• 更新日 : 2026年3月27日

契約類型とは?事業者がおさえておきたい典型契約と非典型契約を解説

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Point契約類型とは何を指しますか?

契約類型は、民法に定められた13種類の典型契約の分類です。

  • 売買・請負など13種
  • 非典型契約も存在する
  • 実態で類型判断する

名称だけで決まらず、契約は実質で判断されます。民法522条の契約自由の原則の下でも、強行規定や特別法が優先される場合があります。

契約類型とは、契約を性質に応じて分類したもので、民法で定められている典型契約と、民法に明文規定のない非典型契約に大別できます。民法で定められている典型契約は13種類あり、契約書に明確に定められていない場合には、その契約がどの類型に属するかによって、適用される民法の規定が判断されます。

本記事では、契約類型の概要やビジネスで用いる機会の多い典型契約、非典型契約について解説します。契約類型を理解して、法務業務をスムーズに進めましょう。

目次

契約類型とは?

契約類型とは、一般的には民法の条文で定められている典型契約(有名契約)を指して使われます。民法の第522条第1項には申込みと承諾により契約が成立することが定められており、また民法第521条では契約の締結や内容を自由に決められることが定められています。

しかし、民法では契約トラブルを避けるために、使用される機会の多い契約類型の規定を設けて、法律が適用されるようにしています。

典型契約と非典型契約の具体的な種類については、下記の通りです。

法的に定められている典型契約は13種

契約類型として、民法で定められた典型契約は13種類です。

原則として、契約は当事者の合意で成立するため、契約書がなくても権利義務が生じ得る点に注意しましょう。もし契約書で決めていない事項があっても、契約の性質に応じて、民法の規定がルールを補う形で適用されます。以下に、契約類型の分類と内容を紹介します。

契約の分類 内容 種類
移転型 財産権を移転するための契約 売買契約、贈与契約、交換契約
役務型 労務の提供に関する契約 雇用契約、請負契約、組合契約、寄託契約、委任契約・準委任契約
利用型 物を利用するための契約 賃貸借契約、消費貸借契約、使用貸借契約
和解型 権利や義務を明確化させて確定する契約 和解契約

※典型契約には、表に挙げたものに加えて終身定期金契約も含まれます。

契約類型には、売買契約や贈与契約などがあり、財産権が移転する移転型に分類されます。

また、賃貸借契約や使用貸借契約などのように、利用型の契約もあります。

典型契約以外はすべて非典型契約

民法に典型契約としての明文規定がない契約は、非典型契約(無名契約)です。ただし、非典型契約は典型契約と全く異なるものではなく、典型契約の一部内容を修正して利用されるものが多いです。

民法には契約自由の原則があるため、典型契約以外にも契約内容の合意があれば、自由に契約を締結できます。

契約内容は当事者間で自由に定められ、合意により権利義務が発生します。契約書は合意内容を明確化し、後日の紛争予防や立証に役立ちます。

契約書の内容が重要視されるため、非典型契約を締結するときは、内容をきちんと確認しましょう。

参考:法務省説明資料|法務省

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事業者がよく使う主な典型契約は?

典型契約には13種類あり、それぞれが民法の条文で定められています。例を挙げると、売買契約では、売買契約では、当事者の一方が財産権の移転を約し、相手方が代金の支払いを約する点が規定されています。また、賃貸借契約は、賃貸人が目的物を使用・収益させること等を約し、賃借人が賃料を支払うこと等を約する契約です

本項では、ビジネスで利用する機会の多い典型契約をそれぞれ解説していきます。

贈与契約

贈与契約(民法549条〜554条)とは、ある財産を無償で相手方に与える意思表示をし、これを受諾する当事者との間で結ばれる契約です。財産の移転を目的とする点は、売買契約や交換契約と共通していますが、無償という点で異なります。

