- 更新日 : 2023年8月29日
個人事業主は資本金が必要ある?ない?
法人登記の際に必要となる開業資金が資本金ですが、登記の必要がない個人事業主にはこうした概念がありません。しかし、事業を始めるには設備資金や運転資金が必要です。こうした個人事業主の開業資金を、複式簿記の勘定科目上では「元入金」としています。
個人事業主にとっての資本金にあたる「元入金」はどのようなものなのかを理解しておきましょう。
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個人事業主にとっての資本金「元入金」とは
平成18年施行の「会社法」により、それまでは株式会社なら1,000万円、有限会社なら300万円が必要だった最低資本金の規制が撤廃され、株式会社は資本金が1円でも設立できることになりました。しかし実際には開業に伴う初期費用や運転資金が必要です。1円あれば会社を経営できるというわけではありません。その点は個人事業主もまた同様ですが、経理処理上は資本金という科目はありません。
その代わりに設けられているのが「元入金」という科目です。事業を経営するために準備した資金が「元入金」になります。これは個人事業主特有の科目となり、法人経理にはありません。
また、資本金は増資・減資をしなければ営業年度ごとに変化することはありませんが、「元入金」は事業主借と事業主貸の金額をお互いに相殺し、残高の差額を元入金に振り替える作業を行うため、毎年元入金の金額が変化します。
期首の元入金の計算について
「元入金」を求めるには、資産合計から負債合計を差し引きます。個人事業主が開業した際は、開業日に用意した現金・事業のための預貯金・売掛金・支払われた小切手、事業用の固定資産など資産を元入金として計上し、経理をスタートさせます。買掛金・預り金・未払金・借入金など負債があれば、「元入金」から差し引きます。
固定資産を計上する場合には、減価償却による期首残高の計算が必要になります。
期末には、事業による利益と事業以外から得た資金を加え、事業以外の支払いに費やした資金を引きます。この合計が翌期首の「元入金」です。
実際には、元入金は(期末の元入金の額)+(青色申告特別控除前の所得金額)+(期末の事業主借)-(期末の事業主貸)で求められます。
事業主貸の方が多い場合は元入金をマイナスし、事業主借が多い場合は元入金をプラスします。
確定申告時には、上記のような計算式で、翌期首の事業主借と事業主貸の残高をゼロにするため、元入金に振り替える作業を行います。
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「元入金」を立てる意味
株式会社は登記によって会社の資金を資本金として明確に区別します。しかし、個人事業主にはこの方法をとることができません。
個人事業主が自宅の光熱費やカードの支払いの口座と事業の入出金の口座をきちんと分けていても、同じ名義では外部の人にはわかりません。
こうした事業とプライベートを経理できちんと分けるために設けられているのが、「元入金」という勘定科目です。
「元入金」に関係して、プライベートな資金の管理に使われる科目には、「事業主借(店主借)」と「事業主貸(店主貸)」があります。
・事業主借:個人事業者が、開業後にプライベートな会計から事業に使う資金を受け入れる際に使われる科目。個人名義の給与用口座から事業のために引き出した現金などが該当する。また、事業用口座の利息や配当金などもこれに含まれる。
・事業主貸:開業後にプライベートな会計へ事業資金から移動したお金が該当する。また、事業用口座から引き落とされる個人用の税金や保険、年金に住宅ローンなどの支払いもこれに含まれる。
事業主借と事業主貸については「事業主貸と事業主借の違いとは?個人事業主の勘定科目を解説」を参考にしてください。
提出書類に資本金の記入欄がある場合
取引先への提出書類や、融資を受ける際の創業計画書には、資本金の額を記載する欄が設けてある場合があります。個人事業主には資本金の概念がありませんので、この欄にどう記入するか迷う人が多いようですが、特に記入しなくても差し支えありません。
「元入金」をきちんと算出できる帳簿や申告書類をそろえていれば、資本金の概念がない個人事業者でも融資や新規取引に不利になることはありません。「元入金」が明確であるということは、事業とプライベートをしっかり区別しているということです。
つまり、取引相手に加えて金融機関に対しても信用度を高める科目が、個人事業主にとって資本金代わりとなる「元入金」ということです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。個人事業主には資本金の概念がないため、まとまったお金を準備して事業を開始する必要がありません。その分、事業計画を綿密に立てることがポイントです。また、事業主借や事業主貸で個人と事業のお金がクロスすることがあるため、プライベートと事業の切り分けが難しくなる原因となります。資金管理には気を付けましょう。
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※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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