• 更新日 : 2026年6月16日

自治体が提供する家賃補助制度とは?住宅手当との違いなどを解説

Point自治体の家賃補助は誰が対象で、いくら受けられる?

住居費の負担を軽減するため、家賃の一部を一定期間支給する公的な支援制度です。

  • 新婚世帯や子育て世帯、移住者が中心となる
  • 補助額は月2万円や上限月5万円など制度ごとに異なる
  • 所得制限や家賃上限などの要件を満たす必要がある

募集期間や予算枠に限りがあるため、申請前に最新情報を確認しましょう。

自治体が提供する家賃補助制度は、移住促進や子育て支援などを目的に、住居費の負担を軽減するために設けられた仕組みです。一方で、企業の住宅手当や国の制度とは支給条件や対象者、内容が異なります。

本記事では、自治体の家賃補助の概要や対象者、申請時の注意点までをわかりやすく解説します。

自治体の家賃補助制度とは?

家賃補助制度とは、企業や自治体、国などが家賃や住宅費の一部を支給し、住居費の負担を軽減するための支援制度のことです。

なかでも自治体の制度は、定住促進や生活支援を目的に設けられており、新婚世帯や子育て世帯、高齢者など対象は施策ごとに異なります。

たとえば、東京都新宿区では所得や居住要件を満たす世帯に対し、一定期間の家賃補助が支給される制度があります。

なお、申請には期限や必要書類があり、抽選となる場合もあるため、事前に条件を確認することが大切です。

参考:民間賃貸住宅家賃助成|新宿区

住宅手当との違い

家賃補助と住宅手当は、いずれも従業員の住居費を支援する福利厚生を指し、実務上はほぼ同じ意味で使われます。

ただし企業によっては、住宅手当を給与に一定額を上乗せする形で支給する一方、家賃補助は実際の家賃額に応じて補助するなど、支給方法や計算基準で区別される場合があります。

名称だけでなく、制度内容や支給条件によって使い分けるのが一般的です。

住宅手当の詳細について詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

その他(補助金・助成金・給付金)の区別

補助金・助成金・給付金はいずれも金銭的支援ですが、目的や主体に違いがあります。

補助金は自治体が特定の政策目標の達成を目的に交付するもので、条件や用途が明確に定められるのが特徴です。

一方、助成金は主に企業や団体が従業員や利用者の支援を目的に支給するもので、制度ごとに内容が異なります。

また、給付金は国が生活困窮者など幅広い対象に対して直接支給する支援を指します。

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自治体の家賃補助の対象となりやすい人

自治体の家賃補助は、新婚世帯や子育て世帯が対象となりやすいのが特徴です。

主に、定住促進や生活支援を目的として設けられており、家賃水準の高い都市部や、人口減少が進む地方自治体で多く実施されています。

支援内容は月額補助に加え、引越し費用の一部助成など幅広く、条件も細かく設定されています。

所得制限や家賃上限があるため、利用前に対象要件を確認し、自治体ごとの制度を調べることが重要です。

家賃補助を実施している自治体の例

家賃補助制度は自治体ごとに内容や条件が異なり、支援の目的や対象者もさまざまです。

ここでは、実際に家賃補助を実施している自治体の代表例を取り上げ、それぞれの特徴を紹介します。

東京都目黒区(高齢者世帯等居住継続家賃助成)

東京都目黒区では、高齢者を含む世帯を対象に、一定条件のもと家賃負担を軽減する助成制度を実施しています。

申請は年1回の限られた期間に受け付けられ、居住年数や所得、家賃水準などの基準を満たす必要があります。

審査に通過すると、家賃の一部(おおむね2割程度)が上限付きで最長6年間支給される仕組みです。

企業で家賃補助を支給する際にも、公平性とコスト管理を両立した制度設計の参考になります。

栃木県宇都宮市(宇都宮市若年夫婦、子育て世帯および新卒採用者等家賃補助金)

栃木県宇都宮市では、若年夫婦や子育て世帯、新卒採用者などを対象に、移住・定住促進を目的とした家賃補助制度を実施しています。

対象は、市外からの転入者を含む世帯などです。

主に、居住誘導区域内の住宅に入居することなど、複数の要件が設定されています。

補助は一括支給方式で、世帯条件や子どもの有無に応じて加算される仕組み(上限あり)です。

対象となる層や加算条件を、細かく設計している点も特徴です。

企業の家賃補助でも、人材確保や定着率向上を目的としたターゲット別の支給設計や、インセンティブ設計を検討する際の参考になります。

千葉県佐倉市(戸建賃貸住宅家賃補助事業)

