• 更新日 : 2026年7月7日

高度人材とは?ポイント制の概要や取得できる在留資格の分類、申請方法を解説

Point高度人材とは何か?

高度人材とは、専門知識・技能を持つ市場価値の高い外国人材で、高度人材ポイント制で70点以上を獲得した人材です。

  • 学歴・年収・年齢などでポイントを算出
  • 在留資格は高度専門職1号・2号の2種類
  • 永住権の早期取得など優遇措置が充実

Q. 高度人材ポイント制で何点取れば認定される?
A. 合計70点以上かつ年収300万円以上で高度外国人材として認定されます。

外国人材の採用を検討する企業の担当者や経営者ならば「高度人材」という言葉を耳にしたこともあるでしょう。

一方、具体的にどういった外国人労働者を指すのかイメージできないという方もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、高度人材がどういった人材を指すのか、高度専門職との違い、企業が高度人材を雇用するメリットなどを解説します。ぜひ参考にしてみてください。

高度人材とは?

高度人材とは、専門的な知識や技能を有し、日本の産業にいい影響をもたらすことが期待されている外国人材です。

従来の「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格で働く外国人材と異なり、実務において高い専門性をもち、市場価値が高いのが特徴です。

たとえば、AIやデータサイエンス、金融工学などの専門的な分野のスキルをもっていたり、修士・博士号を取得していたりしています。

単純労働や簡単な業務をこなす人材ではなく、組織の仕組みや技術にイノベーションをもたらす優秀な人材と位置付けられています。

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高度人材ポイント制とは?

高度外国人材として認められるためには「高度人材ポイント制」という制度において、一定のポイントを獲得しなければいけません。

この制度では、学歴・職歴・予定年収・年齢などいくつかの項目ごとで外国人材の能力や実績を評価します。

評価による合計点数が70点以上に達すると「高度人材(高度外国人材)」として認められます。

なお、70点以上であっても年収が300万円未満の場合、高度外国人材には認定されません。

また、対象となる外国人材の活動は、以下の3つに分類され、計算されます。

高度人材の活動分類 主な職業
高度学術研究分野
  • 研究者
  • 大学教授
  • 教員 など
高度専門・技術分野
  • ITエンジニア
  • IT人材
  • マーケター
  • 製品開発者
  • デザイナー
  • 国際弁護士 など
高度経営・管理分野
  • 企業の経営者
  • 取締役
  • 最高責任者
  • 事業部長
  • 役員 など

同じ評価項目でも、分類によって得られるポイントが異なるため、計算時には法務省が公開している計算表を確認しましょう。

ポイントの計算方法と特別加算条件

各分類における主要な項目のポイント配分は、以下のとおりです。

評価項目 高度学術研究分野 高度専門・技術分野 高度経営・管理分野
学歴
  • 博士号(専門職に係る学位を除く。)取得者:30
  • 修士号(専門職に係る博士を含む。)取得者:20 など
  • 博士号(専門職に係る学位を除く。)取得者:30
  • 修士号(専門職に係る博士を含む。)取得者:20 など
博士号または修士号取得者
年収 年齢区分に応じ、ポイントが付与される:10~40 年齢区分に応じ、ポイントが付与される:10~40
  • 3,000万円~:50
  • 2,500万円~:40
  • 2,000万円~:30
  • 1,500万円~:20
  • 1,000万円~:10
年齢
  • ~29歳:15
  • ~34歳:10
  • ~39歳:5
  • ~29歳:15
  • ~34歳:10
  • ~39歳:5
なし

主要な評価項目とは別で、特別加算にも評価項目が設けられています。

特別評価項目 高度学術研究分野 高度専門・技術分野 高度経営・管理分野
ボーナス①:研究実績、ボーナス
  • 特許の発明 1件~:20
  • 論文の申請 3本~(日本の国家機関で利用されているものに限る):20 など
  • 特許の発明 1件~:15
  • 論文の申請 3本~(日本の国家機関で利用されているものに限る):15 など
なし
ボーナス②:地位 なし なし
  • 代表取締役、代表執行役:10
  • 取締役、執行役:5
ボーナス③:保有資格 なし 日本の国家資格の保有(職務に関連するもの):10(1つ5点) なし

活動分野ごとのポイント加点の傾向は、以下のとおりです。

高度人材の活動分類 ポイント加算の傾向
高度学術研究分野 研究者や教授が対象のため、学歴や研究実績(特許・論文)での加点が多くなる
高度専門・技術分野 エンジニアやIT人材が含まれており、年収や日本の国家資格の有無で加点が増える傾向にある
高度経営・管理分野 経営者が対象となるため、年齢で評価されず、高額な役員報酬(年収)や地位によって加点される

