• 更新日 : 2026年6月17日

福利厚生がいい企業5選!制度比較と自社導入のポイントを解説

Point福利厚生がいい企業には、どのような共通点があるのでしょうか?

住宅手当やカフェテリアプランなど、人事課題に合わせた制度を整える企業ほど採用力や定着率を高めています。

  • 住宅支援は若手の生活コストを軽減する
  • 育児・介護支援は離職しやすい時期を支える
  • カフェテリアプランは制度の公平感を高める

自社で離職が集中する時期を特定し、課題に直結する制度から整備しましょう。

住宅手当やカフェテリアプランなどの手厚い福利厚生は、働きやすさや生活の安定に直結するため、採用競争力や従業員満足度の向上にも影響しやすい制度です。

この記事では、採用強化や離職防止など、人事課題の解決につながる特徴的な制度を導入している企業を中心に、福利厚生がいい企業を5社ピックアップ。各社の特徴的な制度を紹介するので、自社の福利厚生改善に活かしてみてください。

福利厚生がいい会社によくある制度一覧

福利厚生が充実している企業では、単に制度数が多いのではなく「採用強化・定着率向上・働きやすさ改善」といった人事課題に合わせた制度を構築している傾向があります。

大企業を中心に、導入されやすい制度として以下のようなものが挙げられます。

カテゴリ 主な福利厚生制度
住宅・家賃支援
  • 住宅手当・家賃補助
  • 借り上げ社宅・独身寮
  • 住宅ローン補助
  • 引越し補助
働き方支援
  • リモートワーク制度
  • フレックスタイム制度
  • 時短勤務制度
  • 副業制度
育児・介護支援
  • 法定水準を上回る育児休業制度
  • 法定水準を上回る介護休業制度
  • ベビーシッター補助
  • 法定水準を上回る看護休暇制度
健康・医療支援
  • 法定水準を上回る充実の健康診断
  • 人間ドックのオプション追加
  • 食事補助・社員食堂
  • スポーツジム補助
  • メンタルヘルス支援
キャリア開発支援
  • 資格取得支援制度
  • 研修・学習支援
  • 書籍購入補助
  • 語学学習支援
選択型福利厚生
  • カフェテリアプラン
  • ポイント型福利厚生
  • 福利厚生サービス提携

自社の福利厚生を見直す際は、「制度数を増やすこと」を目的にせず、どの人材課題を解決したいかを起点に優先順位をつけましょう。たとえば、若手採用を強化したいなら住宅支援、育児世代の離職を防ぎたいなら育児・介護支援から整備するなど、課題に直結する領域から着手するとよいでしょう。

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福利厚生がいい会社5選

「うちの福利厚生、他社と比べてどうなんだろう」「採用や離職に課題があるが、どの制度から整備すればいいか」と感じている人事担当者の方に向けて、特徴的な福利厚生制度を導入している企業5社を紹介します。

ソフトバンク

ソフトバンクは、柔軟な働き方支援と手厚い子育て支援を組み合わせ、「産んでも・育てても働き続けられる環境」を制度として整備している点が特徴です。

「プラチナくるみん認定」を取得しており、制度の充実度が対外的にも評価されています。
主に以下のような制度を整備しています。

  • 法定を上回る育児休業(最長3歳まで育休取得可・男性育休100%宣言)
  • 積立年休制度(最大60日)
  • フレックスタイム制度(コアタイムなし)
  • リモートワーク制度(回数制限なし)
  • 出産祝金制度(第1子5万円〜第5子500万円)
  • 福岡ソフトバンクホークス関連イベント開催

なかでも出産祝金制度は、第1子5万円から第5子500万円まで支給するもので、子どもの数が増えるほど支給額が大きくなる設計です。「日本一の少子化対策企業を目指す」という考え方のもとスタートした制度で、採用広報・企業ブランディングとしても機能しています。

自社で参考にする場合のポイントは、「出産祝金のような金額インパクトのある制度」と「育休・時短・フレックスなど日常的に使える制度」の両輪で設計している点です。大きな祝金制度は採用時の話題になりますが、実際の定着には日々使いやすい育児支援制度が不可欠です。

育休取得率の向上や時短勤務の使いやすさ改善など、既存制度の運用改善から着手するとともに、お互いを補う組み合わせを意識して設計すると、より効果が出やすくなります。

参考:福利厚生|ソフトバンク

サイバーエージェント

サイバーエージェントは、「挑戦と安心はセット」という考えのもと、若手採用・女性定着・コミュニケーション活性化を意識した独自の福利厚生制度が特徴です。

住宅支援では、渋谷オフィスから2駅圏内に住む社員に月3万円を支給する「2駅ルール」と、勤続6年目以降は居住地を問わず月5万円を支給する「どこでもルール」の2段階制度を設けており、若手の生活コスト軽減と長期在籍者の定着を両面から支援しています。

