このガイドでは、給与や報酬を支払った場合の一般的な仕訳例をご紹介します。
なお、本ガイドでは手動で仕訳を登録する場合を例に記載しています。
「マネーフォワード クラウド給与」との連携機能を利用している場合は、以下のガイドをご参照ください。
「給与から入力」の使い方
給与や報酬を自身が受け取った場合の仕訳については、以下のガイドをご参照ください。
【日常仕訳】給与や報酬を受け取った場合
本ガイドでは、個人の消費税課税事業者向けの一般的な仕訳内容を紹介しています。
個人の免税事業者の場合は「税区分」欄が表示されないため、「勘定科目」欄に関する記載内容をお役立てください。
法人事業者および各事業者における運用に対して、本ガイドの仕訳内容が適切かどうかの保証はできません。
仕訳内容に関するご不明点は、税理士などの専門家や税務署へご相談ください。
従業員に給与を支払った場合
給与の仕訳は、「振替伝票入力」画面で「給与の締め・計算」「給与の支払い」「預かった税金・保険料の支払い」ごとに計上します。
登録方法は仕訳の種類ごとにご確認ください。
具体例
- 個人商店を営む個人事業主のAさんは、従業員を2名雇っている。
- 給与は毎月末日締めの翌月25日払いとしているため、2023年11月分の給与は「11月30日締め」の「12月25日払い」となる。
- 従業員2名の2023年11月分給与の合計の内訳は以下のとおり。
- 基本給:1,500,000円
- 通勤手当:22,000円
- 社会保険料(健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料の合計):150,000円
- 雇用保険料:7,500円
- 源泉所得税:250,000円
- 住民税:100,000円
- 差引支給額:1,014,500円
- 事業主が負担する社会保険料・雇用保険料の金額は以下のとおり。
- 社会保険料(健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料の合計):150,000円
- 雇用保険料:11,250円
また、「労災保険料」「一般拠出金」を計上する際は、一般的に事業主負担分の「雇用保険料」と同様の処理を行います。
ご不明点があれば、税理士などの専門家や税務署へご相談ください。
「給与の締め・計算」の仕訳
今回の例の場合、「振替伝票入力」画面で以下のように7行の仕訳を登録します。
借方勘定科目の左にある「+」ボタンをクリックし、仕訳行を増やして登録してください。
※事業主負担分の社会保険料「150,000円」と雇用保険料「11,250円」の合計金額です。
- 誤って行を増やしてしまった場合は、「-」ボタンをクリックすることでその行を削除できます。
- 差引支給額の勘定科目として「未払費用」を使用する場合は、勘定科目を追加する必要があります。追加方法はこちらをご参照ください。
「給与の支払い」の仕訳
「振替伝票入力」画面で借方・貸方に以下を設定した仕訳を登録します。
- 借方・・・勘定科目「未払金」・税区分「対象外」・金額「1,014,500円」
- 貸方・・・勘定科目「普通預金」または「現金」・税区分「対象外」・金額「1,014,500円」
「預かった税金・保険料の支払い」の仕訳
預かった税金や保険料を支払った場合の仕訳については、預かった金額の種類ごとに説明します。
預かった社会保険料を支払ったとき
預かった社会保険料を支払った場合、「振替伝票入力」画面で以下のように3行の仕訳を登録します。
借方勘定科目の左にある「+」ボタンをクリックし、仕訳行を増やして登録してください。
- 誤って行を増やしてしまった場合は、「-」ボタンをクリックすることでその行を削除できます。
- 「子ども・子育て拠出金」を支払った際は、一般的に事業主負担分の「社会保険料」と同様の処理を行います。ご不明点があれば、税理士などの専門家や税務署へご相談ください。
預かった雇用保険料を支払ったとき
預かった雇用保険料を支払った場合、「振替伝票入力」画面で以下のように3行の仕訳を登録します。
借方勘定科目の左にある「+」ボタンをクリックし、仕訳行を増やして登録してください。
- 誤って行を増やしてしまった場合は、「-」ボタンをクリックすることでその行を削除できます。
- 「労災保険料」「一般拠出金」を支払った際は、一般的に事業主負担分の「雇用保険料」と同様の処理を行います。
ご不明点があれば、税理士などの専門家や税務署へご相談ください。
預かった源泉所得税を支払ったとき
「振替伝票入力」画面で借方・貸方に以下を設定した仕訳を登録します。
- 借方・・・勘定科目「預り金」・補助科目「所得税」・税区分「対象外」・金額「250,000円」
- 貸方・・・勘定科目「普通預金」または「現金」・税区分「対象外」・金額「250,000円」
預かった住民税を支払ったとき
「振替伝票入力」画面で借方・貸方に以下を設定した仕訳を登録します。
- 借方・・・勘定科目「預り金」・補助科目「住民税」・税区分「対象外」・金額「100,000円」
- 貸方・・・勘定科目「普通預金」または「現金」・税区分「対象外」・金額「100,000円」
専従者に給料を支払った場合
専従者に給与を支払った場合、仕訳の登録と「確定申告書」画面での入力が必要です。
以下でそれぞれの詳細についてご説明します!
