- 更新日 : 2025年3月3日
個人事業主は傷病手当金を受け取れる?加入しておくべき保険や経費計上について解説
個人事業主が加入する国民健康保険には傷病手当金の制度がなく、ケガや病気で働けなくなった場合、手当金を受け取ることができません。働けない期間の収入が減少するため、リスクに備える必要があります。
本記事では、個人事業主には傷病手当金の制度がないことや代わりになる備え、保険金を受け取った場合の確定申告などについて解説します。
目次
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個人事業主がケガや病気で働けなくなったら、傷病手当金を受け取れる?
会社員はケガや病気で働けなくなったとき、要件を満たせば傷病手当金を受け取れます。個人事業主には、このような制度があるのでしょうか?
ここでは、個人事業主も傷病手当金を受け取れるのかについて、解説します。
国民健康保険には傷病手当金の制度がない
傷病手当金は、原則として会社員など健康保険に加入している人を対象にする制度です。業務外の病気やケガのため、仕事を4日以上連続して休んだときに手当が支給されます。
一方、個人事業主が加入する国民健康保険にはこのような傷病手当金の制度がなく、ケガや病気で働けなくなったときでも、傷病手当金を受け取ることはできません。
医療保険に入っていても収入の減少は補償されない
個人事業主の加入している国民健康保険では、傷病手当金を受け取れません。有給休暇もないため、ケガや病気で働けなくなったときの収入減少には、事業主自身が備えておく必要があります。
医療保険に加入していれば、入院費用や手術費用などの支出について補償を受けることはできますが、収入の減少は補償されません。
収入の減少に備えるためには、「就業不能保険」や「所得補償保険」といった民間の保険に加入しておく必要があります。
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個人事業主が障がい認定されたら、障害年金を受け取れる?
個人事業主がケガや病気になって障がい認定された場合、障害年金が支給されます。しかし、会社員は国民年金と厚生年金の両方に加入できるのに対し、個人事業主は国民年金のみの加入であり、支給されるのは障害基礎年金のみです。
そのため、厚生年金加入者よりも保障が薄くなります。さらに、障害基礎年金は3級がないため、軽度な障害の場合には年金の対象から外れることになるでしょう。
障がい認定されても補償が少ない、もしくは対象にならず年金を受け取れない可能性があることは把握しておかなければなりません。
副業で個人事業主をしている場合は、傷病手当金を受け取れる?
副業で個人事業主をしている場合、本業で健康保険に加入していれば、傷病手当金を受け取れる可能性があります。
傷病手当金を受け取る要件は、次のとおりです。
- 業務外の病気やケガで療養中である
- 労務不能である
- 連続する3日間の待期期間を含め、4日以上仕事を休んでいる
- 休業中に給与の支払いがない
副業として個人事業を行っていても、休職中に収入がなく、条件を満たす限り傷病手当金を受け取れます。しかし、休職中に個人事業から収入がある場合は労務不能という条件に該当せず、傷病手当金を受け取れない可能性があります。
傷病手当金の受給中に副業の個人事業で収入を得ていることが発覚した場合、不正受給とみなされて傷病手当金が打ち切られるだけでなく、それまで受け取った手当の返納が求められます。悪質なケースと判断された場合は、刑事罰を受ける可能性もあるでしょう。
個人事業主は病気やケガのリスクにどう備える?
