- 更新日 : 2026年10月23日
副業の税金はいくらかかる?所得税・住民税の計算方法と税額の目安を解説
副業の税金は、本業の給与所得と副業の所得を合算した金額に、所得税の累進税率(5〜45%)と住民税率(原則10%+均等割)を掛けて計算します。給与の副業と業務委託の副業では所得の計算方法が異なるため、同じ収入額でも税額が変わります。
- 所得税・住民税は合算後の所得に対して計算される
- 給与所得控除は合算収入に1回のみ適用される
- 業務委託の副業は経費を差し引いた所得が課税対象になる
Q. 副業で税金はどのくらい増える?
A. 年収500万円の会社員が副業収入100万円を得た場合、モデルケースの試算では年間の税額が約16万〜18万円ほど増加します。
副業の税金は、本業の所得と副業の所得を合算し、所得税の累進税率と住民税率を掛けて計算します。本記事では、まず「副業で税金がいくら増えるのか」を具体的な計算例で示したうえで、申告が必要になる条件や所得区分の判断基準、節税のポイントまで解説します。
なお、マネーフォワード クラウド確定申告では、副業をしている人が確定申告する際に知っておきたい基礎知識や、確定申告の準備、確定申告書の作成方法・提出方法などを1冊にギュッとまとめた「副業の確定申告パーフェクトガイド」を無料で用意しております。
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副業の税金はいくらかかる?所得税と住民税の計算方法
副業の税金は、給与所得や事業所得などを合算した総所得から所得控除を差し引いた「課税所得」に、所得税の累進税率と住民税率10%をそれぞれ掛けて計算します。給与の副業と業務委託の副業では所得の計算方法が異なるため、同じ収入額でも税額に差が生じます。
所得税の計算式
所得税額は、次の式で計算します。
所得税額=(総所得金額-所得控除額)×税率-控除額
課税される所得金額が195万円以下であれば税率5%、195万円を超え330万円以下であれば税率10%(控除額9万7,500円)です。この所得税額に対して、2.1%の復興特別所得税が上乗せされます。
住民税の計算式
住民税は、所得に応じて課税される「所得割」(原則10%)と、所得にかかわらず定額の「均等割」(道府県民税・市町村民税・森林環境税をあわせて標準額年5,000円、自治体により異なる)の合計で計算します。
住民税額=課税所得×10%(所得割)+均等割(標準額5,000円)
所得税と住民税では基礎控除額が異なり、住民税の基礎控除は43万円で据え置かれている点にも注意が必要です。
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本業と副業の税額を比較する|給与所得と業務委託(事業・雑所得)の違い
本業のみの税額と、副業を得た場合の税額を比較すると、副業による負担増の金額を具体的に把握できます。給与の副業と業務委託の副業では所得の計算方法が異なるため、ここでは両方のケースを分けて試算します。
計算例の前提条件を確認
以下の試算は、次の前提条件に基づくモデルケースです。実際の税額は家族構成や各種控除の有無、お住まいの自治体によって異なります。
対象年分:令和8年分(2026年分、2027年2月〜3月に確定申告する場合を想定)
本業収入:給与収入500万円(独身・扶養親族なし)
副業収入・経費:給与型は副業収入100万円、業務委託型は副業収入100万円・必要経費10万円(所得90万円)
所得控除:基礎控除と社会保険料控除(給与収入の概算15.6%)のみを考慮した簡易モデル
本業のみの税額を計算する
本業の給与収入500万円のみの場合、給与所得控除144万円(500万円×20%+44万円)を差し引いた給与所得は356万円です。令和8年分(2026年分)の所得税では、合計所得金額489万円以下の場合、基礎控除104万円が適用されます。
所得控除(基礎控除104万円+社会保険料控除78万円)を差し引いた課税所得は174万円となり、所得税額は約88,800円(復興特別所得税込み)です。住民税は、住民税基礎控除43万円を適用した課税所得235万円に対して所得割235,000円、均等割等5,000円を合わせて240,000円となり、税額合計は約328,800円です。
本業500万円+給与の副業100万円の税額を計算する
