- 更新日 : 2025年1月7日
個人事業主の帳簿は手書きでもいい?書き方や注意点を解説
帳簿とは、事業の中で発生した取引やお金の流れなどを記録した台帳のことです。本記事では、帳簿を作成する方法や注意点、帳簿の種類等について確認していきます。「帳簿の書き方や種類がわからない」「帳簿を手書きで作成するメリットは?」という悩みを解決できるでしょう。
目次
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帳簿とは
帳簿とは、事業で発生した取引やお金の流れ、資産や負債などを記録した台帳のことです。また、帳簿は原則紙で保存しますが、一定の要件を満たすことで電子データでの保存が可能となります。
帳簿には主要簿と補助簿の2種類があり、主要簿に分類される総勘定元帳や仕訳帳は作成が必要です。
すべての事業者が付けるように求められている
白色申告や青色申告をしている個人事業主や法人は事業を行っている以上、帳簿を付ける必要があります。本業ではなく副業でも事業所得として確定申告をする人は、帳簿の保管が必須です。
確定申告をする資料の元として帳簿が必要なため、事業の売上や収入、経費などの取引を帳簿に記載していないと正しい申告はできません。確定申告の申告期限が近づいてからあわててしまわないためにも、日々の帳簿を作成して申告に備えましょう。
提出が求められる場面
帳簿は税務調査が入った場合に提出が必要です。帳簿を正しく付けていなかったことが判明すると、加算税などのペナルティの発生する可能性があります。
令和4年度の税制改正では、帳簿の記載不備や不保存を抑止するために、過少申告加算税や無申告加算税の加重措置が定められました。令和6年1月1日以後に申告期限の到来する税金が対象となるため、よりいっそうの注意が必要です。
また、加算税のほかにも青色申告事業者の認定が取り消される可能性もあるため、税制メリットを最大限活用するために帳簿の保存をしておきましょう。
個人事業主が帳簿を付けるメリット
個人事業主は帳簿を付けることで、事業のお金の流れを確認可能です。帳簿がなかったら経費や売上がいくらなのかという詳細がまったくわかりません。感覚では事業がうまく行っていると思っても、実際は赤字になっていることもあり得ます。
確定申告をするときに事業所得として申告すれば、青色申告を選択可能です。雑所得では、ほかの所得との損益通算ができず、特別控除もないため税額が過大になります。青色申告では、所得金額から55万円もしくは10万円の特別控除を使えるため、節税効果が大きいです。
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個人事業主が帳簿を作成する方法
個人事業主が帳簿を作成する方法は以下の3種類です。
- 手書き
- 会計ソフト
- Excel
帳簿を作成する方法によって特徴や優位な点などがあるため、自身の事業に合ったやり方を選択しましょう。
手書き
手書きで帳簿を作成する場合は、複式簿記の仕訳帳を作成した後に、総勘定元帳を作成します。日々発生する仕訳のほかにも複数の書類を作成する必要があるため、手書きの帳簿を始める前に必要な帳簿が何かを把握して準備しましょう。
青色申告では、最低限の帳簿として仕訳帳や総勘定元帳、仕訳帳を作成します。主要簿のほかにも掛の取引が多い場合は買掛帳や売掛帳、固定資産を所有する場合は固定資産台帳などの補助簿を用意しましょう。
会計ソフト
個人事業主の帳簿を作成する場合は、アプリなどの会計ソフトが便利です。最近では、利用しやすいクラウド会計アプリがあるため、帳簿作成の手間を大きく削減できるでしょう。
スマートフォンで帳簿を付けられる会計ソフトもありますが、簿記の初心者はできるだけパソコンの利用をオススメします。レシートなどの書類から仕訳を入力する場合は、画面をスライドさせずに固定させて作業した方がわかりやすくて入力ミスも少ないです。
会計ソフトを利用すると仕訳を総勘定元帳に転記する作業が不要となるため、複数の帳簿を作成する必要がなくなります。
Excel
仕訳帳をExcelで作れるようになると便利になります。
Excelシートで仕訳帳を作成する場合は、セルの構造が複雑にならないように作成することが大切です。Excelの機能で金額等の集計をするため、仕訳を単一仕訳にして集計しやすい構造にしておきましょう。
Excelの機能に詳しい人はマクロ機能で計算を高速化したり、ピポットテーブルなどの機能も活用したりすれば、帳簿の作成を効率化できます。
帳簿を手書きで作成するメリット・デメリット
帳簿を会計ソフトやExcelを使って作成する方法を紹介しましたが、パソコンの作業が苦手で手書きの帳簿を作りたいという人もいるかもしれません。また、今まで手書きで帳簿を作成してきた人は、新しいやり方に変えるのは覚える手間がかかるでしょう。
手書きの帳簿作成には、どのようなメリットやデメリットがあるのかを解説していきます。
メリット
手書きの場合はシステムの補助がないため、帳簿の書き方や意味を調べていくうちに、簿記の知識が自然と身につきます。自分で手書きした帳簿資料を元に決算書や確定申告書を作成することで、所得税の知識も深まるはずです。
また、会計ソフトやExcelの多くはパソコンで作成することから、手書きはパソコンに不慣れの人にオススメできます。スマートフォンで作業可能な会計ソフトもありますが、メインの作業はPCが不可欠になるため、パソコンが苦手な人には心理的なハードルも高いでしょう。
さらに、手書きの帳簿は取引の都度お金の流れを整理して記録するため、経営状況が頭に入ってくるメリットもあります。
デメリット
手書きの帳簿はシステムによる補助がないため、帳簿の書き方を一からすべて覚える手間が発生します。青色申告に必要な複式簿記は、取引の内容を勘定科目で借方と貸方に分けなければなりません。簿記の専門知識に自信がない人は、簿記の基本的な知識から勉強していきましょう。
