• 更新日 : 2026年9月9日

年末調整での保険料控除の書き方・記入例をわかりやすく解説!

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Point年末調整の保険料控除申告書はどう書く?

控除証明書を見ながら、4つの控除欄に契約の内容と金額を記入します。

  • 控除の種類ごとに記入する欄が分かれる
  • 金額は控除証明書の申告額を使う
  • 令和8年分から計算式が1つ増えた

申告しなければ控除は受けられないため、期限までに提出しましょう。

生命保険料や地震保険料、社会保険料を支払うと、所得税の計算で保険料控除を受けられます。会社員の場合は、年末調整で保険料控除申告書を提出することで控除が適用されます。令和8年分は様式が変わり、記入欄と計算式が追加されました。申告書の書き方を欄ごとに解説します。

年末調整の保険料控除申告書は申告が必要

保険料控除は申告しないと受けることはできません。申告は年末調整の際に保険料控除申告書に申告内容を記入し、会社に提出します。

提出を忘れた場合でも、確定申告(還付申告)を行えば後から控除を受けられます。還付申告は対象となる年の翌年1月1日から5年以内であれば手続きできます。

令和8年分 給与所得者の保険料控除申告書

出典:給与所得者の保険料控除の申告|国税庁「令和8年分 給与所得者の保険料控除申告書」を加工して作成

4つの控除欄に分かれている

申告書は、生命保険料、地震保険料、社会保険料、小規模企業共済等掛金の4つの控除欄で構成されています。

それぞれの対象は次のとおりです。

控除欄 対象になるもの
生命保険料控除 ・一般の生命保険料
・介護医療保険料
・個人年金保険料
地震保険料控除 ・地震保険料
・平成18年12月31日までに契約した一定の長期損害保険料
社会保険料控除 ・国民年金
国民健康保険
・後期高齢者医療制度
・介護保険などの保険料
④小規模企業共済等掛金控除 ・小規模企業共済
・企業型DC(企業型確定拠出年金
・iDeCo(個人型確定拠出年金)
・心身障害者扶養共済制度の掛金

生命保険料控除の対象になるのは、保険金の受取人のすべてが本人か配偶者、その他の親族である契約です。個人年金保険については、保険料を10年以上にわたって定期的に払い込み、年金の受け取りが満60歳以降で10年以上あることなどの要件があります。

令和8年分から変わった点

令和8年分の様式では、一般の生命保険料の欄に「年齢23歳未満の扶養親族の有無」を選ぶ箇所が加わりました。

23歳未満の扶養親族がいる場合、一般の生命保険料控除の上限が60,000円に引き上げられるためです。

これに伴い、控除額の計算式も3種類になりました。

計算式 使う場面
計算式Ⅰ
(新保険料等用)
23歳未満の扶養親族がいない場合の新保険料等
計算式Ⅱ
(23歳未満の扶養親族を有する場合の新保険料等用)
23歳未満の扶養親族がいる場合の一般の生命保険料
計算式Ⅲ
(旧保険料等用)
旧保険料等(扶養親族の有無を問わない)

この特例は令和8年分と令和9年分の所得税に適用されます。前年の用紙とは欄の配置が異なるため、配布された令和8年分の様式で確認してください。

参照:A2-3 給与所得者の保険料控除の申告|国税庁

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年末調整の保険料控除申告書の書き方は?

