- 更新日 : 2026年1月22日
アイドルの確定申告のやり方は?芸能事務所の報酬形態や経費による節税対策も
アイドルとして生計を立てている方や、会社員の傍ら副業でアイドルをしている方は働き方や所得によって確定申告が必要になる場合があります。確定申告のやり方は、芸能事務所との契約形態によって異なります。この記事では経費のつけ方や税金の納め方がどのように違ってくるかや、どのような支出が経費になるかなどについて解説します。
目次
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アイドルは個人事業主として確定申告が必要?
はじめに、アイドルが芸能事務所と結ぶ契約形態で、確定申告がどのように違ってくるかについて解説します。
アイドルが芸能事務所と雇用契約を結んでいる場合
芸能事務所と雇用契約を結んでいる場合、アイドルが受け取る収入は「給与所得」となります。給与所得は、給与を支払う芸能事務所(源泉徴収義務者)が年末調整で所得税の精算を行うため、原則として確定申告は必要ありません。ただし、他の芸能事務所をメイン(甲欄)にして掛け持ちで給与をもらっていたり、収入金額が2,000万円を超えていたりする場合は確定申告が必要です。
アイドルが芸能事務所とマネジメント契約を結んでいる場合
芸能事務所とマネジメント契約を結んでいる場合、多くは民法上の「準委任契約」に相当します。アイドル(個人事業主)は受任者である芸能事務所に、芸能活動に関する包括的なマネジメント業務の遂行を「委託」し、事務所から報酬を受け取る構造となります。個人事業主として得た収入は、事業として行っているか、副業のように事業とは言えない仕事として行っているかで申告要件が変わります。
本業の場合
営利目的で継続的にアイドル業を続けていく意思があれば「事業所得」となります。つまり、社会通念上、事業と言える程度でアイドル活動を行っている場合に、その所得は「事業所得」となります。事業所得の場合、収入から必要経費を差し引いた所得(もうけ)がその所得に対する基礎控除額を超えた場合に確定申告が必要です。(基礎控除額については下記を参照ください。)
副業の場合
会社員が副業でアイドル業を行っている場合、その収入は一般的に「(業務に係る)雑所得」となります。なぜなら会社員が本業であり、副業を主たる収入とは言い難いためです。給与所得がある場合、収入から必要経費を差し引いた所得(もうけ)が20万円を超えた場合、確定申告が必要になります。なお、給与所得で年末調整をしていない場合は、雑所得の金額を問わず必ず確定申告が必要なため注意してください。
アイドルが芸能事務所とエージェント契約を結んでいる場合
営業からスケジュール管理まで全て芸能事務所が行ってくれるマネジメント契約と違い、エージェント契約は営業以外の業務は全て自分で行わなければなりません。
エージェント契約は、一般に民法上の「委任契約」に分類されます。アイドル(委任者)が芸能事務所に対し、営業活動や報酬交渉等の特定の法律行為を代理させ、芸能事務所がこれを承諾することで成立する契約です。マネジメント契約に比べ、限定的な代理関係と言えます。
エージェント契約のほうが個人事業主としての色合いが強いのですが、税法上はマネジメント契約と同様に、本業か副業かで申告要件が変わってきます。申告要件についてはマネジメント契約と同じです。
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アイドルの確定申告のやり方
次に、アイドルの確定申告の進め方について解説します。
アイドルの確定申告の必要書類
アイドルが確定申告をするパターンとして「事業所得で確定申告をするパターン」と「雑所得で確定申告をするパターン」の2とおりがあります。それぞれ必要となる書類が異なるため確認してみましょう。
- 収入金額の資料
マネジメント契約やエージェント契約に基づき支払われる報酬額を集計するための資料です。報酬が入金される通帳や芸能事務所からの支払調書(交付された場合)、現金入金時の領収書などから1年間の収入金額を集計します。 - 必要経費の資料
報酬を得るために支払った必要経費を集計するための資料です。支出する際の請求書や領収書等、レシートやカードの利用明細などから年間の必要経費を費目別に集計します。 - 源泉徴収票
会社員が副業でアイドルをしているケース等で必要になる書類です。本業の会社から発行される源泉徴収票を準備します。 - 所得控除や税額控除の資料
社会保険料控除、生命保険料控除、損害保険料控除など、所得控除や税額控除を受けるために必要な資料です。なお、会社員が副業でアイドルをしている場合、会社の年末調整のときに使わなかった各種控除の資料があれば、確定申告で控除することができます。 - マイナンバーの資料と身元確認資料
