• 更新日 : 2026年9月15日

年末調整後の源泉徴収票の見方とは?令和8年分の変更点・発行時期も解説

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Point源泉徴収票の見方は?

源泉徴収票は、支払金額・給与所得控除後の金額・所得控除の合計額・源泉徴収税額を確認すると、年収や所得税の計算過程を把握できます。

  • 「支払金額」欄が額面年収にあたる
  • 令和7年分から新様式・特親欄が追加
  • 令和8年分は控除額がさらに拡大

Q. 源泉徴収票から手取りを計算するには?

A. 支払金額から源泉徴収税額と社会保険料等の金額を差し引いた額が概算の手取りです(住民税は別途差し引きが必要)。

年末調整が終わると、会社から源泉徴収票が交付されます。この源泉徴収票には、1年間の年収や納めた所得税額など、年末調整の結果を反映した重要な情報が記載されています。令和7年度税制改正では基礎控除や給与所得控除の見直し、特定親族特別控除の創設が行われ、様式も変更されました。さらに令和8年度税制改正では控除額のさらなる拡大が予定されており、次の年末調整に向けた確認が欠かせません。本記事では年末調整後の源泉徴収票の見方を項目別に解説するとともに、アルバイトや年の途中の退職者が受け取る源泉徴収票の違いについても紹介します。

源泉徴収票とは?年末調整の結果とどう関係する?

源泉徴収票とは、会社が従業員に対して1月1日から12月31日までに支払った給与・賞与の総額と、そこから納付した所得税額を証明する書類です。年末調整で計算し直した最終的な所得税額が反映されているため、年末調整の見方を知りたい場合も、実質的にはこの源泉徴収票の見方を理解することがポイントになります。

会社は従業員に源泉徴収票を交付する義務を負っており、給与等の支払金額が一定額を超える場合には税務署への提出も必要です。従業員側にとっても、転職や確定申告、各種ローンの収入証明など、さまざまな場面で必要になる書類です。

令和7年度税制改正で源泉徴収票の様式はどう変わった?

令和7年度税制改正により、令和7年12月以後交付分の源泉徴収票から新様式が使われています。基礎控除・給与所得控除の見直しに加え、19歳以上23歳未満の親族を対象とする特定親族特別控除が新設されたことが主な変更点です。

国税庁は新様式において「控除対象扶養親族の数」の表記を「控除対象扶養親族等の数」に改め、新たに「特親」欄を追加しました。新様式は令和7年12月1日以降に支払が確定する給与から適用されますが、システム対応が整っている企業では、それ以前からの先行利用も可能とされています。

参考:F1-1 給与所得の源泉徴収票(同合計表)|国税庁

令和8年度税制改正で次の年末調整はどう変わる?

令和8年分(2026年分)の年末調整では、基礎控除と給与所得控除がさらに引き上げられ、課税最低限が給与収入ベースで178万円まで引き上げられる見込みです。ただし、この拡大分は月々の給与計算には反映されず、年末調整でまとめて精算される点に注意が必要です。

基礎控除は本則62万円(現行58万円から4万円増)に加え、所得区分に応じた特例加算(最大42万円)が上乗せされます。給与所得控除の最低保障額は本則69万円(現行65万円から4万円増)に特例5万円が加わり74万円になる見込みです。令和8年分の源泉徴収税額表(月額表・日額表)は、令和7年度改正を反映した令和8年分源泉徴収税額表が制定され、改正分は令和8年12月の年末調整でまとめて精算されます。改正を反映した新しい税額表が実際の給与計算へ適用されるのは、令和9年1月以降に支払う給与からです。

あわせて、扶養親族等の所得要件も合計所得62万円以下(給与収入のみの場合136万円以下)に緩和される見込みで、扶養控除等申告書には新たに「源泉控除対象親族」の記載欄が設けられます。バックオフィス担当者は、国税庁が2026年6月30日に公表した令和8年分年末調整関係様式や、令和8年11月頃に国税庁から公表される確定情報をもとに、年末調整の計算ロジックや申告書様式の更新に備えておく必要があります。

参考:令和8年度税制改正の大綱|財務省

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年末調整後の源泉徴収票の見方は?

