• 更新日 : 2026年8月4日

標準報酬月額の調べ方とは?給与明細からの確認手順・社会保険料の計算方法・決定タイミングを完全解説【無料テンプレ付き】

Point標準報酬月額の調べ方は?

標準報酬月額は、給与明細の記載確認か厚生年金保険料の逆算で調べられます。

  • 給与明細に記載があればそのまま確認
  • 記載なしは保険料額表で逆引きして特定
  • 決定タイミングは定時決定など全5種類

Q. 給与明細に標準報酬月額の記載がない場合は?

A. 給与明細の厚生年金保険料の金額を協会けんぽの保険料額表で逆引きすると、標準報酬月額と等級を特定できます。

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標準報酬月額の調べ方を知りたい場合、まずは手元の給与明細を確認することが最短ルートです。記載がなければ厚生年金保険料の金額から逆算できます。本記事では、標準報酬月額の意味から給与明細を使った具体的な確認方法、健康保険料・厚生年金保険料の算出方法、そして報酬月額が変わるタイミングまでをまとめて解説します。

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そもそも標準報酬月額とはどのような数値?

標準報酬月額とは、健康保険料や厚生年金保険料などの社会保険料を算出するための基準となる金額のことです。月々の報酬を一定の区分(等級)に当てはめて表した数値であり、実際の給与額そのものではありません。

社会保険料の計算において毎月の報酬をそのまま使うと、残業代の変動などで保険料が毎月変わってしまいます。そこで「一定期間の平均額を等級に置き換えた標準値」を用いることで、計算を安定させる仕組みになっています。等級の区分は加入する保険の種類によって異なります。

保険の種類 等級の範囲
厚生年金保険 1〜32等級
健康保険(協会けんぽ等) 1〜50等級

等級が上がるほど標準報酬月額も高くなり、それに伴って社会保険料の負担額も増える仕組みです。

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給与明細から標準報酬月額を調べるには?

給与明細から標準報酬月額を調べる方法は、「明細に直接記載されているか確認する」と「厚生年金保険料の額から逆算する」の2通りです。

まず明細に記載がある場合はその数値を読み取るだけで完了します。記載がない場合は、厚生年金保険料の欄に記載された金額を使って保険料額表から逆引きすることで、自分の標準報酬月額の等級を特定できます。

STEP1:給与明細に直接記載されていないか確認する

給与明細の標準報酬月額は、明細書本体か備考欄に記載されているケースがあります。企業によってフォーマットが異なるため、まず明細書全体を見渡してください。

「標準報酬」「報酬月額」「等級」といった文字列が見つかれば、そこに記載されている金額がそのまま自分の標準報酬月額です。この場合は以降のステップは不要です。

STEP2:給与明細の厚生年金保険料の金額を確認する

明細に標準報酬月額の記載がない場合は、厚生年金保険料の欄を確認します。給与明細の控除項目の中に「厚生年金」または「厚生年金保険料」として金額が記載されています。この金額を手元にメモしておきましょう。

STEP3:都道府県別の保険料額表で対応する等級を探す

全国健康保険協会(協会けんぽ)が公開している都道府県ごとの保険料額表を使い、STEP2で確認した厚生年金保険料の金額に対応する行を探します。

保険料額表の右側に「厚生年金保険料(折半額)」の欄があります。そこで自分の給与明細の厚生年金保険料と一致する金額を見つけ、同じ行の左側を確認すると標準報酬月額と等級が記載されています。

なお、会社が所在する都道府県の表を使う必要はなく、厚生年金保険料率は全国一律のため、どの都道府県の表を参照しても厚生年金保険料の逆算には対応できます。

参考:令和8年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京支部)|全国健康保険協会

給与明細の標準報酬月額から社会保険料を計算する方法は?

標準報酬月額がわかれば、健康保険料と厚生年金保険料のそれぞれを自分で計算できます。いずれも「標準報酬月額 × 保険料率 ÷ 2」という式で求め、会社と折半した額が自己負担分になります。

健康保険料の計算方法

健康保険料の自己負担額は次の式で算出します。

健康保険料(自己負担分)= 標準報酬月額 × 健康保険料率 ÷ 2

健康保険料率は加入している健康保険組合または都道府県ごとに異なります。協会けんぽ(全国健康保険協会)に加入している場合、料率は都道府県ごとに設定されており、毎年3月に改定されます。例として、2026年度の東京都の料率(40歳未満)は9.85%です。東京都の会社に勤務する被保険者であれば次のように計算します。

標準報酬月額 × 9.85% ÷ 2

厚生年金保険料の計算方法

厚生年金保険料の自己負担額は次の式で求めます。

厚生年金保険料(自己負担分)= 標準報酬月額 × 厚生年金保険料率 ÷ 2

厚生年金保険料率は全国一律で18.3%(2024年度)です。そのため、自己負担額は次のように計算できます。

標準報酬月額 × 18.3% ÷ 2

健康保険料率と異なり、厚生年金保険料率は都道府県や加入組合によって変わらない点が特徴です。

標準報酬月額が決定・変更されるのはいつ?

