• 更新日 : 2026年1月22日

確定申告のよくある間違いと修正方法~税務署で大暴れしないために!~

会社員などの給与所得者の方は、確定申告をする機会がほとんどないと思います。そのため、確定申告をするとなると、税務署に行く方も少なくなく、申告期間中は長時間待つケースもあり、少人数でやりくりしている職員さんに質問をしながら、少しずつ申告書を作成していきます。

ですが、確定申告に慣れている個人事業者に対し、確定申告のことを正しく理解している会社員の方はそう多くないでしょう。私の実感としては、確定申告期間に税務署で戸惑ってしまうのは個人事業者以外の方が大半です。(執筆者:元国税局職員・お笑い芸人 さんきゅう倉田)

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年齢を重ね、さまざまな経験を積み、あらゆることに自信があっても、確定申告という難解な作業は、多くの場合未経験者が予習なしにスムーズにできるものではありません。職員さんのアドバイスやパソコンの画面も、初見ではワケが分からないでしょう。

会社では仕事のデキる男として通っていても、確定申告というフィールドでは必ずしもその力を発揮できるとは限りません。確定申告は「どこかのおじさんが作った複雑なゲーム」です。ルールが分からず、職員の対応や納税額が予想と異なり、矜持を傷つけられ、感情的になってしまうこともあります。そんなことにならないように、正しい確定申告の知識をここで身につけておくことをおすすめします。

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確定申告の初歩的なミス3

確定申告の初歩的なミス3

まずは確定申告ビギナーがやりがちな初歩的なミスを3つご紹介します。

1.書類が足りない

税務署で散々並んだのに、「書類が足りないので確定申告できません」と言われてしまうことです。源泉徴収票が足りないなどといった理由ですが、混雑のイライラを我慢してようやく自分の番が回ってきたのに、職員さんに事務的に突き返されたら腹も立つでしょう。

書類が足りなくても、あなたがその内容で申告してもいいと自己責任で判断するなら申告できる場合もありますが、その辺りまで職員さんが懇切丁寧に教えてくれるかどうかは分かりません。そのため、あなた自身が最低限の知識を身につける必要があります。

2.還付と思ったら納税だった

知人や友人から仕入れたいい加減な知識で、「確定申告をすれば支払った税金が還付される」と信じて夫婦で確定申告に来て、初めてでやり方がわからないので説明を受けながら申告書を作成し、「ではあちらで提出してください」と促され、提出所で「納税は〇〇円です」と聞かされ、「還付じゃないのかよ! ふざけるな!」と強い不満を示して破いて帰っていく方々もいます。

提出所の職員さんからすると訳が分からないのですが、きっと物事が思い通りにならなかったんだろうなぁと思われます。

3.管轄外の税務署に行ってしまう

そもそも管轄外の税務署に相談に行ってしまう方もいます。昔は管轄外の税務署でも質問を受けてくれていたのですが、今は原則として管轄地域内の税務署での対応となっています。個別具体的な内容については、管轄外では対応してもらえないことが多いです。というのも、納税者があちこちの税務署に質問をして、結果として都合の良い回答だけを抽出して言質を取るような状況が生じることがあったからです。

全国すべての税務署で、同じ質問に対して同じ回答を返されるのが当然なのですが、納税者が職員さんに伝える情報が不正確かつ不十分な場合があって、デリケートな質問の場合、その都度回答が変わってしまうこともあります。そこで、回答者を絞ることで混乱を防ごうと、管轄の税務署以外では個別具体的な質問ができない運用になりました。今では、電話での質問は、すべて電話相談センターで承っています。

確定申告期間中に、管轄外の税務署に行った場合は、基本的には「申告できませんので、お帰りください」と言われることはないと思います。その場で提出ができないので、郵送で管轄の税務署に送るように指示されるか、申告期限までに余裕があればそこで提出して、例外的にその税務署から管轄の税務署へトラックで運んでくれるということもあるでしょう(これを「局便」と呼んでいました)。状況や時代によって対応は異なりますので、都度確認してください。

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確定申告でよくある間違い12

確定申告でよくある間違い12

初歩的なミスを確認したところで、次に本丸の確定申告の手続きでよくある間違いをチェックしましょう。国税庁のウェブサイトでは、「誤りの多い事例」としていくつか記載しているのでかいつまんでご紹介します。

1.国外所得の申告漏れ

非永住者をのぞく居住者は、海外で得た所得も含めて申告する必要があります。

2.副収入の申告漏れ

副業などで得た所得についても合わせて申告する必要があります。ネットオークションやフリマアプリは、利益(所得)が出るケースでは申告する必要になり得ます。また、仮想通貨の売却などで得た利益も申告しなければなりません。

