- 更新日 : 2026年9月8日
年末調整に個人番号は必要?不要?書類別の記載ルール
個人番号の記載が必要なのは、勤務先が行政機関へ提出する書類と、本人が作成する扶養控除等申告書です。
- 勤務先が作る源泉徴収票などに記載する
- 本人は扶養控除等申告書に書き入れる
- 保険料控除申告書には記載しない
一定の要件を満たせば、申告書への記載を省略できる取扱いもあります。
マイナンバーカードは、いまや人口の8割以上が保有する身近な本人確認書類になりました。ただ、年末調整の申告書類には個人番号(マイナンバー)を記載する欄があり、カードは持っていても番号自体は覚えていないという場面は少なくありません。ここでは、年末調整で個人番号の記載が必要な書類と不要な書類、番号がわからないときの確認方法を解説します。
参照:マイナンバーカードの保有状況について(令和8年4月末時点)|総務省
年末調整で個人番号を書く書類と書かない書類は?
年末調整で個人番号の記載が必要なのは、勤務先が税務署や市区町村へ提出する書類と、従業員本人が勤務先へ提出する扶養控除等(異動)申告書です。一方で、保険料控除申告書のように記載しない書類もあります。
書類ごとに、誰の番号を書くのかも変わります。まずは全体像を整理しておきましょう。
| 書類(作成する人) | 個人番号 | 記載する対象 |
|---|---|---|
| 【勤務先】源泉徴収票(税務署提出用) | 必要 | 従業員本人と控除対象扶養親族 |
| 【勤務先】給与支払報告書(個人別明細書) | 必要 | 従業員本人と控除対象扶養親族 |
| 【従業員】扶養控除等(異動)申告書 | 必要 | 本人・配偶者・控除対象扶養親族 |
| 【従業員】基礎控除申告書などの一体様式 | 必要 | 配偶者・特定親族など(本人の記載欄はなし) |
| 【勤務先】源泉徴収票(本人交付用) | 不要 | ー |
| 【従業員】保険料控除申告書 | 必要 | 23歳未満の扶養親族 |
| 【従業員】住宅借入金等特別控除申告書 | 不要 | ー |
個人番号の記入が必要な書類
個人番号を記入するのは、勤務先が税務署や市区町村へ提出する源泉徴収票・給与支払報告書と、従業員本人が提出する扶養控除等(異動)申告書などです。誰の番号を書くのかは、書類ごとに変わります。
勤務先が作成する源泉徴収票と給与支払報告書
源泉徴収票は、1年間に支払った給与の額と源泉徴収した税額を従業員へ知らせる書類です。税務署提出用には、従業員本人だけでなく控除対象扶養親族の個人番号も記載します。
給与支払報告書は、勤務先が従業員の住所地の市区町村へ提出するものです。個人別明細書と総括表のうち、個人番号を書くのは個人別明細書のほうで、こちらも本人と控除対象扶養親族が対象になります。なお、扶養控除等申告書の提出を受けていない場合は、扶養親族の氏名や個人番号を記載する必要はありません。
本人が作成する扶養控除等(異動)申告書
扶養控除等(異動)申告書には、従業員本人・配偶者・控除対象扶養親族の個人番号を記載します。一般には勤務先から配布されますが、国税庁のサイトからダウンロードもできます。提出期限は、次のように場面ごとに変わります。
- 原則:その年の最初の給与支払日の前日まで
- 中途入社:入社後最初の給与支払日の前日まで
- 扶養親族に異動があったとき:異動後最初の給与支払日の前日まで
異動があった場合は、異動内容を記載した申告書をあらためて提出します。すでに提出した申告書の記載内容を補正する形でも差し支えありません。
令和8年分から名称が変わった一体型の申告書
令和8年分の一体型様式は「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 給与所得者の特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書」という名称です。令和7年度税制改正で特定親族特別控除が設けられ、この様式に特定親族特別控除申告書が加わりました。
1枚の用紙に4種類の申告書が含まれるため、名称が長くなっています。提出者本人の個人番号を書く欄はありませんが、配偶者・特定親族・所得金額調整控除の対象となる扶養親族などについては個人番号欄があります。ただしこれらの欄は、一定の要件のもとで記載を要しない場合があるため、記入前に勤務先の運用を確認しておくと迷いません。
個人番号を記載しない書類
住宅借入金等特別控除申告書、そして従業員本人へ交付する源泉徴収票には、個人番号を記載しません。いずれも法令改正によって記載の対象から外れたもので、書き忘れではありません。
- 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書:
平成28年4月1日以後の提出分から記載が不要 - 従業員本人へ交付する源泉徴収票:
平成27年10月2日の改正により記載しない
住宅借入金等特別控除申告書は、提出者本人の個人番号も、配偶者の個人番号も書く必要はありません。ただし勤務先が法人の場合、給与の支払者の法人番号は記載が必要です。法人番号には番号法上の提供制限がないため、あらかじめ印字した申告書を配布しても差し支えありませんが、個人番号のほうは提供制限があるため同じ扱いにはできません。
源泉徴収票は、税務署提出用には記載し、本人交付用には記載しないという違いがあります。確定申告や住宅ローンの審査で源泉徴収票を求められたときに番号が載っていないのは、この取扱いによるものです。
番号を伝える必要がある場面では、マイナンバーカードや個人番号入りの住民票の写しを別途用意します。なお、令和9年1月以降、給与支払報告書を市区町村へ提出した場合、源泉徴収票を税務署に提出する必要がなくなります。
令和7年分までの保険料控除申告書には、個人番号を記入する必要がありませんでした。しかし、令和8年分からは23歳未満の扶養親族がいる場合、該当者の個人番号を記入することが必要となっています。
参照:源泉徴収票のみなし提出の特例 特設ページ|国税庁
参照:A2-3 給与所得者の保険料控除の申告|国税庁
参照:法定調書に関するFAQ|国税庁
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扶養控除等申告書の個人番号は毎年書く?
