確定申告の方法には、青色申告と白色申告の2種類があります。青色申告は白色申告に比べて、必要経費として認められる項目が多いことや限度額が大きいこと、また、所得金額から控除される項目や限度額が大きいことなど、さまざまな優遇措置(メリット)があります。青色申告において利用できる特典は、40項目以上あり、これらを上手に利用することで、課税対策はもちろんのこと、労務対策なども考えていけます。ここでは青色申告のメリットについて説明します。

青色申告の特典(メリット)

青色申告者が受けられる特典は、(1)各種所得の金額計算における特典 (2)純損失の繰越控除、純損失の繰戻しによる還付 (3)更生および不服申し立て等での特典、の大きくわけて3種類のメリットがあります。

それでは詳しく説明していきます。

(1)各種所得の金額計算における特典

青色申告のメリットの中で、代表的なものをいくつか紹介します。

1.家事関連費の必要経費算入

家事上の経費に関連するもので、業務に必要であると明らかにされる部分を対象のやり取りについて記録を明確に残すことにより必要経費として計上できます。白色申告の場合は家事関連費の主たる部分が業務での使用でないかぎり、経費として計上することは認められていません。

2.棚卸資産の低価法による評価の選択

棚卸資産の金額を算出するときは、「残りの数量」に単価を乗じた数字を用います。このときに使用する単価の決め方にはいくつかの方法があります。通常は最終仕入原価法が採用されています。

青色申告では棚卸資産の評価方法として、低価法を選択できます。たとえば、原価と時価を比較した場合、差が生じていることがあります。この場合は、低い方の価格を単価として選ぶことができるのです。棚卸資産の評価額が少なくなれば、減少分が損益から減るということですから、課税対象額が減り、節税が期待できます。

3.減価償却の特例

青色申告では、取得価格が30万円未満の固定資産の減価償却費を、取得した年に一括で経費に計上できるメリットがあります。

4.貸倒引当金の設定

取引をする場合、取引相手との信頼関係において、商品やサービスだけを先に提供し、その代金は後払いになることがあります。このように掛けで取引を行えば、代金の回収リスクが生じることになります。「貸倒引当金」はこうした代金の回収が不能になるかもしれない、というリスクを軽減するために設定し、その分を所得から減らすことができる制度です。無事に代金が回収された場合は、次年度の決算時に貸倒引当金の戻入処理を行い、処理をした年度の所得に加えなくてはなりません。

貸倒引当金は、白色申告においては、貸倒れることが確実と思われる場合にのみ設定できます。

5.青色事業専従者給与の必要経費算入

白色申告の場合には限度額がありますが、青色申告の場合は事業に必要として支払われた金額の全額が経費となるメリットがあります。

6.青色申告特別控除

最高で65万円の特別控除が受けられます。65万円控除には正規の簿記の原則に従った記録と、貸借対照表・損益計算書の提出が必要です。それ以外の場合は10万円の控除があります。

(2)純損失の繰越控除、純損失の繰戻しによる還付、特別税額控除での特典

今年度の確定申告で赤字が発生した場合、その赤字分を翌年度から3年間繰越すことが可能で、黒字の年の所得から差し引けます。
また、前年度が黒字だった場合、今年度の純損失額を前年度分に繰戻して控除し、前年度分の所得税額の還付を受けることも可能です。

(3)更生および不服申し立て等での特典

税務署から更生の通知があった場合で不服があるとき、青色申告者は、異議申し立てをするか、あるいは直接審査請求をするかを選べます。また、更正される場合は、帳簿調査に基づかない推計課税によって更正をうけることはなく、更正通知書にその更正理由が明記されています。

白色申告者の場合は、税務署などその通知者に対して異議申し立てを行えます。

青色申告のデメリット

上記のメリットに対し、青色申告におけるデメリットとして多くの人が感じているのは、青色申告をするときに申請が必要なこと、正規の簿記の原則に従った会計処理が必要なこと、書類の不備などがあれば許可が取り消されることがある、の3点でしょう。

とくに、正規の簿記の原則に従った正しい会計が必須となるため、簿記の知識がなければ手間がかかるのも事実です。しかし、その分、控除金額が多く納付税額が安くなり、経営状態も明らかにできるのでメリットの方が大きいといえます。

参考URL
国税庁:青色申告制度

青色申告と白色申告の違い
青色申告のメリットとは?基礎から学ぶ青色申告



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