- 更新日 : 2026年1月8日
フリーランスに確定申告は必要?やり方から節税方法まで解説
会社に属さず、フリーで仕事を請け負う働き方を、フリーランスといいます。フリーランスへの支払いは原則として給与ではなく報酬として支払われるため、契約先の会社で年末調整は行われません。そのため、確定申告が必要になることがあります。
この記事では、確定申告が必要なケースと不要なケース、経費にできるもの、青色申告の説明、確定申告のやり方や必要書類など、フリーランスの確定申告に必要なことをまとめて解説します。
なお、フリーランスとして法人を設立する場合もありますが、この記事では個人事業主としてのフリーランスについて取り上げます。
目次
確定申告とは?
所得税の確定申告は、毎年1月1日から12月31日の1年間の個人の所得(各所得区分ごとに定められた方法で計算した所得金額)と所得税を算定し、所得税額を確定する手続きのことです。
原則として、翌年の2月16日から3月15日(祝休日の場合は翌日)までに申告して納税するように決められています。
所得税は、勤務先で年末調整が行われる会社員などを除き、原則として納税者である個人が所轄の税務署に申告し、所得税額を納付することになっています。
確定申告については以下の記事で詳しく解説していますので、こちらもご覧ください。
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フリーランスで確定申告が必要なケース
フリーランスとして仕事をしている場合、確定申告が必要かどうかは、所得金額や所得区分などの条件によって判断されます。
確定申告が必要なケースと不要なケースについて解説します。フリーランスで確定申告が必要なケースの代表例は、以下のようなケースです。
ケース1:事業である程度の利益がある
申告すべき所得税額があるときは、原則として確定申告をしなければなりません。具体的には、以下の計算で納付すべき所得税額があるときに、確定申告をします。
事業所得 - 所得控除(基礎控除など) = 課税所得額
課税所得額 × 所得税率 - 控除額※ = 所得税額(※速算表を使っての計算を想定)
所得税額 - 税額控除額 = 納付すべき所得税額
(※実際の納付額には、上記に加えて復興特別所得税(所得金額×2.1%)が加算されます)
計算式を見ると、所得税の計算の基礎である課税所得額が発生するのは、事業所得から所得控除を差し引いても残額があるときです。
所得控除の額は納税者ごとに異なりますが、フリーランスの仕事である程度の利益(事業所得、雑所得)があれば、確定申告が必要になる可能性が高いでしょう。
例えば、本業の事業所得が200万円、基礎控除48万円、社会保険料控除72万円のとき、課税所得額80万円となるため、確定申告が必要です。
200万円-(48万円+72万円)=80万円(課税所得額)
ケース2:本業のほかにアルバイトをしている
アルバイトと掛け持ちしながら仕事をするケースもあるかと思います。アルバイトは会社と雇用契約を結ぶ働き方のため、給与収入から所得税の源泉徴収が行われ、その勤務先に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している場合は、会社で年末調整が行われます。
年末調整が適切に行われている場合、原則としてアルバイト分の所得税の課税関係は終了しますが、本業分の所得税の申告と納税は行われていないままです。給与を1ヵ所から受けているときは、給与所得以外の所得の合計が20万円を超えるとき確定申告が必要です。
また、所得税では給与を2カ所以上で受けているときは、年末調整されなかった給与と給与所得以外の所得との合計額が20万円を超える場合に確定申告が必要です。アルバイトと本業で生計を立てることを考えると、ケース2ではほとんどの場合で確定申告を行う義務があるでしょう。
(※なお、上記の「20万円基準」は所得税に関するものであり、住民税については別途申告が必要となる場合があります)
ケース3:本業のほかに株取引をしている
本業のほかに、資産形成などを目的に、株式や投資信託、公社債の取引を行っている人もいるかと思います。
株式等の譲渡益や、配当、公社債の利子は課税対象となりますが、取引の方法や口座の種類によっては、確定申告をしなくてもよい制度が設けられています。
ただし、以下に該当する場合は、確定申告をしなくてもよいことになっています。
- 源泉徴収有りの特定口座※のみで取引した場合
- NISA、つみたてNISAなどで非課税枠内の取引をした場合
- 上場株式等の配当や公社債の利子について確定申告不要制度を選択している場合
※特定口座とは上場株式等の譲渡損益や税額の計算を金融機関が行い、源泉徴収ありを選択すれば原則として確定申告が不要となる口座です。
ケース4:本業のほかに不動産投資をしている
