- 更新日 : 2025年1月9日
法人カードを持つメリットは?デメリットや選び方も解説
法人カードを契約するメリットには、ガバナンス強化につながる、経費精算の手間が削減できる、ポイントやマイルの還元を受けられることなどが挙げられます。さらに付帯サービスや付帯保険が使えることや、キャッシュフローにゆとりが生まれることも利点です。
今回は法人カードを持つメリットやデメリットに加え、選び方のポイントも解説します。
目次
メリットが多い法人カード
法人カードとは、会社や個人事業主など、法人格を問わず申込みが可能なクレジットカードを指します。法人カードという名称であるものの、個人事業主も申込みができるのが利点です。
法人カードは、一般的に中小企業など利用者数が20名以下の場合は「ビジネスカード」、20名を超える大手企業の場合は「コーポレートカード」といわれます。
法人カードのメリットは大きく5つ
法人カードのメリットとして挙げられるのは、大きく以下の5つです。
- ガバナンス強化につながる
- 経費精算の手間を削減できる
- ポイントやマイルの還元がある
- 付帯サービスや付帯保険が使える
- キャッシュフローにゆとりができる
それぞれの内容を解説していきます。
ガバナンス強化につながる
法人カードを導入することによって、ガバナンス強化につながります。会社と個人の支払いを明確に分けることが可能になり、経費を何にどのくらい使っているのか、すべて可視化できるようになるでしょう。
その結果、社員による不適切な利用や不要な経費を削減でき、ひいては社内の管理体制の強化が実現します。
経費精算の手間を削減できる
法人カードで経費の支払いをすることで、仮払いや立替払いなどが不要になり、経費精算の手間が削減できます。また、法人カードで経費の清算を行うと、毎月の経費をまとめて明細書で確認でき、そのまま経費精算システムに取り込めるため会計処理の効率化も見込めるのです。
さらに、現金の受け渡しが不要になるため、盗難や紛失などのリスクを抑えられるほか、現金を引き出すために銀行に出かける必要性がなくなります。
ポイントやマイルの還元がある
法人カードで経費の支払いをすると、利用額に応じてポイントやマイルの還元を受けられるのも利点です。たとえば水道やガスといった公共料金や通信費のほか、設備費や出張費、事務用品などの支払いでも、ポイントやマイルの還元があります。
貯まったポイントをオフィスで使う消耗品やギフトカードと交換すれば、経費削減にもつながるでしょう。
法人カードのポイントが貯まりやすくなる工夫について、詳しくは以下の記事で解説しています。
付帯サービスや付帯保険が使える
法人カードには、ビジネスに役立つ付帯サービスや付帯保険がついていることもあるため、自社が必要とする目的を満たす法人カードを選ぶことをおすすめします。
空港ラウンジが利用できるプライオリティパスやコンシェルジュサービスが使える法人カードのほか、旅行保険が付帯されている法人カードもあります。
付帯サービスの種類については、以下の記事で詳しく解説しています。
キャッシュフローにゆとりができる
法人カードで経費を決済すると、実際の支払日を2ヶ月後に設定するといったように、時間的な猶予が生まれることもメリットです。それによって会社名義の銀行口座にお金を残しておくことができるため、キャッシュフローが安定します。
また現金の場合は基本的に一括払いですが、法人カードの支払いであれば分割払いやリボ払いなどを選択できることもあるため、資金的に苦しい場合に役立つでしょう。
法人カードのデメリットは?