確定申告書を書面提出する場合、申告書に記載したマイナンバーを確認するための資料としてマイナンバーカードや通知カード等、マイナンバーが記載された「番号確認資料」と運転免許証等の「身元確認資料」が必要になります。
アイドルの確定申告書の書き方
アイドルの収入が事業所得に該当する場合、はじめに「青色申告決算書」あるいは「収支内訳書」を作成します。作成した決算書等で計算した収入金額や必要経費、所得金額を確定申告書に転記するという手順です。
アイドルの収入が「(業務に係る)雑所得」に該当する場合、前々年分の業務に係る雑所得の収入金額が1,000万円以下であれば、「収支内訳書」の作成を省略できるため、確定申告書に所得金額を直接記載できます。
アイドルの確定申告書の提出方法
確定申告書の提出方法は以下の3つになります。
- e-Tax等を使って電子申告する方法
- 書類を窓口に直接持参する方法
- 書類を税務署宛に郵送する方法
電子申告については、マイナンバーカードがあれば、パソコンやスマートフォン、タブレット等を使って誰でも簡単に確定申告書を作成し、電子申告で提出することができます。
アイドルの確定申告書の提出期限
所得税の確定申告は毎年おおよそ「2月16日から3月15日」が提出期間となっており、この期間内に確定申告書を提出する必要があります。提出期限の3月15日を過ぎてしまうと期限後申告となり、延滞税や不納付加算税などペナルティが課されるので注意が必要です。
なお、電子申告で提出する場合は24時間いつでも提出可能です。また、窓口に直接持参する場合は3月15日(最終日)の閉庁時間、郵送する場合も最終日の消印が期限内提出となります。
アイドルの確定申告で経費として認められる費用
アイドルの確定申告で必要経費にできる項目について、代表的なものを挙げてみましょう。
衣装代
ステージ衣装など、業務で着用する衣装にかかる経費は、原則として必要経費になります。
購入した衣装代の他に、レンタルで衣装を借りた場合のレンタル料金も経費にすることが可能です。ただし、プライベートでも着用できる衣装の場合は、使用割合に応じてプライベート部分を自己否認(家事按分)する必要があります。
美容院代・化粧品代
メイクや髪のセット代など、アイドルとして活動するために必要な美容院代や化粧品代は経費にすることができます。
脱毛や美容整形については、事業と明らかな結びつきがある場合には経費となる可能性があります。しかし、プライベートと区別することが難しい部分でもあります。あまり過度のものは否認される可能性があるため注意しましょう。
レッスン・スキルアップ費用、広告宣伝費用
歌やダンス、演技・ナレーションなどのレッスン代等のスキルアップに係る経費や、自身の公式サイトやファンクラブサイト等の制作・運営費、これらに関連するサーバー代・ドメイン代などもあります。
アイドルが確定申告で税金対策するときのポイント
最後に、アイドルが確定申告する際の注意点をいくつか紹介しましょう。
事務所との契約で給与所得か事業所得かを区別する
確定申告をするにあたって最初に確認すべきポイントは、芸能事務所との契約がどのような形態なのかという点です。本業でアイドルをしているケースで、芸能事務所と雇用契約を結んでいれば給与所得、マネジメント契約やエージェント契約であれば事業所得または業務に係る雑所得になります。所得区分に応じて確定申告書の作成方法が変わってきますので、必ず確認しましょう。
仕事の経費とプライベートの出費を区別する
個人事業主の場合、仕事とプライベートが混在してしまうケースがよく見受けられます。特に経費については、携帯電話の通話料金や飲食代など、いずれに該当するのか判断に迷う支出もあります。プライベート部分の支出は当然、必要経費にはなりませんので、仕事の経費とプライベートの出費を明確に区分し、区分した資料は保存するようにしましょう。
自分で確定申告するのが難しい場合は税理士に相談する
会計や税務の知識がない方にとって、慣れない決算書や確定申告書の作成は大きな事務的負担になります。自分で確定申告をするのが難しいときは、会計税務の専門家である税理士に確定申告の相談をするのも1つの方法です。確定申告の時期に、無料相談を実施していることがありますので、相談してみるのもよいでしょう。
アイドルの確定申告は所得区分を間違えないようにしましょう
アイドルの確定申告では、芸能事務所との契約形態によって確定申告のやり方が変わってきます。申告の作業を始める前に契約書を確認し、給与所得、事業所得、業務に係る雑所得の所得区分を正しく判断してから進めるようにしましょう。
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ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
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