• 更新日 : 2026年7月7日

人材育成研修とは?企業が決めるべき内容・種類・テーマ・資料作成の進め方を解説

Point人材育成研修の目的・種類・進め方とは?

人材育成研修とは、社員の知識・スキル習得を支援し、業務成果につなげる取り組みです。

  • 目的は標準化・管理職育成・定着・方針共有の4つ
  • 対象者別に新入社員・若手・管理職など6種類
  • 資料は目的・対象者・演習をセットで整理する

Q. 人材育成研修を企画する際、最初に決めるべきことは?
A. 自社の課題と育成したいスキルを整理し、対象者と研修目的を明確にすることが最初のステップです。

人材育成研修を企画する際は、対象者や目的に合わせて、研修テーマや実施方法、資料内容を整理しておくことが大切です。

新入社員・若手社員・管理職など、立場によって必要な内容は異なるため、事前に自社の課題や育成したいスキルを確認しておきましょう。

本記事では、人材育成研修の目的・種類・実施方法・資料作成のポイントを解説します。

人材育成研修とは、社員の成長を業務成果につなげる取り組み

人材育成研修とは、業務に必要な知識やスキルの習得を支援し、社員の成長を業務に活かすための取り組みです。研修を企画する際は、実施すること自体を目的にせず、自社の課題や現場で必要なスキルを整理したうえで内容を決めましょう。

たとえば、新規事業を進める場合は、リーダーシップやプロジェクト管理が研修テーマになります。業務手順の見直しが課題であれば、ツールの使い方や改善提案の進め方を扱うのも方法の一つです。

また、新入社員研修や管理職研修など対象者別に分けたり、社内研修や外部研修などの実施方法を選んだりすると、より内容を整理しやすくなります。研修後に振り返りや理解度の確認を行うことで、社員ごとに必要なフォローや次に学ぶ内容を検討しやすくなるでしょう。

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企業が人材育成研修を行う4つの目的

人材育成研修の目的は、業務スキルの習得や社内方針の理解など、企業の課題によって異なります。研修内容を決める前に、まずは自社が研修で解決したい課題を整理しておきましょう。

1. 業務に必要な知識やスキルを標準化する

業務手順や判断基準が共有されていないと、担当者によって対応に差が出ることがあります。

たとえば、見積書のフォーマットや顧客対応の優先順位が統一されていない場合、どのフォーマットが最新版か、どの顧客から対応するかを確認する手間が増えます。

研修で基本的な手順や判断基準を共有しておくと、新入社員が業務の流れを理解しやすくなり、既存社員も日々の進め方を確認できるでしょう。

2. 管理職やリーダー候補を育てる

管理職に昇格してからマネジメントを学び始めると、部下との面談や業務の割り振りで戸惑う場合があります。

管理職には、部下の育成やチーム運営、進捗確認、課題への対応など、担当者とは異なる役割があります。たとえば、メンバー間で意見が対立した際の調整や、限られた予算のなかで優先順位を決める場面では、業務スキルだけでなく、状況を整理して判断する力も必要です。

研修で管理職に求められる役割や考え方を事前に学んでおくと、昇格後に任される業務を理解しやすくなります。組織変更や新しい部署の立ち上げを予定している場合も、候補者に必要な経験や知識を早めに整理できます。

3. 離職防止や定着につなげる

社員が今後の役割やキャリアを考えにくい状態が続くと、仕事への意欲や成長実感を持ちにくくなる場合があります。

たとえば、入社から数年経っても担当業務が変わらず、必要なスキルや次に目指す役割も示されていない場合、将来の働き方を考えにくくなるでしょう。

そこで、研修やOJT、キャリア面談で学ぶ内容や目指す役割を整理すると、社員が自分の成長を確認しやすくなります。

4. 会社の方針や価値観を共有する

納期や品質、顧客対応などで判断に迷う場面に備え、会社として優先する基準を共有しておくことが大切です。

経営方針や求める行動を研修で説明すると、社員が自分の役割を考えやすくなります。たとえば、「品質を下げてまで納期を優先しない」といった方針を共有しておけば、納期と品質で迷ったときの判断基準を確認できるでしょう。

方針や価値観を育成内容に反映することで、顧客対応や品質判断の基準をそろえやすくなります。

人材育成研修の主な6つの種類

人材育成研修では、対象者の経験年数や役割に合わせて、学ぶ内容を整理します。新入社員には業務の基礎、管理職には部下育成やチーム運営など、立場によって必要な内容は異なります。

研修を企画する際は、対象者と目的を整理したうえで、自社に合う種類を選びましょう。

1. 新入社員研修

新入社員研修は、入社直後の社員が会社のルールや仕事の進め方を学ぶ研修です。

新入社員研修の主な研修内容
  • 社内ルール:就業規則、勤怠ルール
  • ビジネスマナー:あいさつ、電話・メール対応
  • 業務の進め方:報告・連絡・相談、社内申請の流れ

就業規則や勤怠ルールを学ぶと、出勤・休暇申請・遅刻時の連絡など、日々の勤務で必要な手続きを確認しやすくなります。ビジネスマナーや報告・連絡・相談の方法は、上司や先輩、取引先とやり取りする際の基本です。

