- 更新日 : 2024年10月31日
コーポレートカードを使うメリットやデメリットを徹底解説!
大企業向けの法人カードであるコーポレートカードは、法人口座で決済ができることや、社員向けに追加カードを発行できることなどがメリットとして挙げられます。一方で、多くは年会費がかかることや、利用規定を定めたほうがよいことを押さえておきましょう。
今回は、コーポレートカードのメリットとデメリットを中心に詳しく解説していきます。
目次
コーポレートカードを使うメリット
コーポレートカードとは法人カードの一つで、大企業向けのクレジットカードのことです。コーポレートカードを利用するメリットとしては、以下の7点が挙げられます。
- 法人口座から引き落とせる
- 社員向けに追加カードを発行できる
- 経費を立て替える必要がなくなる
- 個人カードに比べて利用限度額が高い
- キャッシュフローの改善
- ビジネス向けの付帯サービスや保険を利用できる
- ポイントやマイルが貯まる
メリットの内容を一つずつ確認していきましょう。
法人口座から引き落とせる
個人カードは引き落としが個人名義の口座のみである一方で、コーポレートカードは会社名義の法人口座を登録し、その口座からの引き落としが可能です。経費の決済を法人口座で一括して行えるため、経理業務の効率化が期待できます。
例えば個人カードで経費を支払っている場合は、経費登録の際に明細を一つずつ見返す必要があるでしょう。また、クラウド決済やオンラインショッピングで領収書が出ない場合は、明細を参照しなければならないなど手間がかかるケースも少なくありません。
しかし、コーポレートカードの利用により法人口座からまとめて引き落としができれば、業務に関わる支払いはすべて一元化できるので便利です。さらに、会計ソフトと連携させることで、明細の自動取り込みが可能になり、使った金額を手入力する手間が省けます。
社員向けに追加カードを発行できる
コーポレートカードは代表者だけでなく、社員向けに追加カードを発行することが可能です。前述のとおり、社員の経費決済もコーポレートカードで行えるため、経費処理の効率化が図れます。また、何にいくら支払ったのかが明確になるため、不要な経費の削減にもつながるでしょう。
経費を立て替える必要がなくなる
コーポレートカードを導入することで経費を立て替える必要がなくなり、立て替え時に起こりやすい記入や計算のミスなどを減らすことができるでしょう。また、精算申請の漏れがなくなり、経理業務における効率の向上が期待できます。
精算業務がなくなるため、事務所に多額の現金を置いておく必要がなくなる点もメリットの一つです。
個人カードに比べて利用限度額が高い
コーポレートカードは、個人カードに比べて利用限度額が高い傾向にあります。オフィス用品の購入や交通費の支払いにとどまらず、税金や公共料金、広告費や販売管理費の決済などにも対応できるように設計されているといえるでしょう。
キャッシュフローの改善
コーポレートカードで経費を支払うことによって、カード利用額の引き落とし日まで手元に現金を残すことができます。それによって資金繰りが容易になり、キャッシュフローの改善が見込めるでしょう。
また、さまざまな経費をコーポレートカードで決済しておけば、毎月の決まった日にまとめて引き落とされるため、キャッシュフローが把握しやすくなるのも大きなメリットです。
ビジネス向けの付帯サービスや保険を利用できる
コーポレートカードはビジネス向けの付帯サービスや保険を利用できるものがほとんどです。空港ラウンジを利用できたり、コワーキングスペース、スポーツジムなどを割引価格で利用できたりします。これらのビジネス向けのサービスや福利厚生サービスが利用できるのも魅力です。
ポイントやマイルが貯まる
経費の支払い時に、ポイントやマイルが貯まるコーポレートカードも多くあります。出張費や交通費だけでなく、宣伝費や仕入れ代金などのまとまった出費をコーポレートカードで決済することでポイントやマイルを獲得でき、実質的に経費の削減につながります。
コーポレートカードを使うデメリット
コーポレートカードを使うデメリットとして考えられるのは、次の2点です。
- 年会費がかかる場合がほとんど
- 社内での利用規定を定めた方が良い
コーポレートカードを導入する際には、あらかじめデメリットについても認識しておくとよいでしょう。それぞれの内容を解説していきます。
年会費がかかる場合がほとんど
コーポレートカードは年会費がかかるものがほとんどです。しかし前述のとおり、ビジネス向けの付帯サービスや保険を利用できたり、ポイントやマイルを貯められたりするため、年会費以上のリターンを得られる可能性が高いといえるでしょう。
社内での利用規定を定めた方が良い
コーポレートカードで支払える範囲や累計金額をあらかじめ明確にしておけば、必要な時に迷うことなく利用できる一方で、使いすぎを抑制する効果を期待できます。
また、利用規定でコーポレートカードを使える範囲を限定することで、利用明細を確認したときに、すぐに規定外の物品やサービスの購入状況を把握しやすくなるでしょう。それにより、不正利用の早期発見に役立ちます。
コーポレートカードを比較する際にチェックすべき点
コーポレートカードを比較する際にチェックすべき点は、次のとおりです。