引用:F1-1 給与所得の源泉徴収票(同合計表)|国税庁【手書用】令和 年分 給与所得の源泉徴収票(令和7年12月以後用)

源泉徴収票の用紙上段にある「支払金額」「給与所得控除後の金額」「所得控除の額の合計額」「源泉徴収税額」の4項目が、税額計算の基礎となる最重要指標です。この4つを押さえるだけで、大まかな年収の見当がつきます。

項目名 意味・備考
②支払金額 額面年収(通勤手当等の非課税分を除く給与・賞与の総額)
③給与所得控除後の金額(所得金額) 支払金額から給与所得控除を差し引いた、税計算上の所得金額
④所得控除の額の合計額 配偶者控除・扶養控除・保険料控除など個人の事情に応じて差し引かれる額
⑤源泉徴収税額 1年間に納めることが確定した所得税額

参考:令和7年分 年末調整のしかた|国税庁

①種別

種別欄には、会社が支払った金額の種類が記載されます。一般的な会社員であれば「給与・賞与」、役員であれば「報酬」や「役員報酬」と記載されるのが基本です。

給与の支払形態によっては、俸給、給料、歳費、財形給付金、財形基金給付金といった名称で記載される場合もあります。自社の給与規程に応じた表記になっているかを確認しておくとよいでしょう。

②支払金額

支払金額の欄に記載されている金額が、その年の額面年収にあたります。会社が支給した基本給や役職手当、残業代などを合算した、所得税等を差し引く前の総支給額です。

通勤手当や宿直手当などは一定の限度額まで非課税所得となるため、支払金額には含まれません。ふるさと納税のシミュレーションサイトなどで「年収」を入力する際は、この支払金額をそのまま入力するのが基本です。

③給与所得控除後の金額(所得金額)

給与所得控除後の金額は「支払金額-給与所得控除額」で算出され、年末調整や所得税計算上の所得金額にあたります。会社員は自営業者と異なり経費計上ができないため、業務に伴う実質的な支出負担を考慮して、一律の控除額があらかじめ定められています。

令和7年分の給与所得控除額の正確な数値は、国税庁が公表した「令和7年分の年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」で確認するのが実務上もっとも簡便です。なお、令和8年分の年末調整では、基礎控除・給与所得控除がさらに拡大されるため、国税庁が公表している令和8年分の年末調整関係書類や、令和8年11月頃に公表する令和8年分の早見表を用いて計算する必要があります。令和7年分の表をそのまま令和8年分の年末調整に流用しないよう注意しましょう。

参考:令和7年分 年末調整のしかた|国税庁

④所得控除の額の合計額

所得控除の額の合計額には、年末調整で適用される配偶者控除、扶養控除、社会保険料控除、生命保険料控除などの合計額が記載されます。ただし、年末調整では対応できない雑損控除・医療費控除・寄附金控除は含まれません。

この金額と給与所得控除額を支払金額から差し引いた残りが、所得税の課税対象額(課税所得)となります。

⑤源泉徴収税額

源泉徴収税額の欄には、1年間に納付が確定した所得税(復興特別所得税を含む)の合計額が記載されます。年間の手取りを大まかに知りたい場合は、支払金額から源泉徴収税額と社会保険料等の金額を差し引くと概算できます。

ただし、源泉徴収票には住民税が反映されていません。正確な手取りを計算する際は、算出した金額からさらに住民税を差し引く必要がある点に注意しましょう。

年末調整で適用された控除は源泉徴収票のどこでわかる?

