- 更新日 : 2025年3月5日
e-Taxで確定申告するやり方を解説!メリット・デメリットや添付書類は?
e-Taxとは、国税に関する様々な手続きをインターネット上で電子的に行えるサービスです。
具体的には、所得税、贈与税、法人税、地方法人税、消費税などの申告や、納税、開業届の提出などが行えます。
e-Taxを利用することで、税務署などに行くことなく、自宅から申告・納税の手続きができるようになります。そのため、現在では多くの法人・個人事業主・副業を行う方などが利用しているサービスです。
当記事では、e-Taxとは何かといった基礎的な内容から、e-Taxで確定申告をするやり方などをわかりやすく解説します。
なお、マネーフォワード クラウド確定申告では、個人事業主やフリーランスの方が確定申告する際に知っておきたい基礎知識や、確定申告の準備、確定申告書の作成方法・提出方法などを分かりやすくまとめた「青色申告1から簡単ガイド」を無料で用意しております。
チェックリスト付きなので、情報収集だけでなく、書類作成・申告手続きを行う時にもお使いいただけます。
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目次
e-Taxとは
e-Tax(イータックス)とは、国税の電子申告・納税システムのことです。所得税の確定申告をはじめ、個人や法人の国税に関わるさまざまな手続きができます。e-Taxを利用すれば、作成した申告書などを電子データの形式で、インターネットを通じて管轄の税務署に提出できます。
確定申告書等作成コーナーとの違い
国税庁のシステムには、e-Taxの他に「確定申告書等作成コーナー」があります。
e-Taxソフトでは、システム上で作成済みの申告等データを作成し、そのデータをシステム上にアップロードして提出することができます。
一方で、確定申告書等作成コーナーはシステム上でデータを入力して確定申告書を作成するという点が異なります。確定申告ソフトなどですでに作成したデータを送信したいときは、e-Taxの利用が適しているでしょう。
\e-Taxでの確定申告をカンタン・ラクに!/
e-Taxでできること(個人事業主)
e-Taxは電子申告のみならず、さまざまな手続きに対応しています。
- 所得税の確定申告(電子申告)
- 開業届または廃業届の提出
- 青色申告承認申請書または取りやめの届出
個人事業主はe-Taxでどのような手続きができるのかそれぞれ解説していきます。
所得税の確定申告
個人事業主のうち所得税の納税額がある人は、所得税の確定申告の義務があります。所得税の確定申告とは、毎年1月1日から12月31日の1年間で生じた収入や所得の合計などを申告し、1年間の所得税額を確定する手続きのことです。
所得税の確定申告については、e-Taxソフトか確定申告書等作成コーナーのうち、どちらを利用しても手続きができます。ただし、特定のケースでは確定申告書等作成コーナーを利用できないこともあります。
より広く目的をカバーしているのは、e-Taxによる申告といえるでしょう。
※所得税の確定申告については以下の記事を参考にしてください
なお、個人事業主や副業を行う方などは日々の記帳作業の効率化および簡単に申告作業を進めるために、確定申告ソフトを利用して確定申告書を作成し、e-Taxで提出する方もいます。
スマホからも使える「マネーフォワード クラウド確定申告」も、確定申告が初めての方や個人事業主の方に多く利用いただいています。
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開業届または廃業届の提出
新規に事業所得、不動産所得、山林所得のいずれかが生じる事業を始めたとき、または廃業したときや、事務所に変更等があったときは、「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出しなければなりません。
e-Taxは、このような個人事業主の開業手続きや廃業手続きにも対応しています。
e-Taxのみ対応しており、確定申告書等作成コーナーは対応していません。
なお、マネーフォワード クラウド開業届を利用すると、フォームに沿って入力していくだけで個人事業主の開業届を簡単に作成できます。サービス料は0円です。
開業届をe-Taxで提出する方法については以下の記事で解説しているので、参考にしてください。
青色申告承認申請書または取りやめの届出
確定申告の種類には青色申告と白色申告があり、何も手続きを行わなければ自動的に白色申告が適用されます。
青色申告とは、納税者が一定水準の記帳をして正しく申告を行うことにより、さまざまな特典を利用できる制度です。
青色申告を選択するためには、「青色申告承認申請書」の提出が必要です。また、青色申告を取りやめようとする場合は「所得税の青色申告取りやめの届出書」、青色申告で配偶者や親族を専従者として届け出たい場合は「青色事業専従者給与に関する届出書」による手続きが必要になります。
※青色申告承認申請書については以下の記事をご覧ください
確定申告書等作成コーナーではこれらの手続きに対応していませんが、e-Taxソフトならインターネット上で行えます。
その他e-Taxでできる手続き
e-Taxでできる申告手続きは幅広く、個人事業主に関わる手続きのほとんどをカバーしています。
たとえば、以下のような手続きが可能です。
なお、消費税及び地方消費税の確定申告や所得税の更正の請求については、確定申告書等作成コーナーからも手続きできます。
