- 作成日 : 2026年4月15日
福利厚生ポイント制度とは?カフェテリアプランの仕組み・課税・導入手順を解説
福利厚生のポイント制度は、企業が従業員にポイントを付与し、その範囲内で福利厚生サービスを選んで利用できる制度です。
- カフェテリアプランと呼ばれる選択型福利厚生
- 健康、学習、旅行などに利用できる
- 付与→利用→消化の流れで運用
福利厚生として利用される場合は課税されないですが、現金化できる場合などは給与課税の対象になる可能性があります。
福利厚生制度の見直しを検討する企業の中で、近年注目されているのが福利厚生のポイント制度です。企業が従業員に一定のポイントを付与し、その範囲内で福利厚生サービスを選択して利用できる仕組みで、「カフェテリアプラン」や「選択型福利厚生」と呼ばれることもあります。
本記事では、福利厚生のポイント制度の仕組みや他制度との違い、導入のメリットや利用方法などを解説します。
目次
福利厚生のポイント制度とは?
福利厚生ポイント制度は、企業が従業員に一定のポイント(補助枠)を付与し、その範囲内で福利厚生サービスを選択して利用できる制度です。従来のように企業が一律の福利厚生を提供するのではなく、従業員が自分に合ったサービスを選択できる点が特徴です。
福利厚生ポイント制度は従業員が福利厚生を選択して利用できる制度
福利厚生ポイント制度は、企業が付与したポイントの範囲内で従業員が福利厚生メニューを選択して利用できる制度です。
従来の福利厚生は、社員旅行や保養所など企業が内容を決めて提供する仕組みが多く見られました。一方でポイント制度では、企業が複数の福利厚生メニューを用意し、その中から従業員が自分の生活や関心に合わせて利用します。旅行補助、健康支援、自己啓発、育児支援など幅広いサービスを対象にできるため、ライフステージに応じた福利厚生の利用が可能になります。
福利厚生のポイント制度はカフェテリアプランと呼ばれる
福利厚生ポイント制度は、一般に「カフェテリアプラン」または「選択型福利厚生」と呼ばれます。
カフェテリアプランとは、企業が用意した複数の福利厚生メニューの中から従業員が自由に選択できる制度です。カフェテリアで料理を選ぶように、利用したい福利厚生を自分で選択できる仕組みであることからこの名称が使われています。
カフェテリアプランとパッケージ型・インセンティブの違い
パッケージ型は福利厚生サービスを定額で利用する仕組みであり、インセンティブ制度は成果や行動への報酬として設計される制度です。制度の違いを整理すると次のようになります。
| 制度の種類 | 制度の目的 | 利用方法 |
|---|---|---|
| カフェテリアプラン(福利厚生ポイント) | 従業員の生活支援や福利厚生の提供 | 付与されたポイントの範囲で福利厚生メニューを選択して利用 |
| パッケージ型福利厚生 | 優待サービスの提供 | 会員制サービスに加入し、割引や優待を利用 |
| インセンティブ制度 | 成果や行動への報酬 | 目標達成や業績などの条件に応じてポイントや報酬を付与 |
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福利厚生のポイント制度で利用できる主なサービスは?
福利厚生ポイントで扱われやすいサービスは、健康、学び、育児・介護、旅行・レジャー、日常生活支援などです。
| カテゴリ | 代表的なサービス例 |
|---|---|
| 健康維持・予防 | 健康診断・人間ドック補助、フィットネス、メンタル相談 |
| 学び・スキル | 書籍、資格取得、語学、eラーニング |
| 育児・介護 | ベビーシッター、保育関連、介護サービス・相談 |
| 生活・日常 | 食事、引越し、家事支援、買い物優待 |
| 娯楽・リフレッシュ | 旅行、宿泊、レジャー、エンタメ、リラク |
福利厚生ポイント制度の利用方法・運用フローは?
