青色申告で確定申告をする場合には、一定の帳簿を作成し保存する義務があります。今回は、簡易帳簿のひとつである現金出納帳にスポットを当てて、記帳内容の要点を解説していきます。

簡易帳簿とは

標準的な簡易帳簿の種類としては、

(1)売掛帳
(2)買掛帳
(3)現金出納帳
(4)固定資産台帳
(5)経費帳

があります。この中で、現金出納帳は、事業用の現金の出し入れを取引順に記入する帳簿になります。

現金出納帳の記入方法

現金出納帳は、とくに様式は決まっていないので、使いやすいスタイルのものを使用してください。記入項目は、日付、内容、入金、出金、残高で構成されるのが一般です。具体的な取引があった場合にどのように記帳していくかみていきましょう。

(1)現金で売上があった場合

4月1日、A社にたいして商品を売り上げ、現金30,000円を受け取った。

日付 内容 入金 出金 残高
4月1日 A社売上 30,000    

売上があった場合、「日付」欄にまず、取引のあった日を記入します。そして、「内容」欄にA社に売上があった事実を記入します。現金を30,000円受け取っているので、「入金」欄に30,000円と記入します。

(2)現金で仕入れをした場合

4月5日、B社から商品を仕入れ、現金50,000円を支払った。

日付 内容 入金 出金 残高
4月5日 B社より仕入れ   50,000  

仕入れをした場合、「内容」欄には、B社より仕入れしているのでその事実を記載します。そして、代金50,000円を現金で支払っているので、「出金」欄に50,000円と記入します。

(3)現金で消耗品を購入した場合

4月8日、C社からコピー用紙代5,200円を現金で購入した。

日付 内容 入金 出金 残高
4月8日 コピー用紙の購入   5,200  

消耗品を購入した場合には、「内容」欄に購入した商品などを記入し、現金で代金5,200円を支払っているので、「出金」欄に5,200円と記入します。

(4)現金で交通費を支払った場合

4月9日、取引先D社との商談のため、地下鉄700円を現金で支払った。

日付 内容 入金 出金 残高
4月9日 D社へ訪問(交通費)   700  

交通費を支払った場合には、「内容」欄にどこに訪問したかを記入し、運賃を現金で700円支払っているので、「出金」欄に700円と記入します。

(5)預金より現金を引き出した場合

4月10日、預金口座より60,000円を引き出した。

日付 内容 入金 出金 残高
4月10日 普通預金より引き出し 60,000    

(6)現金を預金に入金した場合

4月15日、現金30,000円を預金口座に入金した。

日付 内容 入金 出金 残高
4月15日 普通預金に入金   30,000  

預金に現金を入金した場合には、「内容」欄に普通預金に入金した事実を記入し、現金が30,000円手元から減少しているので、「出金」欄に30,000円と記入します。

これまでの取引をまとめてみると以下のようになります。

日付 内容 入金 出金 残高
前期より繰越     50,000
4月1日 A社売上 30,000   80,000
4月5日 B社より仕入れ   50,000 30,000
4月8日 コピー用紙の購入   5,200 24,800
4月9日 D社へ訪問(交通費)   700 24,100
4月10日 普通預金より引き出し 60,000   84,100
4月15日 普通預金に入金   30,000 54,100

「前期より繰越」とは、前期の残高を当月に引き継ぐために記入します。残高が50,000円ある場合には、「残高」欄に50,000円と記入します。それ以降は、入金の場合には加算、出金の場合には減算して「残高」欄に記入していきます。

現金出納帳の記帳のポイント

以上の通り、現金出納帳を記入するのは会計の知識がなくとも簡単にできます。ただ、現金出納帳を書く場合にもある程度ルールがあるので、ポイントをご紹介します。

(1)現金出納帳の記帳

現金出納帳は毎日必ず記載しましょう。後になって合わないと原因を追及するのが難しくなるため、その日のうちに現金残高と実際の現金を突き合わせて、合っているかを確認しましょう。

(2)事業用の現金と個人的な現金

個人事業主の場合、事業で使うための現金と個人で使うための現金を混同しがちですが、明確に分けて記帳することで混同を防ぐことができます。

(3)担当者を決める

個人事業主の場合、経営者自らつけることも多いと思いますが、専従者を置ける場合には責任の所在を明らかにするためにも記帳をする担当者、現金を管理する担当者を決めるとよいでしょう。

(4)小切手の取扱い

小切手は換金性が高いので、受け取った小切手は現金として取扱いますが、振り出した小切手は、預金が引き落とされるので、現金の出金としては扱いません。

(5)売溜金方式

鮮魚や野菜の小売、飲食業など、個々の取引額は小さく、1日の間で数多くの取引が発生する業種などでは、売溜金方式を採用することもできます。個々の取引ごとに記載するのではなく、1日の売上総額をまとめて記入する方式です。

(6)返品の処理

商品の返品などが発生し、商品代払い戻した場合には、「内容」欄に返品と明記して、「入金」欄に△を付して表示して記入します。

(7)費用の処理

費用を支払った場合は、忘れることのないように経費帳も合わせて記入しましょう。

まとめ

以上のとおり、現金出納帳の書き方について解説してきましたが、一度理解してしまえば難しい計算は必要ありません。作成していない人は、現金管理のしっかり行うためにも是非作成してみてください。



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