による立替
  2. 社員が経理担当者に申告
  3. 経理担当者が領収書などを審査
  4. 社員への立替分の支払い

しかし、法人カードを使ってクレジット決済をすれば、これらの工程はすべて不要になります。また、経費処理の工程がシンプルになることで、次のようなメリットもあります。

  • 立替金を社員に払った・払っていないのトラブルがなくなる
  • 社員が立替を申告する手間がなくなる
  • 経理担当者の審査・支払い作業がなくなる

会計ソフトと自動連携がしやすい

クレジットカードの利用明細と会計ソフトを連携すれば、より会計処理がシンプルになります。Web明細に対応している法人カードであれば、会計ソフトとも自動連携できることが多く、手間をかけずに経理の簡便化を実現できます。

マネーフォワード ビジネスカードなら、マネーフォワード クラウドで経費を見える化できて便利です。また、会計ソフトに連携することでカードごとの仕訳ルールが適用され、入力の手間なしに仕訳候補を自動で作成します。

経費の透明性が高まる

法人カードですべての経費の支払いを行うと、クレジットカードの利用明細ひとつで経費をまとめて確認できるようになります。税務調査のときにも経費関連の資料を見やすい状態で提出でき、経費の透明性が高まるでしょう。

また、社員や役員に法人カードを渡している場合も、だれが、いつ、何に、いくら使ったかをシンプルに確認することが可能です。使途不明金を減らせることでも、経費の透明性が高まります。

広告
   

法人カードでの経費精算時に注意したいポイント

法人カードを経費精算に用いることで経費処理がシンプルになるだけでなく、経費の透明性が高まり、より健全な経営を実現することができます。次の2点に注意して、法人カードを上手に活用していきましょう。

  • 二重計上に気をつける
  • 証憑書類をきちんと保管しておく

正しく経費精算、経費処理することで、税務調査に備えることができます。それぞれのポイントについてわかりやすく解説します。

二重計上に気をつける

領収書とクレジット売上票を別々に管理していると、別の会計だと間違えて経費処理してしまい、二重計上が生じるリスクがあります。領収書はあくまでもクレジット売上票の補助書類のため保管する必要はありませんが、両方保管するときはホチキスなどでまとめ、同じ会計に関する書類であることが一目でわかるようにしておきましょう。

二重計上のリスクを回避したい場合には、クレジットカード決済時の領収書は破棄し、クレジット売上票のみ保管するという方法もあります。また、クレジットカード会社で発行するクレジットカード明細書(もしくはWeb利用明細書)と照らし合わせて、クレジット売上票や領収書が同じ会計を指していないか確認することでも、二重計上のないように管理することが可能です。

証憑書類をきちんと保管しておく

クレジット売上票などの証憑書類は、正しく保管することで、税務調査にも備えられます。紛失しないように適切に管理しておくことが大切です。

また、誤ってクレジット売上票を破棄し、領収書を残すことがないよう、法人カードを受け取っている従業員・役員に今一度周知しておきましょう。

法人カードで経費精算の簡便化を目指そう

法人カードを使うことで経費精算を簡便化できます。従業員に経費を立て替えてもらうことがなくなるだけでなく、経理担当者の審査業務や立替金の支払い業務もなくなり、従業員の負担を軽減することが可能です。

また、クレジットカードを使ったときに受け取るクレジット売上票は、証憑書類として必要な書類のため、正しく管理して経理の透明化を目指しましょう。クレジットカード決済時の領収書は、クレジット売上票の補助書類として使えることがあります。二重計上しないように、クレジット売上票とセットにして、ホチキスなどでまとめておきましょう。

広告

よくある質問

経費の支払いを法人カードで行った際、領収書は保管しておくべきですか?

領収書は基本的には保管の必要はありません。クレジット売上票のみ、あるいはクレジット売上票と領収書をセットで保管することが必要です。詳しくはこちらをご覧ください。

経費の支払いを法人カードで行うメリットはありますか?

社員に経費を立て替えてもらう必要がなくなること、経理が審査・立替金の支払いをする必要もなくなって業務がスムーズに進むこと、会計ソフトと連携するとさらに会計処理が簡単になることなどのメリットがあります。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:金子賢司(CFP)

東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。

関連記事