- 更新日 : 2025年10月21日
業務委託で働く個人事業主は就労証明書をもらえる?対応法や補足書類を解説
個人事業主として働く中で、「就労証明書」は無縁だと感じていませんか?個人事業主も保育園の申請、住宅ローンの審査、在留資格の更新など、さまざまな場面で「働いていること」を証明する必要があります。
本記事では、個人事業主が就労証明に対応するために知っておくべき知識や対策を解説します。
目次
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就労証明書とは?個人事業主にも関係ある?
会社員が主に対象と思われがちな就労証明書ですが、個人事業主の場合も就労実態を証明する必要があります。
下では、就労証明書の定義と、個人事業主が就労証明を必要とする場面について解説します。
就労証明書は「働いている事実」を第三者に証明する書類
就労証明書は、ある人物が現在どこで・どのように働いているかを示す書類で、勤務先が発行するのが一般的です。氏名や就労開始日、雇用形態、勤務時間、業務内容などが記載され、会社員にとっては人事部や上司が作成を担います。これは、行政手続きや金融機関などに対して、その人が「安定した就労状態にある」と客観的に示す手段です。
雇用契約のない個人事業主やフリーランスであっても、各種の公的・民間手続きでは「働いていること」を示さなければならない場面があります。
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個人事業主が就労証明を求められるケース
就労証明書そのものは企業に雇用されている従業員向けの書類ですが、フリーランスや個人事業主であっても、「働いていること」を示す必要がある場面では、就労証明に相当する書類の提出を求められることがあります。ここでは、そうした代表的なケースを紹介します。
保育園や学童の入園申請
保育園や学童クラブの利用申請では、保護者の就労実態を証明する書類が必要です。会社員であれば勤務先が就労証明書を発行しますが、個人事業主は自身で「自営業者用就労状況申告書」などを作成・提出します。これには、業務内容や勤務時間、就労日数などを具体的に記載し、あわせて開業届、確定申告書控え、契約書、請求書などを補足資料として提出することが一般的です。
保育園の入園選考は就労状況を点数化して判断されるため、実態を具体的に示せる書類の準備が重要です。認可外施設では提出が不要な場合もありますが、認可保育園を利用する場合は、各自治体が定める様式や提出方法を早めに確認しておくことが求められます。
金融機関や不動産契約における収入証明
住宅ローンの申し込みや賃貸契約などでも、収入や就労の継続性を証明する書類の提出が必要です。会社員であれば在職証明書や源泉徴収票で対応できますが、個人事業主は確定申告書(収受印付きまたは電子申告の受信通知付き)、青色申告決算書、市町村発行の所得証明書などを提出することが多いです。
住宅ローンでは、過去2~3年分の収入実績が審査対象となるため、申告書の控えをきちんと保管し、必要に応じて納税証明も取得しておくと安心です。不動産賃貸契約でも、安定した収入源を証明できなければ契約が進まないことがあるため、これらの書類の整備は不可欠です。
転職活動や在留資格(ビザ)の申請
転職活動の際、新たな雇用先から前職の就労証明を求められることがあります。フリーランスの場合は、業務委託契約書、請求書、支払明細書などを組み合わせて、自らの職歴や業務実績を示す必要があります。
また、外国人の個人事業主が在留資格の更新や変更を行う際には、在留資格の種類によっては事業内容と収入状況を説明する書類が不可欠です。開業届、確定申告書、納税証明書、契約書、入金記録などが活用されます。これらをもとに、現在も継続して自営業に従事していることを立証することが求められます。
業務委託で働く個人事業主は就労証明書を発行してもらえる?
