• 更新日 : 2026年1月8日

確定申告が必要な場合・不要な場合と確定申告不要制度を解説!

納税義務者自らが1年間の所得に対する税額を申告する手続きを「確定申告」といいます。一般的には、所得税の確定申告を指すことが多いです。この記事では、確定申告=所得税の確定申告として話を進めていきます。

確定申告が必要な人と、必要でない人がいます。経営者や会社員、フリーランス、年金受給者は、確定申告が必要なのでしょうか。確定申告が必要な人と不要な人をケース別に見ていきましょう。

そもそも確定申告とは

一般的に確定申告といえば、所得税の確定申告を指します。

個人について、その年分の所得金額およびそれに基づく納税額を、納税者自らが所轄の税務署に申告することです。

所得税の確定申告で課税の対象となるのが、個人の所得です。所得とは、個人が得た“もうけ”を税法上のルールに基づいて計算した金額のことで、税法上は所得を10区分して所得にかかる所得税を計算します。

確定申告については以下の記事で詳しく解説していますので、こちらもご覧ください。

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確定申告が必要になる人

確定申告が必要になる人とはどのような人でしょうか。

個人事業主やフリーランスの人

まず、確定申告が必要になる可能性が高いのは、個人事業主やフリーランスの人です。自身で事業を行っている人のことで、飲食店や雑貨屋、美容室などを個人で営んでいる人というとわかりやすいでしょう。

他にも、お店を持たず自身のスキルだけで継続的に所得を得ているケースも考えられます。フリーのシステムエンジニアやWebデザイナーなどです。中には特定の会社から仕事をもらっている人もいますが、給与所得者とは異なり会社との間に雇用契約はありません。

仕事をもらっている会社と業務委託契約を結び、継続して仕事を行っている場合は、原則として個人事業主やフリーランスになります。

個人事業主やフリーランスの場合、以下の計算により所得税額が発生する場合は、確定申告が必要です。

【計算式】(事業所得のみの場合)

総収入金額-必要経費=事業所得
事業所得-所得控除課税所得金額
課税所得金額×所得税率-控除額=所得税額
所得税額-配当控除(必要に応じて税額控除を差し引く)=納めるべき税額

※所得税率と控除額は所得税の速算表で確認できます。
計算式だけではややわかりにくいため、具体例を見てみましょう。

(具体例)
個人事業主で事業所得が600万円、所得控除は基礎控除48万円と社会保険料控除100万円、そのほか税額控除はなかったものとします(復興特別所得税は計算上、考慮していません)。

600万円-(48万円+100万円)=452万円
452万円×20%-42.75万円=47.65万円
47.65万円-0円=47.65万円

参考:No.2260 所得税の税率|国税庁

納めるべき税額があるため、確定申告を行う必要があります。

一定以上の公的年金を受給している人

公的年金とは、国民年金や厚生年金、確定給付企業年金などを指します。

また、確定拠出企業年金についても、年金として受給する場合は公的年金等に該当します。ただし、遺族年金や心身障害者扶養救済制度での給付は課税の対象にはなりません。

公的年金受給者は原則として所得税の確定申告が必要となる可能性がありますが、申告手続きの負担を減らすために「確定申告不要制度」が設けられています。これは公的年金等の収入が400万円以下で、かつ一定の要件を満たす人を対象にした制度です。

確定申告不要制度の対象にならない公的年収等の収入が400万円を超える人や、公的年金等の収入が400万円以下でも他の所得が20万円を超える人は、確定申告をしなければなりません。また所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要になる場合があります。

個人年金の確定申告については以下の記事で詳しく解説していますので、こちらもご覧ください。

不動産や株取引で一定の所得がある人

不動産をいくつも所有して、経営者として不動産投資を行っている人(法人化している場合を除きます)もいるでしょう。不動産投資のみを事業としている場合は、確定申告が必要かどうかの考え方は個人事業主と同じです。以下の計算により所得税額が発生する場合は、確定申告をしなければなりません。

【計算式】(不動産所得のみの場合)

