白色申告をするために必要な用紙として収支内訳書がありますが、収支内訳書には「一般用」「不動産所得用」「農業所得用」の3種類の様式があります。

今回は
・収支内訳書3種類の選定方法
・収支内訳書3種類の用紙別記載方法と注意点

を紹介します。

白色申告の用紙 収支内訳書3種類の選定方法

白色申告する所得に「事業所得」「不動産所得」「山林所得」がある場合、収支内訳書を作成する必要があります。さらに収支内訳書には「一般用」「不動産所得用」「農業所得用」の3種類があり、それぞれ所得に応じた用紙を使用します。

事業所得や山林所得がある場合の白色申告では、収支内訳書の一般用を使用します。

事業所得に該当するかどうかは、

・営利性や有償性があるかどうか
・継続性や反復性があるかどうか
・事業遂行性があるかどうか
・取引に傾注しているかどうか
・社会通念上、事業所得といい得るかどうか

などといった事業所得の定義に照らし合わせて判断することになり、アフィリエイト収入や広告収入であったとしても事業所得に該当する場合は収支内訳書の作成が必要です。

山林所得とは、所有期間が5年を超える山林を譲渡したことによって得られる所得をいいますが、所有期間が5年以内の場合は山林所得ではなく事業所得や雑所得に該当します。また、土地と一緒に山林を譲渡した場合は、山林所得ではなく譲渡所得となります。

雑所得や譲渡所得に該当する場合は、収支内訳書を作成する必要はありませんが、山林所得や事業所得に該当する場合は収支内訳書の一般用を作成し、白色申告を行なうことになります。

不動産所得がある場合は収支内訳書の不動産所得用を使用します。不動産である土地やマンションを貸し付けて賃貸料や更新料を得たものは不動産所得となりますが、不動産物件そのものを売却して利益を得た場合は譲渡所得や事業所得に該当するため、収支内訳書の不動産所得用ではなく収支内訳書一般用を使用します。

農業所得がある場合は、収支内訳書の農業所得用を使用します。種苗費や農具費といった農産物に関する経費があらかじめ項目として用意されているため、農業所得者にとって記入しやすい用紙となっています。

事業所得、不動産所得、山林所得、農業所得に該当しない場合は雑所得や一時所得に該当するため、収支内訳書を作成する必要はありません。

収支内訳書の具体的な記入方法と注意点

収支内訳書(一般用)

(参考:平成 27年分 収支内訳書の書き方pdf|国税庁

収支内訳書(一般用)は、白色申告で事業所得がある場合に作成する書類用紙です。

収支内訳書(一般用)に記載すべき収入金額は、売上(収入金額)と家事消費、その他の収入の3つに大別されますが、家事消費とは、通常の売上以外にプライベートで消費したり贈与したりした場合に記入する収入金額となります。

プライベートで消費した場合であったとしても家事消費として計上しなければならないことが、所得税基本通達第39条と第40条で定められているためです。

またその他の収入には、手数料や売上割戻などのリベート代金や、本来販売する目的ではなかった空き箱などが販売された場合の金額を記入します。

売上原価は、卸売業や小売業などで仕入商品などがある場合に記入します。

経費は、給与賃金、外注工賃、減価償却費、貸倒金、地代家賃、利子割引料、租税公課、荷造運賃、水道光熱費、旅費交通費、通信費、広告宣伝費、接待交際費、損害保険料、修繕費、消耗品費、福利厚生費の17種類に分けて記入します。

給与賃金⑪は、収支内訳書(一般用)右側の「〇給料賃金の内訳」の合計が一致するようにし、減価償却費と修繕費は、収支内訳書(一般用)2ページで計算した結果を記入します。
収支内訳書(一般用)2ページ目

収支内訳書(一般用)2ページは主に、収支内訳書(一般用)1ページの内訳を記入するための用紙となっています。

卸売業や小売業など仕入が伴う場合は、仕入金額の明細や減価償却費の計算が必要になりますが、サービス業など仕入や減価償却費が発生しない場合は仕入金額や減価償却費を記入せず、空欄のまま提出します。

減価償却に該当する資産であったとしても、使用可能期間が1年未満のものや取得価額が10万円未満の場合は少額減価償却資産に該当するため、減価償却費の計算をする必要はありません。

収支内訳書(不動産所得用)

収支内訳書(不動産所得用)

(参考:平成27年分 収支内訳書(不動産所得用)の書き方pdf|国税庁

収支内訳書(不動産所得用)を記入する際の注意点ですが、不動産収入の内訳に賃借人の住所と氏名を記載する必要があるため、書ききれないことが考えられます。

収支内訳書(不動産所得用)の1ページに書ききれない場合は、不動産収入の内訳と同じ項目を作成し、エクセルなどで作成することも可能です。

収支内訳書(不動産所得用)の1ページは2ページで作成した明細の合計額を転記するため、次に紹介する2ページの明細を先に作成するようにしましょう。
収支内訳書(不動産所得用)2ページ
収支内訳書(不動産所得用)の2ページ目では主に減価償却費の計算を行ないます。

不動産所得を得るための貸地は減価償却する必要はありませんが、建物や機械設備は減価償却費を計算する必要があります。

償却方法が定額法であれば毎年一定額を償却することになるため、昨年度の白色申告時に提出した収支内訳書の控えを元に計算すれば、効率よく作成することができます。

収支内訳書(農業所得用)

収支内訳書(農業所得用)
(参考:平成27年分 収支内訳書(農業所得用)の書き方pdf|国税庁

収支内訳書(農業所得用)の1ページ目には、収入や経費に関する金額を記入します。注意点として、家事消費した分を家事消費金額として収入金額に含めることや、2ページ目の丸付き数字の金額と対応させることが挙げられます。

収支内訳書(農業所得用)2ページ

収支内訳書(不動産所得用)2ページ目には、販売した農産物を露地栽培のものと温室やビニールハウスで栽培したものとに分けて記載するようにします。また、減価償却資産には農機具だけでなく、果樹や家畜などの生物に関しても減価償却費を計上する必要がある点で注意が必要です。

まとめ

白色申告をするために必要な用紙として、収支内訳書3種類を紹介しました。事業内容によって申告する内容が大きく変わる不動産所得と農業所得に関しては、用紙の様式が特徴的となっています。

不動産所得と農業所得に該当しない所得は事業所得などに該当するため、汎用的な収支内訳書(一般用)を使用して、白色申告します。



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