• 更新日 : 2026年3月25日

退職手続きでは何をするべき?従業員側と会社側に分けて解説

Point退職手続きの要点まとめ

退職手続きは、退職1〜3ヶ月前からの社内調整と、退職後14日以内の公的切り替えを期限厳守で進めるプロセスです。

  • 従業員: 退職1ヶ月前までに届出、業務引継ぎと貸与物返却を完結。
  • 会社側: 退職後5日以内に社会保険、10日以内に雇用保険を喪失処理。
  • 退職後: 離職中は14日以内に健康保険・年金の切り替えが必須。

Q:退職後、すぐに再就職しない場合に最も優先すべきことは?
A:退職翌日から14日以内の「健康保険・年金」の加入切り替えです。 放置すると無保険状態や将来の年金額減少のリスクがあるため、最優先で行いましょう。

企業における退職手続きは、労働基準法や社会保険法に基づき、会社側と従業員側それぞれで厳格な期限内に完了させる必要があります。

「5日以内の資格喪失届」「住民税の徴収方法」「退職後の14日以内の切り替え」など、一つでも遅れると失業給付や年金に影響が出るため注意が必要です。

本記事では、退職届の受理から税金処理、退職後の公的手続きまで、ミスなく進めるための全体フローを網羅的に解説します。人事労務担当者も退職予定者も、このチェックリストを活用して円滑な手続きを進めましょう。

退職手続きの全体スケジュールは?

退職日の1〜2ヶ月前から開始し、退職後1ヶ月以内に完了させるのが一般的です。退職手続きは数ヶ月にわたるフローです。まずは全体像を把握しましょう。

退職の意思表示から退職当日までは、主に「業務の引継ぎ」と「社内処理」が中心となります。

時期従業員側のアクション会社側(人事・労務)のアクション
1〜2ヶ月前直属の上司へ退職の申し出

退職日の相談・決定

退職願・退職届の受理

後任者の選定・募集開始

1ヶ月前正式な退職届の提出

業務引継ぎ書の作成開始

有給休暇消化スケジュールの確認

住民税の徴収方法の確認

1〜2週間前取引先・社内への挨拶回り

私物の整理

貸与物リストの確認

離職票交付の要・不要確認

退職当日貸与物(PC・保険証等)の返却

備品・セキュリティカード返却

貸与物の回収確認

健康保険証の回収

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会社側が行うべき退職手続きは?

退職届の受理、貸与物回収、社会保険・雇用保険の喪失、税金処理、および退職金等の対応を期限内に行います。

従業員が退職する際、会社が行うべき手続きは多岐にわたり、それぞれに法的な提出期限が定められています。手続きが遅れると、退職者の失業給付受給や国民健康保険への切り替えに支障をきたすため、優先順位をつけて処理することが重要です。

以下では、会社が進めるべき手続きを時系列順に解説します。

1. 退職届を受け取る

退職日が確定したら、必ず書面で「退職届」を受け取り保管します。

後の「言った・言わない」のトラブル(不当解雇の訴えなど)を回避するためです。まず、提出されたのが「退職願(合意による解約の申し入れ)」か「退職届(一方的な解約通告)」かを確認します。

民法上、退職の申し入れは原則として退職日の2週間前までに行えば有効ですが、円滑な引き継ぎのために就業規則で「1ヶ月前」などと定めている企業が一般的です。双方合意の上で、無理のない退職日を決定しましょう。

参考: 退職の申出は2週間前までに|労働基準監督署

2. 貸与物を回収する

最終出社日までに、PC、スマホ、社員証、健康保険証などをすべて回収します。

退職後の情報漏洩リスクや、セキュリティ事故を防ぐためです。

回収漏れを防ぐため、以下のチェックリストを活用してください。特に「健康保険被保険者証」は、退職日翌日から使用できません。回収不能な場合は「被保険者証回収不能届」の提出が必要になります。

  • 主な回収物リスト
    • 健康保険被保険者証(扶養家族分含む)
    • 社員証、入館証、社章
    • 名刺(本人分および取引先分)
    • PC、スマートフォン、タブレット、USBメモリ
    • 制服、作業着
    • 通勤定期券(現物支給の場合)

