• 更新日 : 2023年1月4日

【確定申告】ガソリン代の勘定科目や仕訳例を解説

【確定申告】ガソリン代の勘定科目や仕訳例を解説

個人事業主が、自家用車を使って仕事の打ち合わせ場所などに移動するケースもあるでしょう。確定申告で経費にできるものの計上漏れや計算ミスを防ぐには、自家用車などのガソリン代をどのように扱うかもよく把握しておくべきです。

この記事では、ガソリン代を経費にできるか、勘定科目は何を使うのか、自家用車を使用したときの按分計算はどうなるか、レシートが無いときはどうするかなど、さまざまなパターンを基礎から解説していきます。

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ガソリン代は確定申告で事業経費にできる?

確定申告では、1年間の収入と必要経費を明らかにし、収入から必要経費を差し引いた額を「所得」として申告します。必要経費とは、収入を得るために要した費用のことです。個人事業主の場合、事業収入を得るのに必要な費用が必要経費となります。

では、ガソリン代は必要経費である事業経費にできるのでしょうか。結論からいうと、仕事の打ち合わせや仕事現場に向かうための移動にかかったガソリン代など、事業で必要としたガソリン代であれば経費にできます。一方で、同じガソリン代でも家族との外出やプライベートな食事などの移動にかかったものは、私用にあたるため事業経費にできません。事業で使ったものかどうかが判断のポイントです。

ガソリン代を経費にする場合の勘定科目と仕訳例

ガソリン代を事業経費とする場合、さまざまな勘定科目の使用が考えられます。どのような勘定科目がガソリン代に使えるのか、また適しているのか、仕訳例とともに見ていきましょう。

車両費

車両費とは、事業用に所有する車の維持管理費用全般に使える勘定科目です。車両費にはガソリン代のほか、以下のような費用が含まれます。

  • 車検時の修繕費や点検費
  • タイヤの交換費用
  • エンジンオイル交換費用
  • 自賠責保険料
  • 自動車の任意保険料
  • 自動車重量税
  • 自動車税(軽自動車税)

など

自動車に関わる経費をまとめて車両費として計上できるため、自動車の所有や維持にどれくらいの費用がかかったかわかりやすいでしょう。一方で、修繕費や保険料などを分けて管理したいときには適していません。所有する事業用の車が1台で、重要性が高くないときなどに向いている勘定科目です。

(仕訳例)ガソリン代5,000円を現金で支払った。(単位:円)

借方
貸方
車両費5,000現金5,000

旅費交通費

旅費交通費は、通勤以外で業務に必要な移動や宿泊を行ったときに使用する勘定科目です。たとえば、以下のような経費が旅費交通費に分類されます。

  • 飛行機代
  • 電車代やバス代
  • タクシー代
  • ホテルなどの宿泊費
  • 出張手当

など

いずれも、業務上必要な出張や移動にともなう経費を表します。ガソリン代についても業務において必要な移動で発生した経費にあたれば、旅費交通費で処理することが可能です。出張や移動が多く、移動にかかる経費をまとめて管理したいときは、車両費ではなく旅費交通費での仕訳が適しています。

(仕訳例)ガソリン代5,000円を現金で支払った。(単位:円)

借方
貸方
旅費交通費5,000現金5,000

消耗品費

消耗品費は、消耗性のある備品類を購入したときに使用する勘定科目です。使用により価値が減少する減価償却資産のうち、使用可能な期間が1年に満たないものや、1単位の取得費用が10万円未満のものがこれにあたります。消耗品費に計上されるのは、たとえば以下のようなものを購入したときです。

  • 文房具やコピー用紙などの事務消耗品
  • ペンチやドライバーなどの作業用消耗品

など

ガソリン代についても、消耗品費の勘定科目を使って処理できます。しかし、ガソリン代は消耗性のあるものというより、交通費や車の維持管理のための費用になるため、消耗品費を積極的に使用するのは適していません。消耗品費が適しているのは、年に数回しか利用しないなど事業全体で見てガソリン代の支出が少なく、重要性が低いときです。

(仕訳例)ガソリン代5,000円を現金で支払った。(単位:円)

借方
貸方
消耗品費5,000現金5,000

燃料費

燃料費とは、ガソリンのほかに灯油や重油など、燃料となるもの全般に使われる勘定科目です。ガソリン代も燃料費に含めて処理できます。事業用に保有する車の台数が多くガソリン代を車両費と分けたり、出張による宿泊費や飛行機代などの旅費交通費と分けたりして管理したいときに使用します。事業経費におけるガソリン代の比率が高いときに適した勘定科目です。

(仕訳例)ガソリン代5,000円を現金で支払った。(単位:円)

借方
貸方
燃料費5,000現金5,000

売上原価(仕入)

売上原価とは、一会計期間の売上に直接要した費用、たとえば販売商品を仕入れたときの購入代金などのことです。

ガソリン代を売上原価として処理しなければならないのは、商品販売やサービス提供のためにガソリンが必要不可欠である場合です。タクシー事業者や運転代行サービス事業者などがこれに該当します。この場合、ガソリン代はすべて売上原価として処理します。

(仕訳例)1ヶ月のガソリン代50万円の支払いを翌月末に行うこととした。(単位:円)

借方
貸方
仕入500,000買掛金500,000

※三分法(仕入、売上、繰越商品)で処理したときの仕訳です。

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個人事業主がガソリン代を経費にする場合の注意点

次に、ガソリン代に関連して、個人事業主が注意したいポイントをいくつか解説していきます。

自家用車を使う場合

事業で車が必要であれば、事業用に車を所有し、その車を事業のためだけに使用するのが合理的です。しかし事業規模が大きくないときや、事業活動における車の使用回数が少ない場合など、事業用に車を購入するのではなく自家用車を使用するケースもあるでしょう。ここで問題になるのが、自家用車を使用したときにどこまで経費にできるかです。

