- 更新日 : 2025年2月21日
個人事業主が65歳以上で働いても年金は全額受け取れる?確定申告も解説
個人事業主として65歳以降も働き続けても、年金は全額受け取れます。ただ、60歳以上で会社に勤めながらフリーランスとしても働いている人は、年金の一部または全額が支給停止となる可能性があるため注意してください。
本記事では、個人事業主が65歳以降に受給できる年金の種類、65歳になったときに行う年金手続きなどを解説します。
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個人事業主が65歳以上で働いても年金は全額受け取れる?
65歳以降も個人事業主として働き続けた場合でも、基本的には年金を全額受け取り可能です。
しかし、会社に勤めながらフリーランスとしても活動している人の場合、年金の一部もしくは全額が支給停止となる可能性があります。
会社に所属する人は厚生年金保険に加入しますが、60歳以上で厚生年金を受給する人は年金支給を停止する「在職老齢年金制度」の対象となるためです。1ヶ月の賃金と老齢厚生年金の額が50万円を超えると、老齢厚生年金の一部もしくは全額が支給停止されます。
会社に所属せず個人事業主として活動している人は国民年金保険だけに加入しますが、国民年金保険の加入年齢は60歳までです。在職老齢年金制度の対象でもありません。
よって、会社を退職して国民年金のみに加入しているフリーランスの人は、65歳以上も働き続けても年金を全額受給できます。また、フリーランスとしていくら稼いでも、年金の支給が停止されることはありません。収入の上限は設けらていないため安心してください。
参考:老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額|日本年金機構
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収入がある個人事業主と会社員の年金の違い
個人事業主と会社員が受け取れる年金額は、差があります。個人事業主と会社員が納める保険料が異なるためです。
個人事業主が納める国民年金保険料は、1ヶ月あたり16,980円と一律になっています。(※2025年2月時点)一方、会社員が会社と折半して納める厚生年金保険料は、給与や賞与の18.3%と変動します。つまり、納付額が異なるため、もらえる年金額にも差が生じるというわけです。
厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、国民年金の受給者と厚生年金の受給者における年金の平均月額は、以下のようになります。
| 年度 | 国民年金の受給者 年金の平均月額 | 厚生年金の受給者 年金の平均月額 |
|---|---|---|
| 令和3年度 | 56,479円 | 145,665円 |
| 令和4年度 | 56,428円 | 144,982円 |
| 令和5年度 | 57,700円 | 147,360円 |
※いずれも、受給権が確定し受給を受けている人の年金額
上記より、どの年も国民年金の受給額と厚生年金の受給額に2倍以上の差があることが分かります。令和3年より前の10年間も金額の差はほぼ変わりません。
フリーランス一本に絞って活動している人は、受給できる年金額や厚生年金の受給者との差額などを把握しておきましょう。
参考:国民年金保険料|日本年金機構、厚生年金保険料額表|日本年金機構、厚生年金保険・国民年金事業の概況|厚生労働省
個人事業主が65歳以降に受け取れる年金の種類
個人事業主が65歳以降に受け取れる年金は、老齢基礎年金・老齢厚生年金・特別支給の老齢厚生年金の3種類です。それぞれの受給資格や受給額などを解説します。
老齢基礎年金
老齢基礎年金とは、国民年金の加入期間に応じて支給される年金です。受給資格・受給の開始年齢・受給額は以下のようになります。
| 受給資格 | 納付期間や保険料の免除期間などを合算した期間が10年以上あること |
|---|---|
| 受給の開始年齢 | 原則として65歳 |
| 受給額 | 20歳から60歳までの40年間で国民年金を納めた月数をもとに算出 |
65歳を超えた後に受給資格を満たした人は、満たしたときから年金の受け取りが可能です。
また、40年間の保険料を全額納めれば、満額の816,000円を受け取れます。(昭和31年4月2日以後に生まれた場合)