配偶者控除等申告書や扶養控除等申告書の内容が、源泉徴収票の中段にある控除関連欄に反映されます。年末調整で実際にいくら控除されたかは、この中段の欄を見ればひと目で確認できます。令和7年分からは、新設された特定親族特別控除の欄が加わっている点が最大のポイントです。

⑥控除対象配偶者・配偶者(特別)控除

「(源泉)控除対象配偶者の有無等」欄の「有」に〇がついていれば、控除対象となる配偶者がいることを示します。「配偶者(特別)控除の額」欄には、実際に適用された控除額が記載されます。

控除対象配偶者や源泉控除対象配偶者、老人控除対象配偶者は、それぞれ所得要件や年齢要件で区分が異なります。

用語 主な要件
控除対象配偶者 合計所得金額1,000万円以下の従業員の、合計所得金額58万円以下の配偶者
源泉控除対象配偶者 従業員(合計所得900万円以下)と生計を一にする、合計所得95万円以下の配偶者
老人控除対象配偶者 控除対象配偶者のうち12月31日時点で70歳以上の配偶者

参考:No.1191 配偶者控除|国税庁

⑦控除対象扶養親族・特定親族の数

控除対象扶養親族の数の欄には、特定扶養親族・老人扶養親族・その他扶養親族・特定親族の人数が区分ごとに記載されます。令和7年分からは新たに「特親」欄が加わり、特定親族特別控除の対象人数を確認できるようになりました。

特定親族とは、19歳以上23歳未満で従業員と生計を一にし、合計所得金額が58万円超123万円以下の親族を指します。これまでの特定扶養親族(合計所得58万円以下)と所得要件が異なるため、扶養控除等申告書での区分を正確に確認する必要があります。なお、令和8年分では扶養親族等の所得要件自体が緩和される見込みのため、判定基準の金額が変わる可能性があります。

⑧特定親族特別控除

特定親族特別控除の額欄には、年末調整で実際に控除した特定親族特別控除の金額が記載されます。控除額は特定親族の合計所得金額に応じて段階的に設定されており、配偶者特別控除と似た仕組みで計算されます。

年末調整を行っていない従業員については、この欄は空欄となり、控除の適用を受けるには確定申告が必要です。

参考:令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について|国税庁

社会保険料・保険料控除・住宅ローン控除は源泉徴収票のどこを見る?

⑨から⑪の欄には、社会保険料の負担額や各種保険料控除、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の適用額が記載されます。これらの欄を見ることで、給与から天引きされた保険料の総額や、税額を直接減らす税額控除の適用状況を把握できます。

⑨社会保険料等

社会保険料等の金額欄には、給与・賞与から控除された社会保険料と小規模企業共済等掛金の金額の合計が記載されます。従業員本人が直接支払った掛金や、家族分の社会保険料を保険料控除申告書で申告した場合も、この合計額に加算されます。

小規模企業共済等掛金には、確定拠出年金(iDeCoや企業型DC)の掛金なども含まれ、内書きで区分して記載されます。

⑩生命保険料・地震保険料・住宅ローン控除

生命保険料の控除額欄には、一般生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料の控除額の合計(最高12万円)が記載されます。地震保険料の控除額欄には、地震保険料控除(最高5万円)の金額が記載されます。

住宅借入金等特別控除の額欄には、いわゆる住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の適用額が記載されます。控除額が算出所得税額を上回る場合は、算出所得税額がそのまま記載される点に注意しましょう。

⑪摘要欄

摘要欄は、他の欄に書ききれない情報や特殊な事情を記載するための欄です。扶養親族が5人を超える場合や、所得金額調整控除を適用した場合などに記載されます。

年の途中で就職した従業員について前職の給与を通算して年末調整を行った場合も、この欄に記載されるのが一般的です。詳しい記載例は国税庁の手引で確認できます。

参考:令和7年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引|国税庁

源泉徴収票の見方から年収・手取りを計算するには?

支払金額が年収、支払金額から源泉徴収税額と社会保険料等の金額を差し引いた金額が概算の手取りです。以下のモデルケースで実際の計算方法を確認してみましょう。

会社員のAさんの源泉徴収票が次の内容だったとします(社会保険料・所得税は概算)。

  • 支払金額:500万円
  • 給与所得控除後の金額:356万円
  • 源泉徴収税額:11万8,500円
  • 社会保険料等の金額:72万円

この場合、支払金額の500万円がAさんのその年の年収です。年収500万円から源泉徴収税額11万8,500円と社会保険料72万円を差し引いた416万1,500円が、Aさんのおおよその手取り額となります。実際の手取りはここからさらに住民税が差し引かれ、非課税の通勤手当が加算される点に注意が必要です。

年末調整の対象外だった場合、源泉徴収票の見方は変わる?