3. 社会保険の資格喪失手続きをする

退職日の翌日から5日以内に「被保険者資格喪失届」を年金事務所へ提出します。

健康保険法および厚生年金保険法により、事実発生から5日以内の届出が義務付けられています。
資格喪失日は「退職日の翌日」です(例:3月31日退職なら4月1日が資格喪失日)。
提出先は事務センターまたは管轄の年金事務所です。回収した健康保険証を添付して提出します。

なお、60歳以上で再雇用される場合は、同日付での「資格喪失届」と「資格取得届」の同時提出が必要です。

参考: 従業員が退職・死亡したとき(健康保険・厚生年金保険の資格喪失)の手続き|日本年金機構

4. 雇用保険の資格喪失手続きをする

退職日の翌々日から10日以内に、ハローワークへ「資格喪失届」と「離職証明書」を提出します。

雇用保険法に基づき、失業給付の計算基礎となる賃金情報の申告が必要だからです。

手続きの内容は、退職者が「離職票(失業保険の手続きに必要な書類)」を希望するかどうかで異なります。

離職票の希望会社の手続き備考
希望する「資格喪失届」と「離職証明書」を提出賃金台帳や出勤簿の添付が必要です。
希望しない「資格喪失届」のみ提出転職先が決まっている場合など。

※ただし、59歳以上の退職者については、本人の希望に関わらず離職票の発行(離職証明書の提出)が必須です。

参考: 雇用保険事務手続きの手引き|厚生労働省

5. 住民税の手続きをする(時期に注意)

退職時期(1〜5月か、6〜12月か)によって徴収方法の手続きが異なります。

地方税法により、退職月によって残りの住民税の徴収義務が変わるためです。

会社は「給与所得者異動届出書」を作成し、退職翌月の10日までに市区町村へ提出します。その際、以下の区分に従って徴収方法を切り替えます。

退職時期手続き内容解説
6月〜12月普通徴収への切替

(または一括徴収)

残りの税額を本人が自分で納付するよう手続きします(普通徴収)。本人が希望すれば給与からの一括徴収も可能です。
1月〜5月一括徴収(義務)5月分までの残りの住民税を、最終給与や退職金から一括で徴収し納付しなければなりません(本人の希望有無に関わらず原則義務)。

参考: 個人住民税と特別徴収について|東京都主税局

6. 所得税(源泉徴収票)の手続きをする

最後の給与支払いが確定した後、退職日から1ヶ月以内に「源泉徴収票」を発行・交付します。

所得税法により規定されています。退職者は年末調整を受けられないため、自身で確定申告を行うか、転職先で年末調整を行う必要があります。

源泉徴収票は、退職者本人へ郵送すると同時に、翌年1月31日までに市区町村へ「給与支払報告書」としても提出します(年間給与30万円以下の退職者は省略可)。

7. 退職金・企業型確定拠出年金(DC)の手続きをする

規定に基づき退職金を支給し、企業型DC等の加入者資格喪失手続きを行います。

退職所得分離課税となるため、通常の給与とは異なる税務処理や資産の移換手続きが必要です。

  • 退職金:「退職所得の受給に関する申告書」を本人から提出してもらいます。未提出の場合、退職金から20.42%が源泉徴収されます。
  • 企業型DC/iDeCo: 会社は運営管理機関へ資格喪失を通知します。あわせて従業員に対し、6ヶ月以内に「個人型(iDeCo)への移換」や「転職先企業型DCへの移換」を行うよう案内してください。

8. 退職後の手続きに必要な書類を郵送する

離職票や源泉徴収票など、退職後の生活に必要な書類を速やかに郵送します。

退職者が役所で行う手続き(国民健康保険・国民年金の加入、失業保険の申請)には期限があります。会社側の書類発行が遅れると退職者に不利益が生じるため、以下の書類が揃い次第、速やかに特定記録郵便などで郵送しましょう。

  • 郵送書類チェックリスト
    • [ ] 源泉徴収票(最後の給与確定後)
    • [ ] 離職票-1、離職票-2(ハローワーク手続き完了後/希望者のみ)
    • [ ] 健康保険資格喪失証明書(国民健康保険への切替に必要)
    • [ ] 退職証明書(転職先から求められた場合など/希望者のみ)

従業員側が進めるべき退職手続きは?