副業が掛け持ちのアルバイトなど給与所得に該当する場合、本業と副業の給与収入を合算した600万円に対して給与所得控除164万円が1回だけ適用され、給与所得は436万円になります。
| 項目 | 本業のみ | 本業+給与の副業 |
|---|---|---|
| 給与収入合計 | 500万円 | 600万円 |
| 給与所得 | 356万円 | 436万円 |
| 所得税額(復興税込み) | 約114,800円 | 約196,500円 |
| 住民税額 | 約240,000円 | 約320,000円 |
| 税額合計 | 約354,800円 | 約516,500円 |
副業による負担増は、税額合計の差額である約161,700円です。なお、2か所以上から給与を受け取る場合、年末調整は主たる給与(本業)のみで行われ、従たる給与(副業分)には通常より高い税率が適用される源泉徴収税額表の「乙欄」が使われます。そのため確定申告時の追加納付額は副業先での源泉徴収状況によって変動し、一概に金額を示すことはできません。
本業500万円+業務委託の副業100万円の税額を計算する
副業が業務委託など事業所得・雑所得に該当する場合は、収入から必要経費を差し引いた所得が合算の対象になります。ここでは副業収入100万円、必要経費10万円として所得90万円で試算します。
| 項目 | 本業のみ | 本業+業務委託の副業 |
|---|---|---|
| 合計所得 | 356万円 | 446万円(給与所得356万円+事業・雑所得90万円) |
| 所得税額(復興税込み) | 約114,800円 | 約206,700円 |
| 住民税額 | 約240,000円 | 約330,000円 |
| 税額合計 | 約354,800円 | 約536,700円 |
副業による負担増は約181,900円となり、給与の副業よりやや大きくなります。これは、給与所得控除が収入の一部をあらかじめ経費相当として差し引く仕組みであるのに対し、業務委託の所得は実際の必要経費のみが控除対象になるためです。
業務委託の報酬は、原稿料やデザイン料など一部の業種を除き源泉徴収されないケースが多いため、ここでは源泉徴収なしと仮定します。この場合、年末調整の時点では本業分の所得税約114,800円のみが精算されており、確定申告によって初めて副業分を合算した税額206,700円が確定します。したがって、確定申告時の追加納付額はその差額にあたる約92,000円となる計算です。
副業の種類で税額の増え方は変わる
副業による負担増と申告時の追加納付額は、副業の所得区分によって次のように異なります。
| ケース | 税額合計 | 副業による負担増 | 申告時の追加納付額(目安) |
|---|---|---|---|
| 本業のみ | 約354,800円 | — | — |
| 本業+給与の副業 | 約516,500円 | 約161,700円 | 源泉徴収状況により変動 |
| 本業+業務委託の副業 | 約536,700円 | 約181,900円 | 約92,000円 |
給与の副業は源泉徴収である程度の税額が先払いされているのに対し、業務委託の副業は確定申告時にまとめて納付が必要になりやすい点が実務上の違いです。
副業の確定申告が必要になるのはいくらから?
副業の所得税は年間20万円を超えると確定申告が必要になりますが、住民税は金額にかかわらず申告義務が生じます。この二つの基準を混同すると、住民税の申告漏れにつながるため注意が必要です。
「収入」と「所得」の違いを押さえる
副業の申告要否を考えるうえでまず整理したいのが、収入と所得の違いです。収入は売上や報酬の総額を指し、所得は収入から必要経費を差し引いた金額を指します。
たとえば副業の年間収入が50万円、経費が35万円であれば所得は15万円となり、所得税の確定申告ラインである20万円以下に収まります。ただし、この場合も住民税の申告は必要になる点に注意しましょう。
所得税と住民税の申告ラインを比較する
所得税と住民税は、申告が必要になる基準と申告先がそれぞれ異なります。
| 税目 | 申告が必要になる条件 | 申告先 |
|---|---|---|
| 所得税 | 副業所得が年間20万円超 | 税務署(確定申告) |
| 住民税 | 副業所得が1円以上 | 市区町村役場 |