千葉県佐倉市では、若者世帯や子育て世帯の定住促進や空き家活用を目的に、戸建賃貸住宅の家賃補助を実施しています。

対象は40歳未満の夫婦や子育て世帯で、契約から1年以内の戸建賃貸住宅に居住していることなどが条件です。

補助は家賃の3分の1(上限月2万円)を最長24か月支給し、予算内で先着受付・審査が行われます。

目的に応じた明確な制度設計が特徴で、企業の家賃補助にも応用できるでしょう。

長野県富士見町(移住&テレワーク支援制度)

長野県富士見町では、町外からの移住者が「森のオフィス」などのコワーキングスペースを活用して働くことを条件に、家賃や光熱費の一部を支援する制度を設けています。

対象は住民票の移動や長期居住の意思、指定施設の定期利用などの要件を満たす移住希望者です。

補助は月額上限50,000円で一定期間支給され、選考制・人数制限があります。

移住とテレワーク推進を組み合わせた、制度設計が特徴です。

企業の家賃補助においても、リモートワークや時短勤務など、働き方改革に対応した福利厚生の運用を考える際の参考になります。

岐阜県高山市(移住促進事業補助金)

岐阜県高山市では、移住促進の一環として、市外から転入し一定条件を満たす世帯に対し、住宅の取得・賃借・改修費用の一部を補助しています。

対象は永住意思を持つ移住者で、転入後の期限や5年以上の定住要件などが条件です。

補助は内容に応じて上限や補助率が異なり、事前申請や5年未満での転居の際の返還についても定められています。

高山市の移住支援は、定住意思や居住期間などの条件を前提に、賃借・取得・改修費まで含めた複数メニューを組み合わせて設計されているのが特徴です。

企業の家賃補助でも「長期定着を前提とした支給条件」や「用途別の補助設計」など、制度の柔軟性と定着インセンティブの両立を検討する際の参考になります。

自治体以外が提供する家賃補助制度

家賃補助制度は自治体だけでなく、企業や国などさまざまな主体によって提供されています。

それぞれ目的や支給条件、仕組みが異なるため、制度の違いを理解して活用することが重要です。

企業・勤務先

企業・勤務先でも、福利厚生の一環として従業員の住居費を支援する、家賃補助制度が導入されています。

給与に一定額を上乗せする形で支給されるほか、借り上げ社宅により家賃や初期費用を企業が負担したり、不動産会社との連携で仲介手数料を抑える仕組みもあります。

一般的に大企業ほど手厚い傾向がありますが、コストの見直しや働き方の変化により、近年は縮小・廃止の動きも見られているのが特徴です。

住宅手当(家賃補助)