高度人材が取得できる在留資格の分類

高度専門職は、大きくわけると「高度専門職1号」と「高度専門職2号」の2種類に分類されます。

高度人材ポイント制で70ポイント以上を獲得すると、高度人材として認められ、高度専門職の在留資格ビザを取得できるようになります。

※実際にビザを取得するためには、ほかにも要件を満たす必要があります

高度専門職1号

高度専門職1号は、高度人材が最初に取得できる高度専門職の在留資格です。

日本での活動内容に応じて、以下3つの類型にわけられます。

在留資格の類型 日本での活動内容
高度専門職1号(イ) 高度学術研究活動(研究者、大学教授、教員など)
高度専門職1号(ロ) 高度専門・技術活動(ITエンジニア、マーケター、国際弁護士など)
高度専門職1号(ハ) 高度・経営・管理活動(企業の経営者、役員など)

通常の在留資格は、その資格に関する1つの活動しか認められていません。一方、高度専門職1号は、関連する業務であれば、他の類型に関する活動も可能です。

たとえば、大学の教授(イの活動)として勤務しながら、その研究成果を活かして自らベンチャー企業を立ち上げ、企業の経営(ハの活動)にも携わることができます。

ほかにも、以下のような優遇措置が設けられています。

受けられる優遇措置例 概要
在留期間「5年」の一律付与 法律上の最長期間である5年が最初から付与される
永住許可要件の緩和 永住許可を受けるには通常10年の在留が必要なところ、ポイント70点なら3年、80点なら1年で永住権の申請が可能になる
配偶者の就労制限緩和 配偶者は、学歴や職歴の要件を満たさなくともフルタイムで働くことができる

高度専門職2号

「高度専門職1号」として3年以上活動を継続した外国人が、申請して取得できる上位の在留資格です。

1号で行っていた活動を継続しながら、ほかの就労資格で認められている活動も行えます。

また、1号で受けられる優遇措置にあわせて、在留期間が無期限になるのが特徴です。

高度専門職2号を取得したとしても、就労活動を辞めてしまったり、仕事をしていない期間が長くなったりすると、在留資格が取り消しになる恐れがあります。

在留資格「高度専門職」の申請方法

ここからは、高度専門職の申請方法を2パターンにわけて解説します。それぞれの申請手順は、以下のとおりです。

これから日本に来る場合

海外に居住している外国人を採用し、日本に入国させる場合は、以下の手順で行います。

申請の流れ 概要
1.在留資格認定証明書(COE)交付申請 日本国内の受け入れ機関(企業など)の職員などが代理人となり、地方出入国在留管理局へ申請する
2.審査 出入国在留管理庁が、ポイント計算結果や活動内容が適正かを審査を行う
3.証明書の交付 審査に通過すると「在留資格認定証明書」が代理人へ交付される

現時点で日本にいる場合

すでにほかの在留資格で日本に滞在している場合や、高度専門職1号から2号へ移行する場合は、以下の手順で行います。

申請の流れ 概要
1.在留資格変更許可申請 外国人本人または代理人が、住居地を管轄する地方出入国在留管理局の窓口(またはオンライン)で申請する
2.審査 出入国在留管理庁が、現在の在留状況やポイント(70点以上維持)を審査される
3.新在留カードの交付 許可が下りると、新しい在留資格「高度専門職」が記載された在留カードが交付される

なお、外国人を雇用する際の手続きについては、以下の記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてください。