アルバイトやパートタイマー、年の途中で退職した人が受け取る源泉徴収票では、「給与所得控除後の額」と「所得控除の額の合計額」が空欄になっている場合があります。これは年末調整の対象外だったことを意味します。

アルバイト・パートタイマーの場合、年末調整の対象になる条件は?

1か所の勤務先で年末まで継続して働いていれば、雇用形態にかかわらず年末調整の対象になります。ただし、令和8年度税制改正により基礎控除・給与所得控除がさらに拡大されるため、令和8年分の年末調整ではこの目安となる年収額が上がる見込みです。確定額は国税庁が公表する最新情報で確認しましょう。

一方で、以下のようなケースでは年末調整の対象外となります。

  1. 複数の勤務先で働いており、別の勤務先が主たる収入源になっている
  2. 12月支給の給与を受け取る前に退職した
  3. 主たる給与の年間収入が2,000万円を超える

いずれのケースも、確定申告を行うことで所得税の過不足を精算できます。なお、年間給与総額が一定額以下でも、退職後にその年中の他の給与収入が見込まれないパート・アルバイトは、例外的に年末調整の対象となります。

年の途中の退職者の源泉徴収票はいつ交付される?

年の途中で退職した人には、退職後1か月以内に源泉徴収票が交付されます。企業には退職後1か月以内の交付が法律で義務付けられています。

この源泉徴収票は、転職先での年末調整や、退職者本人が行う確定申告に必要な書類です。転職先に提出できなければ、転職先で正しい年末調整が行えないため、退職者への速やかな交付が欠かせません。

源泉徴収票はいつ届く?年末調整後の発行時期の目安

在職中の従業員には、年末調整終了後、1月31日までに源泉徴収票が交付されるのが一般的です。これは、会社が給与支払報告書や源泉徴収票を税務署・市区町村へ提出する期限が翌年1月31日と定められているためです。

退職した場合の源泉徴収票発行時期

退職者に対しては、退職日から1か月以内に源泉徴収票を交付することが法律で義務付けられています。転職を予定している従業員には、退職時に必ず受け取るよう案内しておくと安心です。

源泉徴収票はどんなときに必要になる?

源泉徴収票は、確定申告・転職・収入証明など複数の場面で必要になります。手元にない場合は再発行を依頼できるため、必要な時期に慌てないよう保管方法を従業員に周知しておくことが大切です。

  • 確定申告のとき:給与収入が2,000万円を超える場合や副業所得が20万円を超える場合など、正しい所得税額を計算するために内容の確認が必要
  • 転職先への提出:前職の源泉徴収票がなければ、転職先で年末調整が正しく行えない
  • 収入証明が必要なとき:住宅ローンや教育ローンの審査、保育園の利用申請などで収入証明書類として使われることがある

年末調整後の源泉徴収票の見方を理解して年収・手取りを正しく把握しよう

源泉徴収票には年末調整の結果として、年収や納付した所得税額など手取りを確認するための重要な情報が集約されています。令和7年度改正に続き、令和8年度税制改正でも基礎控除や給与所得控除などが見直され、2026年12月の年末調整から改正内容が反映されます。年末調整後の源泉徴収票の見方とあわせて最新の制度改正も継続的に確認しておくことが欠かせません。アルバイトや年の途中の退職者にも交付されるケースがあるため、大切に保管するよう従業員へアナウンスしておきましょう。

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よくある質問

源泉徴収票の見方について教えてください

源泉徴収票では「支払金額」で1年間の総収入を確認できます。これには、交通費以外の会社から支給された金額(基本給・賞与等を含む)が記載されています。また「源泉徴収税額」は年間に納めた所得税です。詳しくはこちらをご覧ください。

源泉徴収票で年収を確認するにはどうすればよいですか?

税引前の年収は「支払金額」を確認しましょう。実際の手取りをチェックするには、「支払金額」から「源泉徴収税額」と「社会保険料等の金額」を差し引きます。これでおおよその手取りが計算できます。詳しくはこちらをご覧ください。


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