保険料控除申告書は控除欄ごとに、控除額を計算し記入します。いずれも、保険会社などから届く控除証明書を見ながら記入します。

生命保険料控除の書き方

生命保険料控除は、申告書の左半分にある欄に記入します。控除額の上限は120,000円です。

保険会社から10月下旬から12月上旬に届く生命保険料控除証明書を見ながら記入しましょう。

記入事項は保険会社名や種類、契約者名、受取人名などです。

生命保険料控除_令和8年2026年分給与所得者の保険料控除申告書

出典:給与所得者の保険料控除の申告|国税庁「令和8年分 給与所得者の保険料控除申告書」を加工して作成

契約ごとの情報を記入する

一般の生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料のいずれも、記入する項目は共通です。契約ごとに次の内容を記入します。

  • 保険会社等の名称
  • 保険等の種類(養老、医療など)
  • 保険期間または年金支払期間
  • 保険等の契約者の氏名
  • 保険金等の受取人の氏名と続柄
  • 新・旧の区分(どちらかを丸で囲む)
  • 本年中に支払った保険料等の金額

金額の欄には、控除証明書の「参考額(申告額)」を記入します。発行時点までの支払額である「証明額」ではありません。2011年12月31日以前の契約が旧、2012年1月1日以後の契約が新です。

合計額を集計する

記入した金額を、区分ごとにA欄からE欄へ集計します。各欄の対応は次のとおりです。

集計する金額
A 一般の生命保険料のうち新保険料等の合計額
B 一般の生命保険料のうち旧保険料等の合計額
C 介護医療保険料の合計額
D 個人年金保険料のうち新保険料等の合計額
E 個人年金保険料のうち旧保険料等の合計額

介護医療保険料には新旧の区分がないため、C欄にまとめて集計します。

計算式にあてはめて控除額を出す

集計した金額を、申告書の下部にある計算式にあてはめます。計算式の内容は次のとおりです。

【計算式Ⅰ(新保険料等用)】A、C、Dの金額に使います。

年間の支払保険料等 控除額
20,000円以下 支払保険料等の全額
20,001円〜40,000円 支払保険料等×1/2+10,000円
40,001円〜80,000円 支払保険料等×1/4+20,000円
80,001円以上 一律40,000円

【計算式Ⅱ(23歳未満の扶養親族を有する場合の新保険料等用)】Aの金額に使います。

年間の支払保険料等 控除額
30,000円以下 支払保険料等の全額
30,001円〜60,000円 支払保険料等×1/2+15,000円
60,001円〜120,000円 支払保険料等×1/4+30,000円
120,001円以上 一律60,000円

【計算式Ⅲ(旧保険料等用)】B、Eの金額に使います。

年間の支払保険料等 控除額
25,000円以下 支払保険料等の全額
25,001円〜50,000円 支払保険料等×1/2+12,500円
50,001円〜100,000円 支払保険料等×1/4+25,000円
100,001円以上 一律50,000円

計算した金額を記入する欄は、区分によって分かれます。

  • 一般の生命保険料(扶養親族あり)
    ②欄(Aを計算式Ⅱ)と⑤欄(②+③)を記入し、イ欄に⑤欄の金額を書く
  • 一般の生命保険料(それ以外)
    ①欄(Aを計算式Ⅰ)と④欄(①+③)を記入し、イ欄に③欄と④欄のいずれか大きい金額を書く
  • 介護医療保険料
    C欄の金額を計算式Ⅰにあてはめ、ロ欄に記入する(上限40,000円)
  • 個人年金保険料
    ⑥欄(Dを計算式Ⅰ)と⑦欄(Eを計算式Ⅲ)、⑧欄(⑥+⑦)を記入し、ハ欄に⑦欄と⑧欄のいずれか大きい金額を書く

③欄はB欄の金額を計算式Ⅲにあてはめた金額です。②欄と⑤欄の上限は60,000円、①欄と④欄の上限は40,000円になります。

最後に、イ欄、ロ欄、ハ欄を合計した金額が生命保険料控除額です。上限は120,000円で、1円未満の端数は切り上げます。

23歳未満の扶養親族がいる場合の記入

該当する場合は「有」を選び、☆欄に扶養親族の情報を記入します。記入するのは氏名とフリガナ、個人番号、生年月日、続柄、本年中の合計所得金額の見積額です。

対象になるのは、生計を一にする23歳未満(平成16年1月2日以後生まれ)の親族で、合計所得金額の見積額が62万円以下(給与だけなら収入136万円以下)の人です。2人以上いる場合はいずれか1人の記入で足ります。

