• 更新日 : 2026年1月22日

災害による損害が発生した時の確定申告

被災して、住宅や家財の一部またはすべてに損害があると、生活や事業の継続が困難となり、結果として担税力が低下することがあります。そこで設けられているのが、災害による損害を受けた場合に税負担を軽減するための各種措置です。

ここでは主に、所得税における「雑損控除」や「災害減免法による軽減・免除」といった制度の利用方法について解説していきます。

広告
税務署から連絡がきたら。あなたの帳簿はそのまま出せますか?

個人の方も税務調査の対象となり得ます。国税局のOB税理士が多数所属・税務調査に強い「税理士法人松本」が監修した有料級のマニュアルをご用意しました。

簡単・無料登録だけでもらえますので、保存版の1冊としてご活用ください。

税務署から連絡がきたら。あなたの帳簿はそのまま差し出せますか?
無料登録でもらう
広告
個人事業主の事務作業を自動化・効率化

マネーフォワード クラウド確定申告」なら日々の取引入力→申告書の作成→申告作業が、オンラインで完結します。

取引明細の自動取得と仕訳の自動作成に対応しており、手入力を減らしてカンタンに記帳・書類を作成。来年の確定申告は余裕を持って対応できます。

PC(Windows/Mac)だけでなく、スマホアプリからも確定申告が可能です。

マネーフォワード クラウド確定申告
詳細を見る 無料で使ってみる

災害による損害を考慮した2つの選択肢

災害で損害を受けたとき、確定申告によって所得税の減免を図る方法には、「雑損控除」と「災害減免法による所得税の軽減免除」の2つの選択肢があります。

雑損控除

雑損控除は、災害などによって生活用資産(住宅や家財など)に損害を受けたとき利用できる制度です。所得控除の一種で、定められた計算によって算出された額を所得から差し引くことができます。収入から直接差し引くのではなく、所得から控除する点がポイントです。

雑損控除の適用を受けたい場合、確定申告書の所得から差し引かれる金額のうち、「雑損控除」の欄に控除額を記入するとともに、「雑損失の金額の計算書」を添付して確定申告を行います。

そのほか、損害額の計算や被災事実を確認できる書類については、原則として保存し、税務署から求められた場合に提示できるようにしておく必要があります。

【必要な書類】
  • 雑損失の金額の計算書
  • 被災した住宅、家財等の損失額の計算書(個別算定が困難な場合)
  • 被害を受けた資産の取得価格や取得年月日が分かる書類
  • 災害関連支出の領収書
  • り災(被災)証明書写し
  • 保険金等の補填額が分かる書類(保険金が支給された場合のみ)

確定申告書に添付する「雑損失の金額の計算書」と「被災した住宅、家財等の損失額の計算書」はこちら

国税庁|災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)

災害減免法による所得税の軽減免除

災害減免法は、災害によって主として生活の用に供している住宅や家財に損害を受けたとき、損害の程度やその年の所得金額が一定の要件を満たす場合に利用できる制度です。住宅の損害割合と申告者の年間所得金額に応じて、その年分の所得税が全額免除または一部減額されるのがポイントです。

災害減免法による所得税の軽減免除を受ける場合、確定申告書の「災害減免額」に減額分を記入し、損害の事実や程度を確認できる書類を添付、または保存したうえで確定申告を行います。

【必要な書類】
  • 住宅や家財の損害状況が分かる書類
  • 被害を受けた資産の取得価格や取得年月日が分かる書類
  • 災害関連支出の領収書
  • り災(被災)証明書写し
  • 保険金等の補填額が分かる書類(保険金が支給された場合のみ)

国税庁|災害減免法による所得税の軽減免除

広告

この記事をお読みの方におすすめのガイド4選

続いてこちらのセクションでは、この記事をお読みの方によく活用いただいている人気のガイドや無料セミナーを簡単に紹介します。無料登録だけでもらえますので、ぜひお気軽にご活用ください。

※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。

青色申告1から簡単ガイド

青色申告1から簡単ガイド

40ページ以上のガイドが無料でお得!図解でカンタン

「青色申告1から簡単ガイド」では、青色申告の基礎知識や、青色申告のやり方・書類の準備・記載方法、確定申告書の提出方法まで、分かりやすく解説しています。

無料でダウンロード

白色申告1から簡単ガイド

白色申告1から簡単ガイド

これから初めて白色申告をする方や確定申告に不安がある方は、おすすめの1冊!