3.一時所得の申告漏れ

生命保険会社などから、満期金や一時金を受け取られた方は、その収入が一時所得として課税対象にならないか確認しましょう。

競馬など公営競技で大きな払戻金を受けた方も、課税対象となり得るため確認が必要です。

4.医療費控除の計算誤り

薬局で購入した日用品は対象外なので注意が必要です。ちなみに、医療費は自分の分だけでなく、自分と生計を一にする家族の分を合わせることができます。扶養家族かどうか(扶養控除の対象かどうか)も関係ないのでチェックしておきましょう。

5.ふるさと納税の寄附金控除の適用漏れ

確定申告を行う場合は、「ふるさと納税ワンストップ特例」の申請書を提出していても、ふるさと納税の金額を寄附金控除額の計算に含めなければなりません。

6.地震保険料控除の適用誤り

地震等損害保険契約など、控除対象となる契約以外の保険料については、地震保険料控除の適用はありません。

7.ひとり親控除、寡婦控除の適用漏れ

ひとり親、寡婦に該当する方は控除の対象です。※令和2年分以後、寡夫控除は廃止されています。

8.配偶者控除及び配偶者特別控除の適用誤り

合計所得金額が1,000万円を超えている方は控除を受けることができません。また、配偶者控除を受ける方(配偶者の所得が一定額以下の方)は、配偶者特別控除を併せて受けることはできません。

9.基礎控除の記載漏れ

所得金額などから一定額を差し引くことができる基礎控除は、合計所得金額に応じて適用されます。

10.住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の適用誤り

家を買い替えた場合、そこへ入居した年およびその前2年、その後3年の期間にもともと住んでいた家を売却して他の税制優遇措置を受けた方は、住宅ローン控除を受けることはできません。

11.復興特別所得税額の記載漏れ

東日本大震災からの復興に向けた施策を実施するために必要な財源を確保する目的で2037年分まで復興特別所得税(その年の所得税額の2.1%)を所得税とあわせて申告納付する必要があります。

12.予定納税額の記載漏れ

税務署から、「所得税及び復興特別所得税の予定納税額の通知書」が届いている場合は、確定申告の際に予定納税額を申告書に記載し、差し引いて計算しなければなりません。

参考|確定申告期に多いお問合せ事項Q&A【申告相談】(国税庁)

もし間違えて申告書を提出したら

もし間違えて申告書を提出したら

それでも申請内容を間違えてしまうことはあります。慣れてない方だったらなかなかミスに気づきにくいでしょう。もし確定申告書の内容を間違えたまま提出してしまったら、内容を正しく修正する必要があります。その方法は、確定申告期限内か期限後かで次のように変わります。

確定申告「期限内」の修正方法

確定申告期限内に誤りに気付いた場合は、申告書等を正しい内容で作り直し、確定申告期限までに税務署に提出すれば大丈夫です。

確定申告「期限後」の修正方法

確定申告期限後に申請内容を修正したい場合は、次の当てはまる方法で訂正の手続きをします。

税額を多く申告していたときは「更正の請求」

更正の請求という手続きを取ります。更正の請求書を作成して税務署に提出し、内容が認められたら納めすぎた税金が還付されます。更正の請求ができる期間は5年以内なので忘れないよう注意しましょう。

税額を少なく申告していたときは「修正申告」

修正申告をして正しい税額に修正しましょう。こちらも修正申告書を作って税務署に提出します。税務署の指摘を受ける前に修正申告をすれば、過少申告加算税はかかりませんが、新たに納める税金とあわせて法定納期限の翌日から計算される延滞税も支払わなければなりません。

詳しく知りたい方は次の記事を参考にしてみてください。

確定申告は余裕をもって行おう

1度の申告で終わるから、と安易に考えることなく、2度訪れることができるスケジュールを組み、余裕を持って確定申告を行うのが仕事のデキる会社員の対応といえます。

さんきゅう倉田さんの記事一覧

■2019年1月10日掲載:
【2019年版】確定申告時期! 1月・2月・3月にやること徹底ガイド

■2018年12月12日掲載:
元国税職員が見た「追徴課税の現場」 “謎の社員”の給与振込先は…

■2018年11月19日掲載:
「おじいさんは山へガサ入れに…」 元国税芸人さんきゅう倉田が「#税務童話」をつくってみた

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よくある質問

確定申告の初歩的なミスとは?

書類が足りない、還付と思ったら納税だった、管轄外の税務署に行ってしまうなどが挙げられます。詳しくはこちらをご覧ください。

確定申告でよくある間違いは?

国外所得や副収入、一時所得の申告漏れ、医療費控除の計算誤り、ふるさと納税の寄附金控除の適用漏れなどが挙げられます。詳しくはこちらをご覧ください。

もし間違えて申告書を提出したら?

確定申告期限内であれば申告書等を作り直し期限までに税務署に提出、確定申告期限内であれば場合に応じて更正の請求または修正申告を行います。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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