- 追加カードの発行上限枚数
- 利用限度額
- 付帯サービスや保険
コーポレートカード選びの際、ポイントを押さえてチェックすると効率的です。一つずつみていきましょう。
追加カードの発行上限枚数
すでにお伝えしてきたとおり、コーポレートカードは社員向けに追加でカード発行することができます。ただし、クレジットカード会社ごとに発行できるコーポレートカードの枚数が異なるため、事前に確認しておきましょう。
利用枚数を増やすと年会費が上がるカードがあったり、追加カードの管理に手間がかかったり、不正利用のリスクが上がったりするデメリットも考慮する必要があります。
利用限度額
クレジットカード会社によって利用限度額の上限が異なるため、自社が利用する金額を想定した上で、必要な利用限度額を申し込めるカードを選びましょう。
クラウド系サービスやサブスクリプション、Web広告などは、カード決済のみに対応しているケースも珍しくありません。そのため、コーポレートカードを他の用途によって利用限度額の上限まで使ってしまうと、ビジネスに支障をきたす可能性があることに注意しましょう。
付帯サービスや保険
コーポレートカードには法人向けのサービスや保険が付帯されていることが多いため、自社の利用頻度が高いサービスが付帯されているカードを選ぶとよいでしょう。
例えば出張が多い場合は、旅行傷害保険が付帯されていたり空港ラウンジが利用できたりするカード、接待が多い場合は、飲食店関連の優待特典がついているカードがおすすめです。
コーポレートカードの社内規程を決める際のポイント
コーポレートカードの使いすぎや、社員による不正利用を防ぐには、利用上のルールを明記した社内規程を定める必要があります。
ここでは、コーポレートカードの社内規程を決める際のポイントを3つ紹介します。
- 利用できる社員を決める
- 利用できる範囲を決める
- 利用時に報告書の提出を義務付ける
利用できる社員を決める
まずはコーポレートカードを利用できる社員について、社内規程に明文化しましょう。一般的な社内規程では、役員や役職者、経理担当者、その他の管理責任者が許可した人にのみ、コーポレートカードの支給を認めるケースがほとんどです。
コーポレートカードを社員全員に渡すと、「コーポレートカードで個人的な買い物をし、経費として申告する」「必要のない切符やチケットを購入し、金券ショップで現金化する」といった不正の温床になる恐れがあります。
社内規程で対象社員を限定することで、コーポレートカードの不正利用が起きにくくなり、支払内容のチェックもしやすくなります。
利用できる範囲を決める
次にコーポレートカードを利用できる範囲や、1カ月の利用限度額を決めましょう。
社員がコーポレートカードで個人的な買い物をした場合、利用代金が法人口座から不当に引き落とされるだけでなく(※会社決済型の場合)、経費精算の手間も増加します。社内規程にコーポレートカードの利用範囲や利用限度額を明記しておくことで、カードの個人利用を防止できます。
例えば、交通費・宿泊費などの経費の支払いや、業務遂行上どうしても必要な物品・サービスの購入にのみ、コーポレートカードの利用を認めるとよいでしょう。
あわせて、カードの不正利用に当たるケースや、不正利用に対する措置(罰則)を明文化しておくと、不正利用の抑止効果が働きます。
利用時に報告書の提出を義務付ける
またコーポレートカードを利用した社員に対し、すみやかに「法人カード利用報告書」の提出を義務付けましょう。カードを不正利用していないかを確認できるように、支払金額や内容が明記された添付書(領収書やレシートなど)の提出も求めるとよいでしょう。
コーポレートカード導入によるメリットを得るためにも、社内規定で正しい使い方を明文化しておくことが大切です。
コーポレートカードのメリットやデメリットを知ろう
コーポレートカードは法人カードの一つで、大企業向けのクレジットカードのことです。コーポレートカードの主なメリットは次のとおりです。
- 法人口座から引き落とせる
- 社員向けに追加カードを発行できる
- 経費を立て替える必要がなくなる
- 個人カードに比べて利用限度額が高い
- キャッシュフローの改善
- ビジネス向けの付帯サービスや保険を利用できる
- ポイントやマイルが貯まる
一方、コーポレートカードは年会費がかかることや、使いすぎや不正利用を防ぐためにも社内での利用規定を定めた方がよいことを押さえておきましょう。コーポレートカードのメリットやデメリットを知り、自社に導入するかどうかを検討しましょう。
よくある質問
コーポレートカードを利用するメリットは何ですか?
「法人口座から引き落とせる」「社員向けに追加カードを発行できる」「経費を立て替える必要がなくなる」などです。ビジネス向けの付帯サービスや保険を利用できることも魅力といえるでしょう。詳しくはこちらをご覧ください。
コーポレートカードを比較する際にチェックすべき点はありますか?
追加カードの発行上限枚数や利用限度額、カードの付帯サービスや保険などをチェックすると良いでしょう。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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