この特例は、扶養親族1人につき世帯内の1人までという制限がありません。23歳未満の子が1人いる場合、夫婦の双方が適用を受けられます。

参照:No.1140 生命保険料控除|国税庁

地震保険料控除の申告書の書き方

地震保険料控除は、申告書の右上にある地震保険料控除申告の欄に記入します。

地震保険料と旧長期損害保険料に分けて集計する点が特徴です。

必要記入事項は生命保険料控除申告欄と同様、保険会社名や種類、保険期間、契約者名などです。

地震保険料控除_令和8年2026年分給与所得者の保険料控除申告書

出典:給与所得者の保険料控除の申告|国税庁「令和8年分 給与所得者の保険料控除申告書」を加工して作成

契約の情報と区分を記入する

契約ごとに、保険会社名から支払保険料までを記入します。記入する項目は次のとおりです。

  • 保険会社等の名称
  • 保険等の種類(目的)
  • 保険期間
  • 保険等の契約者の氏名
  • 保険等の対象となった家屋等に居住または家財を利用している者の氏名
  • 地震保険料または旧長期損害保険料の区分(どちらかを丸で囲む)
  • 本年中に支払った保険料のうち、区分に係る金額

1つの契約が地震保険料と旧長期損害保険料のどちらにも該当する場合は、選択によっていずれか一方のみを対象として計算します。

控除額を計算して記入する

Ⓐ欄に記入した金額を、地震保険料と旧長期損害保険料に分けて集計します。流れは次のとおりです。

  1. Ⓐのうち地震保険料の合計額をⒷ欄に記入する
  2. Ⓐのうち旧長期損害保険料の合計額をⒸ欄に記入する
  3. Ⓑの金額と、Ⓒから計算した金額を足す
  4. 合計額を地震保険料控除額の欄に記入する

それぞれの計算方法は次のとおりです。

区分 年間の支払保険料 控除額
地震保険料(Ⓑ) 50,000円以下 支払保険料の全額
地震保険料(Ⓑ) 50,001円以上 一律50,000円
旧長期損害保険料(Ⓒ) 10,000円以下 支払保険料の全額
旧長期損害保険料(Ⓒ) 10,001円〜20,000円 支払保険料×1/2+5,000円
旧長期損害保険料(Ⓒ) 20,001円以上 一律15,000円

両方を支払っている場合は合計しますが、地震保険料控除額の上限は50,000円です。

参照:No.1145 地震保険料控除|国税庁

社会保険料控除の書き方

社会保険料控除は申告書の右側中央にある欄です。

控除額に上限がなく、本人が直接支払った社会保険料の全額が対象になります。

対象になるのは、国民年金、国民健康保険、後期高齢者医療制度、介護保険などの保険料です。

社会保険料控除_令和8年2026年分給与所得者の保険料控除申告書

出典:給与所得者の保険料控除の申告|国税庁「令和8年分 給与所得者の保険料控除申告書」を加工して作成

記入する項目は次のとおりです。

  • 社会保険の種類
  • 保険料支払先の名称
  • 保険料を負担することになっている人の氏名と続柄
  • 本年中に支払った保険料の金額

最後に合計額を控除額の欄に記入します。給与から天引きされている社会保険料は、会社が計算に含めるため記入する必要はありません。

生計を一にする配偶者や親族の分を本人が支払った場合は、控除の対象になります。学生納付特例を受けていた子どもの国民年金保険料を親が追納した場合なども該当します。

参照:No.1130 社会保険料控除|国税庁

小規模企業共済等掛金控除の書き方

小規模企業共済等掛金控除は、申告書の右下にある欄です。こちらも上限がなく、支払った掛金の全額が控除の対象になります。

小規模企業共済等掛金控除_令和8年2026年分給与所得者の保険料控除申告書

出典:給与所得者の保険料控除の申告|国税庁「令和8年分 給与所得者の保険料控除申告書」を加工して作成

欄はあらかじめ掛金の種類ごとに分かれています。該当する行に、本年中に支払った金額を記入します。

  • 独立行政法人中小企業基盤整備機構の共済契約の掛金
  • 確定拠出年金法に規定する企業型年金加入者掛金
  • 確定拠出年金法に規定する個人型年金加入者掛金(iDeCo)
  • 心身障害者扶養共済制度に関する契約の掛金

