- 更新日 : 2025年5月27日
国民健康保険の免除について
国民健康保険は、病気やけがになったときに、相互に助け合い、経済的な負担を分かち合う制度です。
加入者がそれぞれ保険料を出し合い、さらに国や自治体が税等を出して医療費を負担するもので、社会保険などに加入していない方が必ず入る必要があります。無職であっても加入し
なければならず、収入がある・なしに関わらず保険料を納めなければいけないわけです。
国民健康保険の保険料は、「医療分」「後期高齢者支援金分」「介護分」の3つから成り、年度(4月から翌年の3月)を単位として計算します。
保険料は各区分において、平等割額や均等割額などのように均等に負担する部分と、所得に応じて負担額が異なる所得割額の部分などの合計から成り、世帯で合算します。そのため、事情によっては保険料の支払いが大きな負担となり、支払いが滞ったり、困難だったりという場合もあると思います。
財産や遊ぶお金はあるのに保険料は払えない、というような理屈は通りませんが、病気や震災などにより所得が大幅に減った場合や、前年度よりも所得が減少して、やむを得ず支払いに困っている方には、救済の措置として保険料の減額や減免などの免除制度が設けられています。
今回は、国民健康保険料の減免などの免除制度について解説します。
減免等の免除制度の概要
災害や所得が減少したなどの理由で、国民健康保険料を納めるのが難しい、困っているという方は、場合によっては、保険料の免除や、一部負担にすることができます。
国民健康保険の免除・減額の条件については各市町村によって異なりますが、減額および免除等は世帯全員の所得を合計したうえで決定され、7割、5割、2割のなかから減免率が選ばれます。
保険料均等割軽減
国民健康保険の軽減制度における、それぞれの軽減率に対応する軽減基準所得は以下の通りです。
令和3年度以降の国民健康保険料の軽減基準額は変更されました。
基準となる所得金額適用についての留意点
自分の収入に対して何割減になるのか、自分で計算して申請する必要はありあません。申請されている所得に基づいて、しかるべき割合を適用したうえで軽減されます。
留意すべきは、減免を受けたい月の保険料の納期限までに申請する必要があるということです。また、所得が未申告の方が世帯にいる場合には、適用されないので注意が必要です。
ただし、独自の自治体で設定されている減額および免除の制度等、申請が必要な場合もありますので、各市区町村にお問い合わせください。
保険料の減免
国民健康保険料については、震災・風水害・火災などの災害にかかる減免のほか、退職・倒産・休廃業や営業不振等により、所得が大幅に減少した世帯への減免制度があります。
また、コロナウイルス感染症に係る減免措置もあります。
非自発的失業者に係る保険料の軽減
65歳未満で会社の倒産や会社の都合で退職した人で、雇用保険の「特定受給資格者」又は「特定理由離職者」である方は、国民健康保険料が軽減される場合があります。
国民相互の助け合いである国民健康保険制度
国民健康保険は、都道府県や市町村が運営する公的な医療保険制度です。
病気やケガなどに備えて、加入者が互いに医療費の負担を支えあう助け合いの制度です。
万が一、保険料が不足すると、加入者への給付が十分に行えず、加入者の医療費負担が大きくなってしまいます。
しかし、経済的にどうしても支払が困難な状態になった場合は、減免など対応策があります。細かな条件は地方自治体によっても異なることもありますので、自治体の窓口に問い合わせましょう。
支払が困難だからといって、未払いの状態にしておくことのないよう、必ず相談することが大切です。
よくある質問
国民健康保険制度とはどのような制度ですか?
病気やけがになったときに、経済的な負担を分かち合うため、加入者が保険料を出し合い、さらに国や自治体が税等を出して医療費を負担する制度です。詳しくはこちらをご覧ください。
国民健康保険に加入するのはどのような人ですか?
社会保険などに加入していない方が必ず入る必要があります。詳しくはこちらをご覧ください。
国民健康保険料が支払えない場合の対応策はありますか?
災害や所得が減少したなどの理由で保険料の支払が困難な場合には、保険料の免除や、一部負担とすることができます詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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