- 更新日 : 2026年6月16日
福利厚生で満足度は上がる?向上する理由と調査・改善方法を解説
制度を見直し現場の声を反映すれば、働きやすさにつなげられます。
- 生活費の負担を軽くする支援を選ぶ
- アンケートで利用状況や要望を集める
- 属性ごとに回答を分けて分析する
毎月の固定費に関わる仕組みは実感を得やすい反面、運用コストも続くため、優先順位をつけて進めましょう。
福利厚生は、従業員の生活面や健康面の不安を軽減し、仕事と家庭を両立しやすい環境づくりにつながる制度です。しかし、制度を用意するだけでは従業員満足度の向上につながるとは限りません。
本記事では、福利厚生で従業員満足度が向上する理由や具体例、満足度アンケートで確認すべき項目、調査結果をもとに制度を改善する手順を解説します。ぜひ、自社に合う福利厚生を見直す際の参考にしてください。
目次
福利厚生で従業員満足度が向上する3つの理由
福利厚生の充実は、給与や賞与とは異なる面から従業員満足度に関わります。金銭的な報酬だけでは対応しにくい生活上の負担や将来への不安も、福利厚生によって軽減しやすくなります。
1. 生活面や健康面の不安を軽減できるため
福利厚生を整えると、従業員の生活面や健康面の不安を軽減しやすくなります。
たとえば、住宅手当や食事補助などの制度があれば、日々の生活費の負担を減らすことが可能です。また、定期的な健康診断やメンタルヘルスケアの窓口を設置すれば、心身の不調を未然に防ぎやすくなります。
生活基盤に関する不安を軽減することで、安心して業務に取り組める環境が整い、結果として会社に対する信頼や満足度の向上につながるでしょう。
2. 仕事と家庭を両立しやすくなるため
福利厚生を整えると、従業員が仕事と家庭を両立しやすくなります。育児休業や介護休業、子どもの看護等休暇があれば、家庭の事情に合わせて働き方を調整しやすくなります。
たとえば、子どもの体調不良や親の通院付き添いが必要な場面でも、休暇や勤務時間を調整できれば、ワークライフバランスを保ちながら働き続けることが可能です。
家庭の事情による離職リスクを抑えるには、無理なく働き続けられる環境づくりが重要です。仕事と生活の両立を支援する体制があれば、会社への納得感や安心感につながりやすくなります。
3. 働きやすい職場として定着意欲が高まるため
給与や仕事内容だけでなく、生活や自己研鑽を支援する制度があれば、企業に対する信頼につながります。たとえば、家賃補助による経済的支援や、資格取得支援を通じたキャリア形成のバックアップがあると、生活・健康・成長を支援してくれる職場だと感じやすくなるでしょう。
厚生労働省でも、人材確保には魅力ある職場づくりを進め、採用と定着を高める必要があるとしています。ただし、人材の定着には労働条件や労務環境も関わるため、福利厚生は職場の魅力を高める要素のひとつとして捉えましょう。
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従業員満足度が向上しやすい福利厚生の5つの具体例
従業員満足度を高める福利厚生を考える際は、負担軽減を実感しやすい制度から検討することが大切です。たとえば、生活費の支援や健康支援、育児・介護支援などは、日々の働きやすさに関わります。
1. 住宅手当・家賃補助
住宅手当や家賃補助は、従業員の住居費の一部を企業が補助する制度です。
住居費は毎月発生する固定費のため、住宅関連の支援を整えると、従業員の生活費の負担を抑えやすくなります。たとえば、家賃の一部を補助すれば、毎月の家計に余裕を持ちやすくなるでしょう。
なお、住宅手当・家賃補助と社宅制度では、支給方法や税務上の扱いが異なります。制度を導入する際は、対象者や支給額、賃貸・持ち家の扱いを明確にしておきましょう。
住宅手当については、関連記事で解説しているため、あわせてご覧ください。
2. 通勤手当
通勤手当は、従業員が自宅から勤務先まで通うための交通費を、企業が全額または一部補助する手当です。出社する従業員にとって交通費は継続的に発生するため、会社が支給することで、働くための自己負担を抑えやすくなります。
ただし、通勤手当は、法律上必ず支給が義務付けられている制度ではありません。テレワークを導入している場合は、定期代ではなく出社日数に応じた実費精算にする方法もあります。働き方に合わせて支給方法を見直すことで、出社頻度に応じた通勤費の負担を調整しやすくなります。
通勤手当については、関連記事で解説しているため、あわせてご覧ください。
3. 特別休暇
特別休暇は、法律で義務付けられた休暇とは別に、企業が独自に設ける休暇制度です。
慶弔休暇や夏季休暇、リフレッシュ休暇などがあると、従業員が私生活や心身の状態に合わせて休みを取りやすくなります。たとえば、家族の慶弔や長期勤務後の休養に使える休暇があれば、必要な場面で無理に出勤する状況を避けやすくなります。