個人事業主が病気やケガのリスクに備えるためには、国民健康保険だけではなく、民間の保険制度にも加入しておくと安心です。
ここでは、個人事業主にとってリスクの備えになる民間保険を解説します。
医療保険
医療保険は、病気やケガの治療費や入院給付金、手術給付金などを受け取れる保険です。定期型と終身型、貯蓄型と掛け捨て型など、さまざまな種類があります。
公的医療保険に加入している場合、病気やケガの治療には1〜3割の自己負担額で済みますが、公的医療保険の対象外になる医療もあり、その治療や費用は全額自己負担です。入院時食事療養費や差額ベッド代、先進医療などがこれにあたります。医療保険に加入していれば、これらの支出を補うことが可能です。
受け取れる給付金は保険商品の種類や契約内容によって異なりますが、いずれも医療費負担を補うのみで、収入の補償はありません。
就業不能保険
就業不能保険とは、病気やケガで長期間働けなくなり収入が減少するリスクに備える保険です。一般的に、働けなくなった日から60日の待機期間があり、そのあとに給付金を受け取れます。保険期間は60歳まで・70歳までというように「年齢」で決めるか、10年・20年といった「年数」で決められます。
医療保険で病気やケガの治療費の備えはできますが、収入減少の備えはできません。就業不能保険に加入していれば、傷病手当金のように収入の減少を補うことができます。
障がい認定されて障害年金を受け取れるようになった場合でも、金額が少なく生活費を補うには不足することもあるでしょう。就業不能保険は、そのような場合の備えにもなります。
就業不能保険は在宅療養でも保障の対象となりますが、医師の指示を受けず、自分で勝手に判断した在宅療養は就業不能保険の対象外となるため注意してください。
所得補償保険
所得保障保険とは、ケガや病気によって万が一働けなくなった場合の所得を補償する保険です。収入が減少するリスクに備えるという点で就業不能保険と同じですが、保険期間が一般的に1〜5年と短いという点が異なります。
保険を継続するためには更新が必要で、支払要件に該当した場合に保険金を受け取れる期間は、長くても2年程度です。
個人年金保険
個人年金保険とは、老後の生活資金を準備するための私的年金の1つです。公的年金を補完する任意保険で、保険期間や年金額などは、保険商品により異なります。
契約時に決めた一定の年齢から年金が受け取れるため、老後資金を計画的に準備できることがメリットです。
年金の受取方法は、次の3つに分類されます。
- 確定年金:生死にかかわらず契約時に決めた一定期間年金が受け取れる
- 有期年金:生存している限り、契約時に決めた一定期間年金が受け取れる
- 終身年金:生存している限り年金が受け取れる
個人年金保険の保険料は、一般の生命保険とは別に、個人年金保険の枠として税法上の優遇措置である生命保険料控除を受けられる可能性があります。
ただし、途中で解約した場合、解約返戻金が払い込んだ保険料を下回る可能性があるため注意が必要です。
個人事業主自身の保険料は経費として計上できる?
個人事業主が保険料を支払った場合、事業主本人や家族を対象とする保険料は経費として計上できません。保険はあくまで個人を対象としたものであり、事業が対象ではないためです。
ただし、医療保険や生命保険の保険料は生命保険料控除の対象になる可能性があります。控除を受けるためには適用条件に該当するかを確認し、確定申告が必要です。
国民健康保険や国民年金の保険料も経費にできませんが、社会保険料控除の対象になります。全額が控除の対象となり、世帯主の場合は家族の保険料も対象になるため、あわせて確定申告を行いましょう。
個人事業主の経費については、次の記事を参考にしてください。
個人事業主が保険金を受け取った時の確定申告
個人事業主が保険金を受け取ったら、確定申告が必要です。事業に関する保険金を受け取った場合と個人の保険金を受け取った場合とで手続きが異なるため、それぞれの手続きを確認しておきましょう。
事業に関する保険金を受け取った場合の確定申告
個人が不法行為その他突発的な事故により資産に加えられた損害などの補償金として保険金を受け取った場合、原則として非課税です。そのため、確定申告の必要はありません。
ただし、販売するための商品や、商品を製造するための原材料などの損害で受け取った損害保険金は、売上の補填と考えられ、収入に計上することになります。そのため課税の対象になり、確定申告が必要です。
個人の保険金を受け取った場合の確定申告
個人事業主が個人の保険金を受け取った場合、所得税・相続税・贈与税のいずれかの対象になります。
受取人自身が保険料を負担していた場合は所得税の対象になり、被保険者と保険料負担者が同じで受取人が異なる場合は相続税の対象です。被保険者・保険料負担者・受取人がいずれも異なる場合は、贈与税の対象になります。
所得税の対象になる場合は一時所得となり、次の計算式で求めます。
確定申告の方法については、以下の記事を参考にしてください。
個人事業主には傷病手当金に代わる備えをしておこう
個人事業主の加入する国民健康保険に傷病手当金の制度はなく、ケガや病気で収入が減少したときの備えが必要です。
医療保険で賄えるのは治療や入院にかかった費用であり、働けないために減少する収入の補填はできません。働けない期間に必要になる生活費の備えには、就業不能保険や所得保障保険といった保険が必要になるでしょう。また、老後資金の備えには、個人年金保険に加入しておくと安心です。
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ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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