- 更新日 : 2024年10月28日
重加算税とは?対象や税率、計算方法を解説
重加算税とは、帳簿に虚偽の記帳をして不当に所得を少なくしたり、取引の事実を隠して無申告のままであったりした場合などに課される附帯税です。申告義務のある納税者に対する加算税の中でも重い処分になります。この記事では、重加算税の税率や計算方法、個人の扱いや税務調査との関係などについて詳しく解説します。
目次
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重加算税は課税内容を隠ぺい・仮装すると課される附帯税
重加算税は、申告納税制度において、申告義務が適切に履行されなかった場合に行政が課す加算税の一種です。事実を隠ぺい・仮装して、法人税などを少なく申告したり、あるいは申告をしなかったりした場合などに課されます。
隠ぺい・仮装とは、所得を隠したり、所得を偽装したりすることです。例えば、証拠書類の破棄による取引事実の隠ぺい、帳簿への虚偽の記載、売上や仕入の水増しなどが該当します。
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重加算税は法人だけでなく個人も対象
重加算税の対象になるのは、株式会社や合同会社などの法人だけではありません。重加算税の対象になる隠ぺいや仮装を行った上で、申告をしなかった場合、あるいは過少に申告した場合は、個人(個人事業主やフリーランスなど)であっても重加算税の対象になります。個人だからという理由で、税務署に所得の隠ぺいや仮装がバレにくいということもありません。
重加算税が適用されると最大7年間さかのぼって税務調査される
税務調査では、複数年にわたって申告に誤りがある場合などを除き、基本的に過去3年にさかのぼって調査が行われます。
しかし、重加算税の対象になるような問題が調査により明らかになった場合には、過去7年にさかのぼって調査が行われることがあります。
国税通則法において、偽りや不正行為により税額逃れがあったり、不正に還付を受けたりした場合、あるいは不正に純損失が多く計上されていた場合などには、更正決定等は7年を経過する日までできると定められているためです。更正決定の対象になる過去7年をさかのぼっての調査が行われることがあります。
重加算税の適用対象
重加算税は、隠ぺいや仮装があった場合に、過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税に代えて課されます。
無申告加算税
無申告加算税は、税金の申告が必要な個人や法人が期限内に申告をしなかった場合、確定申告の期限後に申告や決定があった場合などに課される加算税のことです。決定とは、申告書の提出をしなければならない者が提出をしないために、税務署などが納税額を確定する手続きをいいます。
例えば、法人が確定申告期限を過ぎて申告をしたケースや、課税所得のある個人事業主が確定申告をしなかったケースなどが該当します。ただし、正当な理由で期限内に申告ができなかった場合などは無申告加算税の対象からは除かれます。
不納付加算税
不納付加算税とは、源泉徴収する国税を納期限までに納付しなかったり、納期限後に税務署から納付するよう告知を受けたりする場合に課される加算税です。源泉徴収される国税には、所得税や復興特別所得税などがあります。従業員を雇用している法人や個人事業主、専門家への報酬の支払いなどで源泉徴収をしている法人や個人事業主などに関係があります。
所得税については、原則として、支払日の翌月10日までが納期限となっているため、納期限を過ぎて支払った場合や支払いをしなかった場合に、不納付加算税が課される可能性があります。ただし、正当な理由があり不能となっているときは、不納付加算税の対象から除外されます。
過少申告加算税
過少申告加算税は、期限内に申告した分について、修正申告や更正があった場合に課される加算税です。修正申告は納税者自身が過去の申告内容を修正する手続きで、更正(処分)は、税務署が誤りや不正を是正する処分です。
本来納付すべき税額より過少に税額を申告していた場合や、本来還付される税額よりも過大に還付金を申告しているような場合に過少申告加算税の対象になります。ただし、正当な理由があるときや更正の予知ができない修正申告については対象から除かれます。
重加算税の税率
重加算税は、本来の課税額に対して課される附帯税です。重加算税の税率は、重加算税が課されることになった状況で異なります。
申告書を提出していた場合は原則35%の徴収
重加算税は、過少申告加算税および不納付加算税の課税割合に代えて、35%と定められています。過少申告加算税については、申告書の提出があるものの、本来の納税額よりも過少に申告している場合の加算税のため、申告書の提出がある場合の税率とも見ることができます。
申告書を提出していなかった場合は原則40%の徴収
重加算税は、無申告加算税の課税割合に代えて40%と定められています。無申告加算税は、申告が必要な納税者が申告をしていなかった場合や期限後申告に適用されることから、期限までに申告書を提出していなかった場合の税率とも見ることができます。
隠ぺい・仮装を繰り返した場合はさらに10%の加算税が徴収される
従来の重加算税の課税割合に加え、10%がさらに加算されることがあります。過少申告加算税や不納付加算税に代えて重加算税が課されるときは10%の加算で45%、無申告加算税に代えて課されるときは50%の課税割合になります。加算される代表的な例は、隠ぺいや仮装を繰り返して過去5年以内に重加算税を課されたことがある場合です。ほかにも、以下のケースで重加算税について10%の加算があります。
- 過去5年以内に更正・決定予知による無申告加算税を課されている
- 前年度・前々年度に無申告加算税(一定のものを除く)を課されている
- 前年度・前々年度に無申告行為を行い無申告加算税の対象となっている
- 電子帳簿保存法に定めるスキャナ保存や電子取引に関して隠ぺいや仮装による申告漏れがある
さらに延滞税が加算される