必要なときに休みやすい環境は、働きやすさを感じる要素になり、従業員満足度の向上につながりやすいでしょう。
特別休暇について詳しく知りたい場合は、関連記事もあわせてご覧ください。
4. 健康診断・人間ドック
健康診断や人間ドックは、従業員の健康状態を確認し、病気の早期発見や健康管理につなげる取り組みです。定期健康診断は、労働安全衛生法に基づき企業に実施が義務付けられています。一方で、人間ドックやがん検診などは法定外の健康支援として導入を検討できます。
たとえば、検査項目の多い人間ドックを補助すれば、健康面の不安を早い段階で把握しやすくなり、従業員が安心して働き続ける支えになるでしょう。
健康診断を福利厚生として整える方法や会社負担の費用について詳しく知りたい場合は、関連記事もあわせてご覧ください。
5. 食事補助
食事補助は、従業員の昼食代や勤務中の食事にかかる費用を、企業が一部負担する福利厚生です。
社員食堂や設置型社食、弁当配送、食事補助チケットなどがあり、企業規模や働き方に合わせて導入しやすい点が特徴です。たとえば、昼食代の一部を補助すれば、従業員は毎日の食費負担を抑えられます。日常的に使いやすいため、福利厚生のメリットを実感しやすく、満足度向上につながりやすいでしょう。
食事補助について詳しく知りたい場合は、関連記事も参考にしてください。
福利厚生の満足度を上げるには従業員アンケートが必要
福利厚生の満足度を上げるには、従業員アンケートを活用して制度の利用状況や課題を把握することが大切です。
福利厚生を整えても、従業員が実際に満足しているかどうかは、企業側だけでは把握しにくい場合があります。アンケートを行えば、利用されている制度や使いにくい理由、今後求められる支援を確認しやすくなるでしょう。
従業員満足度のアンケートの作り方については、関連記事をあわせてご覧ください。
1. 満足度アンケートで現状の不満を把握する
福利厚生の満足度を上げるには、満足度アンケートで現状の不満を把握することが大切です。
企業側が利用しやすい制度だと考えていても、従業員が必要としている支援と合っていなければ、利用されにくくなります。そのため、現在の制度に対する満足度だけでなく、利用していない理由や追加してほしい制度を直接ヒアリングすることが重要です。
現場の具体的な声を洗い出し、利用条件や制度内容を実態に合わせて見直すことで、従業員に利用される福利厚生に改善できます。
2. 部署・年齢・雇用形態ごとに回答を分けて見る
福利厚生の満足度アンケートは、全体の平均だけでなく、部署・年齢・雇用形態ごとに回答を分けて見ましょう。
全体では満足度が高く見えても、部署や年齢、雇用形態ごとに見ると、制度への満足度や使いやすさに差が出ている場合があります。たとえば、子育て中の従業員は勤務時間の柔軟さを重視し、現場職では、休憩スペースや食事を取れる時間の確保を求めるケースがあります。
属性ごとの違いを踏まえると、一律の制度では拾いきれない課題にも気づきやすくなるでしょう。
3. 自由記述で制度への本音を拾う
自由記述を設けると、選択肢だけでは把握しにくい制度への不満や要望を確認しやすくなります。
たとえば、「食事補助はあるが使える店舗が少ない」「申請方法がわかりにくい」といった声があれば、制度を使いにくい理由を具体的に確認できます。自由記述の内容をもとに見直せば、制度内容や申請方法の改善に反映しやすくなるでしょう。
ただし、自由記述は回答内容がばらつくため、選択式の設問より分析に手間がかかる点に注意が必要です。集計時は内容ごとに分類しておくと、改善点を整理しやすくなります。
福利厚生の満足度アンケートで聞くべき質問項目
福利厚生の満足度アンケートでは、満足度だけでなく、利用状況や使いにくい理由も確認することが大切です。具体的には、以下の項目を確認すると、改善点を整理しやすくなります。
- 制度全体への満足度
- 利用した福利厚生制度
- 利用していない制度と理由
- 追加してほしい制度
- 申請や利用のしやすさ
- 使いにくい制度と改善してほしい点
たとえば「食事補助に不満」と聞くだけでは、金額や利用店舗、申請方法のどこに課題があるか判断しにくくなります。選択式の質問で全体傾向を把握し、自由記述で具体的な不満や要望を補足すると、改善点を具体化できます。
福利厚生の満足度調査を行う手順
福利厚生の満足度調査は、ただアンケートを配布して回収するだけでは、制度改善につながる回答を集めにくくなります。目的があいまいなまま実施すると、何を確認したい調査なのかが不明確になり、質問項目が広がりすぎるおそれがあります。
調査を行う際は、目的設定から質問設計・集計・改善までの流れを整理して進めることが大切です。
1. 調査目的を明確にする
