- 更新日 : 2024年2月20日
譲渡損失とは?不動産売却時の繰越控除や特例の適用方法について解説!
譲渡損失とは、株式や投資信託、不動産などの資産を売却したときに生じる損失のことです。売却して得た金額よりも購入の際に支払った金額が多いと譲渡損失が生じます。なお売却して得た金額とは、売却価格から手数料などを差し引いた金額です。
譲渡損失が生じたときは、確定申告をすることで損益通算や繰越控除などを利用できるようになります。いずれも課税所得額を減らすことができ、所得税や住民税などの税金の節約につながります。
マイホームを買い換えたときや住宅ローンが残っているマイホームを売却したときも、譲渡損失が生じたときは損益通算や繰越控除の特例を利用可能です。損益通算や繰越控除についてわかりやすく解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
譲渡損失とは?
「譲渡損失」とは、資産を売却したときに生じる損失のことです。反対に利益が生じるときは「譲渡益」と呼び、譲渡損失と合わせて「譲渡損益」と呼ぶこともあります。譲渡損失は、キャピタルロスとも呼ばれます。
なお、譲渡益は課税対象となるため、必要に応じて確定申告を行い、所得税や住民税を納付しなくてはいけません。一方で譲渡損失は課税対象とはならないので、確定申告や納税は不要です。しかし、譲渡損失を確定申告することで他の譲渡益と通算して課税額を減らしたり、翌年以降の譲渡益から控除したりできることがあります。
不動産売却で利益が生じると譲渡所得税と住民税がかかる
不動産売却で利益が生じると、譲渡益に対して所得税と住民税が課せられます。不動産売却による税金は、不動産を所有していた期間によって税率が変わる点に注意しましょう。
長期(売却した年の1月1日時点で所有期間5年超)のときは、所得税は15%、住民税は5%の税率で計算します。一方で短期(売却した年の1月1日時点で所有期間5年以下)のときは、所得税は30%、住民税は9%の税率です。いずれも所得税に対して、2.1%の割合で復興特別所得税が発生するので、合わせて納付します。
不動産売却で譲渡損失が生じると税金の軽減措置が受けられる
その年の1月1日時点で5年を超えて所有するマイホームを売って譲渡損失が生じたときは、税金の軽減措置が受けられることがあります。
住宅ローンを組んでマイホームを買い換える場合は、売ったマイホームの譲渡損失の金額について損益通算及び繰越控除ができるので、節税を実現することが可能です。買い換えないときも、住宅ローンの残高が残っているマイホームを売却して損失が生じた場合は、譲渡損失の金額について損益通算及び繰越控除ができます。
いずれも確定申告をすることで税金の軽減措置が適用されるので、適切に手続きをするようにしましょう。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
続いてこちらのセクションでは、この記事をお読みの方によく活用いただいている人気のガイドや無料セミナーを簡単に紹介します。無料登録だけでもらえますので、ぜひお気軽にご活用ください。
※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
青色申告1から簡単ガイド
40ページ以上のガイドが無料でお得!図解でカンタン
「青色申告1から簡単ガイド」では、青色申告の基礎知識や、青色申告のやり方・書類の準備・記載方法、確定申告書の提出方法まで、分かりやすく解説しています。
白色申告1から簡単ガイド
これから初めて白色申告をする方や確定申告に不安がある方は、おすすめの1冊!
「白色申告1から簡単ガイド」では、白色申告の基礎知識や、白色申告のやり方・書類の準備・記載方法、確定申告書の提出方法まで、分かりやすく解説しています。
はじめての確定申告 不安解消セミナー
税理士法人 Five Starパートナーズ 代表「税理士Youtuberヒロ☆税理士」田淵 宏明 氏による、人気のセミナーを特別公開!
1時間以上の充実の内容を無料で公開しております。はじめて確定申告を行う方はもちろん、ご経験者の方にも参考になる内容です。
確定申告控除ハンドブック
確定申告で、正しく「控除」を活用できていますか?
「確定申告控除ハンドブック」では、確定申告の所得控除・税額控除を一覧表や必要書類の見本付きで分かりやすく解説しています
譲渡損失の繰越控除とは?