退職届の提出、業務引継ぎ、関係者への挨拶、貸与物返却、そして退職書類の受取が必要です。

従業員が退職する際は、ただ辞めるだけでなく「立つ鳥跡を濁さず」の精神で進めることが、将来のキャリアや円満な人間関係のために重要です。会社と従業員双方の負担を軽減するため、以下の5ステップを確実に実行してもらいましょう。

1. 退職の申し出と退職届の提出

退職希望日の1〜3ヶ月前に上司へ伝え、1ヶ月前には正式な「退職届」を提出します。

民法上は「2週間前の申し出」で退職可能ですが、実務上、2週間では後任の確保や引き継ぎが間に合わず、職場に多大な迷惑をかけるためです。

就業規則で「退職の1ヶ月前までに申し出る」と定められているケースが一般的です。
まずは直属の上司に口頭で報告して承認を得てから、退職日を確定させ、正式な「退職届」を提出します。直属の上司を飛び越えて人事に伝えるのはマナー違反となるため注意が必要です。

2. 完璧な業務引き継ぎを行う

マニュアルや進行状況一覧を作成し、後任者が一人で業務を行える状態にします。

業務の停滞や顧客トラブルを防ぐためです。口頭だけの説明は「言った・言わない」の原因となります。

退職後に「あれはどうなっていますか?」と電話がかかってくる事態は避けなければなりません。以下の形式で「形に残す引き継ぎ」を行いましょう。

  • 業務マニュアル: 手順だけでなく、トラブル時の対応も記載する。
  • 進捗管理表: 仕掛かり中の案件のステータスとネクストアクションを明記する。
  • データの整理: 個人PC内の重要データを共有サーバーへ移行し、保存場所を伝える。

3. 取引先・社内へ挨拶回りをする

退職日の2〜3週間前から、後任者を紹介するメール送付や挨拶回りを行います。

会社としての信用を守ると同時に、退職者自身の将来の人脈を維持するためです。社外への公表が解禁されたタイミング(通常は退職日の1ヶ月〜2週間前)で動きます。

  • メール・訪問: 退職日程、これまでの感謝、後任者の氏名・連絡先を伝えます。
  • 不在時の対応: 後任者がスムーズに引き継げるよう、名刺交換や顔合わせの場をセッティングするのが理想的です。

4. 貸与物の返却と私物を整理する

最終出社日までに、会社から借りている物をすべて返却し、私物を持ち帰ります。

セキュリティ管理および契約上の返還義務があるためです。未返却物があると、退職金から実費を差し引かれたり、後日郵送する手間が発生したりします。

  • 主な返却物: 社員証、入館証、PC、スマートフォン、制服、鍵、社費で購入した書籍など。
  • データ消去: 社用スマホやPCに残った個人的なデータやアプリは消去し、パスワードロックを解除(または初期化)して返却します。
  • 健康保険証: 退職日当日までしか使えません。最終日に必ず返却してください。

5. 退職後の必要書類を受け取る

離職票や源泉徴収票など、転職や公的手続きに必要な書類を漏れなく受け取ります。

これらの書類は、退職日当日にもらえるものと、後日郵送されるものがあります。引越しをする場合は、確実に受け取れるよう新住所を会社に伝えておくことが重要です。

書類名用途・必要な手続き受取時期の目安
雇用保険被保険者証転職先での雇用保険加入手続き退職時(会社保管の場合)
年金手帳転職先での厚生年金加入手続き退職時(会社保管の場合)
離職票-1, 2ハローワークでの失業保険申請退職後10日〜2週間
源泉徴収票確定申告・転職先の年末調整退職後1ヶ月以内
健康保険資格喪失証明書国民健康保険への切り替え退職後すぐに(依頼ベース)
退職証明書転職先から求められた場合退職後すぐに(依頼ベース)

※「離職票」や「退職証明書」は、原則として本人が希望しないと発行されません。必要な場合は必ず退職日までに担当者へ依頼してください。

詳しい退職の流れや受け取る書類については、以下の記事で詳細に解説しているため、ぜひ参考にしてください。

退職後、すぐに再就職しない場合に必要な手続きは?