住宅手当(家賃補助)は、企業の福利厚生として扱われる住居支援で、給与に一定額を上乗せする形で支給されるケースが多く見られます。

従業員は、家賃や住宅ローンの負担を軽減できるため、実質的な可処分所得を増やす効果がある点が特徴です。

ただし、制度の有無や支給条件は企業ごとに任意で定められており、法律上の義務ではないため、内容には差があります。

借り上げ住宅

借り上げ住宅は、企業が賃貸物件を一括で契約し、従業員に社宅として安価に提供する福利厚生制度です。

入居者は会社が用意した物件に住むため、自身で物件探しや契約手続きを行う手間が省けます。

また、一定額以上の自己負担があれば会社が負担する部分について課税対象外となるため、住宅手当と比べて税制面で有利になることがあります。

国が実施する、家賃関連の支援制度には「住宅セーフティネット制度」や「移住支援金」などがあります。

主に、地方への移住促進や住宅確保が難しい人への支援など、政策目的に応じて設計されています。

制度ごとに対象者や支給条件、内容が異なるため、目的に応じた活用が重要です。

次の項目で、それぞれの特徴を解説します。

住宅セーフティネット制度

住宅セーフティネット制度は、高齢者や低所得者・障害者・子育て世帯・被災者など、住宅確保に配慮が必要な人の入居を支援する仕組みのことです。

こちらは、2017年から運用されています。

基準を満たした住宅を登録し、入居者情報の提供や家賃低廉化、改修費補助などを通じて、入居者と貸主双方の負担軽減を図ります。

近年は制度拡充も進んでおり、家賃保証制度の整備や給付支援が強化されているのが特徴です。

移住支援金

移住支援金は、国の地方創生移住支援事業にもとづき自治体が実施する制度で、都市部から地方への移住促進を目的としています。

主に東京23区在住または通勤者が対象で、地方に移住し就業や起業を行った場合、世帯で最大100万円、単身で最大60万円が支給されます。

申請は移住後に行い、制度の有無や条件は自治体ごとに異なるため、事前の確認が必要です。

地方での起業を検討している方は、補助金や助成金などの制度をうまく活用することで、事業の発展につなげやすくなります。

国や自治体が提供する支援策について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。

家賃補助を申請する際のポイント・注意点

家賃補助を申請する際は、制度ごとに条件や手続きが異なるため、事前の確認が重要です。

ここでは自治体・企業や勤務先・国の3つに分けて、それぞれの申請時のポイントや注意点をわかりやすく解説します。

自治体

自治体の家賃補助制度は、移住促進や子育て支援など目的に応じて設計されており、対象者や条件が細かく定められているため、事前の確認が重要です。

申請時には住民票や所得証明、賃貸契約書、家族構成を示す書類など、複数の書類提出が求められます。

予算の都合で内容変更や募集停止となる場合もあるため、最新情報を確認しましょう。

受付開始後は、早めに手続きを行うことが大切です。

企業・勤務先

企業・勤務先の家賃補助は、申請時期や手続きが会社ごとに異なるため、まず人事部や総務部へ確認しましょう。

申請には住民票や賃貸契約書、家賃支払いの証明などが求められます。

また、持ち家の場合は住宅ローン関連の書類が必要となることもあります。

承認後は給与に手当が加算されますが、社内規程にもとづき条件や金額が見直される点にも注意が必要です。

国の家賃補助制度は、市区町村の福祉窓口や自立相談支援機関が受付を担っています。

申請には住民票や収入証明、離職証明などが必要で、収入や資産状況、就労意欲なども審査対象となります。

制度内容や支給条件は、年度ごとに変更される場合があるため、最新情報を確認しましょう。

そのうえで、期限までに必要書類を整えることが重要です。

自治体の家賃補助に関するよくある質問

自治体の家賃補助制度は内容や条件が複雑で、疑問を感じる場面も少なくありません。

ここでは、よくある質問を取り上げ、制度の理解に役立つポイントをわかりやすく解説します。

家賃補助の支給条件を満たしているかどうか判断されるものは?

家賃補助の支給条件を満たしているかの判断には、賃貸借契約書が確認資料として用いられます。

契約書には家賃や契約者情報などが記載されており、自治体や企業はこれをもとに補助対象の要件を満たしているかを審査します。

賃貸借契約書は物件契約時に交わされる書類で、通常は本人が控えを保管しているため、提出に備えて内容を確認しておくことが大切です。

家賃補助に税金はかかりますか?

企業が提供する家賃補助は給与の一部として支給されるため、所得税や住民税の課税対象となります。

一方で、借り上げ社宅のように従業員が一定額以上の家賃を負担している場合は、企業が負担する分が非課税となるケースもあります。

家賃補助の支給形態によって課税の扱いが異なるため、利用する制度ごとに内容を確認しましょう。

節税につながるポイントを押さえておきたい方は、下記の記事もご覧ください。

自治体の家賃補助と企業の住宅手当は併用できる?

自治体によっては、家賃補助を企業の住宅手当と併用できる場合があります。

たとえば、保育士向けの借り上げ宿舎制度では、企業が借りた住宅に自治体が補助を行い、条件次第で自己負担が大きく軽減されるのが特徴です。

ただし、補助は企業側に支給される仕組みのため、住居の選択や同居条件に制約が生じる点にご注意ください。

また、企業側が併用を認めるかどうかも、社内規定に左右されます。

自治体の家賃補助は対象や適用条件が限られるため、従業員全体への住居支援を考えるなら、企業独自の制度整備もあわせて検討しましょう。

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