- 更新日 : 2024年5月30日
法人向けガソリンカードのメリットや選び方を解説
法人向けガソリンカードとは、ガソリン代の支払いを目的とした法人向けのクレジットカードのことです。お得に給油できるため、特に社用車の利用が多い方は持っておくとよいでしょう。
自社に合ったカードを選べるように、選び方のポイントを知っておくと安心です。本記事では、法人向けガソリンカードの特徴やメリット・デメリットなどを解説します。
目次
法人向けガソリンカードとは
法人向けガソリンカードとは、ガソリンスタンドで給油する際の支払いに利用できる法人向けのクレジットカードのことです。法人や個人事業主向けに、クレジットカード会社と石油元売り会社が提携して発行しています。
法人向けガソリンカードのメリットは、ガソリン代に割引が適用されることです。ガソリン代の支払い専用として持っておくと、経費精算の効率化にもつながるでしょう。
法人向けガソリンカードは、クレジット機能が付帯しているタイプと付帯していないタイプの2種類に分かれます。クレジット機能が付帯しているタイプは、ガソリン代以外のさまざまな支払いに使えます。
一方、クレジット機能が付帯していないタイプは、特定のガソリンスタンドでしか利用できません。
法人向けクレジットカードとの違いは?
法人向けクレジットカード(法人カード)とは、事業における支払いを前提としたクレジットカードのことです。法人や個人事業主を対象としており、一般的には入会審査が設けられています。
法人カードは、ビジネスに関する特典が充実しているのが特徴です。経費の支払いに応じてポイントが還元されたり、経営コンサルティングを紹介してもらえたりと、さまざまな付帯サービスを利用できます。
法人向けガソリンカードのメリット
法人向けガソリンカードのメリットは、ガソリン代の削減や経費処理の効率化などです。ここでは、法人向けガソリンカードを利用するメリットについて解説します。
ガソリン代がお得になる
法人向けガソリンカードを使うと会員特典が適用され、値引き価格で給油できます。ただし、ガソリン代がお得になる特典はカード会社によってさまざまです。
例えば、契約時にガソリンの購入価格が固定されるタイプや、利用額に応じてキャッシュバックやポイント還元が受けられるタイプなどがあります。ガソリン代の支払いに特化していることから、一般的な法人カードと比較するとポイント還元率が高めに設定されていることが多いです。
経費処理の効率が上がる
従業員に法人向けガソリンカードを持たせておくと、経費処理の効率化が期待できます。給油する度に従業員がガソリン代を立て替えると、経費精算が複雑になるでしょう。法人向けガソリンカードがあれば、従業員が立替払いをする必要がなくなり、経費処理が簡単になります。
年会費が無料であるケースが多い
法人向けガソリンカードは年会費がかからないことが多いです。年会費が発生する場合でも、金額が低めに設定されている傾向があります。
年会費が無料の場合は、追加カードも無料で発行可能です。多くの従業員に法人向けガソリンカードを持たせたい場合は、年会費がかからないカードを選ぶのがおすすめです。
クレジット機能つきのカードならどこでも使える
法人向けガソリンカードには、クレジット機能つきとクレジット機能なしの2種類があります。クレジット機能なしはガソリンスタンドのみで使えるカードです。
一方で、クレジット機能つきは国際ブランド加盟店での支払いに対応しているため、様々な支払いに使えます。
不正利用のリスクを抑えられる
法人向けガソリンカードによっては、「ガソリン代の支払いにしか使えない」などの設定が可能です。支払いの用途を制限しておくと、ガソリン代以外の支払いに使われる心配がなくなるでしょう。
また、法人向けガソリンカードは車両限定となっていることがほとんどです。車両限定とは、カード券面に車両番号が記載されており、その車両番号と一致する車にしか給油できない仕組みのことです。
車両限定の場合、法人向けガソリンカードを自家用車のガソリン代に不正利用するなどのリスクを防止できます。
法人向けガソリンカードのデメリット
法人向けガソリンカードには、メリットがある一方でデメリットも存在します。
年会費がかかるものがある
法人向けガソリンカードは年会費無料のものが多いです。しかし、なかには年会費が発生するカードもあります。追加カードにも年会費がかかることがあるため、場合によってはカードを所有するためのコストが大きくなるでしょう。
ただし、ガソリン代の割引率などを考慮すると、年会費無料よりも年会費ありのほうがお得になることもあります。年会費の有無を含めて、その他の条件も考慮して総合的にお得なカードを選ぶのがおすすめです。
社内で利用規定を設けたほうがよい
車両限定であっても、カードの使い道を給油のみに限定しても、不正利用のリスクが完全になくなるわけではありません。例えば、セルフスタンドは自社の従業員が自ら給油するため、カード券面に記載された車両番号以外の車でも使えます。
