
青色申告の承認を受けるためには、所得税法第144条、所得税法第166条に定められた規定に従って手続きを進めることが必要となります。今回はその申請を行うための方法などを中心に確認していきたいと思います。
青色申告の申請要件
・対象者:事業所得、不動産所得、山林所得のいずれかの収入があり、所管の税務署長に対して青色申告承認申請書を提出、承認を受けようとする個人事業主や法人など
・申請期限:原則として、青色申告書による申告を行いたい年の3月15日までが期限。
- その他の場合
- その年の1月16日以降に新たに開業した場合:開業した日から2か月以内が期限
- 青色申告者が1月1日から8月31日の期間に死亡し、その者から事業を継承した場合:相続の開始を知った日(死亡した日)の翌日から起算して4カ月以内
- 青色申告者が9月1日から10月31日の期間に死亡し、その者から事業を継承した場合:その年の12月31日
- 青色申告者が11月1日から12月31日の期間に死亡し、その者から事業を継承した場合:翌年2月15日
※提出期限が土・日曜日・祝日などの場合には、その翌日が期限となります。
・必要書類:青色申告承認申請書
青色申告の申請方法
申請は、青色申告承認申請書を納税地の所轄税務署長へ提出することにより行います。具体的には、税務署の窓口への提出、税務署に郵送にて提出の2通りの方法で行うことができます。
青色申告承認申請書は、税務署で受け取ったものでも国税庁のホームページからダウンロードしたものでも問題なく使えます。
青色申告承認申請書の書き方のポイント
青色申告承認申請書の書き方におけるポイントを確認していきましょう。
以下、3つの項目がポイントです。
1.上記以外の住所地・事業所等
納税地以外に住所地・事業所等がある場合に記入します。たとえば、自宅は世田谷区にあって、事業所が渋谷区にあるような場合には、ここに渋谷区の所在地を書くことになります。特になければ空欄でかまいません。
2.事業所又は所得の起因となる資産の名称及びその所在地
事業所や所得を得る原因となった不動産資産などの名称、たとえば「本店」、「○○出張所」、「○○支店」、「山林」、「○○荘」とその名称とその所在地や電話番号を書きます。記載しきれないときは別紙にすべて列挙をして添付してください。
3.所得の種類
事業所得、不動産所得、山林所得のうち、該当する物を◯で囲みます。
より詳しい書き方については、青色申告承認申請書の書き方のページにて、ご確認いただけます。
青色申告の申請後の流れ
申請に対する審査期間に関しては、審査内容やそのときの処理件数などにより異なってきます。
提出後に行われる税務署の審査では、1年以内に青色申告の承認取消しの通知を受けていないか、青色申告の取りやめ届出書を提出していないかという2点の確認方法で行われます。
青色申告承認申請書の提出後、申請が承認されると「所得税の青色申告決算書」と「所得税の確定申告書」の記入用紙が郵送される、もしくは、国税庁のホームページからダウンロード、印刷することができるようになります。
また、e-Taxによる申請を選択すると、国税庁のホームページ上で「所得税の青色申告決算書」と「所得税の確定申告書」の作成ができます。
※e-Taxによる作成を行なうためには、以下の3点の準備が必要となります。
・マイナンバーカードや住民基本台帳カードの登録
・電子証明書及び電子署名の取得
・ICカードリーダライタの用意
詳しくは青色申告をe-TAXで行う場合をご参照ください。
青色申告承認申請書の提出を行なうと、税理士や青色申告会などが行なう記帳に関する指導を無料で受けることができるようになります。
なお、青色申告の承認取消しの処分の通知を受けた場合、処分の通知を受けた日の翌日から起算して3月以内にその処分をした税務署長に対して再調査の請求又は国税不服審判所長に対して審査請求をすることができます。
まとめ
青色申告をするためには、申請など手続きが必要になりますが、難しい内容ではありません。また、青色申告承認申請の提出期限については、いろいろと例外もあるので、自身がどのパターンに属するのかを確認しながら記入してください。
なお、青色申告承認申請書は青色申告をするための大切な届出書類ですから、前もって準備をし、期限内に届出るようにしましょう。