他にも、以下のような制度があります。

  • リフレッシュ休暇制度
  • 社内マッサージルーム
  • 勉強会・スキルアップ支援制度
  • 女性活躍支援制度「macalonパッケージ」
  • 部活動支援制度

なかでも女性活躍支援制度「macalonパッケージ」は、妊活休暇・妊活コンシェル・認可外保育園補助・ベビーシッター補助・卵子凍結補助など9つの制度をパッケージ化した独自制度です。出産後の育児支援にとどまらず、妊活段階から復職後まで一貫して支援する設計で、女性社員がキャリアを中断することなく仕事と家庭を両立できる環境を目指しています。

参考になるポイントは、「住宅支援×女性活躍支援」という組み合わせです。住宅補助で若手の経済的不安を取り除きながら、育児・妊活支援でライフイベントによる離職を防ぐ設計は、若手採用競争が激しい企業や女性比率の高い職場に応用しやすい考え方です。

自社で離職が集中するタイミング(入社数年以内・産休復帰前後など)に合わせて、優先制度をピックアップしてみましょう。

参考:福利厚生|サイバーエージェント

高島屋

高島屋の特徴は、「多様な生き方・働き方を制度として許容する」という姿勢が一貫している点です。副業支援・ボランティア休職・同性パートナーへの福利厚生適用など、画一的な正社員像を前提としない制度設計が進んでいます。

具体的には、主に以下のような制度があります。

  • 副業・ボランティアのための休職・休暇制度
  • ワークライフバランス休暇
  • 副業・兼業支援制度
  • 社員買物割引制度
  • 独自の育児・介護との両立支援制度
  • 同性パートナー・事実婚パートナーへの福利厚生適用

育児・介護以外にも、副業・ボランティアのためでも、休みを取りやすい環境が整備されています。副業・兼業にも寛容で、社外経験や起業へのチャレンジを通じたイノベーション創出・個々の自律的成長を目的に支援しています。

ダイバーシティ推進の面では、同性パートナーへの福利厚生適用や、性別適合手術・ホルモン治療に使用できる有給休暇制度も整備されており、LGBTQ+当事者が働きやすい環境づくりに取り組んでいるのも特徴的です。

参考になるポイントは、「制度の対象を広げる」という発想です。 育児・介護は多くの企業で整備が進んでいますが、高島屋のようにボランティアや副業・自己実現まで休職・休暇の対象に含めることで、多様なライフスタイルを持つ人材の定着につながりやすくなります。

大規模な新制度の導入が難しい場合でも、既存の休暇制度の取得事由を広げるだけで対応できるため現実的に導入しやすいでしょう。

参考:働く環境を知る|高島屋

ZOZO

ZOZOは、柔軟な働き方とクリエイティブ人材支援を重視した福利厚生制度が特徴です。特に「家族」の定義を広げた時短制度や、社員同士のつながりを支援する仕組みに独自性があります。

たとえば、以下のような制度があります。

  • フレックスタイム制度(コアタイムなし)
  • リモートワーク制度(週2日出社・週3日在宅のハイブリッド勤務)
  • 家族時短制度(1日最大2時間・30分単位)
  • 交通費実費支給(飛行機や新幹線も対象で、月額15万円上限)
  • ZOZOコネ(周辺飲食店・サービス店での割引制度)
  • ベビーシッター利用補助制度
  • 不妊治療休職制度(最大1年間)

特徴的なのが、家族時短制度です。育児や介護はもちろん、ペットや同居人など社員が「家族」と認識する人・動物のサポートが必要な場合も対象で、画一的な「育児支援」を超えた制度設計といえます。

人事担当者が参考にすべき点は「誰を対象とするか」の定義です。 育児・介護支援は、「利用できる対象が限定されすぎて、実際には使われない制度」になっているケースも少なくありません。

対象範囲を広げることで制度の「実用性」と「従業員満足度」を同時に高められるため、新たな制度を追加する前に、既存制度の「対象条件」を見直すだけでも改善につながるでしょう。

参考:ZOZO WORKSTYLE|ZOZO

大和ハウス工業

大和ハウス工業は、住宅支援・長期就業支援・育児介護支援を組み合わせながら、転勤が多い建設業界でも社員が長く安心して働き続けられる環境を設計している点が特徴です。

主に、以下のような制度があります。

  • 社宅・独身寮制度
  • 住宅手当・持家割引制度
  • ホームホリデー制度
  • 連続休暇(Re休暇)制度
  • 次世代育成一時金(子ども1人につき100万円)
  • 再雇用機会優先制度
  • 60歳一律役職定年廃止