本来の用途以外の利用を防ぐためには、社内で利用規定を設けて周知すべきです。また、不正利用がないかを定期的にチェックしたり、ルール違反に対する罰則を決めたりすることも大切です。
給油単価が高くなる可能性がある
法人向けガソリンカードによっては、契約価格として契約時に給油単価が固定されます。契約価格はどの地域でも適用されるため、給油単価の相場が高いエリアではお得に給油できるでしょう。
一方で、店頭価格が安くても契約価格でしか給油できないため、場合によっては給油単価が高くなる可能性があります。
法人向けガソリンカードを選ぶ際にチェックしたいこと
法人向けガソリンカードを選ぶ際は、確認すべきポイントがいくつかあります。自分に合ったカードを選べるように、主なチェック項目を押さえておきましょう。
利用できるガソリンスタンド
法人向けガソリンカードは、割引対象のガソリンスタンドが指定されているのが一般的です。対象外のガソリンスタンドで利用した場合、値引き価格で給油できなかったり、ポイント還元を受けられなかったりする可能性があります。
また、クレジット機能なしの法人向けガソリンカードは、利用できるガソリンスタンドが限定されている点に注意しましょう。カードの発行を申し込む前に、「割引の適用対象か」「日常的に利用するガソリンスタンドで使えるか」を確かめておくことが大切です。
ガソリン代の割引率・キャッシュバック率
ガソリン代の割引率やキャッシュバック率は、カード会社によって異なります。法人向けガソリンカードをお得に利用するためには、各社の割引率やキャッシュバック率を比較してから申し込むのがおすすめです。
併せて、給油単価が店頭価格なのか契約価格なのかもチェックしておきましょう。店頭価格はガソリンスタンドごとに設定された価格を支払うタイプ、契約価格は給油単価が一律に設定されるタイプです。両者を比較すると、店頭価格のほうが給油単価が安い傾向にあります。
追加カードが発行できるか
従業員にも法人向けガソリンカードを持たせたい場合は、追加カードが発行できるかどうかを確認しておくべきです。また、ETCカードを導入していない場合は、ETCカードを発行できる法人向けガソリンカードを選ぶのがおすすめです。
追加カードとETCカードの発行枚数やコストの有無などは、カード会社によって異なります。カードの発行可否と併せて、「必要枚数を発行できるか」「コストは適切か」などをチェックしておきましょう。
クレジット機能がついているか
クレジット機能の有無も法人向けガソリンカードを選ぶ際のポイントです。クレジット機能つきには、「さまざまな支払いに利用できてどこでも使える」「付帯サービスが充実している」などのメリットがあります。
一方で、支払いの用途が制限されないことから、従業員による不正利用のリスクが高まる点には注意が必要です。法人向けガソリンカードとしての利便性と、不正利用に対するセキュリティのバランスを考慮し、クレジット機能が必要かどうかを考えましょう。
年会費
法人向けガソリンカードの中には、年会費がかかるカードがあります。一般的に、クレジット機能つきは年会費がかかり、クレジット機能なしは年会費無料であることが多いです。
特に追加カードを発行する場合は、メインカードと追加カードの年会費の合計を見積もり、保有コストの負担が大きくないかを確認しておきましょう。
審査
法人向けガソリンカードを発行する際は、カード会社が設ける審査基準を満たす必要があります。新興企業の代表者や独立して間もない個人事業主などは、審査に通過できるか不安を抱くことがあるでしょう。
一般的に、カードの申し込み時には審査が行われますが、法人向けガソリンカードのなかには審査なしで発行できるカードも存在します。審査に通過できるか心配な人は、審査のないカードを選択肢に加えるのがおすすめです。
社用車の利用が多い場合は法人向けガソリンカードがおすすめ
法人向けガソリンカードを利用すると、ガソリン代がお得になったり、経費処理の効率化につながったりします。クレジット機能つきを選べば、給油以外の支払いにも利用できます。
カードによっては年会費が発生するため、ガソリン代の割引率と保有コストのバランスが取れているかを考えましょう。また、利用できるガソリンスタンドや追加カードの発行可否などもチェックすべきポイントです。
法人向けガソリンカードにはさまざまなメリットがあるため、社用車の利用が多い場合は発行を検討してみてください。
よくある質問
法人向けガソリンカードとはどのようなカードですか?
法人や個人事業主向けに発行された、ガソリンスタンドで給油する際の支払いに利用できるクレジットカードのことです。詳しくはこちらをご覧ください。
法人向けガソリンカードを使うメリットは何ですか?
割引価格で給油できることや、経費処理の効率化につながることです。給油専用のカードとして従業員に持たせれば、不正利用のリスクも抑えられます。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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