• 更新日 : 2026年1月22日

損しているかも!?所得金額と収入金額の違いを正しく理解しよう

一般的には「所得」も「収入」もどちらも同じ意味で使いますが、所得税を計算する上で両者を間違えると、まったく別の計算結果になってしまいます。

ここでは実際に間違えて計算するとどうなってしまうのかを解説するとともに、配偶者控除において重要となる給与収入の目安である123万円と所得金額58万円(2024年分以前は48万円)が、実際の所得金額と収入金額とどのような関わりを持っているのかを紹介していきます。

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所得金額と収入金額の違い

所得金額は収入金額から必要経費を差し引いた金額のことで、下記のような数式で表すことができます。

所得金額=収入金額-必要経費

具体的な金額を代入して考えてみましょう。

【Aさんの場合】

Aさんは商品を仕入れて販売する事業を営んでいます。

収入金額3,000万円に対して、実際に仕入れにかかった必要経費は1,500万円だったので所得金額は、収入金額3,000万円-必要経費1,500万円=1,500万円

となります。

【Bさんの場合】

Bさんはグラフィックデザイナーとしてロゴやチラシなどの制作をしています。収入3,000万円に対して必要経費は50万円だったので所得金額は、

収入金額3,000万円-必要経費50万円=2,950万円

となります。

収入金額はAさんもBさんも3,000万円ですが、必要経費によって所得金額が変動することがわかります。もし必要経費を差し引かずに収入金額だけで所得税の計算をすると、2人とも同じ所得税がかかることになってしまいます。

それでは実際に、先ほどのAさんとBさんの収入金額を所得金額とした場合の所得税を計算してみましょう。
※通常、所得税とは別に復興特別所得税が課されますが、今回の計算では考慮していません。

2人とも所得金額は3,000万円であるため、単純に所得税の速算表に当てはめて考えると、

3,000万円×40%-279万6千円=920万4千円

となります。

所得税の速算表

出典:No.2260 所得税の税率|国税庁、「所得税の速算表」を加工して作成

実際には、Aさんには仕入れにかかった必要経費1,500万円、Bさんは必要経費が50万円ありますので、こちらを考慮して所得税額計算をする必要があります。

それでは、必要経費を考慮した所得金額で所得税額を計算してみましょう。
※今回の計算では所得控除の金額は考慮しません。

・Aさん

(3,000万円-1,500万円)×33%-153万6千円=341万4千円

・Bさん

(3,000万円-50万円)×40%-279万6千円=900万4千円

となります。

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配偶者控除において大切な“所得”と“収入”

配偶者控除とは、納税者本人に配偶者がいて一定の条件を満たした場合に適用することのできる、税金負担を軽くするための制度です。

配偶者控除を受けるためには配偶者が以下の4つの要件をすべて満たさなければなりません。

  1. 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません。)。
  2. 納税者と生計を一にしていること。
  3. 年間の合計所得金額が58万円以下(注)(令和2年分から令和6年分までは48万円以下、令和元年分以前は38万円以下)であること。給与のみの場合は給与収入が123万円以下(令和6年分以前は103万円以下)
    (注) 令和7年12月1日に施行され、令和7年分から適用される金額です。施行日前の適用関係などについては、「令和7年度税制改正(基礎控除の見直し等関係)Q&A(令和7年5月)(PDF/1,225KB)」をご確認ください。
  4. 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないことまたは白色申告者の事業専従者でないこと。

引用:No.1191 配偶者控除|国税庁

ここで3の、

  • 年間の合計所得金額が58万円以下(令和2年分から令和6年分までは48万円以下、令和元年分以前は38万円以下)
  • 給与のみの場合は給与収入が123万円以下

という2点に注目しましょう。

所得税を計算するためには、収入金額ではなく所得金額でなければならないことは、既に前述したとおりです。給与収入であったとしても、必要経費を差し引いて所得税の計算をしなければなりません。そのため給与収入123万円のままでは、所得税の計算ができないことになります。

先ほどのAさんとBさんのように事業を営んでいる人は必要経費がそれぞれで異なりますが、給与を受け取っている人の必要経費は123万円の場合65万円と算定されます。なお、給与を受け取っている人の必要経費は給与所得控除と呼ばれています。

給与収入のみの場合は、給与収入123万円から給与所得控除65万円を差し引くと給与所得金額58万円になるため、結果として「給与のみの場合は給与収入が123万円以下」という条件は、合計所得金額58万円以下という条件を満たすことになるのです。

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所得金額を少なくすれば節税効果が期待できる

これまで解説してきたとおり、所得税の計算は収入金額ではなく所得金額が元になるため、収入金額からどれだけ必要経費を差し引くことができるかが節税できるポイントとなります。

そのため個人事業主が自宅で事業を営む場合、家事関連費を必要経費に算入することによって、課税対象となる所得金額を低減することができます。

家事関連費とは、たとえば自宅で仕事をしている人が家賃を支払った場合、仕事として使用した家賃を必要経費として算入することのできる費用のことをいいます。また収入を得るために必要であることを証明できれば書籍代や交際費、ガソリン代も必要経費とすることができます。これらの必要経費は、レシートや出金伝票などの証拠証憑が必要となります。

確定申告書では、「収入金額」と、そこから必要経費を差し引いた「所得金額」のみを申告するため、実際にレシートなどを確定申告時に提出することはありませんが、税務署から問い合わせがあった場合はいつでも開示要求に応じなければなりません。

「所得金額」の理解が節税への第一歩

所得金額と収入金額を間違えると、所得税の金額が大きく変わってしまいます。

また所得金額と収入金額の違いがわかると、今までなんとなく理解できなかった部分がスムーズに理解できるようになります。

収入金額ではなく所得金額を基本に考えて、さらに節税できる部分がないか見直してみましょう。

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よくある質問

所得金額と収入金額の違いは?

所得金額は収入金額から必要経費を差し引いた金額のことです。詳しくはこちらをご覧ください。

所得税を節税するポイントは?

収入金額からどれだけ必要経費を差し引くことができるかが節税できるポイントです。詳しくはこちらをご覧ください。

自宅で事業を営む個人事業主が所得税を節税する方法は?

家事関連費を必要経費に算入することによって、課税対象となる所得金額を低減することができます。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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