- 更新日 : 2026年3月11日
【2026年版】会社設立時の必要書類は?株式会社・合同会社の違いや提出方法まで解説
会社設立には、登記申請書・定款・払込証明書をはじめとする、法務局の指定様式に基づいた書類一式が必要です。
- 会社形態(株式・合同)により就任承諾書等が異なる
- 申請書と印紙台紙は左綴じ・契印(割印)が必須
- 登記情報の正確な反映にはCD-Rでのデータ提出が一般的
書類作成時の注意点は、登録免許税用の収入印紙に、自分で割印(消印)をしないことです。割印は法務局職員が行うため、誤って押すと無効になる恐れがあります。
会社設立(法人登記)を完了させるためには、法務局が定める厳格なルールに従って作成された必要書類を一式揃える必要があります。書類に不備が一箇所でもあると登記は完了しないため、事前の正確な準備が不可欠です。
本記事では、株式会社設立において必ず必要になる基本書類から、特定の状況下で追加となる書類、さらに会社設立後の税務署等への届出書類まで詳しく解説します。全体の流れを把握し、スムーズな起業を実現しましょう。
目次
会社設立時の必要書類は?
会社を法的に成立させるためには、管轄の法務局へ登記申請を行う必要があります。まずは、設立する会社形態によって必要な書類がどう異なるかを確認しましょう。合同会社は株式会社に比べて、認証手続きや書類の一部が省略可能です。
| 書類名 | 株式会社 | 合同会社 | 役割・内容 |
|---|---|---|---|
| 1. 登記申請書 | ○ | ○ | 会社の基本情報を記載した表紙 |
| 2. 登録免許税納付用台紙 | ○ | ○ | 収入印紙を貼り付ける台紙 |
| 3. 定款 | ○ | ○ | 会社の基本規則 |
| 4. 発起人の決定書 | ○ | ○ | 本店所在地の詳細などを発起人が決めた場合の書類 |
| 5. 設立時取締役の就任承諾書 | ○ | × | 取締役に就任することを承諾する書類 |
| 6. 設立時代表取締役の就任承諾書 | △ | ○ | 代表になることを承諾する書類 ※合同会社は「代表社員の就任承諾書」 |
| 7. 設立時取締役の印鑑証明書 | ○ | ○ | 発行後3ヶ月以内のもの ※合同会社は「代表社員の印鑑登録証明書」 |
| 8. 資本金の払込みを証する書面 | ○ | ○ | 資本金の入金を証明する通帳コピー等 |
| 9. 印鑑届書 | ○ | ○ | 会社実印(代表者印)の登録用紙 |
| 10. 登記すべき事項を保存したCD-R | ○ | ○ | 登記すべき事項をデータ化したもの |
△:取締役会を設置しない株式会社で、定款で代表取締役を定めている場合は不要になることがあります。
1. 登記申請書
法務局へ提出する申請書類一式の表紙となる書類です。商号(会社名)、本店所在地、登記の事由、資本金の額、登録免許税額などを記載し、登録する「会社の代表印(実印)」を押印します。
記載内容は定款と一言一句完全に一致している必要があります。また、不備があった際に法務局から連絡が来るため、日中に連絡が取れる電話番号の記載が必須です。
参考:商業・法人登記の申請書様式|法務局、株式会社設立登記申請書
2. 登録免許税納付用台紙
会社設立にかかる税金(登録免許税)を納めるための台紙です。
A4の白紙などを使用し、必要な金額分の収入印紙を貼り付けます。金額は会社形態によって最低額が異なります。
- 株式会社:資本金額 × 0.7%(これより算出された額が15万円未満の場合は一律15万円)
- 合同会社:資本金額 × 0.7%(これより算出された額が6万円未満の場合は一律6万円)
収入印紙には絶対に自分で割印(消印)をしないでください。割印は法務局の職員が行います。誤って割印すると無効になる恐れがあります。
3. 定款
会社の基本ルール(商号・目的・本店・資本金など)を定めた書類です。
定款には必ず記載しなければならない「絶対的記載事項」があり、これらが抜けていると定款自体が無効になります。
- 事業の目的
- 商号(会社名)
- 本店所在地
- 資本金の額(または出資される財産の価額)
- 発起人の氏名・住所
株式会社の場合、作成後に公証役場で「認証」を受ける必要があります(合同会社は不要)。紙で作成すると4万円の収入印紙が必要ですが、電子定款(PDF)なら不要です。
4. 発起人の決定書(または同意書)