2. 若手社員研修

若手社員研修とは、入社後に基本業務に慣れてきた社員が、担当業務の進め方や周囲との関わり方を学ぶ研修です。

若手社員研修の主な研修内容
  • 業務の進め方:優先順位の付け方、進捗報告の方法
  • 課題への対応:トラブル発生時の相談先、対応手順の考え方
  • 周囲との連携:関係部署への共有、後輩への声かけ

優先順位の付け方や進捗報告の方法を学ぶと、複数の業務を抱えたときに、何から対応するかを考えやすくなります。トラブル発生時の相談先や関係部署への共有方法を確認しておけば、対応に迷ったときも上司や周囲へ相談しやすくなるでしょう。

3. 中堅社員研修

中堅社員研修とは、担当業務に加えて、後輩支援や部署間の調整を担う社員向けの研修です。

中堅社員研修の主な研修内容
  • 後輩育成:業務の教え方、相談を受けたときの対応
  • 部署間調整:関係部署への共有、スケジュール調整
  • 業務改善:作業手順の見直し、課題の洗い出し

後輩育成の進め方を学ぶと、若手社員がつまずいた場面で、業務手順や相談先を示しやすくなります。また、部署間調整や業務改善の考え方を学ぶと、担当業務だけでなく、周囲と連携して仕事を進める視点も持ちやすくなります。

4. 管理職・マネジメント研修

管理職・マネジメント研修とは、管理職や管理職候補が、部下育成やチーム運営、労務管理の基本を学ぶ研修です。

管理職・マネジメント研修の主な研修内容
  • 部下育成:面談の進め方、目標設定、フィードバック
  • チーム運営:業務の割り振り、進捗確認、部署内の情報共有
  • 労務管理:勤怠状況の確認、長時間労働への対応、ハラスメント防止

管理職は、自分の担当業務だけでなく、メンバーの業務状況や職場環境にも目を向けることが重要です。たとえば、特定の社員に業務が偏っている場合は、進捗を確認したうえで担当業務を見直すことがあります。また、部下面談では、評価理由や今後の目標を伝え、必要に応じて悩みや相談を聞く場面もあります。

管理職・マネジメント研修では、自社の管理職に任せる役割を明確にし、面談・業務管理・労務管理で確認すべき内容を扱いましょう。

5. コンプライアンス・ハラスメント研修

コンプライアンス・ハラスメント研修とは、法令や社内ルール、職場で注意すべき言動を学ぶ研修です。

コンプライアンス・ハラスメント研修の主な研修内容
  • 法令・社内ルール:個人情報、機密情報、社内規程の取り扱い
  • ハラスメント防止:指導と不適切な言動の違い、相談を受けたときの対応
  • 相談・報告:相談窓口、報告手順、問題が起きたときの初動対応

情報管理やハラスメントの事例を学ぶことで、職場で避けるべき行動を具体的に確認できます。たとえば、業務データを保存する場所や社外共有の可否、指導時の言葉選び、相談を受けた際の対応などを扱うと、日々の業務で判断に迷う場面を減らしやすくなるでしょう。

6. DX・IT人材育成研修

DX・IT人材育成研修とは、デジタル技術やデータを業務改善に活用するための研修です。

DX・IT人材育成研修の主な研修内容
  • DXの基礎:DXの考え方、身近な業務でのデジタル活用
  • データ活用:表計算ソフトでの集計、データの見方
  • 業務改善:手作業の見直し、ITツールを使った情報共有

表計算ソフトやITツールの使い方を学ぶだけでは、配属先の業務でどのように使うかを判断しにくい場合があります。具体的には、売上集計や勤怠集計、問い合わせ管理など、実際の業務に合わせて学ぶ内容を決めると、研修後に活用する場面を考えやすくなります。

DX・IT人材育成研修では、ツール操作だけでなく、業務のどこを見直すために使うのかまで扱うことが大切です。

人材育成研修の実施方法4選

人材育成研修の実施方法には、社内研修や外部研修、オンライン研修、研修ゲームなどがあります。方法によって準備にかかる時間や費用、向いているテーマが異なるため、研修の目的や対象者に合わせて選びましょう。

1. 社内研修

社内研修とは、自社の社員が講師となり、社内ルールや業務手順などを伝える研修です。

自社の制度や業務に合わせて内容を決めやすいため、基幹システムの操作手順や、過去の問い合わせ対応など、社内で共通して確認したい内容を扱いやすい方法です。たとえば、勤怠申請の手順や顧客対応の流れを扱うと、配属後に確認すべきルールをそろえやすくなります。

一方で、社内のやり方だけに偏ると、専門知識や他社事例を取り入れにくい場合があります。

法改正や専門性の高いテーマを扱う場合は、外部研修やeラーニングの併用も検討しましょう。

2. 外部研修

外部研修とは、研修会社や外部講師を利用して実施する方法です。

労務管理やハラスメント対応、マネジメントなど、専門知識が必要なテーマでは、社内だけでは内容を組み立てにくい場合があります。外部研修を利用すると、専門講師の知見や用意されたカリキュラムをもとに、社内では扱いにくいテーマも研修に取り入れやすくなります。

