- 更新日 : 2026年6月17日
福利厚生パッケージサービスとは?導入メリットと確認ポイントを解説
食事補助・育児支援・健康支援などを低コストでまとめて導入でき、中小企業でも整備しやすい仕組みです。
- 従業員1人あたり月額数百〜数千円で導入できる
- 利用率が低いとコストだけ発生し効果が下がる
- 導入前にアンケートで利用ニーズを確認する
自社の人員や課題に合うメニュー構成かを見極めることが大切です。
福利厚生パッケージとは、食事補助・旅行・健康支援・育児支援など、複数の福利厚生サービスをまとめて利用できる仕組みです。低コストで幅広い福利厚生を整備できるため、中小企業でも導入しやすいのが特徴です。
本記事では、福利厚生パッケージの基本概要や、導入メリット・デメリット、費用相場、選び方を解説します。福利厚生制度の見直しを検討している人事・総務担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
福利厚生のパッケージサービスとは
福利厚生のパッケージサービスとは、外部事業者が用意した多様な福利厚生メニューを、企業がまとめて導入・提供できる福利厚生代行サービスの一種です。
飲食・旅行・レジャー・育児支援・健康支援・学習支援・スポーツジムなど、幅広いカテゴリのサービスが1つにまとめられており、従業員は専用サイトやアプリから割引価格で利用できます。
自社で個別に福利厚生制度を整備・運用しなくても、多様な福利厚生を低コストで導入できるのがメリットです。また、自分のライフスタイルに合わせてサービスを選びやすくなるため、従業員の満足度向上につながりやすくなります。
「福利厚生を充実させたいが、制度設計や運用に工数をかけにくい」という人事・総務担当者のニーズに応えてくれるサービスです。
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その他の福利厚生代行サービスの種類
福利厚生代行サービスには、パッケージ型以外にも複数の種類があります。パッケージ型と比較検討される2種類を紹介します。
| 種類 | 概要 | コスト構造 |
|---|---|---|
| パッケージ型 | 事業者が用意したサービスをまとめて利用できる方式 | 月額固定・従業員数課金が中心 |
| カフェテリアプラン型 | 従業員へポイントを付与し、好きな福利厚生を選択してもらう方式 | ポイント付与型・従業員数課金型が中心 |
| 特化型 | 住宅支援・食事補助・学習支援など、特定分野へ特化した方式 | 月額固定・従量課金・オプション課金など多様 |
カフェテリアプラン型福利厚生
カフェテリアプラン型は、企業が従業員へ一定のポイントを付与し、用意されたメニューの中から自由に選択できる制度です。
パッケージ型との最大の違いは自由度です。パッケージ型では、全員同じメニューを利用するのに対して、カフェテリアプラン型は従業員ごとに必要な制度を選べるため、年代・家族構成・働き方が多様な職場でも不公平感が生じにくい設計になっています。
ただし、従業員の多様なニーズに対応しやすい反面、運用負担とコスト管理の難しさが課題になりやすいため、人事・総務体制が整っている企業や、専用システムを活用できる環境での導入が向いています。
特化型福利厚生サービス
特化型福利厚生サービスは、食事補助・健康経営・学習支援など、特定分野に絞って提供する福利厚生サービスです。
「若手定着」「健康経営推進」「採用強化」など、解決したい課題が明確な企業に適しています。
パッケージ型とは違い、自社課題に直結する領域へ予算を集中できるため、利用率や費用対効果を高めやすいのが特徴です。
具体的には、以下のような特化型サービスがあります。
- 食事補助サービス
- メンタルヘルス支援
- オンライン診療支援
- 学習・リスキリング支援
- 在宅勤務支援
ただし、特化型サービスは多様な従業員ニーズを全てカバーするのは難しい傾向にあります。従業員構成や課題が多岐にわたる場合は、パッケージ型との組み合わせも検討しましょう。
福利厚生パッケージサービスの費用相場
福利厚生パッケージサービスの費用は、主に「月額利用料」と「初期費用」で構成されます。
月額利用料は従業員1人あたり月額数百円〜数千円前後が目安で、初期費用は無料〜数万円程度が一般的です。ただし、トータルコストは、従業員規模・サービス内容・オプション構成によって変動します。
また、従業員数課金型のサービスでは、人員増加に伴って月額コストが想定より膨らむリスクがあります。契約前に「従業員が増えた場合の費用シミュレーション」まで確認しておくと安心です。
福利厚生パッケージサービスを導入する3つのメリット
福利厚生パッケージサービスは、自社だけで制度を整備するよりも導入ハードルが低く、運用負荷を抑えやすいのが特徴です。ここでは、パッケージサービスを導入する代表的なメリットを紹介します。
1.低コストで幅広い福利厚生を導入できる