健康保険・年金の切り替えと、失業給付(雇用保険)の申請を期限内に行います。

退職後、再就職までに1日でも空き期間がある場合、会社の保険から抜けるため、自分で公的な手続きを行う必要があります。手続きを放置すると「無保険状態」になり、医療費が全額負担になったり、将来の年金額が減ったりするリスクがあります。

以下では、退職後に必要な3つの手続きを解説します。

1. 健康保険の手続き(国保・任意継続・扶養)

「国民健康保険」「任意継続」「家族の扶養」の3つから選び、退職後14日以内に手続きします。

日本は国民皆保険制度のため、退職翌日から次のいずれかの保険に加入する義務があります。

保険料や条件を比較して、自分に最適なものを選びましょう。

選択肢概要・メリット手続き(期限・場所)
① 国民健康保険住所地の自治体が運営

前年の所得に応じて保険料が決まる。

期限: 退職翌日から14日以内

場所: 市区町村役場

② 任意継続在職中の保険に継続加入(最長2年間)

保険料は全額自己負担(会社の折半がなくなるため倍になる)。

※資格喪失日の前日までに、健康保険の被保険者期間が継続して2ヶ月以上あることが条件

期限: 退職翌日から20日以内

場所: 協会けんぽ

または健保組合

③ 家族の扶養配偶者や親の扶養に入る

保険料負担なし(年間収入130万円未満などの条件あり)。

期限: 退職後5日以内(目安)

場所: 家族の勤務先

手続きに必要な主な書類(国民健康保険の場合)
  • 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
  • 資格喪失日が確認できる書類(健康保険資格喪失証明書、離職票、退職証明書など)

※任意継続を希望する場合は「任意継続被保険者資格取得申請書」を提出します。

2. 国民年金の手続き(種別変更)

退職翌日から14日以内に、役所で厚生年金から「国民年金」への変更手続きを行います。

会社員(第2号被保険者)の資格を失うため、自営業・無職等(第1号被保険者)への切り替えが必要です。配偶者に扶養される場合は「第3号被保険者」となります。

加入区分対象者手続き(場所・書類)
第1号被保険者独身者や扶養に入らない人

(失業中の方を含む)

場所: 住所地の市区町村役場

書類:

  • 年金手帳(または基礎年金番号通知書)
  • 退職日のわかる書類(離職票等)
  • 本人確認書類
第3号被保険者配偶者の扶養に入る人

(年収130万円未満など)

場所: 配偶者の勤務先

書類:

  • 扶養事実を証明する書類
  • マイナンバー等(配偶者の会社へ確認)

注意点:

収入がなく保険料の支払いが困難な場合は、未納のままにせず「保険料免除・納付猶予制度」を申請しましょう。役所の年金窓口で相談可能です。

3. 雇用保険(失業手当)の受給手続き

「離職票」が届き次第、ハローワークで求職申し込みと受給申請を行います。

雇用保険法に基づき、失業中の生活安定と早期再就職を支援するための給付です。受給するには「就職しようとする意思と能力があること」が大前提です。

主な受給要件:

  • 離職日以前の2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算12ヶ月以上あること。
  • (倒産・解雇等の特定受給資格者の場合)離職日以前の1年間に被保険者期間が通算6ヶ月以上あること。

ハローワークでの申請に必要なもの:

  1. 雇用保険被保険者離職票(-1、-2)
  2. マイナンバー確認書類(マイナンバーカード等)
  3. 本人確認書類(運転免許証等)
  4. 写真2枚(縦3.0cm×横2.4cm)
  5. 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード

申請後の流れ:

申請後、「7日間の待期期間」を経て支給対象期間に入ります。自己都合退職の場合は、さらに1ヶ月〜3ヶ月の「給付制限期間」があるため、振込開始までの生活資金に注意が必要です。

参考: ➢離職されたみなさまへ<|厚生労働省

失業保険に関する詳しい情報は下記で解説しているため、ぜひあわせてご覧ください。

退職手続きを適切にするための注意点とは?