延滞税は、申告期限に遅れた場合に課されるものです。原則として、延滞税が課される期間は申告期限から1年までと定められています。しかし、重加算税については納付するまでとなるため、1年を超えた分についても延滞税の計算対象に含まれます。
延滞税の割合は、納期限から2カ月以内と2カ月を経過した日以降で異なります。2カ月以内は、7.3%と特例基準割合+ 1%(令和6年度は2.4%)のいずれか低い割合です。2カ月を経過した日以降は、14.6%と特例基準割合+ 7.3%(令和6年度は8.7%)のいずれか低い割合が適用されます。
重加算税の計算方法
重加算税はどのように計算されるのか、パターン別に計算方法を解説します。
過少申告・不納付が判明し、隠ぺい・仮装の事実があると判断された場合
(パターン1)本来の納税額50万円(過少申告分20万円)、修正申告期限後の延滞期間180日
※100円未満切り捨て
(パターン2)本来の納税額50万円(過少申告分20万円)、修正申告期限後の延滞期間365日
※100円未満切り捨て
過少申告や不納付加算税に代えて重加算税が課される場合、重加算税として35%の課税割合が適用されます。さらに、過少申告した分などに対して、延滞税も加算されます。
無申告が判明し、隠ぺい・仮装の事実があると判断された場合
(パターン1)本来の納税額50万円、申告期限後の延滞期間365日
※100円未満切り捨て
(パターン2)本来の納税額50万円、申告期限後の延滞期間730日
※100円未満切り捨て
無申告加算税に代えて重加算税が課される場合、課税割合は40%が適用されます。延滞税を含めると、本来の税額に対して、パターン1では50%近く、パターン2では50%を超えて課税されていることがわかります。
無申告が判明し、過去に繰り返していた場合
(パターン1)本来の納税額50万円、申告期限後の延滞期間1095日
※100円未満切り捨て
(パターン2)本来の納税額50万円、申告期限後の延滞期間1825日
※100円未満切り捨て
過去に無申告を繰り返していたことが判明した場合は、無申告加算税の代わりに課される重加算税40%に、さらに10%が加算されます。重加算税の場合は延滞税は1年を超えて加算されるため、パターン1では本来の税金に対して約75%、パターン2については9割以上の加算になります。
電子取引において記録を隠ぺい・仮装したことで申告漏れがあることが判明した場合
(パターン1)本来の納税額50万円(申告漏れ分20万円)、修正申告期限後の延滞期間365日
※100円未満切り捨て
(パターン2)本来の納税額50万円(申告漏れ分20万円)、修正申告期限後の延滞期間730日
※100円未満切り捨て
重加算税の会計処理と仕訳例
重加算税については、会計上は、国や地方自治体への税金や公課を表す「租税公課」の勘定科目を使って処理するのが一般的です。しかし、会計上は費用に計上されますが、税法上は重加算税を損金に算入することは認められません。損金とは、法人の所得の計算で使われる概念で、会計上の費用に近い存在といえます。重加算税を損金算入できないのは、罰則として課された加算税を、所得の計算において減額してしまうのは問題があるためです。
重加算税が確定した場合については、以下のような仕訳を行います。
(仕訳例)重加算税として50万円の支払いが確定した場合
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
| 租税公課 | 500,000円 | 未払金 | 500,000円 |
税務調査に納得できない場合は不服申し立ても可能
税務調査により税務処理の修正を求められた場合、指摘を認めて修正申告をする方法と、指摘を認めず更正処分を求める方法があります。更正処分は、税務署が税額について処分を行う手続きです。
更正処分を受けて内容に納得できない場合は、不服申立制度を利用することができます。不服申し立てには、「再調査の請求」「審査請求」「訴訟」があります。
再調査の請求とは、税務署長に対して再調査を申し立てる手続きです。再調査の請求は、更正処分から3カ月以内に行わなければなりません。
審査請求とは、国税不服審判所長に対して再調査を申し立てる手続きです。税務署長に対する再調査の請求の結果に不服があるときにも手続きを申し立てることができ、この場合は、再調査の請求の結果の通知を受けた日の翌日から1カ月以内に手続きをしなければなりません。
審査請求の結果に納得がいかない場合は、さらに訴訟に持ち込むことができます。国税不服審判所長の裁決があった日の翌日から6カ月以内の手続きが必要です。
重加算税が課されたときの対応方法
税務調査により誤りが発覚するなどして税務署から修正などを求められた場合、修正申告(期限後申告)を行う方法と更正処分(決定処分)を求める方法があります。
すぐに修正申告(期限後申告)を行う
税務署からの指摘を認め、重加算税を納付する場合は、納税者自ら申告書を修正する修正申告の手続きを行います。無申告について指摘を受けた場合、納税者は期限後申告を行います。
更正処分(決定処分)を求める
税務署からの指摘に納得がいかない場合は、更正処分または決定処分を求めることができます。更正処分とは、税務署が調査に基づいて下す処分のことです。申告書の提出がない無申告の場合は、決定処分が下されます。
更正処分や決定処分は、税務署からの指摘を受け入れない意思表示にもなるため、税務署からの印象が低下し、より重い処分が下される可能性があります。
一方、更正処分や決定処分は、税務署の調査に納得がいかない場合の、再調査の請求や審査請求にもつながる手続きです。税務署の指摘に納得できない場合は、次のステップとして、更正処分や決定処分を求めることもできます。
重加算税は隠ぺいや仮装があった場合の重い処分
確定申告が適切に行われなかった場合、加算税といって、本来納付すべき税額に加算されて納付を求められることがあります。重加算税は、隠ぺいや仮装が認められる場合の、加算税の中でもより重い処分です。まずは、隠ぺいや仮装を意図的でなくてもしないことが重要ですが、重加算税が課された場合に備えて、重加算税の税率や対処法も知っておきましょう。
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