福利厚生パッケージサービスを活用すると、旅行・食事・育児・健康支援など、多様な制度を低コストでまとめて導入できます。
自社で複数の福利厚生制度を個別に契約する場合、サービスごとに費用が発生するため、制度数が増えるほどコストが膨らみがちです。
一方、パッケージサービスでは、従業員1人あたり月額数百円〜数千円程度で複数の福利厚生メニューを利用できるケースが多く、個別導入よりもコストを抑えながら制度を拡充しやすくなります。
予算が限られる中小企業でも、大企業並みの制度ラインナップを整備しやすくなるため、採用競争力の向上や従業員満足度の改善につなげやすい点がメリットです。
2.採用力・定着率向上につながる
福利厚生パッケージの導入は、採用競争力の強化と既存従業員の定着率改善に効果的です。
採用面では、給与水準が競合他社と同程度の場合、食事補助・育児支援・健康支援など生活に直結する福利厚生の充実度が、求職者の企業選択に影響します。実際、JILPT(労働政策研究・研修機構)の2020年の調査によると、福利厚生を充実させる目的として「人材の確保」を挙げた企業は52.6%に上りました。
給与水準が同程度の企業間では、福利厚生の充実度が採用競争力に影響するという認識が、企業側にも広まっています。
定着率面では、従業員が「生活コストを抑えられる」「会社が支援してくれている」と感じやすくなるため、エンゲージメント向上や離職意向の低下につながります。とくに、育児・介護など、ライフイベントが発生したタイミングで支援制度が整っていると、離職を踏みとどまる要因になるでしょう。
福利厚生パッケージの導入を採用・定着への投資と位置づけ、自社の採用課題や離職理由と照らし合わせて選定することが大切です。
参考:企業における福利厚生施策の実態に関する調査|JILPT(労働政策研究・研修機構)
3.福利厚生の運用負担を軽減できる
福利厚生パッケージサービスの導入により、人事・総務担当者の運用負担を軽減しやすくなります。
福利厚生を自社で個別運用する場合、申請管理・契約更新・問い合わせ対応・利用分析など、多くの実務負担が発生します。
一方、福利厚生代行サービスでは、これら業務の多くを委託可能です。担当者が本来注力すべき、採用・制度設計・労務管理などへリソースを向けやすくなります。担当者負担を抑えながら、福利厚生制度を拡充しやすくなるのは実務上の大きなメリットです。
とくに人事・総務担当者が少人数で複数業務を兼任している企業では、「制度は導入したが運用が回らない」「問い合わせ対応に追われる」といった状況を防げます。
福利厚生のパッケージサービスを導入する3つのデメリット
福利厚生のパッケージサービスは、低コストで幅広い制度を導入しやすいものの、運用方法によっては、利用されない・不公平感が出るなどの課題が生じやすい部分もあります。
ここでは、福利厚生パッケージの導入時に注意したい代表的なデメリットを紹介します。
1.利用率が低下する場合がある
「とりあえず福利厚生を増やしたい」という理由だけで導入すると、使われない制度が多くなり、コストだけが発生し続けるリスクがあります。
利用率が低下しやすい主な要因としては、以下が挙げられます。
- 導入時の周知が不十分で、制度の存在自体が知られていない
- 申請フローが複雑で、利用ハードルが高い
- 地域限定・出社前提など、勤務形態によって利用できないメニューが多い
- 従業員のライフステージと合わないメニューに偏っている
利用率が低いまま放置すると、「福利厚生が充実している」という会社の説明と従業員の実感にギャップが生まれ、エンゲージメント低下につながるリスクがあります。
従業員ニーズを把握したうえでサービスを導入し、導入後も利用率を定期的に確認・見直す運用が大切です。
2.従業員ニーズと合わないケースがある
福利厚生パッケージは、自社の従業員構成やライフスタイルによっては、提供されるメニューとニーズが合わないケースがあります。
たとえば、以下のようなミスマッチが考えられます。
- 独身・若手が多い職場なのに、育児・介護支援が手厚い
- 地方勤務者が多い企業なのに、都市部の店舗・施設にサービスが偏っている
- リモートワーク中心の職場なのに、出社前提のサービス(社食・近隣店舗割引など)が充実している
ミスマッチが積み重なると形骸化しやすく、福利厚生コストの費用対効果が下がるのはもちろん、従業員満足度の改善にもつながりにくくなります。
導入前に、従業員アンケートや年代・勤務形態別のヒアリングを実施して、自社のニーズに合ったメニュー構成のサービスか確認してミスマッチを防ぎましょう。
3.利用する人・しない人で不公平感が出やすい
福利厚生パッケージは、利用頻度に個人差が出やすく「使える人だけ得をしている」という不公平感につながるリスクがあります。
たとえば、以下のようなケースで従業員間の格差が生じやすくなります。
- 都市部勤務者と地方勤務者:利用できるサービス数に差が出やすい
- ライフステージ依存の制度:育児・介護支援は該当しない従業員には恩恵がなく、「自分には関係ない制度にコストをかけている」と感じられやすい
