- 更新日 : 2025年2月26日
個人事業主の食費は確定申告で経費にできる?勘定科目や注意点まで解説
個人事業主の食事は、その目的によって経費になるかどうかが異なります。基本的には按分の処理などはしません。
ここでは、確定申告で個人事業主の食費を経費にする方法について解説します。経費にする際の勘定科目や確定申告書の書き方も説明しますので、参考にしてください。
目次
個人事業主の食費は確定申告で経費にできる?
個人事業主の食費には、経費となるものとならないものがあります。ここでは、それぞれのケースを見ていきましょう。
事業に関係する食費は経費にできる
個人事業主の食費で経費にできるものは、事業に関係する食費です。例えば、取引先との食事代は事業に関係する食費になるため、経費になります。
プライベートの食費は経費にできない
事業に関係する食費が経費にできる一方で、プライベートの食費は経費にできません。本人の食費はもちろんのこと、家族との食費も原則、経費にすることはできません。
確定申告で食費を経費に計上する際の勘定科目
個人事業主の食費で経費にできるものは、事業に関係する食費です。ただし、何の目的で食事したのか、誰と食事したのかなどにより、使用する勘定科目が異なります。確定申告で食費を経費に計上する際の勘定科目は、主に次の3つになります。
会議費
社内外の会議室などで行う会議費用は「会議費」で処理します。会議で飲食したお菓子や飲み物、食事にかかる費用も、会議費で処理します。
ただし会議費で計上できる費用は、あくまで会議に付随するものです。食事を提供する場合、会議費で処理できるのはあくまで昼食程度のものです。会議費で処理する食事には社内の人だけでなく、社外の人が含まれていても問題ありません。
会議費については次のページでも詳しく解説しています。こちらをご参照ください。
交際費
交際費とは、社外の人に接待などをした場合に使う勘定科目です。社外の人と食事をした場合は、会議費になるものを除いて、原則「交際費」で処理します。
金額の大小を問わず、喫茶店での打ち合わせにおけるコーヒー代や宴会の費用など、取引先など社外の人と食事をした場合は、原則「交際費」で処理することになります。個人事業主の場合は法人と異なり、接待交際費を全額を経費にできます。
交際費については次のページでも詳しく解説しています。こちらをご参照ください。
福利厚生費
福利厚生費とは、従業員の福利厚生のためにかかった費用のことです。社外の人との食事代が接待交際費になるのに対して、従業員との食事代は原則「福利厚生費」で処理します。
しかし従業員全員ではなく、一部の従業員とだけ頻繁に食事にいく場合は、給与とみなされることもあるので注意が必要です。
福利厚生費については次のページでも詳しく解説しています。こちらをご参照ください。
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食費を経費に計上する際の確定申告書の書き方
確定申告において、会議費や交際費など食費を経費に計上する勘定科目は、青色申告決算書もしくは収支内訳書(白色申告の場合)に1年間の合計金額を記載します。
記載箇所は、1ページ目の損益計算書です。「経費」欄の該当科目に1年間の合計金額を記載します。
出典:所得税青色申告決算書(一般用)【令和5年分以降用】|国税庁
ケース別「こんな食費は経費にできる?」
ここからは、ケース別にどのような食費が経費にできるかを見ていきましょう。
ケース1. 喫茶店で仕事をする場合
「通信環境が整っており、次の取材に行くまでに時間があったので、喫茶店で仕事した」など、さまざまな理由で、喫茶店でコーヒーを飲みながら仕事をすることもあるでしょう。この場合は事業に関係する支出とみなされ、経費になります。喫茶店で仕事をする場合のコーヒー代は、雑費で処理します。
ただし、昼食を取ることがメインと思われる場合や、お酒を飲んでいる場合などはプライベートの食事とみなされ、経費にできないので注意しましょう。
ケース2. 喫茶店やファミレスで会議をした
喫茶店やファミレスなどで食事をしながら、取引先と会議することがあります。この場合は仕事に関係する食事なので、経費になります。
使用する勘定科目は、コーヒー代や昼食程度であれば会議費で処理します。また、高価な食事や宴会などであれば、交際費で処理します。
ケース3. コンビニやスーパーで弁当を購入した
プライベートの食事は経費にならないため、自分で食事する場合は経費にできません。
一方取引先との会議の場合は、会議費として経費にできます。また、従業員の残業のための食事であれば、福利厚生費で経費にできます(毎日など、頻度や金額が多い場合は、給与扱いになる可能性があります)。
ケース4. オンライン会議のために弁当を購入した
会議の際の昼食代は、会議費として経費にできます。
ただし、自宅でオンライン会議をした場合などは、プライベートの食事か会議の食事か区別がつきません。そのため、議事録を残しておくなど、会議のために弁当を購入したことがわかるようにしておく必要があります。
ケース5. 出張中の食事代
ホテルで朝食付きの場合であれば、食事はホテル代に含まれるとして、旅費交通費などの経費にすることができます。ただし、ホテル代に含まれない食事については、経費にできません。
取引先との食事は、交際費や会議費などで経費にすることが可能です。従業員との食事代は、会議や従業員全員が対象であれば経費にすることができます。
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個人事業主が食費を経費に計上する際の注意点
次に、個人事業主が食費を経費に計上する際の注意点を見ていきましょう。
領収書やレシートを受け取り保管しておく
食事は、食べてしまったら後に残りません。そのために、食事をした証拠を残しておく必要があります。食事をした場合は、領収書やレシートを受け取り保管しておくことで、食事をした証拠を残すことができます。
いつ誰と何に使ったかをメモしておく
領収書やレシートを受け取り保管しておくことは、食事をした証拠となりますが、それだけでは経費にすることはできません。なぜなら、領収書やレシートだけでは、プライベートの食事か事業に関する食事かの判断ができないためです。
そこで、いつ誰と何に使ったかをメモしておきます。例えば「取引先Aと接待として食事をした」「従業員と会議で食事をした」などです。メモを残し、事業に関する食事であることを証明して、初めて経費にできます。
食費以外にも!個人事業主がおさえておきたい経費一覧
食費以外にも、次のようなものが個人事業主の経費になります。
上記以外にも、さまざまな経費があります。個人事業費の経費については次のページで詳しく解説しています。こちらをご参照ください。
事業に関係する食費は経費計上可能!忘れずに確定申告しましょう
事業に関する食費は、会議費や交際費、福利厚生費などの経費として計上することができます。
食費は、ついついレシートの受け取りを忘れてしまい、経費にできなくなることが多い支出です。しかし、経費が増えればそれだけ利益を抑えることができ、節税になります。事業に関係する食費は、必ずレシートを受け取り、忘れずに確定申告で経費にしましょう。
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よくある質問
個人事業主の食費は確定申告で経費にできますか?
事業に関係する食費は経費にできます。詳しくはこちらをご覧ください。
プライベートの食費は経費にできますか?
プライベートの食費は経費にできません。詳しくはこちらをご覧ください。
個人事業主の食費の勘定科目は?
会議費や交際費、福利厚生費で処理します。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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