贈与契約の例を挙げると、株式の贈与が挙げられます。

贈与契約の契約書について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

売買契約

売買契約(民法555条〜585条)とは、当事者の一方が一定の財産権の移転を約束し、相手方が代金の支払いを約束する契約です。

対価を支払う点において、無償で行う贈与契約と異なります。また、代金を支払うため、物々交換である交換契約とは異なる性質をもちます。

多くのビジネスシーンで取り交わされる機会の多い契約類型のため、下記の記事を参考にして契約書の書き方を理解しておきましょう。

交換契約

交換契約(民法586条)とは、当事者同士が互いに金銭以外の所有物の財産権を移転する契約です。

金銭ではなく「もの」で交換する点以外は売買契約と性質が同一のため、売買契約の規定が準用されます。

例を挙げると、土地同士の交換などに利用できます。

消費貸借契約

消費貸借契約(民法587条〜592条)とは、当事者の一方が金銭などを受け取る代わりに、同等の物の返還を約束する契約です。

一般的には、金銭を消費貸借の対象とする契約である金銭消費貸借契約を指すものとして利用されます。

金銭消費貸借契約では、書面を作成しない限りは「金銭の受け取り」が要件であり、法人同士のお金のやり取りにも使われる場合があります。

金銭消費貸借契約について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

使用貸借契約

使用貸借契約(民法593条〜600条)とは、物品を無償で借り、使用後に返還する契約です。

「借りたものそのものを返す」点で、消費貸借契約とは異なります。

使用貸借契約では、使用料を払う必要がありません。つまり、借りた物品を使用後に返還することが求められます。

賃貸借契約

賃貸借契約(民法601条〜622条)とは、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせること等を約し、相手方がこれに対して賃料を支払うこと等を約する契約です。

「借りたものを返して、対価を支払う」という特徴があります。例えば、法人がオフィスを借りる際に利用されます。

賃貸借契約の理解を深めたい方は、以下の記事を参考にしてください。

雇用契約

雇用契約(民法623条〜631条)とは、当事者の一方が労働をして、相手方が報酬を与える約束をする契約です。

特徴は、使用者が被用者(労働者)に対し「指揮命令権限」を有する点です。労働者は、使用者の指揮命令下で労働を行い、その対価として報酬を得ます。

雇用契約の際には、民法だけでなく労働基準法や労働契約法も確認する必要があります。正社員やアルバイトを雇う際に求められるでしょう。

雇用契約書は、以下の記事を参考にして作成しましょう。

請負契約

請負契約(民法632条〜642条)とは、当事者の一方が仕事の完成を約束し、相手方が結果に対して報酬の支払いを約束する契約です。

請負人は仕事を完成させる義務を負います。原則として、仕事が未完了であれば報酬が得られない点が注意すべきポイントです。

請負契約は、建設工事や運送業務、ITシステム構築、ソフトウェア開発、デザイン制作など、さまざまな業務で利用されます。

請負契約書の書き方は、以下の記事を参考にしてください。

委任契約・準委任契約

委任契約(民法第643条)とは、一方の当事者がもう一方に法律行為(当事者の意思表示により法的効果を生み出す行為)の実施を依頼し、受け入れられることで効力を生じる契約です。例えば、弁護士に訴訟の代理を依頼する場合や、エージェントに契約の締結を任せるときが該当します。

一方で、準委任契約は、法律行為以外の業務を委託する際の契約です。委任契約、準委任契約は、原則として請負契約のような「仕事完成義務」は負いませんが、善管注意義務に基づき業務を遂行する必要があります。

委任契約については、以下の記事を参考にして理解を深めましょう。

寄託契約

寄託契約(民法第657条)とは、当事者の一方が物品の保管を相手方に依頼し、それが承諾されると成立する契約です。

美術品をセキュリティの整った倉庫に預けたり、商品を物流センターに管理してもらったりする場合が該当します。また、車を整備工場に長期間保管してもらう場合も挙げられます。