「20万円以下なら申告不要」という理解は所得税にのみ当てはまるルールであり、住民税には適用されません。住民税の申告を怠った場合、納期限の翌日から2か月を経過するまでは原則年率7.3%または特例基準割合+1%のいずれか低い方、2か月を超えると年14.6%の延滞金が課され得る点にも注意が必要です。
副業の所得区分はどう判断する?事業所得・雑所得・給与所得の違い
副業の所得区分をどう判断すればよいのか、事業所得・雑所得・給与所得の違いをふまえながら解説します。
事業所得・雑所得・給与所得を比較する
副業に関わる所得区分には主に次の3つがあり、損益通算の可否が大きく異なります。
| 所得区分 | 特徴 | 損益通算 |
|---|---|---|
| 事業所得 | 帳簿保存あり・反復継続的に営む | 可能 |
| 雑所得 | 帳簿保存なし・副収入的な位置づけ | 不可 |
| 給与所得 | アルバイト等で給与として受け取る | 不可 |
事業所得であれば副業の赤字を本業の給与所得と相殺でき、結果として納税額の軽減につながります。
一方、雑所得ではこの相殺ができません。なお、2022年の通達は当初「副業収入300万円以下は一律雑所得」とする案を示していましたが、意見公募で7,000件超の反対意見が寄せられたことを踏まえて撤回され、最終的には帳簿書類の有無を軸とする現行基準に修正された経緯があります。
ただし収入が例年300万円以下で主たる収入に対する割合が1割未満の状態が続くなど事業としての実態に乏しいと認められる場合は、帳簿があっても雑所得と扱われ得る点には留意しましょう。
事業所得として認められるための実務対策を講じる
事業所得として申告するには、日々の取引を記帳し、根拠資料を整理しておくことが欠かせません。具体的には次のような対応が挙げられます。
- 複式簿記で日々の取引を記帳する
- 領収書・請求書を整理し一定期間保存する
- 取引先との契約書や発注書を保管する
- 事業用の口座を分けて管理する
事業所得として青色申告の承認を受ければ、最大65万円の青色申告特別控除を受けられます。控除適用には、複式簿記による記帳に加え、e-Tax(国税電子申告・納税システム)による電子申告、または電子帳簿保存の要件を満たすことが必要です。
副業の確定申告ではどこに手間がかかる?
副業の確定申告で実務上の負担が大きいのは、書類の提出作業そのものよりも、日々の記帳と証憑管理です。この負担は、クラウド会計ソフトと電子帳簿保存法への対応を整えることで軽減できます。
クラウド会計で記帳の手間を減らす
クラウド会計ソフトを使えば、銀行口座やクレジットカードの取引データを自動で取り込み、日々の記帳にかかる手間を抑えられます。確定申告書の作成自体は国税庁の確定申告書等作成コーナーからe-Taxで行えるため、税務署への郵送や窓口提出は不要です。
電子帳簿保存法の対応を怠らない
2024年1月から、電子帳簿保存法(国税関係帳簿書類を電子データで保存するルールを定めた法律、電帳法)における電子取引データ保存が完全義務化されました。メールで受け取った請求書やオンライン決済の領収書は、紙に印刷するだけでは保存要件を満たさないため、タイムスタンプ機能などを備えた会計ソフトの活用が実務上の対応策になります。
なお、必要書類の具体的な準備手順や、納付方法の選び方、期限後申告・無申告のペナルティについては別記事で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。
副業の住民税は会社にバレる?
住民税の納付方法を普通徴収(自分で納付)に切り替えれば、副業分の住民税が給与天引きに反映されにくくなります。ただし、すべての副業で普通徴収を選べるわけではありません。
普通徴収を選べないケースに注意する
副業がアルバイトなど給与所得に該当する場合、原則として普通徴収への切り替えはできません。給与所得は特別徴収(会社の給与天引き)が義務づけられているためです。フリーランスや業務委託による報酬(事業所得・雑所得)であれば、確定申告書の「住民税に関する事項」欄で自分で納付を選択できます。
自治体の事務処理の都合で、普通徴収を選択していても通知が勤務先に届いてしまう可能性はゼロではありません。確定申告後に管轄の市区町村へ納付方法を確認しておくと安心です。
副業の税金を抑える節税戦略は?