扶養控除等申告書は毎年提出する書類のため、前年と内容が変わらなくても、原則として個人番号を含むすべての記載事項を書く必要があります。ただし、勤務先の対応を前提に省略が認められる取扱いも用意されています。
前年と同じでも原則として省略できない
扶養控除等申告書は、記載内容が前年と変わらない場合でも、原則として個人番号の記載を省略できません。個人番号は桁数が多く、毎年書くのを負担に感じる従業員もいるでしょう。
それでも記載は法令で定められた義務であり、前年分に書いたから今年は不要という扱いにはなりません。なお、個人番号の記載がないことだけを理由に申告書を受理しない、という運用は求められておらず、記載がなくても扶養控除の適用を判断できる事項が書かれていれば、提出されたものとして税額計算を行って差し支えないとされています。
相違ない旨を記載して省略する方法
勤務先と従業員の合意があれば、申告書の余白に提供済みの番号と相違ない旨を記載することで、個人番号の記載を省略できます。勤務先側の安全管理措置の負担を軽くするために認められている取扱いです。
この方法を使うには、次の条件をすべて満たす必要があります。
- 勤務先と従業員が、個人番号の記載を省略することについて合意している
- 従業員が申告書の余白に、提供済みの個人番号と相違ない旨を記載する
- 勤務先が、すでに提供を受けている個人番号を確認する
- 勤務先が、確認した旨を申告書に表示する
省略できるのは個人番号の記載だけです。それ以外の記載事項は、前年と変わらなくても省略できません。
また、税務署長から提出を求められたときは、勤務先が従業員の個人番号を付記して提出します。保有している個人番号と、記載を省略した申告書とを適切に紐付けて管理しておくことも求められます。
勤務先が帳簿を備えている場合の取扱い
勤務先が対象者の氏名と個人番号を記載した帳簿を備えている場合、従業員は申告書に個人番号を書かなくてかまいません。
この帳簿は、次の申告書の提出を受けて作成されたものに限られます。
- 給与所得者の扶養控除等申告書
- 従たる給与についての扶養控除等申告書
- 給与所得者の配偶者控除等申告書
- 退職所得の受給に関する申告書
- 公的年金等の受給者の扶養親族等申告書
- 所得金額調整控除申告書
帳簿は電磁的記録で備えることもできます。ただし、帳簿に記載された氏名または個人番号と、申告書に記載すべき内容が異なる場合には、この取扱いは使えません。氏名・住所・個人番号に変更があったときは、従業員から勤務先へ遅滞なく届け出て帳簿を訂正する流れになるため、届出の様式と受付窓口を社内で決めておくと運用が安定します。
自分の個人番号がわからないときはどうする?