自らが所有する、土地や建物などの不動産を他者に貸し出し、それによって家賃収入を得る投資の形態を、「不動産投資」といいます。相続税など税金対策で活用することもありますが、家賃収入による利益目的で不動産投資を行うこともあるでしょう。
本業のほかに行っている不動産投資が順調で利益を出しているとき(不動産所得があるとき)は、本業の所得もありますので、確定申告が必要になる可能性が高いです。
ただし、不動産投資が不調で赤字のときは、土地取得に係る借入金利子など損益通算できない損失を除き、不動産所得と事業所得の損益通算(損失と利益を相殺すること)が可能です。
損益通算により税額が生じない場合でも、損益通算を行うためには原則として確定申告が必要となります。
なお、収支内訳書も青色申告決算書も、不動産所得用の様式を別途作成する必要がありますので注意しましょう。
また、ケース3、ケース4以外に一時所得や譲渡所得など所得税の課税対象となる収入があった場合には確定申告が必要となるケースがあります。
フリーランスで確定申告が不要なケース
以下のようなケースに該当する場合は、フリーランスでも確定申告は不要です。
ケース1:本業での利益がほとんどない
確定申告が必要なケース1でも説明したように、以下の計算で納めるべき税金があるときは確定申告が必要です。
事業所得 - 所得控除(基礎控除など) = 課税所得額
課税所得額 × 所得税率 - 控除額※ = 所得税額(※速算表を使っての計算を想定)
所得税額 - 税額控除額 = 納付すべき所得税額
本業での利益がほとんどない人の場合、合計所得金額が2,400万円以下の人に適用される基礎控除の48万円をも下回る可能性があります。この場合は、確定申告は不要です。
また、事業所得が48万円を超えていても、社会保険料控除や生命保険料控除など、適用できる所得控除を行うことで、事業所得が所得控除の額を下回ることもあります。
原則として税額がでない場合は確定申告は不要ですが、損失の繰越控除や還付を受ける場合などは確定申告が必要となります。
ケース2:本業が赤字
ケース1と同じように、収入が本業のみで本業が赤字のときは原則として所得税は発生しませんが、申告者の区分によって取扱いが異なります。
特に、青色申告者の場合は、赤字であっても確定申告を行わなければ青色申告が成立せず、ただし、青色申告者で赤字を翌年以降に繰り越したいときは、確定申告を行わなくてはなりません。
【賢く節税】青色申告とは?
納税者が正しく申告納税することを目的に設けられているのが、青色申告制度です。所得税の青色申告には、青色申告特別控除、青色事業専従者給与、一定の要件を満たす場合の貸倒引当金の設定など、さまざまな特典があります。
ただし、青色申告の目的は正しく記帳し、その帳簿に基づいて申告納税することです。したがって青色申告特別控除(55万円・65万円)を受ける場合は複式簿記による日々の記帳や、必要書類の一定年数の保存など、白色申告よりも条件は厳しくなります。
さらに、青色申告をするには申請手続きが必要です。原則、適用したい年の3月15日までに、新規事業者が事業開始から適用したいときは事業開始日から2カ月以内に手続きを行う必要があります。
青色申告の特典や白色申告との違いは、以下の記事で詳しく解説していますので、こちらもあわせてご覧ください。
【賢く節税】フリーランスが経費にできるのは?
フリーランスの事業所得の計算上、必要経費に計上できるのは、その年の収入に対応する売上原価、販売費、一般管理費のような収入金額の獲得のために必要な費用です。
事業形態や事業内容、取得価額によって必要経費にできるものは変わってきますが、例えば、従業員を雇わないケースの場合には以下のようなものがフリーランスの経費として認められます。
取得価額については、原則として10万円以上のものは減価償却資産となり、10万円未満のものは消耗品費として経費計上できます。
10万円以上20万円未満のものについては、一括償却資産(3年均等償却)を選択することも可能です。
減価償却資産は取得時に全額経費にできるわけではなく、取得価格や適用できる特例に応じて処理方法が異なります。
しかし、事業に関係のないプライベートの支出は経費にできません。
経費に計上できるものか迷ったら、税務調査を受けたときに、根拠を説明できるか、業務に使用した証拠を示せるかどうかで判断するとよいでしょう。プライベートと業務の割合(按分)の根拠となった資料を作成し、帳簿などとともに保存しておくことをおすすめします。
フリーランスの確定申告に必要な書類
フリーランスの人が確定申告をする際に、必要なのが以下に示す書類です。ほかの書類は、申告内容に合わせて準備します。
- 確定申告書 第一表
- 確定申告書 第二表
- 白色申告者は「収支内訳書」、青色申告者は「青色申告決算書」
また、必要書類とは別に、確定申告時には本人確認書類が必要です。窓口や郵送で確定申告するときはマイナンバーカードが必要です。マイナンバーカードを持っていないときは、個人番号確認書類(通知カード※や住民票の写しなど)と身元確認書類(運転免許証やパスポートなど)の両方を準備します。