定款で詳しく定めなかった事項を、発起人(出資者)が具体的に決定した書類です。
定款では本店所在地を「東京都渋谷区」のように最小行政区画までしか記載しないのが一般的です。その場合、この書類で「東京都渋谷区〇〇一丁目1番1号」といった詳細な番地を確定させます。定款ですべて詳細に決めている場合は不要です。
5. 設立時取締役の就任承諾書
「取締役になることを承諾します」という本人の意思表示を証明する書類です。
本人が署名し、個人の実印を押印することで、勝手に役員に登記されることを防ぎます。取締役全員分が必要です。
6. 設立時代表取締役の就任承諾書
取締役の中から選ばれた代表取締役(社長)が、就任を承諾する書類です。
取締役会を設置しない一般的な会社において、定款で直接代表者を定めていない場合は、この承諾書が別途必要になります。
7. 設立時取締役の印鑑証明書
役員が架空の人物ではなく実在することを証明するための書類です。市区町村役場で発行された、発行後3ヶ月以内のものを用意します。取締役会を設置しない一般的な会社では、取締役全員分が必要です。
8. 資本金の払込みを証する書面
資本金が発起人の口座に確実に入金された事実を証明する書類です。
発起人の通帳に資本金を振り込み、以下の3箇所をコピーして表紙(「払込証明書」と記載・押印したもの)と製本します。
- 通帳の表紙
- 表紙裏(口座名義人・番号等がわかるページ)
- 振込内容が記帳されているページ
※ネット銀行の場合は、該当するWeb画面のプリントアウトで代用します。
9. 印鑑届書
会社の「実印(代表者印)」を法務局に登録し、効力を発生させるための書類です。
設立登記の申請と同時に提出します。この届出により、会社の実印が公的に使えるようになります。書類には「登録する会社の実印」と「代表者個人の実印」の両方を捺印する箇所があります。
10. 登記すべき事項を保存したCD-R(または書面)
電子化された登記簿に、会社情報を正確に反映させるためのデータです。
商号、目的、資本金、役員などの情報をテキストデータで保存して提出します。以前は紙のOCR用紙を使用していましたが、現在はCD-Rでの提出や、オンライン申請によるデータ送信が一般的で、処理もスムーズです。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
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状況に応じて追加で必要になる書類は?
上記の基本書類に加え、資本金の内容や定款認証の要件によって以下の書類が必要になります。
実質的支配者となるべき者の申告書
暴力団員等が会社の支配に関与することを防ぐための申告書です。
公証役場での定款認証時に提出が義務付けられています。法人の「実質的支配者(株式の50%超を保有する個人など)」が誰であるかを申告し、その人物の身分証コピーなどを添付します。
設立時代表取締役選定決議書
取締役の互選(話し合い)で代表取締役を決めたことを証明する議事録です。
定款で「代表取締役は取締役の互選によって定める」としている場合、取締役全員が集まって代表者を決めた事実を証明するために作成します。
設立時取締役・監査役の調査報告書
現物出資がある場合に、その価値が適正か調査した報告書です。
現金ではなく、パソコン、自動車、不動産などで資本金を出資する場合(現物出資)に必要となります。金銭のみの出資であれば不要です。
会社設立に必要な書類の正しい綴じ方・製本方法は?
書類はバラバラに提出するのではなく、決められた順序で重ね、左側をホッチキス留めします。「印鑑届書」だけは別扱いです。
登記申請書 + 収入印紙台紙
登記申請書と収入印紙台紙はひとまとめにして、左側をホッチキスで2箇所留めます。見開きになったページのつなぎ目に、会社の実印(代表印)で「契印(割印)」を押します。これにより、書類が一体であることを証明します。
添付書類(定款、就任承諾書など)
添付書類は申請書の後ろにまとめてクリップで留めるか、量が多い場合は別途ホッチキスで綴じて、同様に契印を押します。
印鑑届書は綴じてはいけない
印鑑届書は他の書類と一緒に綴じてはいけません。スキャナーで読み取る機械処理が行われるため、クリップで留めるだけに留め、一番上に重ねて提出します。
会社設立手続きにおける書類作成のタイミングは?