- 出社者とリモートワーカー:出社前提・リモートワーク向けのサービスは、どちらかが実質対象外になる
こうした格差は、特定の属性・勤務形態に偏った制度設計から生じやすいため、サービス選定時に「どの層がどの程度恩恵を受けられるか」をマッピングして、全員が一定以上の恩恵を受けられるか確認しましょう。
導入後も利用率データを定期的に確認し、特定層にしか使われていない制度は見直すか、より利用しやすいサービスへの切り替えを検討しましょう。
福利厚生パッケージが適している企業の特徴
福利厚生パッケージサービスは、メリットだけでなくデメリットもあるため一長一短です。福利厚生パッケージの導入が、適している企業の特徴を紹介します。
福利厚生導入コストを抑えたい企業
福利厚生パッケージは、自社で制度を構築するより安価で導入しやすいため、福利厚生導入コストを抑えたい企業に適しています。
たとえば、以下のような企業は相性が良い傾向にあります。
- 従業員数が増えたが、人事制度整備が追いついていない
- 中小企業で、大企業並みの福利厚生を整備したい
- 採用強化のために福利厚生を拡充したいが、予算に限りがある
まずは現行の福利厚生にかかっている金銭・人的コストを整理したうえで、パッケージサービスとの比較検討を進めてみましょう。
人事総務の運用負担を減らしたい企業
福利厚生運用を外部サービスへ集約することで、人事・総務担当者の管理工数削減につながります。
たとえば、以下のような企業に最適です。
- 人事・総務担当者が1〜2名で複数業務を兼任している
- 福利厚生の申請管理や問い合わせ対応に、毎月一定の工数がかかっている
- 担当者が異動・退職した際に運用が止まるリスクがある
- 拠点や従業員数が増え、個別管理が追いつかなくなってきた
こうした企業では、申請管理・利用集計・問い合わせ対応などの業務をサービス側に委ねると、制度を拡充しながら、人事・総務部門の負担を軽減できるでしょう。
福利厚生制度の見直しにあたって、住居支援制度の整備を検討している場合は、借り上げ社宅制度の導入・運用効率化も選択肢のひとつです。マネーフォワード クラウド福利厚生賃貸なら、面倒な運用業務を一元管理できるため、従業員の手取り改善とバックオフィス効率化を両立できます。
福利厚生のパッケージサービスを選ぶには?確認すべき3つのポイント
福利厚生パッケージサービスは、単純に「サービス数が多いもの」が優れているとは限りません。自社の課題に合わせて、マッチするサービスを選ぶことが大切です。導入するにあたって、確認すべき3つのポイントを解説します。
1.従業員ニーズを確認する
福利厚生は、年代・家族構成・勤務地・働き方によって求められる内容が異なるため、「自社従業員が何を求めているか」を把握したうえで選定しましょう。
ニーズを確認せずにサービスを選定すると「利用率が低い」「一部の従業員しか恩恵を受けられない」という状況に陥りやすくなります。
具体的には、以下のような方法でニーズを把握しましょう。
- 従業員アンケート
- 1on1面談
- 現行の福利厚生の利用率分析
- 離職者の退職理由の分析
- 年代・家族構成・勤務形態別のヒアリング
従業員ニーズは年代構成や働き方の変化に伴って変わるため、導入後も定期的に確認・見直しを続けましょう。
2.利用率が高いサービスを選ぶ
利用率が低いと費用対効果が下がるほか、従業員満足度への貢献も限定的になるため、いかに利用されるかが大切です。
サービス選定時は、以下のような観点で利用されやすさを確認しましょう。
- ベンダーに実績データを確認する
- 無料トライアルや試験導入で従業員の反応を見る
- 従業員アンケートで「使いたい制度」を事前に把握する
- 食事・健康・育児・学習など、日常的に使いやすいメニューの有無を確認する
- 従業員が簡単に使える仕組みか確認する
導入前に慎重に見極めることが、導入後の費用対効果を左右します。
3.料金体系・課金方式を比較する
福利厚生パッケージの月額利用料は、主に「従業員数課金型」と「月額固定型」の2タイプに分かれます。
| 課金方式 | 概要 | 適した企業 |
|---|---|---|
| 従業員数課金型 | 対象従業員数に応じて、費用が変動。人数が増えるほど単価が下がる傾向にある | 従業員数が安定している・今後増員を見込む企業 |
| 定額型(枠課金) | 一定人数枠に対して固定料金が設定される。予算管理がしやすい | コストを固定化して運用したい企業 |
また、特定機能(健康支援・住宅支援など)をオプションで追加できるサービスもあります。
どちらも月額料金だけで比較せず、初期費用や従業員数増加時のコスト変動も含めたトータルコストで判断することが大切です。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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