記入したら、合計額を控除額の欄に書きます。給与から差し引かれている掛金は記入不要です。本人が直接支払った掛金については、金額にかかわらず証明書類の添付が必要になります。

控除額を計算するときの注意点は?

記入した金額をそのまま使えない場合があります。計算の前に確認しておきたい点をまとめました。

剰余金や割戻金を差し引く

支払保険料は、その年に受け取った剰余金や割戻金を差し引いた後の金額で計算します。

特約付きの契約では、主契約分と特約分それぞれに対応する金額を差し引きます。

これらの金額は控除証明書に記載されているため、確認したうえで記入してください。

新旧の両方に加入している場合

新契約と旧契約の両方がある場合、それぞれ計算して有利なほうを選べます。

旧契約だけで計算した控除額のほうが大きくなるケースがあるためです。

新旧を合算した場合の上限は40,000円(23歳未満の扶養親族がいる場合は60,000円)ですが、旧契約のみで計算する場合の上限は50,000円です。旧契約の保険料が多い場合は、旧契約だけで申告するほうが控除額が大きくなります。

参考:旧生命保険料と新生命保険料の支払がある場合の生命保険料控除額|国税庁

給与から天引きされているもの

給与から差し引かれている社会保険料や掛金は、申告書に記入しなくても控除の対象になります。

会社が計算に含めるためです。

記入すると二重に計上されるおそれがあるため、本人が直接支払ったものだけを記入してください。

保険料控除に必要な添付書類は?

申告書には、保険料を支払ったことを証明する書類を添付します。

多くの保険会社は年末調整の時期に合わせて送付するため、届いたら内容を確認して保管しておきましょう。

控除の種類 添付する書類
生命保険料控除 生命保険会社等が発行する証明書類。旧契約で一契約の保険料が9,000円以下のものを除き、金額にかかわらず必要
地震保険料控除 損害保険会社等が発行する証明書類。金額にかかわらず必要
社会保険料控除 国民年金保険料と国民年金基金の掛金は証明書が必要。その他は添付不要
小規模企業共済等掛金控除 本人が直接支払ったものは、金額にかかわらず証明書類が必要

証明書の交付が遅れて添付できない場合は、令和9年2月1日までに提出することを条件に控除を受けられます。申告内容を電子データで勤務先へ提供する場合は、証明書に記載されるべき事項も同じく電子データで提供できます。

参照:年末調整がよくわかるページ|国税庁

保険料控除申告書の書き方を確認して正しく申告しよう

保険料控除は、生命保険料、地震保険料、社会保険料、小規模企業共済等掛金の4つに分かれ、申告書の記入欄もそれぞれ独立しています。

記入は控除証明書を見ながら進め、金額は参考額(申告額)を使います。

令和8年分からは一般の生命保険料に計算式Ⅱが加わり、23歳未満の扶養親族がいる場合は控除の上限が60,000円になりました。

生命保険料控除は最大120,000円、地震保険料控除は最大50,000円ですが、申告しなければ控除は受けられません。期限までに証明書を添えて提出しましょう。

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よくある質問

控除の対象となる保険料には何がありますか?

一定の生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料・地震保険料などがあります。詳しくはこちらをご覧ください。

生命保険料控除の計算方法について教えてください。

定められている計算式に、支払った保険料の金額を当てはめて計算します。詳しくはこちらをご覧ください。


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