独身寮・社宅・住宅手当・持家割引と、賃貸から持ち家購入まで、切れ目なく設計されています。さらに次世代育成一時金100万円は、出産・育児初期の経済的負担を大きく軽減するもので、子育て世代の定着に直結しやすい制度です。

また60歳一律役職定年の廃止と、選択定年制(65・67歳)の組み合わせにより、採用コストをかけずにベテラン人材を確保しやすくなっており、技術系人材の社外流出防止の効果も期待できます。

人事担当者が参考にすべき視点は「ライフステージの切れ目をなくす」という設計思想です。 独身・結婚・出産・育児・介護・定年と、各ステージで「会社を辞めたくなる瞬間」に対応した制度が用意されています。自社で離職が集中しているタイミングを特定し、そこに対応する制度から優先的に整備してみましょう。

参考:福利厚生|大和ハウス工業

福利厚生が手厚い企業の特徴は?導入時のポイント

福利厚生が充実している企業に共通する「制度設計の考え方」には、共通したパターンがあります。

事例から導き出せる福利厚生が手厚い企業の特徴を整理し、自社の制度見直しに活かせるポイントを解説します。

定着を意識した制度設計を行っている

福利厚生が充実した企業に共通するのは、福利厚生を「採用時のアピール材料」としてではなく、「入社後に離職が起きやすいタイミング」に合わせて設計している点です。

離職リスクが高まりやすい場面として、一般的に以下のようなタイミングが挙げられます。

  • 入社後数年以内(給与・働き方への期待ギャップ)
  • 結婚・出産・育児のタイミング(ライフイベントによるキャリア中断)
  • 30代中盤〜40代(他社からの転職オファー・キャリアの見直し)
  • 親の介護が始まるタイミング

自社で見直す際は、まず退職者データや従業員アンケートから「離職が集中しているタイミングと理由」を把握しましょう。課題が明確になれば、必要な制度も自ずと絞られます。

入社3年以内の離職が多いなら、住宅手当や食事補助などで生活コストを軽減したり、育児復帰後の離職が多いなら、時短勤務の使いやすさ改善・保育補助を手厚くしたりと、課題の解決につながる制度を導入しましょう。

働き方に合わせた柔軟な制度設計を行っている

福利厚生が充実している企業に共通するのは、「誰がどこで働いていても制度の恩恵が届く」ことを意識して設計している点です。

リモートワークやフレックスタイム制が広がった現在、出社を前提とした制度設計のままでは、フルリモート勤務者や地方在住者が恩恵を受けられない状況が生まれやすくなっています。

自社で見直す際の出発点は、「現行制度が誰に使われていないか」を把握することです。

  • 在宅勤務者への交通費支給を、通信費・光熱費補助に切り替えられないか
  • 社員食堂の補助を、在宅勤務者が使える食事補助に転換できないか
  • 時短勤務・フレックスの対象を、育児・介護以外にも広げられないか
  • 非正規雇用や契約社員にも適用できる制度はないか

部門別・雇用形態別・勤務地別に利用率を確認すると、制度の恩恵が届いていない層が見えてきます。既存制度の対象条件や申請方法を見直すことで、改善できないか検討してみましょう。

具体的には、制度ごとに「対象者・利用条件・申請フロー」の3点を確認して、「対象者が限定されすぎていないか」「申請が複雑で使われていないか」を洗い出すことが大切です。

公平感を意識して福利厚生を設計している

福利厚生が充実している企業に共通するのは、「制度の恩恵が一部の社員にしか届かない」という不公平さを感じさせない設計にしていることです。

典型的なのが住宅手当です。賃貸住まいの社員のみを対象にすると、持ち家社員や実家暮らしの社員との間で不公平感が生まれやすくなります。高島屋が同性パートナーへの福利厚生適用を整備し、ZOZOが家族時短制度の「家族」の定義をペットや同居人まで広げているのも、「制度の対象から外れる人をなくす」という公平感への意識の表れといえます。

以下の観点で、既存制度を見直してみましょう。

  • 持ち家・実家暮らしの社員が対象外になっている制度はないか
  • 正社員のみ対象で、非正規雇用には適用されていない制度はないか
  • 転勤・地方勤務の社員が実質的に使えない制度はないか
  • 特定のライフスタイルを前提とした制度設計になっていないか

不公平感の解消には、カフェテリアプランのように従業員が自分の状況に合った制度を選べる仕組みも有効です。一律支給よりも、多様なニーズに対応しやすくなります。

また、住宅支援の公平感と運用効率を同時に改善したい場合は、借り上げ社宅制度の導入がおすすめです。住宅手当と異なり社会保険料の節約につながるため、従業員・企業双方にメリットがあります。

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