• 作成日 : 2026年1月14日

株式会社の作り方ガイド!設立手順、費用、必要書類、登記まで徹底解説

株式会社の設立は起業家にとって大きな一歩ですが、「何から始めればいいか分からない」という方も多いでしょう。

この記事では、実際の設立手続きでつまずきやすいポイントをおさえながら、株式会社を設立する具体的な手順、必要な費用、法人登記のプロセス、そして設立後の手続きまで、全体像をわかりやすく解説します。

株式会社の作り方・流れは?

株式会社設立の流れは法律に基づいて定められており、大きく分けて以下のステップで構成されます。

株式会社設立の流れ
  1. 基本事項の決定
  2. 会社の実印作成
  3. 定款の作成・認証
  4. 資本金の払い込み
  5. 法務局への登記申請
  6. 設立後の諸手続き

この流れは、会社法という法律に基づいて定められており、順序立てて進めることが不可欠です。準備から登記完了まで最短でも約2週間(※)、一般的には3週間〜1ヶ月程度かかります。

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STEP1. 会社概要(基本事項)の決定

まず、株式会社の土台となる基本事項を決定します。これらはすべて会社の定款に記載され、登記される重要事項となります。

商号(会社名)

商号は、会社の顔となる名前です。商号には必ず「株式会社」という文字を含める必要があり、名前の前(例:株式会社○○○○)か後ろ(例:○○○○株式会社)に配置します。

注意点
  • 類似商号の調査:同一の住所に同じ商号の会社がすでに登記されていないかを法務局のシステムで確認します。また、有名企業と紛らわしい名前や、他社の商標権を侵害するような名前は、将来的なトラブルを避けるためにも避けるべきです。
  • 使用できる文字:漢字、ひらがな、カタカナ、ローマ字、アラビア数字、一部の記号(「&」「-」「.」など)に限られます。

事業目的

事業目的は、その会社が「何を行い、何で利益を上げるのか」を具体的に示すものです。定款に記載した目的以外の事業は原則として行えません。そのため、現在行う事業だけでなく、将来的に行う可能性がある事業も幅広く記載しておくことが一般的です。

注意点
  • 適法性と明確性:事業内容は、法律に違反せず(適法性)、誰が読んでも内容を理解できる(明確性)必要があります。
  • 許認可の確認:建設業や飲食店営業など、事業によっては国や自治体からの「許認可」が必要です。許認可が必要な場合、その事業内容が定款の目的に正しく記載されていないと許可が下りないため、事前に管轄の行政庁に確認することが重要です。

本店所在地

本店所在地は、会社の法的な「住所」を指します。自宅、賃貸オフィス、バーチャルオフィスなどが選択肢となります。

注意点
  • 賃貸物件の場合:自宅マンションや賃貸オフィスを所在地とする場合、賃貸借契約書で「法人登記が可能か」「事業用(事務所用)の利用が可能か」を必ず確認してください。商用利用が禁止されている物件で登記すると、契約違反となるリスクがあります。
  • 記載方法:定款には「最小行政区画(例:東京都新宿区)」までの記載でも可能ですが、登記申請までには「地番(例:東京都新宿区〇〇一丁目1番1号)」までを決定する必要があります。

資本金の額

資本金は、会社の元手となる資金であり、事業運営の体力を示します。 法律上は1円から設立可能ですが 、資本金の額は会社の信用力や初期の運転資金を示す重要な指標でもあります。

注意点
  • 適切な金額の目安:一般的には、設立時の初期費用(オフィスの契約費用、備品購入費など)に加えて、売上が安定するまでの3ヶ月〜半年程度の運転資金(家賃、人件費、仕入れ費など)を目安に設定することが推奨されます。
  • 信用力への影響:資本金が極端に少ない(例:1円)と、金融機関からの融資審査や、新規取引先との与信調査において不利になる可能性があります。
  • 消費税免税のライン:資本金を1,000万円未満に設定すると、一定の要件を満たす場合、原則として設立から2年間(2期)は消費税の納税が免除されるという大きなメリットがあります。

発起人(出資者)

発起人とは、会社設立を企画し、資本金を払い込む人のことです。発起人は、設立後は自動的にその会社の「株主」となります。現在は1名以上いれば株式会社を設立できます。

注意点
  • 発起人と役員の違い:「発起人=出資する人(株主)」であり、「役員(取締役)=会社の経営を行う人」です。 にあるように、中小企業では「発起人」と「役員」を同じ人が兼ねる(=自分でお金を出し、自分で経営する)ケースが一般的です。

役員構成

役員構成とは、設立する会社の業務執行を行う取締役などを決定することです。株式会社には最低1名の取締役が必要です。中小企業では「発起人(株主)」と「役員(取締役)」を同じ人が兼ねるケースが一般的です。

注意点
  • 取締役会の設置・非設置:会社の規模や設計に応じて「取締役会」を設置するかどうかを決めます。取締役会を設置しない会社の場合、必要な役員は取締役1名以上で設立できます。取締役会を設置する場合は、取締役3名以上と監査役1名以上が原則として必要となり、機関設計が複雑になります。