法人カードのデメリットは、主に次の2つです。
- 年会費がかかるものが多い
- 審査に通らない場合もある
1つずつ見ていきましょう。
年会費がかかるものが多い
法人カードのデメリットとして、年会費がかかるものが多い点が挙げられます。初年度が年会費無料の法人カードであっても、翌年からは年会費がかかるタイプが主流であり、年会費が永年無料の法人カードは少ないことが特徴です。
法人カードの年会費は経費として計上できるとはいえ、少しでも費用を抑えたい場合には年会費がかかることがデメリットとなる可能性があります。
審査に通らない場合もある
審査が厳しい法人カードもあるため、申込みをしても審査に通らず、カードを作れない場合があることもデメリットといえます。法人カードは代表者の本人確認書類以外に、登記簿謄本や印鑑証明書などの法人書類が必要とされるケースが多いことにも注意しましょう。
なお法人カードは、以前はリボ払いや分割払いができないことがデメリットとして挙げられていましたが、現在はそれらに対応しているものが増えつつあります。
法人カードの種類別のメリット・デメリット
法人カードは、大企業向けの「コーポレートカード」と、中小企業・個人事業主向けの「ビジネスカード」の2種類に分けられます。法人カードの種類別のメリット・デメリットも把握しておきましょう。
ビジネスカードのメリット・デメリット
ビジネスカードのメリットは2つあります。
- 法人カードの中で年会費の負担が比較的少ない
- 設立直後の法人や個人事業主でも審査に通りやすい
前述のとおり、法人カードは年会費が発生するカードが一般的です。法人カードの中でも、中小企業や個人事業主をターゲットとしているビジネスカードは、年会費が比較的低い傾向にあります。年会費が安い法人カードをお探しの場合は、ビジネスカードの中から選ぶとよいでしょう。
またビジネスカードは、コーポレートカードと比べて審査に通りやすいと言われています。設立後間もない企業や、個人事業主・フリーランスとして働いている方は、ビジネスカードを申し込むことをおすすめします。
一方、ビジネスカードにはデメリットも2つあります。
- 法人カードの中で利用限度額が比較的低い
- 追加カードの発行枚数に制限があることが多い
ビジネスカードは年会費の負担が比較的少ない一方で、毎月の利用限度額が低めに設定されています。そのため、大規模な仕入れや経費の支払いに法人カードを利用したい方の場合、ビジネスカードでは不便に感じる可能性があります。
またビジネスカードは、コーポレートカードと比べて、追加カードの発行枚数が少ないのもデメリットです。法人カードを配布したい社員の人数に合わせて、ビジネスカードかコーポレートカードかを選択しましょう。
コーポレートカードのメリット・デメリット
コーポレートカードのメリットは2つあります。
- 追加カードの発行枚数に余裕がある
- 個人決済型のカードも選べる
コーポレートカードは、ビジネスカードよりも追加カードの発行枚数に余裕があるため、中堅企業や大企業に適した法人カードです。目安として、法人カードの利用者が20名を超える場合はコーポレートカード、20名以下の場合はビジネスカードを選ぶとよいでしょう。
またコーポレートカードは、引き落とし口座に社員(カード名義人)の個人口座を指定する「個人決済型」のカードも選べます。個人決済型のカードなら、プライベートな支払いにも利用できるため、福利厚生の一環としてコーポレートカードを導入する企業も見られます。
一方、コーポレートカードのデメリットは、ポイント制度や付帯サービスがない可能性が考えられることです。
コーポレートカードには、仕入れや購買専用の「パーチェシングカード」と呼ばれる種類があります。パーチェシングカードは、法人や部署の名義でカードを発行でき、高額な経費の支払いにも対応できるカードです。
しかし、パーチェシングカードには、ポイント制度や付帯サービスがないことが一般的です。コーポレートカードの中には、ポイントやマイルを貯められないカードがあることを知っておきましょう。
法人カードを選ぶ際にチェックしておきたい点は?
法人カードを選ぶ際にチェックしておきたい点は、次の4つです。
- 追加カードの発行上限枚数
- 利用限度額
- 年会費
- 付帯サービス
従業員用に発行できる追加カードの枚数は、法人カードごとに異なります。追加カードの発行の際に別途料金がかかるケースもあるため、事前に調べておきましょう。また法人カードで利用する金額を想定し、必要な限度額を申請できる法人カードを選択することで、目的に合った使い方ができるでしょう。
そのほか法人カードには、年会費無料のものから高額なものまで幅広く存在するため、自社に合ったタイプを選ぶことをおすすめします。さらに、法人カードに付帯している各種サービスの内容も、チェックしておきたい項目の1つです。必要性の高い付帯サービスがついた法人カードを選定することをおすすめします。
法人カードの選び方について、詳しくは以下の記事で解説しています。
法人カードのメリットを知って有効に活用しよう
法人カードのメリットには、ガバナンス強化につながる、経費精算の手間が削減できる、ポイントやマイルの還元を受けられることなどが挙げられます。さらに付帯サービスや付帯保険が使える点や、キャッシュフローにゆとりが生まれる点も見逃せません。
また法人カードを選ぶ際には、追加カードの発行上限枚数や利用限度額、年会費をチェックし、自社の目的に合った1枚を選ぶことをおすすめします。法人カードのメリットを知って、ビジネスに有効に活用しましょう。
よくある質問
法人カードを利用するメリットは何ですか?
ガバナンス強化につながる、経費精算の手間が削減できる、ポイントやマイルの還元を受けられることなどがメリットとして挙げられます。詳しくはこちらをご覧ください。
法人カードを利用する上でのデメリットはありますか?
年会費がかかる法人カードが多いことや、法人カードを作る際に審査に通らない場合もあることがデメリットといえます。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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