- 更新日 : 2025年1月31日
帳簿をつけてない個人事業主は確定申告できる?リスクや対処方法を解説
法律上、帳簿をつけていない個人事業主は、確定申告ができません。事業所得などが生じる白色申告者や青色申告者には、帳簿の作成と保存が義務付けられているためです。しかし、現実として帳簿がない状態で確定申告をするケースも考えられます。帳簿がない場合のリスクや対処法などを解説します。
目次
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帳簿をつけていない個人事業主でも確定申告できる?
確定申告では、例えば、事業所得の申告であれば、確定申告書に加え、収入内訳書(または青色決算書)を提出することになります。決まった書類を提出する必要がありますが、計算の根拠となる帳簿そのものを提出する必要がありません。
青色申告・白色申告どちらも記帳は義務
確定申告には、青色申告と白色申告があります。
事業所得、不動産所得、山林所得のいずれかの所得が生じる個人事業主については、帳簿の記帳・保存義務があります。青色申告であるか白色申告であるかは問われません。
個人事業主の場合、本業で得た所得は、事業所得などとして計上するのが一般的です。事業所得は帳簿の記帳と保存が義務となっているため、帳簿をつけずに確定申告することはできません。
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個人事業主が帳簿をつけていない・不十分な場合のリスク
個人事業主が帳簿をつけていないということは、会計処理の根拠となる書類がないということです。帳簿がないことによる主なリスクを紹介します。
加算税・延滞税の発生
個人事業主が確定申告をしていても、申告の裏付けとなる帳簿がない場合は、申告内容に対する信頼性が損なわれてしまいます。税務調査では、根拠に乏しいなどの理由で、確定申告書で計上していた経費が認められない可能性もあるでしょう。
経費が否認される場合、ペナルティとして加算税が課される可能性があります。確定申告をしている場合に課される可能性がある加算税は、過少申告加算税です。経費が認められないことにより所得税額が増加することで、過少に申告した分に対して10%~15%の税額が加算される可能性があります。
税務署や国税局に仮装隠ぺいがあったと判断された場合は、過少申告加算税に代えて、重加算税が課されることがあります。重加算税の課税割合は35%で、過少申告加算税よりも厳しい処分となります。
また、増加した所得税の遅延に対して、延滞税(利息のようなもの)が発生することもあります。
青色申告の取り消し
個人の青色申告の承認の取り消しの基準のひとつに、「帳簿書類を提示しない場合における青色申告の承認の取り消し」があります。
根拠となっているのは、法第150条第1項第1号に規定される帳簿書類の備え付けと保存です。正当な理由なく、税務職員の再三の求めに応じず帳簿書類の提出を拒否した場合は、青色申告の承認取り消しの事由に該当します。
提示がなかった最も古い年分からの取り消しとなるため、例えば2年前の帳簿書類を求めに応じて提出しなかったときは、2年前にさかのぼって取り消しとなります。青色申告が取り消された年度から、青色申告特別控除などの青色申告の特典は利用できません。
推計課税による税額増
税務調査により、税務署長が更正または決定が必要と認める場合は、推計課税による所得税の計算ができます。推計課税とは、直接の資料ではなく間接的な資料により所得金額を推計して認定することです。
帳簿書類を備え付けていないと、直接的な資料に乏しいため、間接的な資料で判断せざるを得ない場合もあります。計算によっては、確定申告時よりも所得金額が多く計上され、所得税額の負担が増す可能性もあるでしょう。
仕入税額控除が受けられない
消費税は、事業者(免税事業者を除く)が、課税売上にかかる消費税額から仕入税額控除を差し引いた金額を納付します。仕入税額控除とは、課税仕入に関する消費税のことです。原則として、適格請求書などの法的要件を満たす請求書などに記載された金額が仕入税額控除の対象となります。
仕入税額控除の適用のために注意したいのは、仕入税額控除の根拠となる帳簿および請求書等の保存が義務付けられていることです。帳簿をつけていない場合は、消費税の仕入税額控除は認められません。結果として、課税売上にかかる消費税額から課税仕入相当分の控除ができなくなり、納付する消費税の負担が増加する可能性があります。
これまで帳簿をつけていなかった場合の対処方法
確定申告が必要な個人事業主でも、帳簿をつけていないことのリスクがどれほど高いかおわかりいただけたのではないでしょうか。先述したように、帳簿がないばかりに税負担が重くなるリスクは高くなります。
これまで帳簿をつけていなかった場合は、早急に過去分の帳簿をつけることが重要です。帳簿をつけるにしても、領収書や請求書などの根拠となる資料がなければ、帳簿をつけるのも難しくなります。
まずは、記帳の根拠となる書類をできるだけ集めるようにしましょう。記帳の根拠となる書類には、領収書や請求書のほか、レシート、給与明細書、預金の取引明細書、店舗の賃貸契約書などがあります。
書類を年度別、月別に整理した後は、表計算ソフトや会計ソフトなどを利用して、過去にさかのぼって帳簿をつけていきます。
青色申告と白色申告の記帳方法の違い
青色申告と白色申告の主なメリットやデメリットは以下の通りです。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 青色申告 |
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|
| 白色申告 |
|
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記帳方法については、青色申告では複式簿記が求められる一方、白色申告では単式簿記も認められるという違いがあります。
複式簿記とは、青色申告決算書(貸借対照表と損益計算書)が作成できる、やや複雑な記帳の方法です。複式簿記は取引を細かく記録できる一方、一定の会計の知識が必要です。単式簿記は、家計簿のように、収入と支出を簡易的に記録する方式です。複式簿記に比べて、記帳の手間がかかりにくく、理解しやすいメリットがあります。
帳簿をつけていないのに税務調査が来たらどうする?
税務調査は、事前に連絡があるパターンと、連絡なしに調査が行われるパターンがあります。事前に連絡があったときは、税務調査の日までに、できるだけ根拠となる資料を集めて、過去にさかのぼって帳簿をつけるようにしましょう。
事前の連絡なしに調査が行われる場合で、帳簿の提出を求められたときは、現状を正直に調査官に伝えます。正確に答えられる範囲内で、聞かれたことについてはしっかり答えるようにしましょう。
時間稼ぎのために帳簿の提出を拒否した場合は、加算税などの重いペナルティが課される可能性もあります。所得隠しが疑われることもあるため、帳簿作成が間に合わない場合は、現状をそのまま伝えたほうが心証はよいでしょう。
帳簿をつけていない個人事業主は早急に対応を
事業所得や不動産所得などが生じる個人事業主については、帳簿の作成や保存が義務となっています。帳簿をつけていないと、税務調査で指摘され、加算税などのペナルティが課されることもあるため、早急な対応が必要です。将来的なリスクも踏まえ、帳簿作成に必要な書類を早急に集め、過去にさかのぼって帳簿を作成しておきましょう。
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ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
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