副業の税負担を軽くするには、経費の適正な計上、青色申告特別控除の活用、法人化の検討といった方向性があります。収入を増やすだけでなく、支出と控除の最適化も手取りを増やすポイントです。
家事按分で経費にできる費目を把握する
自宅で副業を行う場合、家賃や通信費、光熱費などを業務使用割合に応じて経費計上できます。この仕組みを家事按分と呼びます。
- 家賃:作業スペースの面積割合で按分する
- 通信費:副業での利用時間や通信量で按分する
- 光熱費:作業時間の割合で按分する
- パソコン・周辺機器:取得価額が10万円未満であれば消耗品費として全額経費にできる
按分割合については、作業日誌などの記録を残しておくと、税務調査の際にも説明がしやすくなります。なお、私服や自宅家電など事業に直接必要とはいえない支出は家事按分の対象にならないなど、按分できる費目には一定の線引きがあるため、個別の判断に迷う場合は事前に確認しておくと安心です。
青色申告特別控除の要件を確認する
控除額に応じて求められる要件は次のように整理できます。
| 控除額 | 記帳方式 | 主な適用要件 |
|---|---|---|
| 65万円 | 複式簿記 | e-Taxによる電子申告、または電子帳簿保存を行っていること |
| 55万円 | 複式簿記 | 上記の電子要件を満たさない場合 |
| 10万円 | 簡易簿記 | 複式簿記によらない記帳の場合 |
控除を受けるには、開業届と青色申告承認申請書をあらかじめ税務署に提出しておく必要があります。青色事業専従者給与や純損失の繰越控除など、副業の青色申告で活用できる特典は65万円控除以外にも複数あるため、あわせて確認しておくとよいでしょう。
マイクロ法人による社会保険料と税金の最適化を検討する
マイクロ法人とは、代表者1人で運営する小規模な法人のことで、個人事業と法人を併用することで社会保険料と税負担の両方を調整できるケースがあります。ただし法人を設立すると、登録免許税に加えて法人住民税の均等割(資本金1,000万円以下・従業員50人以下の法人で最低年7万円程度)が赤字でも毎年発生するため、副業の利益規模に見合うかどうかの見極めが重要です。
参考:法人住民税|総務省
設立手続きや費用の詳細は、以下の関連記事をご参照ください。
副業社員の税金・労務で会社が注意すべき点は?
副業を認める企業は、年末調整に副業分の給与を含めない、副業先でも社会保険の加入要件を満たす場合は二以上事業所勤務届の提出が必要になる、就業規則に副業に関するルールを明記しておく、といった点に注意が必要です。厚生労働省の副業・兼業の促進に関するガイドラインでも、労務管理体制の整備が求められています。
参考:副業・兼業|厚生労働省
また、人事・労務担当者向けの具体的な実務対応は、以下の関連記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
副業の税金に関するよくある質問
副業の税金に関するよくある質問をまとめました。
インボイス制度は副業に関係ある?
副業で消費税の課税取引を行い、取引先が適格請求書(インボイス)を必要とする場合に関係します。
インボイスを発行するには適格請求書発行事業者としての登録が必要で、登録すると消費税の納税義務が生じます。免税事業者のままでも、2026年10月時点では免税事業者からの仕入れについて一定割合を仕入税額とみなす経過措置があり、控除可能割合は2026年10月から2028年9月まで70%とされています。登録の要否は、売上規模や取引先との関係をふまえて判断するのがよいでしょう。
参考:インボイス制度に関するお知らせ(令和8年度税制改正特集)|国税庁
赤字の副業でも申告すべき?
事業所得に該当する副業であれば、赤字でも申告するメリットがあります。
赤字を本業の給与所得と損益通算でき、所得税の還付を受けられる場合があるためです。青色申告者であれば赤字を翌年以降に繰り越すこともできます。一方、雑所得に分類される副業の赤字は損益通算できませんが、住民税の申告義務は残るため、赤字であっても申告は行っておくのが安全です。
ふるさと納税や医療費控除と副業の確定申告は併用できる?
いずれも副業の確定申告と同時に適用できます。
ワンストップ特例を利用していた場合、確定申告を行うとワンストップ特例は無効になるため、寄附先すべての受領証明書を添付して申告書に記載する必要があります。医療費控除は、年間の医療費自己負担額が10万円(総所得200万円未満の場合は総所得の5%)を超えた部分が対象です。
参考:No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)|国税庁
副業の種類によって所得区分は変わる?
副業の種類によって該当しうる所得区分は異なります。
| 副業の種類 | 該当しやすい所得区分 |
|---|---|
| 物販・コンサルティング等 | 事業所得または雑所得 |
| アフィリエイト・広告収入 | 事業所得または雑所得 |
| 不動産の賃貸 | 不動産所得 |
| 株式等の譲渡・配当 | 譲渡所得・配当所得 |
不動産所得や事業所得は本業の給与所得と損益通算できる場合がありますが、譲渡所得・配当所得は所得税の計算方法が異なるため、該当する副業がある場合は区分ごとの扱いを個別に確認しておきましょう。
副業の税金を正しく計算し、申告・節税につなげるために
副業の税金は、本業と副業の所得を合算した課税所得に所得税の累進税率と住民税率を掛けて計算します。給与の副業は源泉徴収である程度先払いされるのに対し、業務委託の副業は確定申告時にまとめて納付が必要になりやすいなど、所得区分によって負担の出方が異なります。まず自分のケースで税額の目安を把握したうえで、申告要否のルールを確認し、帳簿の保存や青色申告の活用で節税につなげていきましょう。
マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例
データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。
ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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