従業員は「就業規則と有給消化」、会社は「書類の法定保存期間」に注意が必要です。

退職手続きは、法律や社内規定に従って進めなければ、後々の給与トラブルや法的な罰則につながる可能性があります。

従業員が注意すべきこと

就業規則で「退職申し出の期限」を確認し、有給休暇の消化を含めたスケジュールを組みます。

「退職したいと言ったが、規定違反で受理されない」「有給が使いきれずに消滅した」といったトラブルを防ぐためです。

退職を決意したら、まず自社の就業規則を確認してください。以下の項目をクリアにしてから上司に相談しましょう。

  • 退職申し出の期限:「1ヶ月前」か「3ヶ月前」か。規定を守ることで円満退職につながります。
  • 有給休暇の残日数: 退職日までに消化しきるには、最終出社日をいつにするべきか逆算します。
  • ボーナスの支給要件:「支給日に在籍していること」が条件の場合、退職日設定に注意が必要です。

会社が注意すべきこと

退職者の個人情報は厳重に管理し、労働関係書類は法律で定められた期間保存します。

労働基準法や税法により、退職後も一定期間の書類保存が義務付けられているためです。違反すると罰則の対象となります。

書類の種類具体的な書類名保存期間(起算日)
税務関係7年間

(申告期限の翌日から)

労働基準法
  • 労働者名簿
  • 賃金台帳
  • 出勤簿(タイムカード)
5年間(当面は3年)※

(退職日または最終記入日から)

社会保険
  • 健保/厚年に関する書類
  • 雇用保険に関する書類
2年間(雇用保険は4年)

(完結した日から)

退職者の書類だからといってすぐに廃棄してはいけません。以下の法定保存期間に従って管理してください。特にタイムカードや賃金台帳は、未払い残業代請求の証拠となるため重要です。

※労働基準法改正により保存期間は5年に延長されましたが、経過措置として当面の間は「3年」とされています。リスク管理の観点からは5年保存が推奨されます。

参考: 労働基準法等の規定に基づく届出等の電子申請について |厚生労働省

退職手続きにおける会社側と従業員側のトラブル実態

マネーフォワードは、入退社手続きの業務に関わる担当者を対象とした調査を実施しました。この調査データから、退職手続きにおけるトラブルのリアルな実態が明らかになっています。

退職手続きで発生しやすいトラブルとその原因

退職手続きにおいて特にトラブルや苦労が発生しやすい項目で最も多いのは「離職票の発行手続き(賃金台帳の集計等)」で31.7%、次いで「健康保険証の回収」で29.1%でした。 また、これらのトラブルが発生する主な原因として最も多いのは「本人(入退社する従業員)の対応の遅れ・不備」で35.3%でした。次いで「人事担当者の知識不足・確認ミス」で30.8%となっており、会社側と従業員側の双方の対応がボトルネックとなっていることがわかります。

トラブルがもたらす業務への悪影響

手続きのトラブルによって生じた業務への影響で最も多いのは「担当者の残業時間が大幅に増加した」で37.5%でした。次いで「従業員との信頼関係が悪化した」で28.1%となっています。

退職書類の未提出や手続きの遅れは、人事担当者の残業などの業務負担を増大させるだけでなく、従業員との関係悪化にもつながります。円滑に手続きを完了させるためには、会社側と従業員側がそれぞれ必要な対応を正しく理解し、協力して進めることが重要です。

出典:マネーフォワード クラウド、退職手続きにおいてトラブルが発生しやすい項目、トラブルが発生する主な原因、トラブルによって生じた業務への影響【入退社に関する調査データ】(回答者:入退社手続きに携わった経験がある597名、集計期間:2026年2月実施)

会社と従業員がするべき退職手続きを確認しておこう

退職手続きは、単なる「業務の終わり」ではなく、法律に基づく厳格な期限管理が求められるプロセスです。

会社側は「5日以内・10日以内」の行政手続きや、退職時期による「住民税徴収」の違いを正確に把握する必要があります。一方、従業員側は「立つ鳥跡を濁さず」の精神で引き継ぎを行い、退職後は「14日以内」の公的手続きを忘れないようにしましょう。

手続きの漏れは、会社にとっては法的リスク、従業員にとっては生活保障のリスクに直結します。本記事で紹介したスケジュール表やチェックリストを活用し、双方にとって不安のないスムーズな退職を実現してください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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