「白色申告1から簡単ガイド」では、白色申告の基礎知識や、白色申告のやり方・書類の準備・記載方法、確定申告書の提出方法まで、分かりやすく解説しています。

無料でダウンロード

はじめての確定申告 不安解消セミナー

はじめての確定申告 不安解消セミナー

税理士法人 Five Starパートナーズ 代表「税理士Youtuberヒロ☆税理士」田淵 宏明 氏による、人気のセミナーを特別公開!

1時間以上の充実の内容を無料で公開しております。はじめて確定申告を行う方はもちろん、ご経験者の方にも参考になる内容です。

無料でダウンロード

確定申告控除ハンドブック

確定申告で、正しく「控除」を活用できていますか?

「確定申告控除ハンドブック」では、確定申告の所得控除・税額控除を一覧表や必要書類の見本付きで分かりやすく解説しています

無料でダウンロード

「雑損控除」と「災害減免法による所得税の軽減免除」はどっちを使うべき?

災害を受けて所得税の負担を軽減したい場合、同一の災害による損失について、雑損控除と災害減免法による軽減免除を併用することはできず、いずれか一方を選択して適用することになります。どちらを選ぶべきかについては、住宅等の被害状況や申告者の所得金額、税額の大きさなどによって異なります。

適用できる要件の違い

雑損控除の対象になる損害は、震災や落雷などの自然災害のほか、火災、害虫による被害、盗難、横領です(詐欺や恐喝による被害は対象外)。一方、災害減免法による軽減免除は災害に限られます。

適用が受けられる資産の範囲も異なり、雑損控除は住宅や家財など、生活に通常必要とされる資産が対象となるのに対し、災害減免法による軽減免除は対象が限定されています。災害減免法による軽減免除は、保険金等によって補填される金額を控除した後の住宅の損害額が、その住宅の時価の2分の1以上となる場合に限り適用されます。

雑損控除の方が適用範囲は広く、一部損壊など軽度な被害にも対応できるのが特徴です。住宅の損害割合が2分の1に満たない場合や、軽度な被害にとどまる場合には、雑損控除を選択することになります。

所得制限の違い

雑損控除は、適用要件として納税者の所得金額に上限が設けられていませんが、災害減免法の軽減免除は、災害を受けた年の所得金額の合計が1,000万円以下の者に限って適用されます。

そのため、災害を受けた年の所得金額が1,000万円を超える場合には、災害減免法による軽減免除は適用できず、所得税の負担軽減策としては雑損控除を利用することになります。

計算方法と控除方法の違い

雑損控除および災害減免法による所得税の軽減免除では、いずれも差引損失額という考え方を用いますが、その位置づけは制度ごとに異なります。雑損控除では差引損失額を基に控除額を計算し、災害減免法では差引損失額を基に住宅の損害割合を判定します。

ここでの損失額とは、以下の計算によって求められる額です。差引損失額を元に、雑損控除では控除額を計算し、災害減免法では住宅の損害割合の判定を行ったうえで、所得税額の軽減割合を適用します。

差引損失額 = 損害金額 + 災害等関連のやむを得ない支出(※) – 保険金などの補填額

※災害等関連のやむを得ない支出とは、原状回復のための修繕費、土砂や滅失した住宅の除去費用などのこと。

【雑損控除の計算】
  1. 差引損失額 – 所得金額の10分の1
  2. 差引損失額のうち災害関連支出の額 – 5万円
  3. ※1と2のいずれか多い方の額を適用

【災害減免法の軽減免除計算】(※軽減・免除の対象は所得税のみ)