不動産収入-必要経費=不動産所得
不動産所得-所得控除=課税所得金額
課税所得金額×所得税率-控除額=所得税額
所得税額-配当控除(必要に応じて税額控除を差し引く)=納めるべき税額

※所得税率と控除額は所得税の速算表で確認できます。

株取引については、保有する株式の譲渡(売却)によって利益を得た場合や、株式の配当を得た場合は、確定申告が必要になることがあります。

株取引の確定申告でまず確認しなくてはならないのが、どの口座で取引を行ったかです。株取引ができる口座には一般口座、特定口座、NISA口座があります。 NISA口座は非課税口座であり、NISA口座内で生じた譲渡益や配当については確定申告は不要です。

特定口座は上場株式を保有する場合などに利用できる口座で、源泉徴収ありの口座(源泉徴収口座)と源泉徴収なし(簡易申告口座)があります。源泉徴収口座は譲渡時に源泉徴収により課税関係が終了するため、基本的に確定申告の必要はありません。確定申告の必要があるのは、特定口座の簡易申告口座や一般口座を選択した場合です。

株式の配当については、原則として源泉徴収により課税関係が完結しますが、確定申告不要制度を選択している場合は確定申告の必要はありません。

副業による所得が一定以上ある人

会社員として働く傍ら、不動産投資や動画配信、ハンドメイド、アフィリエイトなどの副業で所得を得ているいる人もいるでしょう。ここでは、副業をしている会社員で確定申告が必要な人について解説します(給与所得は1カ所から受けており、年末調整が済んでいるとします)。

副業による確定申告が必要かどうかは年末調整済みの給与所得者の場合、給与所得以外の所得(この場合は副業による所得)が、20万円を超えているかどうかで判断します。

(具体例)
給与所得者で、副業でハンドメイド品の販売を行っている。副業の収入は50万円、経費は20万円だった。
 50万円(副業の収入)-20万円(副業の経費)=30万円(所得)

副業による所得が20万円を超えるため、確定申告が必要です。

給与収入の多い経営者など

会社と雇用契約を結ぶ給与所得者でも、確定申告が必要になるケースがあります。例えば、給与の収入金額(源泉徴収票の支払金額)が2,000万円を超える人です。会社の経営者や取締役などの中には、該当する人もいるでしょう。

会社の経営者などが受け取る役員報酬役員賞与は、給与所得として扱われるからです。他にも、給与水準の高い職種などでは給与収入が2,000万円を超えるケースがあり、その場合は確定申告が必要です。

確定申告が不要な人

次に、確定申告が不要になる人とはどのような人か、主なケースを見ていきます。

事業による所得が基礎控除以下や赤字

確定申告が必要な人として個人事業主やフリーランスを挙げましたが、事業による所得の額によっては確定申告が不要になることもあります。以下の計算式で、所得税額が発生しない場合です。

【計算式:再掲】(事業所得のみの場合)

総収入金額-必要経費=事業所得
事業所得-所得控除=課税所得金額
課税所得金額×所得税率-控除額=所得税額
所得税額-配当控除(税額控除)=納めるべき税額

まず、事業自体が赤字のケースです。事業収入から経費を差し引いた額がマイナスになる場合は、課税所得金額が生じません。つまり納めるべき税金がないため、原則として確定申告は不要です。

次に、赤字以外で課税所得金額が発生しないケースです。所得税額計算後の配当控除も考慮すべきですが、総合課税を選択した国内の配当所得に限定された控除なので、通常は気にする必要はないでしょう。判断基準にすべき部分は「所得控除」です。所得控除には、基礎控除や配偶者控除扶養控除、社会保険料控除、生命保険料控除など、さまざまな種類があります。

「所得が基礎控除48万円(合計所得2,400万円以下の場合)を下回る場合は確定申告が不要」と説明されることがありますが、これは簡易的な判断です。厳密には、基礎控除を含めた所得控除の合計額をもとに、確定申告が不要かどうかを判断します。

事業所得で確定申告の提出が不要な場合でも、銀行借入や補助金などの申請の際には、必ず確定申告書の提出を求められることが多いため、なるべく提出したほうがよいでしょう。