福利厚生ポイント制度は、企業が従業員にポイントを付与し、そのポイントを使って福利厚生サービスを利用する仕組みです。運用の流れは、一般的に「ポイント付与」「サービス利用」「ポイント消化」という段階で進みます。
【基本的な流れ】ポイント付与~サービス利用~ポイント消化
福利厚生ポイント制度の基本的な流れは、ポイント付与、サービス利用、ポイント消化の順で進みます。
まず企業は、年度の開始など一定のタイミングで従業員一人ひとりにポイントを付与します。付与されたポイントは福利厚生サイトや社内システム上で管理され、従業員は自分のポイント残高を確認できます。
次に、従業員は専用サイトなどから福利厚生メニューを探し、利用したいサービスを選択します。旅行、健康支援、自己啓発、育児支援などのサービスが対象になることが多く、ライフスタイルに合わせて選択できます。
最後に、サービス利用に応じてポイントが消化されます。利用金額に応じてポイントを使用する仕組みが一般的で、ポイント残高はシステム上で管理されます。この流れを基礎として、制度の利用方法は精算方式と予約時利用方式の2つに分かれます。
① 利用後に補助を受ける精算方式
利用後に補助を受ける精算方式は、従業員がサービスを利用した後に申請を行い、ポイント分の補助を受ける仕組みです。
この方式では、従業員がまずサービス料金を支払い、その後に領収書や利用証明などを提出します。企業は提出された内容を確認し、制度の対象となる利用であればポイント分の補助を精算します。
この方式の特徴は、利用できるサービスの範囲を比較的広く設定できる点にあります。一方で、申請確認や領収書管理などの事務作業が発生するため、制度設計の段階で運用ルールを整理しておくと管理しやすくなります。
② 予約時にポイントを利用する方式
予約時にポイントを利用する方式は、福利厚生サイトや提携サービスで予約する際にポイントをその場で使用する仕組みです。
この方式では、従業員が福利厚生サイトや提携サービスから旅行、宿泊、レジャーなどのサービスを予約する際にポイントを利用します。ポイントが利用料金に充当されるため、従業員は差額のみを支払う形になります。
予約時利用方式は、申請手続きが簡単で利用しやすい点が特徴です。利用履歴はシステム上で管理されるため、企業側も制度の利用状況を把握しやすくなります。一方で、利用できるサービスは提携先に限られることが多いため、制度設計では対象サービスの範囲を検討しておくと運用しやすくなります。
福利厚生ポイント制度を導入するメリットは?
福利厚生ポイント制度のメリットは、従業員のニーズに合わせた福利厚生を提供できる点と、企業側が福利厚生費用を管理しやすくなる点にあります。
従業員満足度を高めやすい
福利厚生ポイント制度は、従業員が自分のライフスタイルに合わせて福利厚生を選択できるため満足度を高めやすい制度です。
従来の福利厚生では、企業が用意したサービスが全従業員に必ずしも適しているとは限りませんでした。独身の社員、子育て世代、介護をしている社員など、生活環境は人によって異なります。ポイント制度では、旅行、健康支援、自己啓発、育児支援などのメニューの中から必要なものを選択できるため、福利厚生の活用度が高まりやすくなります。
参考:取り組みませんか?「魅力ある職場づくり」で生産性向上と人材確保|厚生労働省
福利厚生コストを管理しやすい
福利厚生ポイント制度は、企業が従業員一人あたりのポイント数を設定することで福利厚生費用を管理しやすくなる点もメリットです。
従来の福利厚生では、利用状況によってコストが大きく変動することがあります。一方、ポイント制度では年間のポイント付与額を決めることで、福利厚生にかかる費用の上限を把握しやすくなります。また、ポイントの利用状況を分析することで、どの福利厚生サービスが多く利用されているかを把握でき、制度の見直しにも活用できます。
多様な働き方に対応した福利厚生を設計できる
福利厚生ポイント制度は、働き方やライフスタイルの多様化に対応した福利厚生制度を設計できる点でもメリットがあります。
近年はテレワークや副業など働き方の選択肢が広がっています。福利厚生も従来のような一律型ではなく、柔軟に利用できる制度が求められる傾向があります。ポイント制度では健康支援、学習支援、生活支援など幅広いサービスを組み合わせることができるため、企業の人材戦略に合わせた福利厚生制度を構築しやすくなります。
福利厚生ポイント制度に関する課税の考え方は?