仕訳登録
振替伝票入力
「振替伝票入力」画面で借方・貸方に以下を設定した仕訳を登録します。
- 借方・・・勘定科目「専従者給与」・税区分「対象外仕」
- 貸方・・・勘定科目「現金」・税区分「対象外」
簡単入力
「簡単入力」画面の「①収入または支出を選択」にある「支出」欄で「現金支払」を選択し、プルダウンで「現金」を設定します。
「③用途と金額を入力」では、取引内容「専従者給与」を設定します。
「確定申告書」画面での入力
専従者に給料を支払った場合、「決算・申告」>「確定申告書」画面でその年に支払った専従者給与について入力する必要があります。
入力方法などの詳細については、以下のガイドをご確認ください。
Q. 「専従者給与」を支払った場合の入力箇所を教えてください。
取引先に報酬を支払った場合
報酬の仕訳は、「報酬の請求があったとき」と「報酬を実際に支払ったとき」に計上します!
本項では、個人事業主であるAさんが友人に商品のデザインを依頼し、依頼料「100,000円」を支払った場合を例に説明します。
仕訳登録時の注意事項もあわせてご確認ください。
報酬の請求があったとき
振替伝票入力
「振替伝票入力」画面で借方・貸方に以下を設定した仕訳を登録します。
- 借方・・・勘定科目「外注工賃」・税区分「課仕 10%」・金額「100,000円」
- 貸方・・・勘定科目「買掛金」・税区分「対象外」・金額「100,000円」
簡単入力
「簡単入力」画面の「①収入または支出を選択」にある「支出」欄で「その他」を選択し、プルダウンで「買掛金」を設定します。
「③用途と金額を入力」では、「取引内容」欄で「業務委託料」を選択し、「金額」欄で「100,000円」と入力します。
報酬を実際に支払ったとき
振替伝票入力
「振替伝票入力」画面で借方・貸方に以下を設定した仕訳を登録します。
- 借方・・・勘定科目「買掛金」・税区分「対象外」・金額「100,000円」
- 貸方・・・勘定科目「普通預金」・税区分「対象外」・金額「100,000円」
簡単入力
「簡単入力」画面の「①収入または支出を選択」にある「支出」欄で「口座振込」を選択し、プルダウンで「普通預金」を設定します。
「③用途と金額を入力」では、「取引内容」欄で「買掛金の支払い」を選択し、「金額」欄で「100,000円」と入力します。
ご注意
- 「外注工賃」の税区分は、取引先から送られてきた請求書に記載されている税率によって異なります。そのため、請求書に記載されている税率が「(軽)8%」の場合は、「外注工賃」の税区分を「課仕 (軽)8%」に設定します。同様に、請求書に記載されている税率が「非課税」の場合は、「外注工賃」の税区分も「非仕」に設定します。どの税区分を選択すべきかご不明な場合は、税理士などの専門家にご確認ください。
- 取引によっては、報酬から所得税を差し引いた金額を取引先に支払う場合があります。その場合の仕訳方法については、税理士などの専門家や税務署へご確認ください。
- 取引先に依頼した取引の内容によっては、使用する科目が異なる場合があります。どの科目を使用すべきかご不明な場合は、税理士などの専門家や税務署へご確認ください。
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