所得金額の合計 所得税と復興特別所得税の軽減額

500万円以下: 全額
500万円超 750万円以下: 2分の1
750万円超 1,000万円以下: 4分の1

【雑損控除と災害減免法適用の税額控除比較】

(例)年間所得金額合計500万円の者が災害を受けた場合。

差引損失額100万円で、全額が雑損控除、災害減免法の軽減免除対象の資産とする。災害関連支出は50万円。雑損控除以外の所得控除は、基礎控除以外なかったものとする。

・雑損控除

100万円 – (500万円 × 10%) = 50万円

【災害関連支出が50万円あるため】

50万円 – 5万円 = 45万円

雑損控除の額は50万円

500万円(所得金額) – 48万円(基礎控除) – 50万円(雑損控除) =402万円(課税所得金額)

402万円は「330万円超695万円以下」に該当するため、
402万円 × 20%(所得税率) – 427,500円(控除額) = 376,500円(所得税額)

・災害減免法の軽減免除

500万円(所得) – 48万円(基礎控除) = 452万円
452万円 × 20%(所得税率) – 427,500円(控除額) = 476,500円(所得税額)

所得額合計500万円以下なので、所得税は全額免除で0円。

※所得額合計500万円超750万円以下なら所得税額238,250円、750万円超1,000万円以下なら所得税額119,125円

※上記の計算は、2つの方法を説明するための簡易的なものです。実際の計算は損害を受けた資産ごとに個別に細かく行うほか、最終的な所得税額は100円未満を切り捨てた額になります。なお、災害減免法による軽減・免除の対象は所得税のみであり、復興特別所得税は別途課税されます。

また、基礎控除や所得税率の計算は、令和2年分以後の法令(基礎控除48万円)をもとにしています。

翌年以降への繰り越しの有無

雑損控除の場合、災害を受けてその年に控除しきれなかった雑損失の金額については、翌年以後3年間にわたり繰り越して控除することができます(東日本大震災などの特定非常災害の場合5年間)。

一方、災害減免法の軽減免除は、被害のあった年分の所得税についてのみ適用される制度であり、翌年以後に繰り越して適用することはできません。

そのため、保険金等でも補填しきれないほど損害額や災害等関連支出が大きく、当年の所得から控除しきれない場合には、雑損控除の方が有利となるケースが多いといえます。

広告
個人事業主の"経費"、うまく活用できていますか?

節税を最大限に活用したいなら、まずは「経費にできるもの」の境界線を正しく知ることが不可欠です。

本ガイドでは、PC購入代からカフェでの打ち合わせ費用まで、フリーランスが直面する経費判断の基準を網羅しました。デスクに置いておけば、いつでも辞書代わりに使える保存版の1冊です。

個人事業主が知っておくべき経費大辞典
内容はこちら 無料登録でもらう

災害等の理由があれば申告や納付猶予が受けられる

災害によって損害を受けた場合、所得税の控除や減額以外にも、所得税の納税猶予が受けられることがあります。

猶予の対象者

災害によって財産(現金や住宅などプラスの財産)に相当の損失を受けた人のうち、国税通則法に基づき、所轄の税務署長に納税の猶予を申請し、承認を受けた人が対象です。

ここでいう相当な損失とは、災害によって生じた損失額が、納税者の有するプラスの財産の価格のうち20%以上に相当する場合を指します。

猶予が受けられる期間

猶予期間は原則1年です。予定納税がある場合には、第1期・第2期の各予定納税額について、納期限ごとに猶予または減額の対象となります。

特例が適用できるケースもある

このほかにも、住宅ローンの控除を利用していた場合は「住宅借入金等特別控除の適用期間の特例」(災害後に住めなくなった場合でも、一定の要件を満たせば控除を継続できる)と「住宅借入金等特別控除の重複適用の特例」(一定の要件のもと、従前家屋分と新住居分の控除を併せて適用できる)を受けられる可能性があります。

このほか、財形住宅(年金)貯蓄、ジュニアNISAにおける災害時の払い出し等に関する特例(課税関係を含む取扱い)などもあるので、利用されている方は確認されることをおすすめします。