また、会計ソフトやExcelに比べて、細かい計算や転記作業による書き間違いや計算ミスが発生しやすいです。手書きのミスは気づくのが遅れたり、修正部分を探すのに時間がかかったりするため慎重に作業しましょう。
そして、作成した帳簿は個人事業主の人で7年間の保存義務があり、紙は保管スペースの確保が必要です。
帳簿を手書きで作成する注意点
帳簿を手書きで作成する際の注意点は以下の3つです。
- 書き間違いに気を付ける
- 後で見返すことを前提に書く
- 必ず見本を参考にする
手書きの帳簿はパソコンに慣れていなくても作成できる反面、注意点も多いため事前に確認して覚えておきましょう。
書き間違いに気を付ける
手間をかけて帳簿を作成しても、記載されている数字が正しくないと帳簿としての意味がなくなります。青色申告で必要な複式簿記は白色申告に比べて守らないといけないルールが多く、帳簿の作成方法も複雑です。
そのため、計算ミスや勘定科目の選択間違い、数字の記入ミスには十分気を付けましょう。
後で見返すことを前提に書く
作成した帳簿には一定期間の保存義務があるため、後で帳簿を見返すことを前提に書く必要があります。確定申告の基になる損益計算書や貸借対照表は帳簿から作成されることから、業績を確認するためにもさかのぼって確認することもあるでしょう。
後で見返したときに、年度や日付順に並べておくと確認したい項目を直ぐに確認できて便利です。
必ず見本を参考にする
帳簿には複数の種類があって、書類によって目的や記載項目が異なります。帳簿作成に慣れていないうちは、帳簿の書き方について見本を参考にしながら作成しましょう。
一般的な帳簿書類は、Webサイトからフォーマットをダウンロードできるものが多いため、ダウンロードした書類を印刷しておくと日々の記帳業務が楽になります。
【確定申告の方式別】個人事業主の帳簿の種類・記載方法
個人事業主の確定申告は、以下の3つの方式があります。
- 白色申告
- 青色申告(10万円控除)
- 青色申告(55万円もしくは65万円控除)
いずれの申告方式でも帳簿の作成は必須となっていますが、帳簿の作り方が違う点を確認していきましょう。
白色申告
白色申告では、収支内訳書の作成が必要です。白色申告は2013年までは帳簿が不要とされていましたが、2014年の法改正によって帳簿の作成が義務付けられました。
収支内訳書は、1年間の経費や収入の内訳や減価償却の明細などを記入して、所得を計算する書類です。複式簿記ではなく簡易簿記の記帳が認められているため、帳簿初心者でも作りやすい書類になっています。
青色申告(10万円控除)
青色申告の10万円控除では、白色申告と同じ簡易簿記で帳簿を作成します。青色申告は所得税の青色申告承認申請書を提出することで、10万円の控除を受けられる制度です。
現金出納帳や売掛帳などの補助簿を作成して、損益計算書を提出する必要があります。記帳する仕訳が白色申告と同じ簡易簿記のため、やり方を変えずに帳簿の作成ができるメリットがあるでしょう。
青色申告(55万円もしくは65万円控除)
青色申告の55万円もしくは65万円の控除を受けるためには、複式簿記の帳簿作成が必要です。複式簿記は、一つの取引を借方と貸方に分けて記帳するやり方です。複式簿記は経費や売上だけではなく、資産や負債の知識が求められます。
複式簿記の記帳が義務付けられているため、白色申告や10万円控除の青色申告では必要なかった、貸借対照表の添付も必要となります。
また、e-Taxによる電子申告や電子帳簿保存を行っていると65万円に控除が増えることも特徴です。ほかの申告方式に比べて広い知識の必要性はありますが、税金の優遇措置も大きいため可能な人は積極的に活用していきましょう。
手書きで帳簿を作成する書き方
具体的に帳簿を作成する際の書き方をご紹介します。帳簿の作成方法は申告方式によって書き方が変わってくるため、白色申告と青色申告に分けて解説していきます。
白色申告の場合
白色申告の場合は簡易簿記の記帳となるため、1種類の帳簿を作成して収支を管理します。
現金出納帳は、手元の現金の動きを入金と出金に分けて記帳する資料です。基本的には入金が収入、出金が支出を表しています。
簡易簿記では、複数の帳簿書類を作る必要はないため、難しいことを考えずに作業感覚で資料を作成できます。金額を間違えて記載してしまうと残高欄の金額と、実際の現金の金額が合わなくなってしまうため、定期的に残高が大きく異なっていないかどうかを確認しましょう。
青色申告の場合
青色申告では複式簿記で帳簿を作成することで、55万円もしくは65万円の控除を受けられます。複式簿記は、借方と貸方に勘定科目を分けて仕訳の作成が必要です。
作成した仕訳は対応する科目の総勘定元帳へ記載して、確定申告に必要な損益計算書と貸借対照表の提出に備えます。総勘定元帳は勘定科目の数だけ作成が必要な帳簿となるため、勘定科目数が少なくシンプルな取引の多い事業者は、青色申告に挑戦してみましょう。
帳簿を手書きで作成するメリット3選
帳簿を手書きで作成するメリットは以下の3つです。
- 簿記の知識が身に付く
- パソコンに不慣れでも作成可能
- 経営状況が頭に入りやすい
手書きの帳簿は自然と知識が付いて、収入や経費を理解しながら進められるのが大きな特徴となります。会計ソフトやアプリを触る前に、まずは手書きで帳簿を作成して確定申告までの流れを学ぶところから始めてみましょう。
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ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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