ただし、研修内容が自社の課題や受講者のレベルと合わない場合、受講後に社内で活かしにくくなる可能性がある点に注意が必要です。費用や受講人数、研修後に振り返る方法も含めて、事前に確認しましょう。

3. オンライン研修

オンライン研修とは、パソコンやスマートフォンなどを使い、インターネット上で受講する研修です。

会場に集まらずに実施できるため、拠点が分かれている社員や、勤務時間が異なる社員も受講しやすいでしょう。たとえば、ライブ配信型で本社と支社の社員が同じ研修を受けたり、録画型やeラーニングで空いた時間に受講したりすることも可能です。

一方で、受講状況や理解度を確認しにくい場合があります。テストやレポート、受講後の面談などを組み合わせ、研修後に内容を振り返る機会を設けましょう。

オンライン研修の開催方法や注意点を詳しく確認したい場合は、関連記事もあわせてご覧ください。

4. 研修ゲーム

研修ゲームとは、参加者がゲームやグループ課題に取り組み、話し合い方や役割分担、判断の進め方を学ぶ研修方法です。

講義だけでは確認しにくい参加者の発言の仕方や、チーム内での動きを見やすい点が特徴です。限られた時間で課題を解くワークでは、進行を担当する人、情報を整理する人、意見をまとめる人など、参加者ごとの関わり方が見えやすくなる場合があります。

研修ゲームを実施する際は、楽しむだけで終わらせず、ゲーム中の行動を業務に置き換えて振り返る時間を設けましょう。

人材育成研修の資料を作るときのポイント

研修資料は、研修の目的や学ぶ内容、研修後にしてほしいことを受講者に伝えるために作成します。目的や対象者が定まっていないと、説明する内容が広がりすぎ、受講者が研修後に何をすればいいか判断しにくくなります。

資料を作る前に、誰に何を学んでもらうのか、研修後にどのような行動につなげたいのかを確認しましょう。

1. 研修の目的を冒頭に書く

研修資料の冒頭には、「何を学ぶ研修なのか」「研修後にどの業務ができる状態を目指すのか」といった研修目的を具体的に書きましょう。

たとえば、新入社員研修で「ビジネスマナーを学ぶ」とだけ書くより、「電話応対の基本を理解し、担当者へ取り次げる状態を目指す」と書く方が、研修で確認する内容が明確になります。

資料の1ページ目に、テーマ・対象者・到達状態をまとめておくと、講師も説明内容や演習を組み立てやすくなるでしょう。

2. 対象者・時間・準備物を明記する

研修資料には対象者・所要時間・準備物を明記し、冒頭で確認できるようにしましょう。

たとえば、新入社員研修の対象者が新卒社員なのか中途社員なのかによって、説明すべき内容は変わります。対象者を明記しておくと、講師は説明する範囲や使う例を決めやすくなり、受講者も自分に必要な内容を確認しやすくなります。

また、所要時間も、講義・演習・質疑応答の配分を決めるうえで重要なポイントです。業務PCや事前課題のシートなど、当日使うものもあわせて書いておくと、研修開始後の確認を減らせます。

3. 講義だけでなく演習や振り返りを入れる

研修資料には、講義だけでなく、演習や振り返りの時間も入れましょう。

講義中心の研修では、学んだ知識をどの業務で使うかまで考えにくい場合があります。ケーススタディやロールプレイを入れると、受講者が実際の場面を想定しながら確認できます。

たとえば、クレーム対応の研修では、顧客からの問い合わせを想定した受け答えを練習しましょう。マネジメント研修では、遅刻が続く部下との面談例を使い、声のかけ方や確認すべき内容を考えるのも効果的です。

研修後は、学んだ内容をどの業務で試すか、困ったときに誰へ相談するかを書き出す欄を設けましょう。

4. 研修マニュアルやカリキュラムのサンプルを活用する

研修資料を一から作るのが難しい場合は、研修マニュアルやカリキュラムのサンプルを参考にしましょう。

サンプルの項目を確認すると、研修の流れや資料に入れる内容を考えやすくなります。

ただし、サンプルをそのまま使うのではなく、自社の業務内容や受講者のレベル、研修時間に合わせた調整が必要です。項目の追加・削除や自社事例への差し替えを行い、自社の研修に合う資料にしましょう。

人材育成を進める際は、研修内容だけでなく、従業員が働き続けやすい制度づくりもあわせて考えることが大切です。福利厚生の見直しを検討している場合は、社宅制度の導入・運用を支援する「マネーフォワード クラウド福利厚生賃貸」も選択肢になります。

マネーフォワード クラウド福利厚生賃貸は、社宅制度の導入・運用を支援するサービスです。従業員の賃貸物件を法人名義に切り替え、家賃を給与から天引きする仕組みにより、従業員の手取り増加につながる場合があります。

福利厚生の見直しを検討している場合は、公式ページから資料をダウンロードし、自社の従業員数や賃貸居住者の状況に合うか確認してみてください。


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