家事関連費(プライベートと事業の両方に関わりがある費用)について原則として経費にできるのは、業務遂行上、直接必要であったと認められる場合で、その区分できる金額についてのみです。1回のガソリン代がすべて事業用で使われたのであれば、その全額を経費として計上できます。

ただしガソリン代に関しては、プライベートで使用したのか事業で使用したのか、グレーゾーンな部分もあります。ガソリン代の発生頻度が低く按分計算をしないときは、事業用で使ったことがわかるようにするためにも、補給したガソリンをいつ何の目的で使用したのか、どこからどこまでの移動に使ったのかなど、補足情報も併せて記録しておくと良いでしょう。

ガソリン代の按分の計算

自家用車を事業とプライベートの両方に使用していて、明確に分けることが難しい場合は、按分計算により負担した分の一部を経費に計上します。按分計算とは、全体の利用状況から事業で使用した分の割合を算出し、事業経費を計算する方法です。

ガソリン代の場合は、走行距離による計算と使用日数による計算という2つのパターンが考えられるでしょう。年間で使用状況にムラがあるときは、1年間の使用量で考えるとより正確な按分計算ができます。

  • 走行距離による按分計算
  • (例)1年間の走行距離の合計が1万km、このうち事業用で使用した分が2,500kmである場合

    2,500÷10,000×100=25%(事業分の割合)

     この場合、自動車の走行距離のうち事業の割合は25%です。
     ガソリン代が5,000円だったとき、経費にできるのは25%の1,250円となります。

  • 使用日数による按分計算
  • (例)1ヶ月の平均的な自動車の使用日数が15日程度である(年間を通してムラはない)場合
     

    15÷30×100=50%(事業分の割合)

    ※1ヶ月を30日として計算

     この場合、自動車の使用日数のうち事業の割合は50%です。
     ガソリン代が5,000円だったとき、経費にできるのは50%の2,500円となります。

軽油車両に注意!軽油引取税の取扱い

自動車の燃料はレギュラー、ハイオク、軽油の3種に分けられます。このうち、レギュラーとハイオクはガソリン車の燃料ですので、特に気にする必要はありません。注意したいのは、ディーゼル車の燃料になる軽油です。

軽油はガソリンと異なる課税構造になっていて、ガソリンにはガソリン税と石油税がかかるのに対し、軽油は軽油取引税と石油税がかかります。ポイントは、軽油取引税の消費税の扱いです。軽油の代金のうち、軽油取引税にあたる部分は不課税となり消費税が課されません。経理処理するときは軽油取引税の部分に消費税が含まれないよう、分けて処理しましょう。

そのため、ガソリン代に軽油を購入した費用が含まれるときは、消費税の設定も考慮して勘定科目を選択します。ガソリン車とディーゼル車を両方使用しているときは、ガソリン代と軽油代の補助科目を分けやすい「燃料費」などの勘定科目を使うと良いでしょう。

レシート・領収書が無い場合

ほとんどのガソリンスタンドでは、利用明細として給油後にレシートが発行されます。これらのレシートは、支払いをした事実や場所と日時の証明になりますので、経費計上する根拠として保存しておかなければなりません。

しかし、ガソリン購入時のレシートや領収書を紛失してしまった場合や、もらえなかった場合はどうすれば良いのでしょうか。

結論からいうと、レシートや領収書が無い場合でも支払いの事実があれば、経費として処理できます。対処法としては、仕訳として帳簿に記入するほか、金額や利用年月日、利用場所を別途記録しておきましょう。クレジットカードなどで支払ったケースにおいては、クレジット会社からの請求明細をとっておくことも重要です。税務調査があった場合、最終的に経費処理できるかどうかは税務署の判断になりますが、何らかの記録があると信ぴょう性が高まります。

一度決めた勘定科目は変えない

ご説明したように、ガソリン代はいくつかの勘定科目で処理することが考えられます。ここで注意したいのは、使用する勘定科目をその都度変えないということです。ケースによって勘定科目を変更すると一貫性がなくなり、会計処理の信頼性が下がってしまいます。

たとえば、ガソリン代の処理を「車両費」と決めたなら、少なくとも会計期間内の1年間は「車両費」で処理するようにしましょう。その後、ガソリン代の重要度が増したなどどうしても勘定科目を変更したい理由が生じたときは、会計期間の頭から変更するようにします。

ガソリン代の勘定科目は状況に応じて使い分けよう

事業遂行にともないガソリン代が発生したときは、事業の状況や利用頻度、重要性に応じて、複数の選択肢から勘定科目を選択できます。事業所得の確定申告で所得を正しく計算できるよう、事業経費にあたるガソリン代の処理方法や注意点をよく押さえておきましょう。

確定申告について詳しく知りたい方は、以下の記事より詳細を確認できます。

【参考】

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よくある質問

ガソリン代は経費にできる?

事業で必要としたガソリン代であれば経費にできます。詳しくはこちらをご覧ください。

ガソリン代に使える勘定科目は?

ガソリン代に使える一般的な勘定科目は車両費、旅費交通費、燃料費ですが、事業全体におけるガソリン代の金額や事業内容によっては、消耗品費や売上原価(仕入)も使えます。詳しくはこちらをご覧ください。

レシートが無い場合はどうする?

支払いの事実があれば、支払金額や支払日、支払場所などを記録した上で経費にできます。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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