繰越控除とは、損益通算で控除しきれない損失を翌年以降の所得から差し引くことです。譲渡益は所得税と復興特別所得税、住民税の対象なので、損失が発生した翌年以降に繰越控除を実施することでこれらの節税につながります。
不動産売却で生じた損失において繰越控除を利用できる特例としては、次の2つが挙げられます。
- マイホーム買い換え時の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
- マイホーム売却時の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
それぞれの特例について、詳しく見ていきましょう。
マイホーム買い換え時の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
マイホームを買い換える場合は、売ったマイホームの譲渡損失の金額について損益通算及び繰越控除の特例が適用できることがあります。特例が適用されると、譲渡損失を給与所得や事業所得などの他の所得と損益通算でき、課税所得額を減らして所得税や住民税の減額が可能です。
また、損益通算することで課税所得額がなくなった場合は、残りの譲渡損失を翌年以降に繰り越すことができます。繰越控除は最大3年間適用されます。
なお、マイホームの売却と買い換えは同時に実施する必要はありません。売却の前年から翌年までの3年間であれば、いつ買い換えても特例適用が可能です。
また、今住んでいるマイホームだけでなく、以前に住んでいたマイホームについても、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡することで、特例の適用が可能になります。ただし、旧居宅の売主と買主が親子や夫婦など特別の関係にある場合は、この特例は利用できません。
マイホーム売却時の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
住宅ローンの残高が残っているマイホームを売却し、損失が生じたときは、特例が適用されて譲渡損失の金額について損益通算及び繰越控除できることがあります。この控除もマイホーム買い換え時の特例と同じく、旧居宅の売主と買主が、親子や夫婦など特別の関係にある場合は利用できないので注意しましょう。
特例が適用されると、マイホームの売却によって生じた譲渡損失を給与所得や事業所得などの他の所得と損益通算することが可能です。
また、損益通算しても譲渡損失が残ったときは、翌年以降に繰り越して課税対象額を減らすことができます。
なお、繰越控除は最大3年間です。3年後に譲渡損失が残ったときは、翌年以降に繰り越すことはできません。
譲渡損失の繰越控除の特例を受けるには確定申告が必要!
譲渡損失があり、繰越控除と損益通算の特例を受けるためには、確定申告が必要です。確定申告をしなかったときは、特例適用の条件を満たす場合でも特例は適用されません。確定申告は、譲渡損失が発生した翌年に実施します。忘れずに手続きをし、損益通算や繰越控除が適用されるようにしましょう。
確定申告手続きの流れ
マイホームの売却や買い換えの際の損益通算・繰越控除の特例を利用するときは、売却した翌年に確定申告を行うことが必要です。
以下の流れで手続きを行いましょう。
確定申告の手続きは、税務署の窓口以外にも、郵送やオンライン(e-Tax)で実施することが可能です。また確定申告が受理されて、過払いの税金があることがわかった場合には、1か月〜1か月半後に還付金が指定した口座に入金されます。e-Taxを利用した場合には、2週間〜3週間で還付金を受け取ることができます。
確定申告の必要書類
マイホームの売却や買い換えの際の譲渡損失の特例を受けるためには、確定申告の際に以下の書類が必要です。
- 住民票
- 登記事項証明書(写し)
- 売買契約書(写し)
- マイホームの買い換え特例の場合は買い換えた資産を証明する書類
- 住民ローンが残っているマイホームの売却特例の場合は譲渡資産の住宅
- ローンの残高証明書(売買契約日の前日のもの)
確定申告の提出方法・期限
確定申告の期限内に書類を作成して、e-Taxか郵送、窓口(税務署)で提出します。
なお、確定申告の時期は例年2月中旬〜3月中旬頃までですが、土日と重なるなどの理由で開始日や最終日が変わることもあるので注意が必要です。提出する前に国税庁ホームページで時期を確認しておきましょう。
参考:申告と納税|国税庁
譲渡損失の繰越控除は住宅ローン控除と併用できる?
マイホームの買い換え特例や住宅ローンが残っているマイホームの売却特例は、住宅ローン控除と併用することが可能です。譲渡損失の損益通算や繰越控除をしつつ、住宅ローン控除によって所得税や住民税の還付を受けられることがあります。
ただし、譲渡損失の損益通算や繰越控除の特例を利用することで、所得税や住民税が減額され、住宅ローン控除で還付される金額が減る可能性があります。また、特例により課税所得額がなくなると、住宅ローン控除が適用されても還付金がなくなる点にも注意が必要です。
住宅ローン控除についてより詳しく知りたい方は、次の記事をご参照ください。
不動産だけでなく上場株式等の譲渡損失も繰越控除が可能
正しく確定申告することで、上場株式や投資信託の譲渡損失に対しても、損益通算や繰越控除を適用することができます。また、源泉徴収ありの特定口座を利用して株式や投資信託を運用・売買している場合には、確定申告しなくても特定口座内で損益通算を実施することが可能です。また、譲渡損失のある取引が実行された場合には、源泉徴収された税金のうち、過払い分が還付されます。
しかし、源泉徴収ありの特定口座を2つ以上開設している場合には、それぞれの口座で生じた譲渡損失や譲渡益を自動的に通算することはできません。確定申告を正しく実施することで、複数口座間での損益通算と繰越控除が適用されるようにしましょう。
株式等の譲渡損失の繰越控除についてより詳しく知りたい方は、次の記事をご参照ください。
譲渡損失の繰越控除の特例利用時は確定申告を忘れずに!
