白色申告の税率は、所得税の税率が適用されます。所得税の税率は所得金額に応じて7段階に分かれていますが、節税対策を講じることで税率を10%も下げることができます。

ここでは白色申告の税率がどのような金額で段階分けされているのかといったことから、所得金額をどこまでに抑えればお得になるのか、具体的な金額を計算しながら紹介していきます。

白色申告の税率 損をしないためのボーダーラインはどこ?

白色申告の納税額は所得税の税率が適用されるため、所得税の速算表で確認することができます。

課税される所得金額税率控除額
195万円以下5%0円
195万円を超え330万円以下10%97,500円
330万円を超え695万円以下20%427,500円
695万円を超え900万円以下23%636,000円
900万円を超え1,800万円以下33%1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円

(参考:所得税の税率|国税庁HP

所得税の速算表では課税される所得金額ごとに税率と控除額が一覧としてまとめられています。

この速算表で注目すべき点は、

・税率が10%と20%のボーダーラインとなる330万円
・税率が23%と33%のボーダーラインとなる900万円
です。

330万円と900万円を1円でも超えてしまうと一段上の+10%の税率が適用されることになってしまいます。

また所得金額が695万円を超えた場合においては、一段下の20%と比較すると上昇率は3%のみであることから、所得金額330万円と900万円が注目すべき金額となります。

所得金額330万円の場合で実際に計算してみると、
330万円×10%-97,500=232,500円
となりますが、所得金額350万円の場合は、
350万円×20%-427,500=272,500円
となり、所得金額が20万円上がるだけで、実際の税額に4万円もの差がつきます。

所得金額が900万円の場合は、
900万円×23%-636,000円=1,434,000円
となりますが、所得金額1,000万円の場合は、
1,000万円×33%-1,536,000円=1,764,000円
となり、所得金額が100万円上がるだけで33万円も納税額が増えます。

税率が10%から20%に上がってしまう所得金額330万円と、税率が23%から33%に上がってしまう所得金額900万円は、節税できるかどうかのボーダーライン上の金額だということができます。

白色申告でも経費が多ければ青色申告と同じくらいお得

先ほどの白色申告では、所得金額が330万円を超えると税率が10%から20%に上がり、所得金額が900万円を超えると税率が23%から33%に上がることがわかりました。

もし所得金額350万円の白色申告者が青色申告に切り替えるのであれば、青色申告特別控除65万円が適用されることになるため、所得金額を350万円-65万円=285万円まで引き下げることが可能となるため、適用される税率は20%から10%になります。

しかし白色申告であったとしても、事業内容が小売業や卸売業であるため、経費のほとんどが仕入である場合や扶養人数が多い場合は、青色申告特別控除65万円と同じかそれ以上の経費がかかることになるため、白色申告であったとしても税率を下げることは十分可能となります。

特に扶養人数が多ければ多いほど、国民年金保険料や国民健康保険料、介護保険料などの社会保険料がかかります。また、70歳以上の親族を扶養していれば控除額が増額されます。

一般の扶養親族の控除額が38万円であるのに対し、同居している70歳以上の扶養親族の控除額は58万円となるため、青色申告特別控除額65万円に匹敵する控除額を適用することができます。扶養人数が多ければ多いほど治療などで通院や入院する可能性も高くなるため、医療費控除として最高200万円を控除額とすることもできます。

したがって、サービス業などで仕入などにかかる経費を計上することができなかったり、核家族で扶養人数が少なかったりする場合は、青色申告に切り替えることによって税率を一段下に引き下げる節税対策が必要となります。

同じ収入金額であったとしても白色申告のままでは税金を多く納めることになる場合は、青色申告に変更するための手続きが必要となります。その年から青色申告に変更する場合は、3月15日までに「青色申告承認申請書」を税務署に提出します。

もし3月15日を過ぎてしまった場合は、翌年から青色申告を行ないますが、新たに事業を開始した場合は、業務開始日より2か月以内に「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。

まとめ

青色申告の主な特典である、

・青色申告特別控除最高65万円
・青色事業専従者給与の全額算入
・貸倒引当金の経費繰り入れ
・純損失の繰り越しと繰り戻し

という4つを適用させるためには、複式簿記による正規の記帳方法で決算書類等を作成する必要があります。

しかし白色申告の事業内容や扶養内容によっては、青色申告に切り替えなくても十分な節税効果を見込むことができます。

適用できるのに申告していない控除がないかどうか確認するだけでなく、別居している両親を扶養に加えるなどすることによって、青色申告に切り替えなくてもできる節税対策があるかもしれません。本当に青色申告にする必要があるのか、実際にシミュレートしてみてはいかがでしょうか。



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