高度人材を雇用するメリット

高度人材を雇用するメリットは、以下のとおりです。

事業の海外進出を後押しする

高度人材は言語能力に加えて、母国の商習慣や市場の傾向、法規制なども把握している傾向があります。

言語の壁を乗り越えられることはもちろん、現地の規制への対応や文化的な背景の理解など、事業の海外進出への後押しが期待できます。

たとえば、現地のコンサルティング会社を挟んだりする手間が省けるなど、海外市場の調査にかかる時間や労力を減らせるでしょう。

高度なスキルをもつ人材を確保できる

高度人材は、高度ポイント制という客観的な基準により、採用前からその人材が一定以上の専門知識や技術、実務経験を有していることが保証されています。

近年では、AIやデータサイエンス、グローバル金融などの領域において、世界的な採用競争がおきています。

日本人だけでなく、外国人材にも採用枠を設けることで、高いスキルをもつ人材を獲得できる可能性が広がるでしょう。

日本人にはない発想やイノベーションを期待できる

日本とは異なる文化や教育環境で育ち、専門的なスキルや知見を有した高度人材からは、日本人にはない視点や発想が見込めます。

また、多様な背景をもつ人材が組織に集まることで、社内のコミュニケーションが活発化し、既存の枠組みに捉われない新しいアイデアが生まれるきっかけにもなります。

たとえば、海外現地の最新トレンドを反映した商品企画や、日本人にはない角度の斬新なアイデアの提案などが期待できるでしょう。

さまざまな業務範囲に対応できる

高度人材は、在留資格で認められた活動以外の業務も認められているため、企業のさまざまな業務範囲に対応できます。

一般的な外国人労働者は、許可された1つの在留資格の範囲内でしか活動できず、他の活動を行うためには資格変更の手続きが必要です。

これにより、本人の適性や希望、社内ニーズにあわせて別の部署へ異動したり、業務を兼任したりすることが可能になります。

なお、以下の記事では、中小企業が海外進出するメリットを解説しています。あわせて参考にしてみてください。

高度人材を雇用するうえでの注意点

続いて、高度人材を雇用する際の注意点を紹介します。

外国人労働者を受け入れる労働環境を整備する

高度人材がその能力を発揮し、日本社会や企業に定着できるよう、社内の仕組みや意識を整え、適切な労働環境を整備しましょう。

いくら高いスキルをもっているといっても、能力を発揮させるためには、周囲の日本人社員との連携が必要です。

たとえば、現地の日本人社員との異文化理解を深める研修の実施や、外国人労働者専用の相談窓口を設置するなどがあげられます。

単純労働は命じてはいけない

高度専門職は、専門知識や技術を活かすための在留資格であるため、主たる業務として専門性を必要としない単純労働をさせることは禁止されています。

もし、主要な業務内容が資格内容と異なると判断された場合、本人の在留資格が取り消されたり、企業側に法的な罰則が科せられたりする恐れがあります。

たとえば、商品の仕分けや単純なデータ入力といった作業のみを主業務として命じることは避けなければなりません。

高度人材の専門性がIT関連であれば、プログラミングや設計など、本人のもつスキルを主軸とした業務を割り当てる必要があります。

在留カードを確認して、分類や更新時期を把握する

入社時や面接時に、本人が所持する在留カードの実物を確認し、現在もっている在留資格の分類や有効期限・更新時期を把握しましょう。

在留カードには、外国人労働者が取得した在留資格や有効期限が記されています。

たとえば、在留カードを目視で確認し、「高度専門職の在留資格を取得しているのか」「在留期間は過ぎていないか」などをチェックすることが必要です。

なお、許可された範囲以外の活動を命じることも、法律によって禁止されています。

もし、外国人労働者が法律に違反していた場合、たとえ企業側が認識していなかったとしても、不法就労助長罪に問われる恐れがあります。

日本人と同等の待遇にする

外国人であることを理由に不当な扱いをせず、同じ業務に従事する日本人と同等以上の報酬を支払いましょう。

労働基準法第3条によって、国籍や信条などを理由に賃金や労働時間をはじめとする労働条件に差別的扱いを行うことが禁止されています。

不当に低い賃金を設定していた場合、労働基準監督署からの是正勧告を受け、悪質と見なされると罰則の対象となります。

高度人材に関するよくある質問

ここでは、高度人材に関するよくある質問を紹介します。

高度専門職1号と2号の違いは何ですか?

「高度専門職1号」は高度人材が最初に取得する在留資格であり、「高度専門職2号」は1号として3年以上活動した人が取得できる上位の在留資格です。

主な違いは、在留期間と活動範囲です。

高度専門職1号 高度専門職2号
在留期間 一律5年 無制限(更新手続きも不要)
活動範囲 許可された分野とそれに付随する活動に限る 1号の活動に加え、ほぼすべての就労資格で認められる活動をあわせて行うことが可能

高度人材はどのような仕事をしますか?

高度人材の仕事は、その活動内容によって「学術研究」「専門・技術」「経営・管理」の3つの類型にわけられ、それぞれ以下のような仕事をします。

活動内容の類型 日本での活動内容
高度学術研究活動(1号イ)
  • 大学教授
  • 研究者 など
高度専門・技術活動(1号ロ)
  • ITエンジニア
  • マーケター
  • デザイナー
  • 国際弁護士 など
高度経営・管理活動(1号ハ)
  • CEO
  • 経営幹部
  • 事業部長 など

高度人材の難易度は?

高度人材になるためには、高度人材ポイント制の学歴や職歴、年収などの項目で一定の点数が必要になります。

たとえば、博士号や修士号の取得が求められたり、関連職種での実務経験が3年以上必要だったりします。

高度外国人材は企業にとって重要な役割を担う人材ですが、優秀な人材である分、他社からも待遇のいい条件を提示されることは珍しくありません。

そのため、採用活動だけでなく、離職を防ぐ対応も重要な要素になります。

たとえば、定着率を高める施策として、従業員の生活を支援する社宅系福利厚生の導入があげられます。

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