会社が年末調整を行っている

通常、給与所得者である会社員(サラリーマン)は確定申告の必要はありません。確定申告の代わりに、勤務先で年末調整が行われるためです。

法人や個人が従業員を雇っている場合は源泉徴収義務があるため、毎月の給与や賞与から所得税を天引きして納税者の代わりに納税します。しかし、扶養控除や配偶者控除、生命保険料控除などの一部の所得控除は考慮されていません。

そのため、源泉徴収義務者は従業員に「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出してもらい、年間の所得税の最終的な計算を行います。年末調整とは、納めるべき所得税に過不足があった場合に、それを精算(給与の天引きや還付で調整)することです。

つまり、年末調整によって所得税の課税関係は終了するため、確定申告が不要になるわけです。ただし、年末調整が行われていることが前提であり、退職や書類の未提出などで年末調整が行われなかった場合や、仕事を掛け持ちしており年末調整が行われなかった場合は確定申告が必要です。

会社員で副業による所得が20万円以下(バイトは収入20万円以下)

「副業による所得が一定以上ある会社員は確定申告が必要」と書きましたが、一定以下なら確定申告は不要です。ただし、住民税の申告は必要になることがあります。

副業が雑所得や不動産所得に該当する場合

所有する不動産を賃貸物件にして得ている所得は「不動産所得」に該当します。雑所得はさまざまなケースが考えられ、動画配信やオンラインサロン、ハンドメイド、クラウドソーシングなどを副業として小規模に行っている場合には、一般的に雑所得に該当します。これらの副業による所得の合計が20万円以下の場合、給与所得が1カ所で年末調整が済んでいれば、確定申告は不要です。

(例)給与所得者で副業による収入が30万円、副業の経費が15万円だった。
30万円-15万円=15万円(副業による所得)
副業による所得が20万円以下になるため、確定申告は不要。
※給与所得は1カ所から受けているものとします。

副業が給与所得に該当する場合

本業の業務を終えた後、他の会社で働く人もいるでしょう。もう1つの会社と雇用契約を結んでいて、それが給与所得に該当する場合は判断基準が変わります。確定申告が不要になるのは、年末調整が行われていない給与の「収入金額」が20万円以下の場合です。給与所得ではなく「給与収入」で判断する点に注意しましょう。

公的年金の収入が400万円以下で確定申告不要制度の対象者

公的年金受給者のうち公的年金の収入が400万円以下で、かつ公的年金等以外の所得が20万円以下の人は確定申告不要制度の対象になります。この場合、確定申告は不要です。

公的年金受給者については、一定の要件を満たす場合を除き、所得税の確定申告が必要になることがありますが、確定申告不要制度の要件を満たす場合には、確定申告が免除されます。なお、公的年金については一定額以上を受給する場合に所得税の源泉徴収が行われますが、確定申告が不要かどうかは、あくまで収入額や他の所得の有無によって判断されます。

個人年金の確定申告については以下の記事で詳しく解説していますので、こちらもご覧ください。

確定申告の要不要は公的年金の額や所得額などで決まる

年末調整や確定申告不要制度によって通常は確定申告が不要な給与所得者や公的年金受給者であっても、確定申告が必要になることがあります。

ポイントは、給与や公的年金については収入金額、副業などについては所得金額がいくらあるかです。

副業をする人が増えていますが、副業の所得が一定以上ある場合は確定申告が必要になるので、直前になって焦らないように準備を進めておきましょう。

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よくある質問

確定申告とは?

一般的には所得税の確定申告を指し、個人に課される所得税を税務署に申告することです。詳しくはこちらをご覧ください。

確定申告が必要な人とは?

個人事業主やフリーランス、不動産投資、株取引、副業をしている人で一定の所得がある人、公的年金の確定申告不要制度の対象にならない人などです。詳しくはこちらをご覧ください。

確定申告が不要な人とは?

課税所得のない事業者や年末調整を受ける会社員、副業の所得が一定以下の人、公的年金の確定申告不要制度対象者などです。 詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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