事業年度(決算期)

事業年度とは、会社の会計期間(利益や損失を計算する期間)のことです。例えば「4月1日から翌年3月31日まで」のように、1年以内の期間で自由に設定します。事業年度の終了日(決算日)から2ヶ月以内に、税務署へ法人税の申告と納税を行う必要があります。

注意点
  • 繁忙期を避ける:会社の最も忙しい時期と決算業務・納税が重ならないように設定するのが一般的です。
  • 消費税免税期間を活用する:設立日(登記申請日)から事業年度末までが1期目となります。設立日から決算日までの期間がなるべく長くなるように設定すると、消費税の免税期間を最大限に活用できます。

STEP2. 会社の実印(代表者印)作成

次に、法務局に登記申請するために必要な「会社の実印」を作成します。この印鑑を「印鑑届書」によって法務局に登録することで、会社の「印鑑証明書」が発行できるようになり、重要な契約などで会社の意思を証明するために使用されます。

一般的に、以下の3種類の印鑑(法人印鑑3点セット)を同時に作成することが推奨されます。

  • 会社実印(代表者印):法務局に登録する、会社にとって最も重要な印鑑です。通常、二重の円で、内側に「代表取締役印」、外側に会社名が彫られています。
  • 銀行印:会社名義の銀行口座を開設・管理するために金融機関に届け出る印鑑です。リスク分散のため、実印とは分けて作成するのが一般的です。
  • 角印(社印):会社の認印です。請求書見積書領収書など日常的な業務文書に押印するために使用されます。

STEP3. 定款の作成・認証

次に、会社の「定款」を作成し、公証役場で認証を受けます。定款は「会社の憲法」とも呼ばれる重要な書類で、STEP1で決めた基本事項や会社の運営ルールを詳細に記載します。

定款に記載すべき事項

定款の記載内容には、法律で定められた区分があります。特に以下の「絶対的記載事項」が一つでも欠けると、定款そのものが無効となります。

  • 商号(会社名)
  • 事業目的
  • 本店所在地
  • 設立に際して出資される財産の価額(資本金の額)
  • 発起人の氏名および住所

公証役場での認証手続き

作成した定款は、本店所在地と同じ都道府県内にある公証役場に持ち込み、公証人による「認証」を受けます。この認証により、定款が正当な手続きで作成されたことが法的に証明されます。

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認証方法には以下の2種類があり、費用が異なります。

  • 紙の定款:印刷した定款に発起人全員が実印を押し認証を受けます。この際、収入印紙代として4万円が必要です。
  • 電子定款:PDF化した定款データに電子署名を行い認証を受けます。この場合、紙の定款に必要な収入印紙代4万円が不要になります。

電子定款の作成には専用のICカードリーダーなどが必要ですが、司法書士などの専門家や会社設立代行サービスを利用する場合は、通常電子定款で対応してくれます。

STEP4. 資本金の払い込み

定款の認証後、発起人(出資者)が定めた資本金を払い込みます。この時点ではまだ会社名義の口座は作れないため、発起人の代表者1名の「個人名義の銀行口座」を使用します。

払い込みの注意点

  • 払い込みのタイミング:必ず「定款認証日」以降の日付で行う必要があります。認証日より前の入金は無効です。
  • 払い込み方法:既存の口座残高をそのまま使うのではなく、「振り込み」または「新規入金」の形で、出資額が明確に記帳されるようにしてください。

払込証明書の作成方法

払い込みが完了したら、登記申請の添付書類として「払込証明書」を作成します。これは、以下の書類をセットにしてホチキスで綴じ、会社実印で契印したものです。

  1. 払込証明書(表紙)
    資本金の総額、払込日、株式数などを記載し、代表取締役が押印(会社実印)する書面。
  2. 銀行通帳のコピー
    • 通帳の表紙
    • 通帳の1ページ目(口座名義人や支店名が分かるページ)
    • 資本金が振り込まれたことが記帳されている該当ページ

STEP5. 法務局への登記申請

資本金の払い込みが完了したら、本店所在地を管轄する法務局へ登記申請書類一式を提出します。この登記申請日が、会社の「設立日(創立記念日)」となります。

登記申請に必要な書類

会社の形態によって変動しますが、一般的な「取締役会を設置しない会社」の例を紹介します。

  • 登記申請書:メインの申請用紙。登録免許税(最低15万円)分の収入印紙を貼り付けます。
  • 認証済みの定款:公証役場で認証を受けた定款の謄本(または電子定款のデータ)。
  • 発起人の決定書:本店所在地(地番まで)などを決定したことを証明する書類。
  • 役員(取締役)の就任承諾書役員が就任を承諾したことを示す書類(個人の実印を押印)。
  • 役員全員の印鑑証明書:就任承諾書に押印した実印の証明書(発行3ヶ月以内)。
  • 資本金の払込証明書:STEP4で作成したもの。
  • 印鑑届書:STEP2で作成した会社実印を法務局に登録するための書類。