マネーフォワード クラウド確定申告では、個人事業主やフリーランスの方が知っておきたい"経費"のキホンや勘定科目を分かりやすく1つにまとめた「個人事業主が知っておくべき経費大辞典」を無料で用意しております。
税理士監修で、経費の勘定科目や具体例だけでなくワンポイントアドバイスもついているお得な1冊となっていますので、ぜひ手元に置きたい保存版としてご活用ください。
e-Taxで確定申告するメリット
e-Taxによる確定申告には、さまざまなメリットがあります。
- 自宅で確定申告ができる
- 期限内であれば申告データを修正できる
- 還付金の還付が早い
- 添付書類が不要になる
- 確定申告ソフトのデータの取り込みに対応している
メリット1.自宅にいながら手続きできる
まず、自宅にいながら確定申告をできることが挙げられます。e-Taxなら、税務署の窓口や郵便局、郵便ポストまで出向く必要はありません。
また、メンテナンス時間を除くと24時間対応なので、税務署の開庁時間に左右されないことも大きなメリットです。
メリット2.期限内なら確定申告書の修正を上書きできる
確定申告をしたあとに誤りに気付くケースもあるかもしれません。e-Taxを利用すると、申告期限内(例年3月15日まで)であれば、新規に確定申告書を送信することで修正ができます。
これは期限内に申告した場合、データが新しく提出されたものに上書きされるためです。そのため、訂正したことを改めて報告する必要もありません。
メリット3.還付までがスピーディー
税務署窓口や郵送で提出する場合、還付金が入金されるまでの目安は提出から1ヶ月~1ヶ月半後とされています。e-Taxの場合はこれより少し早く、だいたい3週間後あたりが目安です。
メリット4.添付書類の省略が可能
詳しくは下の「添付書類の扱い」の項でもご説明しますが、通常は添付が必要な書類であっても、e-Taxでは添付の省略が認められるものがあります。
- 給与所得者の特定支出の控除の特例に係る支出の証明書
- 個人の外国税額控除に係る証明書
- 雑損控除の証明書
- 医療費通知(医療費のお知らせ)(注1)
- 医療費に係る使用証明書等(おむつ証明書など)
- セルフメディケーション税制に係る一定の取組を行ったことを明らかにする書類(注2)
- 社会保険料控除の証明書
- 小規模企業共済等掛金控除の証明書
- 生命保険料控除の証明書
- 地震保険料控除の証明書
- 寄附金控除の証明書
- 勤労学生控除の証明書
- 住宅借入金等特別控除に係る借入金年末残高証明書(適用2年目以降のもの)
- 特定増改築等住宅借入金等特別控除(バリアフリー改修工事)に係る借入金年末残高証明書(適用2年目以降のもの)
- 特定増改築等住宅借入金等特別控除(省エネ改修工事等)に係る借入金年末残高証明書(適用2年目以降のもの)
- 特定増改築等住宅借入金等特別控除(多世帯同居改修工事)に係る借入金年末残高証明書(適用2年目以降のもの)
- 政党等寄附金特別控除の証明書
- 認定NPO法人寄附金特別控除の証明書
- 公益社団法人等寄附金特別控除の証明書
- 特定震災指定寄附金特別控除の証明書
引用:所得税及び復興特別所得税についてよくある質問|e-Tax 国税電子申告・納税システム
メリット5.確定申告ソフトのデータを活用できる
e-Taxソフトなら、確定申告ソフトで作成した確定申告書のデータを取り込むことで確定申告ができます。e-Taxに対応している確定申告ソフトがあれば、電子申告のために作成したデータを一から入力する必要はありません。
e-Taxで確定申告するデメリット
e-Taxの利用にデメリットがあるとすれば、事前準備が必要になることでしょう。
パソコンなどの端末やインターネット環境はもちろん、利用者識別番号の取得やマイナンバーカードの準備などが必要で、環境が整っていなければ利用できません。一度環境を整えれば翌年以降は楽に確定申告できますが、状況次第では準備に手間がかかることもあります。
マイナンバーカードを持っていない人は以下の記事を参考にしてください。
また、確定申告書を作成する際は、e-Taxよりもクラウドソフト(確定申告ソフト・会計ソフトなど)を利用したほうが、簡単で使いやすい傾向にあります。
マネーフォワード クラウド会社設立は、個人事業主が法人成りを検討したほうがよいタイミングをまとめた「法人化を検討すべき7つのタイミング」を無料で用意しております。
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e-Taxで確定申告するための準備
e-Taxで確定申告するための準備は、次の通りです。
1.マイナンバーカードを用意する
マイナンバーカード方式で確定申告をする場合は、マイナンバーカードが必要です。
通知カードしか手元にない場合は、市役所や区役所などで手続きを済ませ、マイナンバーカードを発行してもらいます。ID・パスワード方式で申告する場合は必要ありません。
2.利用者識別番号を取得する
e-Tax利用のためには、16桁の利用者識別番号を取得する必要があります。
これには、e-Taxのログイン画面から利用者情報を登録して取得する方法や、税務署にて対面で取得する方法などがあります。
3.電子証明書の取得
マイナンバーカードにはICチップに電子証明書が組み込まれているため、改めて電子証明書を取得する必要はありません。
パソコンで申告する場合は、電子証明書を読み取れるようにカードリーダーを用意しておきます。
e-Taxで電子申告するやり方は2種類
e-Taxで確定申告をするときの手順を2つのパターンに分けて簡単に解説します。
- e-Taxソフト(インストール版)で電子申告
- e-Tax(WEB版)で電子申告
①e-Taxソフト(インストール版)で電子申告する方法