国税庁|「災害等にあったとき」

災害による損失の程度次第では所得税以外の減免も受けられる

ここまで所得税の災害にかかわる減免を挙げてきましたが、所得税以外の税金や社会保険料についても、災害による減免措置が設けられている場合があります。

代表的なものをいくつか見ていきましょう。

個人住民税

個人住民税も所得税と同じように、雑損控除のほか、条例による減免措置が設けられています。所得税と異なるのは、所得税が雑損控除と軽減免除の選択式であったのに対し、個人住民税では、雑損控除が適用されるほか、自治体の条例に基づく減免措置が設けられており、要件を満たす場合にはこれらを併せて受けられるケースもあります。

減免の対象者や運用は、各自治体によって異なります。

国民健康保険税

国民健康保険税についても、損失の程度によって減免が可能です。自治体によって細かな基準は異なりますが、国が示す標準的な考え方では、住宅や家財価格の10分の3以上の損害が一つの目安とされており、これをベースに各自治体で減額または免除が行われています。

国民年金

震災などの災害で、住宅や家財等の財産についておおむね2分の1以上損害を受けたときは、申請によって国民年金保険料の免除が可能です。

災害による損害が発生した時は確定申告を検討しよう

住宅や家財など被災した場合、確定申告によって所得税の負担を軽減することが可能です。

ただし、所得税では雑損控除と災害減免法の軽減免除のいずれかを選択して適用することになります(同一の災害損失について併用はできません)ので、これまで解説したように被害状況や適用条件をよく確認した上で適用されることをおすすめします。

広告

はじめての確定申告もラクラク安心に済ませる方法

確定申告がはじめての方や、簿記の知識に不安がある方、確定申告書類の作成を効率よく行いたい方は、確定申告ソフトの使用がおすすめです。

個人事業主向け会計ソフトの「マネーフォワード クラウド確定申告」は、確定申告の必要書類が自動作成でき、Windows・Macはもちろん、専用アプリも提供しています。

①取引明細は自動で取得

マネーフォワード クラウド確定申告|取引明細は自動で取得

銀行口座やカードを登録すると、取引明細を自動取得します。現金での支払いに関しても、家計簿のようなイメージで、日付や金額などを自分で入力することが可能です。

無料で試してみる

②仕訳の勘定科目を自動提案

マネーフォワード クラウド確定申告|仕訳の勘定科目を自動提案

自動取得した取引明細データや、受領後にアップロードした請求書・領収書などの情報をAIが判別し、仕訳を自動で入力します。学習すればするほど精度が上がり、日々の伝票入力が効率化されます。

機能の詳細を見る

③確定申告必要書類の自動作成機能

確定申告必要書類の自動作成機能

白色申告・青色申告の両方に対応しており、確定申告に必要な書類が自動で作成できます。また、マネーフォワード クラウド確定申告アプリで、スマホから直接の提出も可能です。印刷しての提出やe-Taxソフトでの提出にも対応しています。

追加料金なしで確定申告以外のサービスが使える

有料プラン(パーソナルミニ・パーソナル・パーソナルプラス)に登録すると、基本料金だけで請求書や契約のサービスを含む複数サービスを利用することができます。日々の業務や作業をまとめて効率化しましょう。

同一プランで複数サービスが使える

詳細はこちら

合わせて読みたいおすすめ資料

マネーフォワード クラウド確定申告では、さまざまなお役立ち資料を用意しています。 無料登録するだけで資料がダウンロード可能なので、ぜひ読んでみてください。

会社員の確定申告 丸わかりガイド

会社員の確定申告 丸わかりガイド

無料でダウンロードする

青色申告1から簡単ガイド

青色申告1から簡単ガイド

無料でダウンロードする

個人事業主が知っておくべき経費大辞典

個人事業主が知っておくべき経費大辞典

無料でダウンロードする

広告
ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様

マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例

データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。

ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様

右矢印アイコン もっと読む

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事

広告