福利厚生ポイント制度の課税関係は、ポイントの付与目的や利用方法によって扱いが異なります。
福利厚生として提供される場合は給与課税にならない場合がある
福利厚生ポイント制度は、福利厚生の枠組みとして運用されている場合、従業員の給与として課税されないケースがあります。
例えば、企業が健康支援、育児支援、自己啓発などの福利厚生サービスを利用するための補助としてポイントを付与し、その範囲内でサービスを利用する制度は、福利厚生として扱われることがあります。この場合、従業員はポイントを自由に現金化できるわけではなく、企業が定めた福利厚生サービスの利用に限られるため、給与とは異なる扱いになる場合があります。
現金化できる場合や報酬的性格が強い場合は課税対象になる可能性がある
福利厚生ポイント制度でも、制度の内容によっては給与として課税される可能性があります。
例えば、ポイントを現金や商品券などに交換できる仕組みがある場合や、業績評価や成果に応じてポイントを付与する制度の場合は、報酬としての性格が強くなります。このような場合は、給与や賞与と同様に所得として扱われる可能性があります。
参考:カフェテリアプランによるポイントの付与を受けた場合|国税庁
福利厚生のポイント制度を導入する手順は?
福利厚生ポイント制度を導入するには、制度の目的を整理し、ポイント設計や運用ルールを決めたうえで社内へ展開する流れで進めます。導入前に制度の方針と運用方法を整理し、段階的に導入を進めることが一般的です。
1. 制度導入の目的と福利厚生方針を整理する
福利厚生ポイント制度の導入では、まず制度の目的と福利厚生の方針を整理します。
企業が福利厚生制度を導入する背景には、人材定着、従業員満足度の向上、働きやすい環境づくりなどさまざまな目的があります。制度の目的を明確にすることで、対象となる福利厚生メニューやポイント設計の方向性を決めやすくなります。健康支援を重視する企業であれば健康関連サービスを充実させるなど、企業方針に合わせた制度設計につながります。
2. ポイント数と対象サービスを設計する
従業員に付与するポイント数と利用できる福利厚生サービスを設計します。
年間で付与するポイント数を決めることで、企業の福利厚生費用の上限を把握できます。また、旅行、健康支援、自己啓発、育児支援など、どのようなサービスをポイント利用の対象にするかを整理します。対象サービスの範囲は、従業員のニーズや企業の福利厚生方針に合わせて設定します。
3. 運用方法と利用ルールを決める
制度を安定して運用するためには、ポイント利用のルールや管理方法を決めておく必要があります。
ポイントの有効期限、利用申請の方法、精算方式か予約時利用方式かといった運用ルールを整理します。また、領収書提出の有無や対象外となる利用などもあらかじめ定めておくことで、制度運用の混乱を防ぐことができます。
4. 社内へ制度を周知し運用を開始する
制度設計が完了したら、従業員へ制度内容を周知し、福利厚生ポイント制度の運用を開始します。
導入時には制度の目的、ポイントの使い方、申請方法などを社内説明会やマニュアルなどで共有します。従業員が制度を理解して初めて福利厚生は活用されるため、利用方法を分かりやすく説明することが制度定着につながります。
制度の理解が柔軟な福利厚生設計につながる
福利厚生ポイント制度は、従業員に一定のポイントを付与し、その範囲内で福利厚生サービスを選択して利用できる制度です。カフェテリアプランとも呼ばれ、従来の一律型の福利厚生とは異なり、従業員が自分のライフスタイルに合わせて福利厚生を選べる点が特徴です。制度の導入により、従業員満足度の向上や福利厚生の公平性の確保につながる一方、制度設計や運用ルールの整理も欠かせません。福利厚生ポイント制度の仕組みや利用方法、課税の考え方を理解することで、企業は自社に合った柔軟な福利厚生制度を構築しやすくなります。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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