電子申告(e-Tax)の場合は、マイナンバーカード方式、または事前に税務署で本人確認を受けて発行される利用者識別番号とパスワード(ID・パスワード方式)により申告します。なお、ID・パスワード方式は暫定的な措置とされています。
※「通知カード」は令和2年5月25日に廃止されていますが、通知カードに記載された氏名、住所などが住民票に記載されている内容と一致している場合に限り、引き続き番号確認書類として利用できます。
(※通知カードの新規発行・再発行は行われていません)
フリーランスの確定申告のやり方
確定申告はどのように進めるべきか、フリーランスの確定申告の手順を説明します。
STEP1:所得を算出するデータを集める
収入がフリーランスでの仕事のみで、利益がほとんどない場合や赤字の場合には、原則として所得税は発生しませんが、申告者の区分や目的によっては確定申告が必要となることがあります。
確定申告が必要かどうか確認するには、事業による所得がどのくらいか試算する必要があります。
そのためにも、請求書やレシートなどの所得を計算するのに必要な書類を集めて、1年間の取引を記帳し、収支内訳書や青色申告決算書にまとめます。会計ソフトを使用すると楽に集計できるでしょう。(本来は、日々記帳して会計データを集計するのが望ましいです。)
STEP2:所得控除に関わる資料を集める
原則として、合計所得が所得控除を下回る場合には課税所得額が発生しないため、所得税の確定申告が不要となるケースがあります。
所得控除を正確に把握するため、まずはどのような所得控除が適用できるか確認しましょう。
そのうえで、社会保険料控除証明書や生命保険料控除証明書、医療費の領収書など、該当する控除に必要な書類をあらかじめ準備しておくことが大切です。
STEP3:確定申告が必要か判断する
所得の金額や所得控除に関する資料が揃ったら、確定申告の要否を判断します。
税額控除の適用も踏まえたうえで、所得から所得控除を差し引いた結果、課税所得が生じる場合には、確定申告が必要です。
STEP4:確定申告書や必要な計算書等を作成する
確定申告が必要なときは、確定申告書の様式を窓口で受け取るか、インターネット上で国税庁サイトから印刷するかなどして、作成を行います。フ
リーランスの人は、必要書類で取り上げた、収支内訳書あるいは青色申告決算書の作成も必要です。さらに、必要に応じて、医療費の明細書など、計算書類や明細書を作成します。
順番としては、請求書等の収集→記帳→収支内訳書または青色申告決算書の作成、控除証明書等の収集→確定申告書の作成という流れで各書類を作成していきます。
STEP5:確定申告書と必要な添付書類を提出する
申告時に添付や提示が必要な書類を確認して、確定申告書とともに提出します。確定申告書の提出時期は、通常の場合、申告年度の翌年2月16日から3月15日です。所轄の税務署の窓口のほか、郵送、電子申告(e-Tax)で提出できます。
STEP6:所得税を納付する(還付を受ける)
所得税の確定申告を提出し終えたら、所得税を納付します。窓口や金融機関からの納付、e-Taxを利用したダイレクト納付やインターネットバンキング、クレジット納付などが可能です。
納付期限は、確定申告書の提出期限と同じなので注意しましょう。
ほかに、申請手続きをすることで、指定した金融機関の口座から自動で納付する振替納税も選択できます。振替納税は、原則として4月中旬頃に申告した所得税額が引き落とされる方法です。
所得税を納付するのではなく還付を受ける場合は、確定申告書に記載した金融機関の口座へ還付金が振り込まれるのを待つことになります。
フリーランスが確定申告をしなかったらどうなる?
フリーランスでも、納付すべき所得税額がなく、所得税の確定申告義務がない人については、原則として所得税の面で問題となることはありません。
注意しなければならないのは、確定申告が必要な人が確定申告をしなかった場合です。
確定申告を法定期限内にしなかったときは、期限後申告の時期に応じて、以下のように無申告加算税が課税されます。
(無申告加算税の加算率)
したものでない) | ||
上記以外にも、原則として法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて、利息に相当する延滞税が課されます。ただし、無申告加算税は、法定申告期限から1か月以内に自主的に申告し、かつ期限内に申告する意思があったと認められる場合には課されません。
期限後に申告漏れや申告忘れに気づいたら、ペナルティが大きくなるために、早めに申告・納付を行いましょう。
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ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
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