参考:老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額|日本年金機構
老齢厚生年金(会社に勤めていた場合)
老齢厚生年金は、厚生年金の加入期間や納付額に応じて支給される年金です。会社に勤めていた、もしくは会社に今も勤めている場合に、受給条件を満たせば支給されます。
受給資格・受給の開始年齢・受給額は以下の通りです。
| 受給資格 |
上記2つの条件を満たす必要あり |
|---|---|
| 受給の開始年齢 | 原則として65歳 |
| 受給額 | 会社から支払われた給与や厚生年金の加入期間をもとに算出 |
65歳の時点で条件を満たせていない人は、国民保険料を納める・任意で厚生年金に加入するなどの対応をしましょう。
参考:老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額|日本年金機構
特別支給の老齢厚生年金
特別支給の老齢厚生年金とは、厚生年金保険の受給開始年齢が60歳から65歳に引き上げとなった関係で、スムーズに対応するために設けられた制度です。
| 受給資格 |
上記の条件を満たす必要あり |
|---|---|
| 受給の開始年齢 | 生年月日と性別により異なる |
| 受給額 | 会社から支払われた給与や厚生年金の加入期間をもとに算出 |
なお、特別支給の老齢厚生年金には特例があります。昭和36年/昭和41年の4月2日以降に生まれた人でも、下記のいずれかに該当する場合は受給可能です。
- 会社を退職しており、かつ厚生年金保険の被保険者期間が44年以上ある
- 会社を退職しており、かつ障害の状態にあることを申し出ている
- 厚生年金保険の被保険者期間のうち、坑内員または船員であった期間が15年以上ある
詳しい内容は、日本年金機構の公式サイトをご参照ください。
個人事業主が65歳になった時の年金手続き
年金を受け取る際は、自身で請求手続きを行う必要があります。以下の手順で年金を受給可能です。
- 年金請求書の受け取り
- 年金請求書の提出
- 年金の受給
年金の受給権が確定した場合、年金開始年齢に達する3ヶ月前に「年金請求書」が送られてきます。年金請求書に記載された年金の加入記録を確認してください。
記録を確認できたら、年金請求書を提出します。用紙を窓口や郵送で提出する方法と電子申請する方法があるため、お好きな方法を選んでください。なお、請求書の提出は、受給開始年齢の誕生日以降に行う必要があります。
また、請求せずに5年が経過すると、5年分の年金は受け取れない可能性があるため早めに提出しましょう。
請求書の提出から1〜2ヶ月後に「年金証書・年金決定通知書」が届き、さらに1〜2ヶ月後に年金支給の案内が届きます。案内が届いたら年金が振り込まれ始めるので、登録した口座を確認しましょう。
個人事業主が65歳以降の収入と年金の確定申告のやり方
「雑所得」に分類される公的年金は、課税対象です。よって、原則として年金を受給している人は確定申告をする必要があります。ただ、以下の2つの条件のどちらにも該当する人は、確定申告をする必要はありません。
- 公的年金の合計が年間400万円以下である
- 公的年金以外の所得が20万円以下である
たとえば、個人事業の所得が年間20万円以下で、年金が年間400万円以下の人は、確定申告が不要です。
確定申告が必要な場合は、申告書を作成して提出する、もしくは「e-Tax」で電子申請してください。作成する書類は2枚あります。
引用:確定申告書等の様式・手引き等(令和6年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分|国税庁
1枚目の【収入金額等】の「給与」と「公的年金等」にそれぞれ金額を記載してください。また、【所得金額等】の「給与」に経費を引いた額を「公的年金等」に控除額を引いた額を記載します。控除額については、国税庁の「公的年金等の課税関係」をご参照ください。
他にも、配当金や医療費控除などがある場合は、該当する箇所に記入します。
引用:確定申告書等の様式・手引き等(令和6年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁
2枚目の【所得の内訳】に給与や年金を記入してください。所得の種類は、給与はそのまま「給与」で、年金は「雑所得」になります。詳しくは、「公的年金等の雑所得がある方の記載例」をご参照ください。
個人事業主が65歳以上で受給できる年金を増やすには?