寄託契約書の書き方は、以下の記事を参考にしてください。

組合契約

組合契約(民法第667条)は、2人以上の当事者が共同で事業を行うために資金を出し合うことを約束する契約です。

例えば、AとBがそれぞれ200万円を出資して店舗を運営する場合が挙げられます。この場合は、事業運営における細かな取り決めも定められます。

組合契約書の作成方法は、以下の記事を参考にしてください。

和解契約

和解契約(民法第695条)は、双方の当事者が譲歩し合い、既存の紛争をやめることを合意する契約です。

法的な争いが発生した際に、訴訟にもち込まず解決するための契約であり、和解によって紛争を終結できるメリットがあります。

以下の記事から和解契約書のテンプレートがダウンロードできますので、ぜひ活用してみてください。

終身定期金契約

終身定期金契約(民法689条)とは、当事者の一方が相手方または第三者に対し、一定の期間(終身を含む)にわたって定期的に金銭その他の物を給付することを約し、相手方がこれに対して対価を支払う契約です。

実務で利用される機会は多くありませんが、支払期間や給付内容、終了条件(死亡時・一定期間経過時など)がトラブルになりやすいため、契約書では内容を明確にしておくことが重要です。

事業者がよく使う主な非典型契約は?

民法で定められている典型契約以外に、事業者がよく使う非典型契約には以下のようなものがあります。

例えば、リース料を支払うことで物品を利用するリース契約や自社の秘密情報の取扱いを制限する秘密保持契約です。外部委託する際には、業務委託契約もよく用いられます。

本項では、事業者が使用する機会の多い非典型契約について説明しますので、自社で契約を締結する際の参考にしてみてください。

リース契約

リース契約は、必要な機械設備を使用するために、リース会社に定期的な料金を支払う契約です。利用者は毎月決められたリース料を支払うと、必要な設備を借りられます。

オフィスで必要とされるコピー機や複合機などのOA機器や、パソコン、サーバーといったIT機器などのリースに活用されています。

リース契約の詳細については、以下の記事を参考にしてください。

フランチャイズ契約

フランチャイズ契約では、フランチャイズ本部が加盟店に自社の商標の使用権を与え、運営に関する指導や支援を提供する契約です。これに対する対価として、加盟店は本部に金銭を支払うことになります。

フランチャイズ契約は、本部が作成したビジネスモデルやシステムをパッケージとして加盟店が利用する場合が一般的です。

また、加盟する際には契約期間や加盟金、保証金などの条件を慎重に確認し、理解することが大切です。

ソフトウェア使用許諾契約

ソフトウェア使用許諾契約は、著作権者などが自らの権利をもつソフトウェアの使用を許諾する契約です。権利者から正式に許諾を得て、ソフトウェアを使用できます。

ソフトウェアの使用は有償の場合が多く、取り決めには民法上の売買契約の規定が準用されます。

例えば、Microsoft OfficeのExcelやWordなどのソフトウェアを使用する際は、使用許諾契約に基づき料金を支払って使用することが一般的です。

ソフトウェア使用許諾契約については、以下の記事で詳しく学べるため、参考にしてください。

秘密保持契約(NDA)

秘密保持契約(NDA)は、特定の情報を守る際に締結される契約です。秘密情報とは何かを明確に定め、扱い方を細かく規定することが必要です。

例えば、業務提携をするときや、共同での研究開発を行う際に自社の技術情報を提供する場合などが該当します。

また、外部の業者に業務を委託する際に、自社の大切な情報を伝える場合があるため、秘密保持契約が締結されます。

業務委託契約

業務委託契約とは、企業が自ら遂行する業務の一部を、外部のほかの企業や個人に任せる際に利用される契約です。この契約において、受託者は委託された業務を自分の判断で進行でき、時間配分や作業の進め方は受託者の裁量に委ねられています。