繰越控除や損益通算を適用することで、譲渡損失があるときは節税できることがあります。しかし、譲渡損失があっても確定申告をしないときは、繰越控除や損益通算は適用されません。例えば上場株式や投資信託の運用・投資により譲渡損失が生じたときは、忘れずに確定申告を実施し、適切に節税するようにしましょう。
また、住宅ローンが残っているマイホームを売却するときや、マイホームを買い換えるときに譲渡損失が生じたときも、確定申告を行うことで特例が適用されます。給与所得や事業所得などの所得から譲渡損失分を損益通算・繰越控除できるため、大幅な節税につながることもあります。いずれも確定申告の手続きをしないと適用されないので、忘れずに申告しましょう。
はじめての確定申告もラクラク安心に済ませる方法
確定申告がはじめての方や、簿記の知識に不安がある方、確定申告書類の作成を効率よく行いたい方は、確定申告ソフトの使用がおすすめです。
個人事業主向け会計ソフトの「マネーフォワード クラウド確定申告」は、確定申告の必要書類が自動作成でき、Windows・Macはもちろん、専用アプリも提供しています。
①取引明細は自動で取得
銀行口座やカードを登録すると、取引明細を自動取得します。現金での支払いに関しても、家計簿のようなイメージで、日付や金額などを自分で入力することが可能です。
②仕訳の勘定科目を自動提案
自動取得した取引明細データや、受領後にアップロードした請求書・領収書などの情報をAIが判別し、仕訳を自動で入力します。学習すればするほど精度が上がり、日々の伝票入力が効率化されます。
③確定申告必要書類の自動作成機能
白色申告・青色申告の両方に対応しており、確定申告に必要な書類が自動で作成できます。また、マネーフォワード クラウド確定申告アプリで、スマホから直接の提出も可能です。印刷しての提出やe-Taxソフトでの提出にも対応しています。
追加料金なしで確定申告以外のサービスが使える
有料プラン(パーソナルミニ・パーソナル・パーソナルプラス)に登録すると、基本料金だけで請求書や契約のサービスを含む複数サービスを利用することができます。日々の業務や作業をまとめて効率化しましょう。
合わせて読みたいおすすめ資料
マネーフォワード クラウド確定申告では、さまざまなお役立ち資料を用意しています。 無料登録するだけで資料がダウンロード可能なので、ぜひ読んでみてください。会社員の確定申告 丸わかりガイド
青色申告1から簡単ガイド
個人事業主が知っておくべき経費大辞典
マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例
データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。
ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
よくある質問
譲渡損失とは?
不動産や株式、投資信託などの資産を売却し、生じた損失のことです。売却時に得た金額よりも取得時に支払った金額が多いときに生じます。詳しくはこちらをご覧ください。
損益通算とは?
利益と損失を相殺することです。異なる口座間でも損益通算することができます。譲渡損失があるときに損益通算をすると、課税所得額が減り、所得税と住民税を節税することが可能です。詳しくはこちらをご覧ください。
繰越控除とは?
繰越控除とは、損益通算しても譲渡損失が残っているときに利用できる制度です。翌年以降に譲渡損失を繰り越して、利益と相殺し、翌年以降の課税所得額を減らすことができます。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
確定申告の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
不動産の確定申告の関連記事
新着記事
メルカリで儲けるためには?儲かるためのポイントも合わせて解説
メルカリは、フリマアプリの中でも人気があり、多くの人がメルカリを通して収入を得ています。不要品の販売だけでなく、商品を仕入れて販売したり、ハンドメイド雑貨を販売したりなど、メルカリで収益を上げる方法は様々です。 本記事では、メルカリで稼ぎた…
詳しくみる男性におすすめの副業10選!副業の選び方や見るべきポイントも合わせて解説
本業の収入にプラスしたい、将来のためにスキルを活かしたいなど、理由を始める理由は様々です。この記事では、男性が自分の強みを活かせるおすすめの副業を、在宅でできるものから、体力・時間を活かすものまで、幅広く紹介していきます。また、副業の具体的…
詳しくみるIPO投資は儲かる?初心者でも始めやすいIPO投資の仕組みや始め方を解説
未上場企業が新規に株式を公開し、一般投資家がその株式を購入できる投資のことをIPO投資といいます。IPOの価格を決める需要調査のことを指すブックビルディングは、IPO投資で利益を狙うための重要なステップです。 IPO投資は当選確率が低いもの…
詳しくみるステーブルコインで儲かる仕組みとは?安定資産で利回りを得るポイントを解説
米ドルや日本円などの法定通貨や、金などの資産を裏付けにして価値が安定するように設計されたステーブルコイン。ビットコインのような価格変動の大きい仮想通貨とは異なり、安定した価値を持つことから、「ステーブルコインで儲かる」という話に疑問を持つ方…
詳しくみるGoogleアドセンスは儲からない?その理由と収益化のコツを解説
個人でブログを運営している人や、これからブログを始めようと思っている人の多くは、Googleアドセンスが儲からないという声を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。確かに、簡単に大金が稼げるわけではありません。しかし、儲からないと言われ…
詳しくみるインドネシア株が儲かると言われている理由や買い方・注意点をわかりやすく解説
新興国であり、今後の経済成長が注目されているインドネシアの株への投資は、大きな利益を上げることができる可能性があります。しかし、「本当に儲かるの?」「どうやって買うの?」といった疑問や、「暴落が怖い」という不安もあるはずです。この記事では、…
詳しくみる