厚生労働省によれば、国民年金だけだと受け取れるのは平均6万円弱のため、年金や貯金だけで大丈夫か不安な人もいるでしょう。65歳以降に受け取る年金や収入を増やす方法をいくつか紹介します。
参考:令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況|厚生労働省
国民年金基金に加入
国民年金基金とは、老齢基礎年金に上乗せできる個人事業主向けの制度です。会社員が基礎年金に加えて厚生年金をもらえるのと同様に、個人事業主も基礎年金+国民年金基金を65歳から受給できます。
加入するプランや掛金は自由に決められ、年齢制限も特にありません。年金を支払う義務がある20歳以上60歳未満の人であれば、いつ加入してもOKです。
さらに、掛金金額を社会保険料控除として所得額から控除できます。国民年金基金に加入すれば、節税対策に繋がる点もメリットです。
付加年金で上乗せ
付加年金とは、国民年金の保険料に月額400円の付加保険料も合算して納付する制度です。受給される老齢基礎年金に付加年金が上乗せされます。
合算できる金額は一律400円です。上乗せされる付加年金額は「200円×付加保険料納付月数」で算出でき、2年間受給すれば元を取れます。
市役所や区役所で申し込めますが、国民年金基金に加入している人は付加年金に申し込めないため注意してください。
参考:付加年金|日本年金機構
国民年金を65歳まで任意加入
40年間の納付期間のうち未納期間がある人や60歳までに受給資格を満たせなかった人は、任意で60歳以降も国民年金保険に加入できます。
ただ、任意加入できるのは65歳の誕生日前日までです。もし65歳を超えても受給資格を満たせない人は、さらに70歳まで加入できます。
また、厚生年金保険や共済組合に加入している人も任意加入の対象外のため、注意してください。
市役所や区役所の国民年金窓口から任意加入の手続きができます。
繰下げ受給
繰下げ受給とは、年金の受給開始年齢を65歳ではなく、66歳〜75歳の範囲内で変更する制度です。繰下げた期間によって、受給できる年金が増えます。
増額率は8.4%〜84%です。年金を受け取る年齢を遅くするほど、増額率が上がります。
繰下げを希望する際は「年金請求書」を提出せず、66歳〜75歳までの希望する時期に「繰下げ請求書」を提出してください。
iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入
iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、私的年金制度です。国民年金のような納付額が決まっている公的年金とは異なり、自身で掛金を設定・拠出・運用します。
掛金全額が所得控除の対象で、運用益も非課税です。月額の掛金は最低5,000円からなので、家計への負担を抑えつつ運用できます。
ただ、一度納付すると60歳になるまで引き出せません。運用も自身で行うため、人によって受給額が変動する点にも注意です。
iDeCoに加入する場合は、三井住友銀行やみずほ銀行などの運営を管理する金融機関に「加入申出書」を提出してください。
参考:iDeCoの特徴|iDeCoってなに?|iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)【公式】
小規模企業共済に加入
小規模企業共済とは、個人事業主や中小企業の経営者・役員などが加入できる制度です。退職時や廃業時に受け取れるため、企業の退職金のイメージに近いです。
月額の掛金は、1,000円〜70,000円の範囲なら500円単位で自由に設定できます。掛金全額を所得から控除可能なので、節税にも繋がるでしょう。
小規模企業共済に加入する場合は、「契約申込書」を指定の金融機関に提出してください。マイナンバーカードがあれば、オンライン申請も可能です。
参考:制度の概要|共済制度|独立行政法人 中小企業基盤整備機構
老後も安心できる年金や資金を用意しましょう
個人事業主が加入するのは基本的に国民年金だけなので、将来が心許ない人もいるでしょう。老後も安心できる資金を用意するために、65歳以降も働き続けた場合でも年金は全額受け取れます。
ほかにも資金を増やしたい人は、国民年金基金や付加年金などを検討してみてください。節税効果を期待できる制度もいくつかあります。
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データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。
ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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