法務局への申請方法

申請は、本店所在地を管轄する法務局に対して、窓口持参、郵送、またはオンライン(登記・供託オンライン申請システム ※GビズID利用)で行います。申請後、法務局による審査が行われ、不備がなければ通常1週間〜10日程度で登記が完了します。

参考:商業・法人登記申請手続|法務局GビズIDとは|デジタル庁

STEP6. 会社設立後の諸手続き

登記が完了し、会社の登記簿謄本(登記事項証明書)や印鑑証明書が取得できたら、速やかに諸手続きを行います。特に税務署や自治体への届出には期限があるため注意が必要です。ここで、インボイス制度を利用する場合は、適格請求書発行事業者の登録申請も必要です。

  • 税務署:法人設立届出書青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書など
  • 都道府県税事務所・市区町村役場:法人設立届出書
  • 年金事務所:健康保険・厚生年金保険の新規適用届
  • 労働基準監督署・ハローワーク:(従業員を雇用する場合)労働保険の加入手続きなど

参考:No.5100 新設法人の届出書類|国税庁健康保険・厚生年金保険の適用関係届書|日本年金機構

株式会社の設立に必要な費用は?

株式会社の設立には、大きく分けて「法定費用」「資本金」、そして専門家に依頼する場合は「代行報酬」の3種類があります。

法定費用

法定費用は、自分自身で手続きを行った場合でも必ず発生する費用です。電子定款を利用することで、紙の定款に比べて4万円を節約できます。

項目紙の定款の場合電子定款の場合
定款認証手数料50,000円50,000円
定款の謄本代約2,000円約2,000円
収入印紙代(定款貼付用)40,000円0円
登録免許税150,000円150,000円
合計(目安)約242,000円約202,000円

※登録免許税は、資本金の額の0.7%が15万円を超える場合は、その金額となります。

資本金

法律上は1円から設立可能ですが、現実的には初期費用+3ヶ月〜半年程度の運転資金を準備することが望ましいです。前述の通り、1,000万円未満にすることで消費税免税のメリットも受けられます。

専門家への代行報酬

司法書士や税理士、会社設立代行サービスに手続きを依頼する場合、上記法定費用とは別に、数万円〜十数万円程度の代行報酬が発生します。

株式会社を設立するメリット・デメリットは?

起業には個人事業主という選択肢もありますが、あえて株式会社という法人形態を選ぶことには、明確なメリットとデメリットが存在します。

株式会社を設立するメリット

最大のメリットは、「社会的信用度の高さ」と「責任の範囲が限定されること」です。

  • 社会的信用度:他の法人形態(合同会社など)や個人事業主と比較して、株式会社は最も認知度が高く、厳格な手続きを経て設立されているため、金融機関からの融資、取引先との契約、人材採用において有利に働きます。
  • 有限責任:出資者(株主)は、万が一会社が倒産した場合でも、自分が出資した金額の範囲内でしか責任を負いません。個人事業主のように、個人の全財産で弁済する必要はありません(経営者が会社の借入の連帯保証人になっている場合を除く)。
  • 資金調達の多様性:株式を発行することで、広く一般から資金を集める(出資を募る)ことが可能です。

株式会社を設立するデメリット

一方、株式会社には設立と運営にコストと手間がかかるというデメリットがあります。

  • 設立費用が高い:法定費用だけで最低約20万円以上がかかります。合同会社(最低約6万円)と比較して高額です。
  • 運営コストと手間:たとえ赤字であっても、法人住民税の均等割(最低でも年間約7万円)が発生します。また、役員には任期があり、任期満了ごとに役員変更の登記(費用も発生)が必要です。決算申告も複雑なため、税理士への依頼費用がかかることが一般的です。

株式会社の作り方でよくある質問

最後に、株式会社の作り方でよくある質問とその回答をまとめました。

一人でも株式会社は作れますか?

はい、可能です。 「発起人(株主)」と「取締役(役員)」を同一人物が兼ねることで、一人で株式会社を設立・運営できます(一人株式会社)。手続きの流れは通常の株式会社設立と基本的に同じです。

設立手続きは自分でもできますか?

はい、ご自身でも手続きは可能です。 ただし、定款の作成や登記書類の準備には専門的な知識が必要で、手続きも煩雑です。時間や手間を削減し、正確性を重視する場合は、司法書士などの専門家や会社設立代行サービスに依頼することも有効な選択肢です。

会社設立にかかる期間はどれくらいですか?

準備期間を含め、一般的に3週間〜1ヶ月程度かかります。 会社概要の決定や実印作成などの準備に1〜2週間、法務局の登記審査に1週間〜10日程度が目安となります。

株式会社設立の第一歩を踏み出そう

株式会社の作り方は、一見すると複雑で多くのステップがあるように感じられますが、一つひとつの手順を確実に進めていけば、必ず完了できます。

会社概要の決定から始まり、実印の作成、定款認証、資本金の払い込み、そして登記申請まで、やるべきことを明確にリストアップすることが成功の鍵です。本記事で解説した株式会社の設立手順を参考に、ぜひあなたのビジネスプランを実現させてください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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