個人番号は、マイナンバーカードの券面やマイナポータルで確認できます。カードが手元にない場合は、個人番号を記載した住民票の写しを取得する方法があります。急ぎかどうかで選ぶ手段が変わります。
マイナンバーカードの券面とマイナポータルで確認する
マイナンバーカードを持っている場合、券面の裏面に個人番号が記載されています。総務省の集計では、令和8年4月末時点のマイナンバーカードの保有枚数は約1億304万枚で、人口に対する保有枚数率は82.7%です。
多くの人がカードを持っている状況のため、まずは手元のカードを確認するのが早道でしょう。カードは持っているものの番号を控えていないという場合は、マイナポータルからも確認できます。
- マイナポータルアプリを開き、ログインを選ぶ
- 利用者証明用電子証明書のパスワードを入力する
- スマートフォンかICカードリーダーでマイナンバーカードを読み取る
- 「わたしの情報」から内容を確認する
読み取りには、カード読み取りに対応したスマートフォンか、パソコンとICカードリーダーが必要です。パスワードを一定回数間違えるとロックがかかるため、思い出せないときは市区町村の窓口で再設定してもらいましょう。
参照:マイナンバーカードの保有状況について(令和8年4月末時点)|総務省
マイナンバー入りの住民票の写しを取得する
カードが手元になくても、個人番号を記載した住民票の写しを取得すれば番号を確認できます。窓口で請求するときは、本人確認書類とともに請求書を提出します。
請求書には、マイナンバーを記載するかどうかを選ぶ欄があるため、チェックの入れ忘れに注意してください。手数料や取得できる窓口、コンビニ交付への対応は自治体によって異なるので、住まいの市区町村の案内を確認しておくと確実です。なお、この住民票の写しは、番号を証明する書類としても使えます。
カードを紛失した場合の再交付と特急発行
マイナンバーカードを紛失した場合は再交付を申請でき、一定の要件に当たれば特急発行も利用できます。通常の申請では、交付までにおおむね1か月から2か月程度かかります。
紛失などにより速やかな交付が必要な場合は特急発行の対象となり、通常よりも短い期間で受け取れます。
| 区分 | 交付までの期間 | 紛失等による再交付の手数料 |
|---|---|---|
| 通常の発行 | おおむね1か月から2か月程度 | 市区町村の案内を確認 |
| 特急発行 | 原則1週間(最短5日) | 2,000円(電子証明書の発行を希望しない場合は1,800円) |
特急発行は窓口での申請のみを受け付ける自治体が多く、事前予約が必要なケースもあります。カードは簡易書留で住民登録の住所に届くため、受け取りには対面での応対が必要です。
なお、かつて配布されていた通知カードは令和2年5月25日に廃止され、再交付は受けられません。ただし、券面の氏名や住所などが住民票の記載内容と一致していれば、引き続き番号を証明する書類として使えます。廃止後に新たに番号が付された人には、通知カードに代えて個人番号通知書が送付されますが、こちらは番号を証明する書類にはあたりません。
参照:特急発行・交付制度による申請方法|マイナンバーカード総合サイト
勤務先が個人番号を扱うときの注意点は?
勤務先が個人番号の提供を受けるときは、番号法にもとづく本人確認が求められます。また、保存期間が過ぎて必要がなくなった個人番号は、廃棄または削除します。
番号確認と身元確認の両方を行う
個人番号の提供を受けるときの本人確認では、番号確認と身元確認の両方を行います。番号確認は申告書に書かれた番号が正しいものかどうかの確認、身元確認は提出した人が番号の持ち主本人かどうかの確認です。
手元にある書類によって、確認に使う組み合わせが変わります。
- マイナンバーカード:1枚で番号確認と身元確認の両方をまかなえる
- 個人番号入りの住民票の写し:番号確認に使う
- 運転免許証など写真付きの証明書:身元確認に使う
なお、申告書に記載された配偶者や扶養親族の本人確認は、勤務先ではなく従業員本人が行います。雇用契約の締結時に本人確認を済ませており、対面で本人と確認できる場合は、身元確認書類の提示を省ける取扱いもあります。
保存期間を過ぎた個人番号は廃棄する
扶養控除等申告書は7年間保存し、保存期間が過ぎて必要がなくなった個人番号は速やかに廃棄または削除します。保存期間は、提出期限の属する年の翌年1月10日の翌日から7年です。
個人番号は法令で定められた事務のために収集するもので、その事務を行う必要がなくなったら保管を続けられません。退職者の個人番号も、申告書の保存期間が満了するまでは保管したうえで、期間経過後に廃棄する流れになります。廃棄のタイミングをあらかじめ社内ルールに落とし込み、年度ごとに棚卸しする運用にしておくと、担当者が変わっても抜けが生じにくくなります。
年末調整に備えて個人番号の管理はしっかりしておこう!
今回は年末調整と個人番号について解説してきました。年末調整自体は、給料の支払者である勤務先が行うものですが、従業員自身が記載しなければならない申告書もあります。
会社がすでに帳簿を作成して管理している場合は、一定の条件で年末調整も可能ですが、入社したばかりでマイナンバーカードをつくっておらず、通知カードを紛失してしまった場合は、マイナンバーカードを発行してもらうか、マイナンバー付きの住民票(写し)を発行してもらう必要があります。
通知カードの再交付申請は、令和2年5月25日以降、できなくなっており、役所の窓口で身分証明書を提示しても番号を伝えてもらえないため 、個人番号の管理はしっかりしておきましょう。
よくある質問
年末調整の申告書に個人番号の記入は必要ですか?
記入が必要なものと不要なものがあります。詳しくはこちらをご覧ください。
年末調整において個人番号は毎年記入する必要がありますか?
原則は毎年、記入が必要ですが、例外もあります。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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