ただし、委託する側は業務の具体的な進め方や時間の割り当てを細かく指示することは原則として許されていません。

業務委託契約については、以下の記事で詳しく解説しているため、参考にしてみてください。

労働者派遣契約

労働者派遣契約は、派遣社員の提供を主な目的とする契約で、派遣会社と派遣先企業の間で結ばれます。これにより、派遣先の企業は必要な人材を派遣の形で確保できます。

特徴は、派遣会社と派遣先企業間の取引条件を定めた基本契約と派遣される労働者の勤務条件を具体化した個別契約が含まれる点です。

派遣労働者を受け入れる企業は、これらの契約内容を細かくチェックし、理解することが重要です。それにより、双方の権利義務が明確になり、トラブルを避けられます。

広告放送契約

広告放送契約とは、テレビCMやラジオCMなどの放送を依頼する際に広告主と媒体との間で締結する契約です。

具体的には、CMの制作を広告代理店に依頼する場合、あるいはCM以外の広告の制作や出稿を依頼する場合は「広告契約書」を用いて依頼先と契約を締結します。

なお、テレビやラジオの放送は放送法や電波法などの法律に基づいて行うことが必要です。

広告放送契約書の記載項目や注意点は以下の記事で説明しているため、業務の参考にしてください。

契約類型ごとの「任意規定」と「強行規定」の違いは?

契約類型を理解するうえで重要なのが、民法などの規定が「任意規定」か「強行規定」かという点です。任意規定であれば当事者の合意で変更できますが、強行規定は合意しても排除できません。契約書作成時には、この違いを踏まえる必要があります。

任意規定は、当事者の合意によって変更できる規定

任意規定とは、当事者が特に別段の合意をしなかった場合に適用される補充的な規定です。例えば、民法上の売買契約や請負契約の多くの条文は任意規定とされ、契約書で異なる取り決めをすればその合意が優先されます。任意規定は、契約自由の原則(民法521条)に基づき、当事者の意思を尊重する仕組みといえます。

強行規定は、当事者の合意でも排除できない規定

強行規定とは、当事者が合意しても効力を変更・排除できない規定です。例えば、建物賃貸借に関する借地借家法の更新・解約に関する規定や、労働基準法の最低基準などは強行規定にあたります。これらは弱い立場の当事者を保護する目的で設けられており、強行規定に反する条項は、その部分が無効となります。

契約類型によって強行規定の範囲が異なる点に注意が必要

同じ契約類型でも、民法部分は任意規定であっても、特別法が適用される場合は強行規定が優先されることがあります。例えば、雇用契約には労働法が、消費者契約には消費者契約法が関係します。契約類型ごとに、どの規定が任意でどの規定が強行かを見極めることが、リスク回避のポイントとなります。

契約類型の見分け方と判断基準は?

契約類型は契約書の名称だけで決まるものではなく、実際の内容や当事者の関係性によって判断されます。形式上は「業務委託契約」と記載されていても、法的には請負や準委任、雇用と評価されることがあります。ここでは、迷いやすい契約類型の見分け方と判断基準を整理します。

請負か準委任かは「成果物の完成責任」で見分ける

請負契約(民法632条)は「仕事の完成」を目的とする契約です。成果物の完成が報酬支払の条件となり、完成責任や契約不適合責任が問題となります。一方、委任・準委任契約(民法643条等)は「業務の遂行」自体が目的であり、原則として、請負のような「仕事完成義務」は負わず、業務を適切に遂行することが求められます。契約条文で「検収」「完成」「成果物の引渡し」が重視されていれば請負の可能性が高く、「善管注意義務」や「業務遂行」といった表現が中心であれば準委任と判断されやすいです。

雇用か業務委託かは「指揮命令関係の有無」で見分ける

雇用契約(民法623条)は、使用者の指揮命令下で労務を提供する契約です。勤務時間や場所の拘束、業務方法への具体的な指示があれば、実態として雇用と評価される可能性があります。一方、業務委託では受託者が独立した立場で業務を遂行します。名称ではなく、実際の業務運営の実態が重要な判断基準となります。

混合契約の場合は主要な給付内容で判断する

一つの契約に複数の要素が含まれる「混合契約」では、中心的な給付内容がどれかを基準に判断します。例えば、システム開発契約では「開発成果の完成」が主目的なら請負、「継続的な運用支援」が主なら準委任と評価されることがあります。契約条項と実態の両面から総合的に判断することが重要です。

契約類型を誤ると生じる法的リスクは?