書類の準備から会社成立までの一連の流れは以下の通りです。どのタイミングでどの書類が必要になるか確認しましょう。
1. 会社概要の決定
商号(社名)、事業目的、本店所在地、資本金の額、役員構成などを決定します。
- 類似商号調査:同じ住所に同じ社名がないか確認します。
- 印鑑作成:商号が決まったら、早めに会社の実印(代表印)を作成します。
2. 定款の作成・認証
会社の憲法である「定款」を作成し、公証役場で認証を受けます。株式会社設立では必須のステップです(合同会社は不要)。
- 定款案
- 実質的支配者となるべき者の申告書
- 発起人の印鑑証明書など
3. 資本金の払込み
定款認証後(または定款作成日以降)、発起人の個人口座へ資本金を振り込みます。通帳の記帳内容をコピーし、「払込みがあったことを証する書面」を作成します。
4. 登記書類の作成
「登記申請書」「就任承諾書」「印鑑届書」などの必要書類一式を製本・押印し、管轄の法務局へ書類を提出します。法務局が申請を受け付けた日が、会社の創立記念日(設立日)となります。土日祝日を設立日に指定したい場合は、直前の閉庁日にその旨とともに登記申請書を提出する必要があります。不備がなければ1週間〜10日程度で登記が完了します。
会社設立に必要な書類の提出方法は?
法務局への提出方法は、ご自身の状況に合わせて以下の3つから選べます。
1. 窓口へ持参する方法
管轄の法務局の「商業・法人登記」部門の窓口へ直接提出します。その場で細かく不備チェックをしてもらえるわけではありませんが、受領日が確実になるメリットがあります。
参考:管轄のご案内|法務局
2. 郵送で提出する方法
法務局へ行かずに手続きができるため、忙しい方に人気の方法です。ただし、管轄外の法務局に送らないよう注意してください。
- 送付方法:必ず「簡易書留」や「レターパックプラス(赤色)」など、対面受取・追跡可能な方法を使います。
- 封筒の記載:封筒の表面に赤字で「設立登記申請書在中」と明記します。
- 連絡先の記載:申請書の上部余白などに、日中に連絡がつく電話番号を鉛筆書きしておきます(不備があった際の連絡用)。
- 返信用封筒:登記完了証などを受け取るため、宛名を書き切手を貼った返信用封筒を同封します。
3. オンライン申請
「登記・供託オンライン申請システム」を使用します。専用ソフトの導入や電子署名が必要ですが、手続きがすべてネット上で完結します。
会社設立完了後に必要な届出書類は?
法務局での登記完了で終わりではありません。会社設立後は速やかに税務署や年金事務所へ届出を行う義務があります。
税務署への届出(税金関係)
会社が税金を納める準備として提出します。
都道府県税事務所・市町村役場への届出(地方税関係)
地方税(法人住民税や法人事業税)を納めるために提出します。
- 法人設立・設置届出書:本店がある「都道府県」および「市区町村」の両方に提出します。東京23区内の場合は都税事務所への提出のみで済む場合があります。
年金事務所への届出(社会保険関係)
会社は社長1人であっても社会保険(健康保険・厚生年金)への加入が義務付けられています。
- 健康保険・厚生年金保険 新規適用届:設立から5日以内に提出します。
- 被保険者資格取得届:社長や従業員が加入するために提出します。
- 被扶養者(異動)届:扶養家族がいる場合に提出します。
労働基準監督署・ハローワークへの届出(労働保険関係)
従業員を1人でも雇用する場合に必要です。
- 労働保険 保険関係成立届・概算保険料申告書:労災保険の手続き(労基署へ提出)
- 雇用保険適用事業所設置届・資格取得届:雇用保険の手続き(ハローワークへ提出)
会社設立時の必要書類を事前に正しく把握しよう
会社設立には、基本となる「登記申請書」「定款」「払込証明書」などに加え、資本金の額や役員の構成、株式会社か合同会社かといった形態の違いによって、必要な書類が微妙に変化します。
また、書類には押印する印鑑の種類(個人の実印か、会社の代表印か)など、細かいルールが多数存在します。不備による補正(修正)の手間を避けるためにも、本記事のリストを活用しつつ、不安な場合は司法書士等の専門家に相談して確実な準備を進めることをおすすめします。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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