引用:e-Taxソフトについて|e-Tax 国税電子申告・納税システム
e-Taxソフト(インストール版)で電子申告する場合、マイナンバーカードとカードリーダーが必要です。インストール型のe-Taxソフトでは、確定申告書の編集も可能です。
ただし、e-TaxソフトはWindowsのみで提供されるアプリを利用します。
インストール版はスマホからも申告できないので、スマホで確定申告をする人は②のパターンを利用しましょう。
e-Taxソフトを利用して確定申告をするときは、以下の手順で行います。
- e-Taxソフトのインストールと起動
- 利用者ファイル作成
- 納税用確認番号や電子証明書の登録
- 帳票の作成または作成済みファイルのアップロード
- 電子署名及び電子証明書の添付
- 申告書データの送信
- 受付結果の確認
帳票などのデータ作成の前に、利用者情報の登録などが必要になる点に注意しましょう。帳票や申告書のデータについては、システム上で作成するほか、対応する確定申告ソフトのデータをアップロードする方法もあります。データの準備ができたら、システム上で電子証明書を添付し送信します。一連の流れはすべてシステム上で完結できます。
②e-Taxソフト(WEB版)で電子申告する方法
e-Taxソフト(WEB版)で電子申告する場合、マイナンバーカードと対応するスマホもしくはカードリーダーが必要です。
引用:個人ログイン|e-Tax
e-Taxソフト(WEB版)にログイン後、メインメニューから「確定申告を行う」を選択すると、「確定申告書等作成コーナー」に遷移します。
引用:e-Taxソフトについて|e-Tax 国税電子申告・納税システム
「確定申告書等作成コーナー」は、WEB上で確定申告書を作成できるシステムです。
「確定申告書等作成コーナー」で作成した確定申告書のデータは、e-Taxソフト(WEB版)から送信できます。確定申告ソフトで作成したデータなど、外部データの取り込みも可能です。
\マネーフォワード クラウド確定申告のスマホアプリ/
マネーフォワード クラウド確定申告はe-Taxに対応
マネーフォワード クラウド確定申告でも、e-Taxに対応した確定申告書のデータを作成できます。e-Taxソフトやe-Taxソフト(WEB版)を使って、作成したデータの送信が可能です。
画像:マネーフォワード クラウド確定申告 スマホアプリで提出(電子申告)※画像は執筆時点のイメージであり、最新の画面と異なる場合がございます
また、マネーフォワード クラウド確定申告のアプリを使えば、スマホから確定申告ができます。確定申告の電子申告をすべてスマホから完結させたいときは、ICカードの読み取りに対応したスマホと、マイナンバーカードの準備が必要です。カードリーダーを別途用意する必要はありません。
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医療費控除の確定申告もe-Taxで可能
医療費控除の確定申告を行いたい方も、e-Taxで提出が可能です。
マイナポータル連携を利用すると、医療費控除に使用できる医療費通知情報を自動で取得できるので、より効率的に行えます。
なお、マイナポータル連携の対象は、医療費控除だけでなく、ふるさと納税・生命保険料控除・地震保険料控除・住宅ローン控除…など、さまざまな控除証明書等のデータ取得と、自動入力が可能です。
e-Taxを利用した確定申告での添付書類の扱い
e-Taxでの確定申告は、添付書類の郵送が必要になる場合がありましたが、添付書類省略制度とイメージデータ提出の導入により、郵送不要になりました。
令和5年1月以降は、マイナポータルとの連携強化によりe-Tax上の個人情報をマイナポータルで確認できるようになりました。
マイナンバーカードによる本人確認が済んでいる人であれば電子署名も省略可能です。
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e-Taxで確定申告はもっと手軽に
e-Taxのサービスが向上したことで、自宅から手軽に確定申告を行えるようになりました。近年ではスマホやタブレットからも確定申告ができます。
マネーフォワード クラウド確定申告も、スマホを使ってe-Taxでの確定申告の提出ができます。もっと楽に確定申告をしたいという方はチェックしてみましょう。
確定申告については、以下の記事で詳細を解説していますので、こちらもあわせてご覧ください。

マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例
データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。
ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
よくある質問
e-Taxとは?
国税関連の申告書や申請書を、インターネットを通して提出できる国税庁のシステムのことです。詳しくはこちらをご覧ください。
e-Taxのメリットは?
自宅からでも確定申告できることや、一部の添付書類を省略できること、対応している会計ソフトのデータを取り込めることなどがあります。詳しくはこちらをご覧ください。
e-Taxに必要な準備は?
利用者識別番号の取得のほか、マイナンバーカード方式の場合はマイナンバーカードの準備などが必要です。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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