契約書のタイトルや形式だけで契約類型を判断すると、思わぬ法的リスクが生じることがあります。契約は実質で判断されるため、当事者の合意内容や業務の実態が重要です。類型を誤ると、責任範囲や適用法令が想定と異なる結果になる可能性があります。

請負と準委任を誤ると報酬や責任を巡る紛争が生じる

請負契約では「仕事の完成」が目的であり、成果物が完成しなければ報酬請求ができないのが原則です。一方、準委任契約では業務遂行そのものが目的であり、原則として、請負のような「仕事完成義務」は負いません。これを誤ると、成果未達を理由に報酬が支払われない、あるいは過度な完成責任を負うといった紛争に発展する可能性があります。

雇用と業務委託を誤ると労働法違反のリスクがある

業務委託契約の形式を取っていても、実態として指揮命令関係があれば雇用契約と判断される場合があります。この場合、労働基準法や労働契約法が適用され、未払残業代や社会保険未加入などの問題が生じる可能性があります。いわゆる偽装請負(実態は労働者派遣)や、労働者性が認められるリスクです。

強行規定や特別法が優先される場合がある

契約類型を誤ると、民法ではなく借地借家法や消費者契約法などの特別法が適用されることがあります。これらの法律には強行規定が含まれており、当事者の合意で排除できない条項もあります。類型の誤認は、契約条項の無効や想定外の義務発生につながるため、慎重な判断が求められます。

契約類型の判断でも重要となる契約内容の確認

非典型契約である業務委託契約などにおいて、その契約が請負なのか準委任なのかといった契約類型を正しく判断するには、契約書に記載された業務範囲や権利関係などの条件をしっかりと確認することが欠かせません。

株式会社マネーフォワードでは、業務委託契約に関与する方を対象に、契約に関する調査を実施しました。契約内容を確認する際、特に注意して確認している項目を尋ねたところ、最も重視されているのは業務の内容・範囲で、32.6%でした。次いで契約の解除・解約に関する条件が28.8%、委託料(報酬)の金額・支払時期が28.3%と続いています。一方で、著作権等の知的財産権の帰属は17.7%、再委託の可否は15.5%にとどまる結果となりました。

実務では権利関係の確認が漏れやすい傾向も

調査データから、委託料や業務内容といった実務的な条件に意識が集中しやすく、知的財産権や再委託といった法的な権利関係の確認が軽視されがちな傾向が読み取れます。契約類型を誤ると責任範囲に関する紛争など想定外の法的リスクが生じる可能性もあるため、契約を締結する際は、業務内容だけでなく権利や責任に関する条項も網羅的に確認し、実態に合った契約を結ぶことが大切です。

出典:マネーフォワード クラウド、調査③ 契約内容確認時の重点項目(Q4)【業務委託契約書に関する調査データ】(回答者:業務委託契約に関与する605名、集計期間:2026年1月実施)

契約類型を理解して、契約業務をスムーズに進めよう

契約類型とは、民法で規定されている13種類の典型契約です。取引や採用など、ビジネスで利用される機会も多く、売買契約や賃貸借契約、雇用契約などが使用されます。

一方で、典型契約以外のものを非典型契約といい、契約内容は当事者の合意で設計できますが、強行規定や公序良俗、特別法の制約を受けます。契約類型についての理解を深めて、契約業務を円滑に進めましょう。

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