• 更新日 : 2026年10月8日

源泉徴収票の発行の仕方は?手順と提出期限をわかりやすく解説

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Point源泉徴収票はどの手順で発行する?

年末調整で税額を確定させ、所定の様式に出力して本人と提出先へ渡します。

  • 年末調整を終えてから作成に入る
  • 給与を払った全員へ交付する
  • 原則として翌年1月31日までに渡す

本人交付用にマイナンバーは記載せず、交付を怠ると罰則の対象になります。

源泉徴収票の発行は、1年間の給与計算と年末調整の総仕上げにあたる業務です。年末調整で税額を確定させ、国が定める様式に出力し、原則として書面(紙)で本人へ交付するという流れで進みます。期限は翌年1月31日まで、退職者は退職日から1か月以内です。手順、提出先、注意点の順に整理します。

源泉徴収票の発行はどの手順で進める?

発行業務は、1年間の税額を確定し、法定の様式に出力して関係先へ渡すという流れです。ソフトから印刷するだけの作業ではなく、前段の年末調整の精度が源泉徴収票の正しさを左右します。本人への交付は原則として書面で行い、電子交付は承諾を得た場合に限って書面に代えられます。

手順は次のとおりです。

1.年末調整を行い税額を確定させる

最初に、源泉徴収票へ記載する元データを年末調整で作成します。その年の最後の給与・賞与の支給額が確定したあと、年収総額から扶養控除、生命保険料控除、住宅ローン控除などを差し引き、年調年税額を算出します。

毎月天引きしている所得税は概算です。年末調整で再計算し、過不足を精算した結果が源泉徴収票の「源泉徴収税額」になります。この計算が終わらなければ源泉徴収票は作成できません。

2.所定の様式に作成・出力する

確定した年収や税額を、国が定める「給与所得の源泉徴収票」の様式に反映させます。様式は所得税法施行規則の別表第六(一)で定められた法定様式で、会社が独自に決められるものではありません。

国税庁が手書用と入力用のPDFを公開しています。出力の方法は、会社の規模や導入しているシステムによって分かれます。

  • 給与計算ソフト(クラウド型・オンプレミス型)
  • 国税庁の年末調整控除申告書作成用ソフトやe-Tax
  • 手書きやエクセル

給与支払報告書(個人別明細書)と受給者交付用の源泉徴収票を同時に作成できる様式も用意されているため、複写での運用も可能です。なお、税務署提出用の書面様式は令和8年8月に変更されるため、それ以降に書面で提出する場合は新しい様式を使います。

3.本人と提出先へ交付する

源泉徴収票は、原則として書面で本人へ交付する義務があります。提出範囲に該当する分は税務署へ、給与支払報告書は市区町村へ提出します。

交付は紙の手渡しか郵送が基本です。Web明細などによる電子交付も認められていますが、これは書面による交付に代えて行う取扱いのため、次の要件を満たす必要があります。

  • 事前の承諾:あらかじめ従業員から電磁的方法による提供の承諾を得る
  • 改ざん防止:データを容易に書き換えられない措置と本人確認の仕組みを備える
  • 書面の請求:承諾を得たあとでも、本人から請求があれば書面で交付する

参照:給与所得の源泉徴収票等の交付義務|国税庁

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源泉徴収票は誰にいつまでに提出する?

源泉徴収票の交付・提出の相手は、従業員本人、所轄の税務署、そして給与支払報告書を出す市区町村に分かれます。期限は原則として翌年1月31日ですが、退職者には別の期限があります。

従業員本人へ交付する

給与を支払ったすべての人に対して交付する義務があります。正社員、契約社員、パート、アルバイトのほか、居住者である外国人従業員も対象です。

期限は翌年1月31日まで、年の途中で退職した人は退職日から1か月以内です。本人は確定申告、住宅ローン審査、家族の扶養認定、転職先の入社手続きなどで使います。紛失による再発行の依頼には、回数の制限なく応じる必要があります。

税務署へ提出する範囲

税務署への提出は全員分ではなく、支払金額などの条件に当てはまる人に限られます。年末調整をした人の提出範囲は次のとおりです。

区分 提出の対象
法人の役員 その年の支払金額が150万円を超える人
弁護士・司法書士・税理士等 その年の支払金額が250万円を超える人
上記以外 その年の支払金額が500万円を超える人

年末調整をしなかった人は基準が別に定められています。扶養控除等申告書を提出して年の途中で退職した人は250万円超(役員は50万円超)、申告書を提出しなかった人は50万円超が対象です。主たる給与が2,000万円を超えて年末調整をしなかった人は、金額にかかわらず対象になります。

市区町村へ給与支払報告書を提出する

給与支払報告書は税務署への提出範囲とは異なり、原則として全員分を提出します。提出先は、翌年1月1日現在の住所地の市区町村です。

年の途中で退職した人は、退職時の住所地の市区町村へ提出します。期限はいずれも翌年1月31日です。なお、退職者への支払金額が30万円以下の場合は提出を省略できます。

令和9年から変わる税務署への提出

令和9年1月以降は、給与支払報告書を市区町村へ提出すれば税務署への源泉徴収票の提出が不要になります。市区町村へ提出した時点で、税務署長へ源泉徴収票を提出したものとみなされる運用が始まります。

税務署提出用を別に作成する手間がなくなる一方、受給者へ交付する源泉徴収票はこれまでどおり全員分が必要です。eLTAXでの電子的提出の一元化機能は令和8年9月末で終了するため、提出方法を切り替える会社は早めの確認が必要です。

参照:No.7411 「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数等|国税庁
参照:源泉徴収票のみなし提出の運用開始ページ|国税庁

源泉徴収票にはどんな項目を記載する?