標準報酬月額が決定または変更されるタイミングは、主に以下の5つです。

タイミング 概要
定時決定 毎年1回、4〜6月の報酬をもとに9月から翌8月の等級を決定
随時改定 昇給・降給などで2等級以上の変動が生じた際に随時変更
資格取得時 入社などで社会保険の被保険者資格を新たに取得した時
育児休業等終了時 育児休業から職場復帰した後、1等級以上の変動がある場合
産前産後休業終了時 産前産後休業から職場復帰した後、1等級以上の変動がある場合

定時決定

定時決定とは、毎年1回行われる標準報酬月額の見直し手続きです。7月1日時点で在籍している被保険者について、4月・5月・6月の3か月分の報酬から平均額を算出し、保険料額表の等級に当てはめて標準報酬月額を決定します。

決定された標準報酬月額は、原則としてその年の9月から翌年8月まで適用されます。担当者は7月に算定基礎届を日本年金機構へ提出する必要があります。

随時改定

随時改定は、昇給・降給などの固定的な報酬変動が生じた際に行う標準報酬月額の改定手続きです。変動があった月を含む3か月間の報酬平均額が、現在の標準報酬月額と比べて2等級以上の差が生じた場合に改定が行われます。

改定後の標準報酬月額が適用されるのは、変動月の4か月目以降です。また、残業代など非固定の変動だけでは随時改定の対象になりません。ただし、通勤手当・住宅手当など固定手当の追加・変更が原因で2等級以上変動した場合は対象となります。

資格取得時

入社などにより新たに社会保険の被保険者資格を取得した際にも、標準報酬月額が決定されます。雇用契約書に記載された報酬見込額をもとに算出した月額見込みから等級を決定するのが原則です。

なお、1〜5月に入社した場合と6〜12月に入社した場合とでは、次回の定時決定が適用されるタイミングが異なるため、人事・労務担当者は入社月を確認しておくことが重要です。

育児休業等終了時

育児休業等(育児休業・育児短時間勤務など)から職場に復帰した後も、標準報酬月額の改定タイミングとなる場合があります。終了日の翌日が属する月以後3か月分の報酬平均額が、現在の標準報酬月額より1等級以上低い場合に変更を申請できます。

変更後の標準報酬月額は終了日の翌日が属する月から4か月目以降に適用されます。終了日の翌日が属する月以後3か月間はそれまでの等級で社会保険料が計算される点を担当者は把握しておきましょう。

産前産後休業終了時

産前産後休業から職場復帰した場合も、育児休業等終了時と同じ仕組みで標準報酬月額の改定申請ができます。短時間勤務の開始などによって休業前と報酬額が変わった場合、従前の高い標準報酬月額のままで社会保険料が発生しないよう、速やかに変更を検討する必要があります。

こちらも変更後の適用は復帰後4か月目以降です。

育児休業や産休からの復帰時における標準報酬月額・社会保険料手続きの負担

育児休業や産前産後休業の終了時には標準報酬月額の改定が行われますが、この時期は社会保険の手続きが重なります。

マネーフォワードでは、産休や育休の実務に携わる担当者を対象に、手続きにおける課題について調査を実施しました。

担当者が工数や判断に悩む具体的な業務内容

調査によると、育児休業に関する手続きの中で特に工数がかかる、または判断が難しいと感じる業務として、育児休業給付金の申請書類作成と提出が43.2%、社会保険料免除(産休・育休中)に関する手続きが42.3%を占めました。

さらに、育休中の社会保険料や給付金の予想額の試算・説明が29.8%、従業員への個別周知および休業意向の確認が29.1%、復職後の短時間勤務に伴う社会保険変更等の手続きが21.8%と続いています。

このように、休業中から復職時にかけての社会保険料や標準報酬月額の変更手続きは、多くの担当者にとって一定の負担となっています。

出典:マネーフォワード クラウド、特に工数がかかる、または判断が難しい業務【産休・育休に関する調査データ】(回答者:866名(有効回答:産休・育休の実務に関与している674名)、集計期間:2026年3月実施)

標準報酬月額の調べ方と活用ポイントを押さえておこう

標準報酬月額の調べ方は、給与明細への直接記載の確認が最初のステップです。記載がなければ厚生年金保険料を保険料額表で逆引きすることで特定できます。社会保険料の算出基礎となる報酬月額は、定時決定・随時改定など5つのタイミングで変わります。バックオフィス担当者はそれぞれの変更時期を正確に把握し、従業員への案内や届出書類の準備をスムーズに進めましょう。

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