福利厚生の満足度調査では、最初に調査目的を明確にすることが大切です。目的によって、聞くべき質問項目は変わります。たとえば、利用率が低い理由を知りたい場合は、利用していない制度と、利用しない理由を聞く必要があります。従業員の不満を把握したい場合は、申請しにくい制度や改善してほしい点を確認すると、課題を整理しやすくなるでしょう。
目的を決めずに調査すると、結果を集計しても、改善すべき制度を判断しにくくなります。調査前に把握したい課題や調査後の活用方法を整理しておくことで、福利厚生の改善につながるアンケートを設計しやすくなるでしょう。
2. 調査方法を考える
調査目的が決まったら、従業員が回答しやすい方法を選ぶ必要があります。紙で配布する方法は、パソコン操作に慣れていない従業員にも対応しやすいですが、回収や集計に手間がかかる点に注意が必要です。Webアンケートは、回答状況の確認や集計がしやすく、部署・年齢・雇用形態ごとの分析にも活用しやすい方法です。
たとえば、工場や店舗勤務の従業員が多い場合は、紙とWebを併用するといいでしょう。在宅勤務が中心の場合は、Webアンケートの方が回答を集めやすいケースがあります。
本音に近い回答を集めるには、回答しやすさだけでなく、匿名性にも配慮するといいでしょう。
3. 調査を行う
質問項目と調査方法が決まったら、アンケートを従業員に配布し、回答期限を決めて回収します。
配布時には、回答期限や所要時間、回答方法、問い合わせ先を明確に伝えることが大切です。たとえば「⚪︎月⚪︎日までにWebフォームから回答してください。所要時間は5分程度です」と記載すると、従業員が回答の予定を立てやすくなります。
また、従業員が本音で回答しやすいよう、回答内容が人事評価に直接影響しないことや、個人が特定されない形で集計することも周知しましょう。回答期限前にはリマインドを行い、部署や雇用形態によって回答が偏っていないか確認しながら進めることが大切です。
4. 結果をもとに廃止・改善・新設する制度を決める
アンケートを回収したら、結果を集計・分析し、福利厚生の見直し方針を決めます。
利用率が低い制度や満足度が低い制度、要望が多い制度を分けて確認すると、見直しの優先順位をつけやすくなります。たとえば、食事補助の利用率が低く、自由記述で「使える店舗が少ない」という声が多い場合、廃止ではなく対象店舗の拡充を検討できるでしょう。
制度を見直す際は、利用率だけで廃止を判断せず、使われていない理由まで確認する必要があります。調査結果をもとに見直せば、企業側の想定ではなく、実際の利用状況や要望に沿って改善しやすくなります。
従業員満足度が上がりやすい福利厚生の選び方
福利厚生は、制度の数を増やすだけで満足度が上がるとは限りません。満足度を高めるには、従業員の負担軽減につながるか、利用しやすい制度か、公平に使えるかを確認しながら選ぶとよいでしょう。
生活費の負担を減らせる制度を優先する
従業員満足度が上がりやすい福利厚生を選ぶ際は、生活費の負担を減らせる制度を優先しましょう。毎月の固定費や日々の支出に関わる制度は、従業員が支援を実感しやすいです。
たとえば、住宅手当・家賃補助、通勤手当、食事補助などは、従業員が負担軽減を感じやすい制度です。家賃や昼食代の一部を補助すれば、従業員は毎月の家計に余裕を持ちやすくなります。
ただし、生活費を支援する制度は毎月発生する費用になりやすいため、企業側の負担も継続する点に注意が必要です。
制度の対象者・金額・利用条件をわかりやすくする
福利厚生を選ぶ際は、制度の対象者・金額・利用条件を明確にしましょう。ルールが定まっていない状態では従業員間の認識にズレが生じ、かえって不公平感や不満を招く原因になります。
たとえば、食事補助を導入する場合、「月何回まで使えるのか」「上限額はいくらか」「在宅勤務の日も対象か」を明記しましょう。また、正社員と非正規社員で利用条件に差を設ける場合は、同一労働同一賃金ガイドラインを踏まえ、不合理な待遇差にならないか確認する必要があります。
一部の従業員のみを対象とする制度であれば、対象を限定する理由を説明できるようにしておくことも大切です。制度の公平性を保つためにも、社内規程や利用ガイドに条件を明記し、従業員がいつでも確認できる状態にしておきましょう。
福利厚生にはさまざまな選択肢があります。なかでも住宅関連の福利厚生は、家賃という毎月の固定費を支援できるため、従業員が恩恵を感じやすく、採用力の強化や定着率の改善にもつながりやすい制度です。
一方で、住宅手当・家賃補助・社宅制度で税務や社会保険料の扱いが異なり、規程整備や手続きに手間がかかります。
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※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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