記載内容は、収入から控除を差し引いて税額を算出する計算式をそのまま並べた構造になっています。担当者が確認するのは、金額に関する欄です。

金額に関する主な欄

支払金額、給与所得控除後の金額、所得控除の額の合計額、源泉徴収税額の順に税額が絞り込まれます。それぞれの内容は次のとおりです。

欄 内容
支払金額 その年に支払った給与・賞与の総額。非課税の通勤手当は含めない
給与所得控除後の金額 支払金額から給与所得控除を引いた金額。税法上の給与所得にあたる
所得控除の額の合計額 社会保険料控除、生命保険料控除、配偶者控除、基礎控除などの合計
源泉徴収税額 年末調整で過不足を精算したあとの、その年に納めるべき所得税の総額

源泉徴収税額が0円になるのは、年収が低く税額が生じなかった場合や、住宅ローン控除で全額還付された場合などです。各欄の見方は以下の記事で詳しく解説しています。

参照:F1-1 給与所得の源泉徴収票(同合計表)|国税庁

令和8年分から変わる金額と欄

給与所得控除の最低保障額が令和8年分から引き上げられ、給与所得控除後の金額が前年と変わります。令和8年分以後は年収220万円以下で一律74万円を差し引きます。令和7年分までは年収190万円以下で65万円でした。

また令和7年12月以後用の様式では「特定親族特別控除の額」の欄が加わっています。年末調整で申告書を回収する際は、19歳以上23歳未満の親族に関する記載漏れがないかを確認します。

参照:令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について|国税庁

源泉徴収票の発行で注意する点はどこ?

作成時に起きやすいのは、マイナンバーの記載と住所欄の誤りです。運用ルールを事前に決めておくと、差し戻しややり直しを防げます。

本人交付用にマイナンバーは記載しない

マイナンバーの記載は、税務署提出用には必要で、本人交付用には記載しません。本人へ渡す書類に番号を載せると、番号の流出につながります。

給与計算ソフトから出力する際は、本人交付用の設定になっているか、番号がマスキングされているかを確認します。

住所欄は作成日現在で記載する

源泉徴収票の住所欄には、原則として作成する日の住所を記載します。一方、給与支払報告書は提出する年の1月1日現在の住所を記載します。

複写式の給与支払報告書を使って源泉徴収票を作成する場合は、1月1日現在の住所を記載しても差し支えありません。

参照:「給与所得の源泉徴収票」の「住所又は居所」欄の記載方法|国税庁

パートや退職者を含む全員に交付する

雇用形態や金額にかかわらず、給与を支払ったすべての人に交付義務があります。扶養の範囲内で働く人や学生アルバイトも対象です。

学生であっても、親の扶養認定の確認や本人の勤労学生控除の申告で必要になります。ただし業務委託契約の個人事業主は対象外です。デザイナーや税理士などへ報酬として支払った場合は、源泉徴収票ではなく「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」を作成します。用紙が似ているため、取り違えに注意します。

押印とコンビニ発行についての誤解

法令上、源泉徴収票への押印義務はありません。社印や代表者印がなくても、証明書類として機能します。

社内ルールとして押印や電子印影の表示を続けることも問題ありません。また、住民票のようにマイナンバーカードでコンビニのマルチコピー機から出力することはできません。書面の源泉徴収票は会社から交付されるものだけです。この点を周知しておくと、紛失時の問い合わせを減らせます。

源泉徴収票を発行しないとどうなる?

交付は所得税法第226条で定められた事業者の義務です。発行を怠ると罰則の対象になるうえ、税務署から指導を受けるおそれがあります。

所得税法上の罰則

交付期限までに交付しなかった場合や、偽りの記載をして交付した場合は罰則の対象です。所得税法第242条第6号により、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科される可能性があります。

事務作業の遅れとして扱われるものではありません。退職者への交付漏れは見落としやすいため、退職手続きのチェックリストに組み込んでおくと防ぎやすくなります。

不交付の届出による行政指導

会社が交付に応じない場合、従業員は税務署へ「源泉徴収票不交付の届出書」を提出できます。届出が出されると、税務署から会社へ事実確認の連絡や、交付を求める行政指導が入ります。

指導を受けること自体が会社の信用に影響します。なお、いったん交付した源泉徴収票の再発行は、この届出の対象外です。

従業員の手続きへの影響

発行が遅れると、従業員は収入証明を必要とする手続きを進められなくなります。影響が出るのは次のような場面です。

  • 確定申告による還付を受けられない
  • 住宅ローンの本審査が進まない
  • 保育園の入園申請に間に合わない
  • 失業給付の手続きで給与額を示せない

いずれも生活設計に関わるため、遅延は労使間のトラブルにつながりやすくなります。

参照:F5-4 源泉徴収票不交付の届出手続|国税庁

源泉徴収票の発行の仕方を理解し、1月31日までに確実な処理を

源泉徴収票の発行は、年末調整で税額を確定させ、所定の様式に出力し、本人と提出先へ渡すという流れで進みます。

交付対象はパートや退職者を含む全員で、期限は原則として翌年1月31日、退職者は退職日から1か月以内です。

税務署への提出は支払金額などの条件に当てはまる人に限られ、令和9年1月からは給与支払報告書の提出をもって代えられます。

本人交付用にマイナンバーを記載しないこと、コンビニでは発行できないことは社内で共有しておきましょう。余裕を持ったスケジュールで準備を進めましょう。

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