業務委託契約で働く個人事業主やフリーランスは、会社員とは異なり雇用主が存在しません。そのため、いわゆる「就労証明書」を他者に発行してもらうことはできません。公的な手続きなどで就労状況を証明する必要がある場合には、自ら証明書類を作成することが求められます。以下では、その仕組みと注意点を解説します。
フリーランスは自ら就労証明を作成する
保育園申請などで用いられる「就労証明書」では、会社員であれば勤務先が証明者となりますが、フリーランスや個人事業主の場合、証明者として自らの情報を記入することになります。自治体が用意している就労証明書の様式において、事業主欄に自身の名前を記入し、「雇用形態:自営業主」にチェックを入れて提出する形式です。
つまり、就労証明においては、フリーランス自身が「発行者」であり「証明者」でもあります。これは正式な手続きとして多くの自治体に認められており、特に保育園や学童の入園審査では一般的な方法とされています。
業務委託先に証明を依頼することは原則できない
「クライアントに証明書を書いてもらえないか?」という疑問を持つ方もいるかもしれません。しかし、業務委託先はあくまでも発注者であって雇用主ではないため、原則として公的な就労証明書の発行者にはなれません。契約上の独立した立場で業務を請け負っている以上、契約先が「雇用関係」を証明することは法的にも適切ではありません。
ただし、契約書や業務内容の説明資料、支払通知書(振込明細や報酬明細書)などは、補足資料として提出することで就労状況の信頼性を高めることができます。証明の根拠を補強する意味で、こうした書類の添付は非常に有効です。
就労状況申告書や勤務実績表の提出が求められることも
自治体によっては、一般的な就労証明書に加えて、「就労状況申告書」「月間勤務時間表」「タイムスケジュール表」など、フリーランス専用の追加書類を求められることがあります。これは、個人事業主の働き方が多様で不定形であることをふまえ、実際の勤務実態をより具体的に把握するためです。
たとえば、1日の業務スケジュールを記入する様式では、始業時刻、作業内容、終業時刻などを細かく記載し、就労の「実態」を可視化します。これらの書類は、自治体の窓口や公式サイト、または「こども家庭庁」などの公的機関から入手できます。
また、マイナポータルを通じて就労証明書作成・提出ができる自治体も増えており、オンラインでの手続きに対応している場合もあります。事前に自身が住む市区町村の公式情報を確認し、必要なフォーマットや記入方法を正確に把握しておくことが重要です。
個人事業主が就労証明に備えて用意すべき補足資料は?
フリーランスや個人事業主が「就労証明」を求められた際、証明書様式へ記入するだけでは説得力に欠けることが多く、追加で補足資料の提出を求められるケースがあります。以下に、主な補足資料と注意点をまとめます。
【確定申告書や青色申告決算書】信頼度の高い収入証明
個人事業主にとって、最も重要かつ信頼性の高い収入証明が確定申告書の控えです。この書類には、年間所得や事業収入、業種区分、氏名・住所などが記載されており、保育園や学童の申請、住宅ローン審査、扶養の認定など、公的・私的を問わず幅広い場面で活用されます。青色申告をしている場合は、さらに青色申告決算書を添付することで、収支や経費の内訳を詳しく示すことができ、より高い透明性と信用性を確保できます。
ただし、令和7年(2025年)からは税務署による「収受印(受領印)の押印」が廃止されました。つまり、令和7年分の確定申告時点では、紙で申告した場合でも提出控えに受付印が押されることはありません。これに伴い、提出の証明方法が変更されています。
紙申告の場合の対応
税務署の窓口で提出する場合、控えに収受印が押されない代わりに、希望者には「提出日と税務署名が記載されたリーフレット」が配布されます。郵送による申告でも、返信用封筒を同封すれば、このリーフレットを受け取ることが可能です。このリーフレットは、提出事実を証明する資料として他の機関への提出にも利用できます。
電子申告(e-Tax)の場合の対応
e-Taxによる電子申告では、完了時に発行される「受信通知(受信番号・提出日時・税務署名を含む)」が、提出を証明する正式な記録として扱われます。就労証明の裏付け資料として使用するためには、この受信通知を必ず保存(PDF等で出力)しておくことが重要です。
提出先によっては、「税務署の収受印」または「電子申告の受信記録」の提示を条件にしている場合もあるため、控え書類一式の整備は慎重に行う必要があります。
また、保育園など自治体の申請では「確定申告書の○ページのコピーを添付」など、ページ指定で求められるケースがあります。指定されているページ数や申告年度を事前に確認し、必要書類を確実に揃えておきましょう。
【開業届の控え】正式な「事業者であること」の証明
次に重要となるのが、「個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)」です。これは税務署に提出した控えを指し、個人として正式に事業を開始していることを証明できます。保育園の申請や家賃審査などでは、開業届の有無や収入実績の有無によって「内職扱い」か「正規の自営業か」が判断されることもあり、提出していないと就労実態を軽視される恐れがあります。
開業届は法的には提出義務があるわけではありませんが、就労証明を裏付ける文書としての価値は高いため、未提出であれば早急に提出し、控えを入手しておくことが推奨されます。
また、飲食業など特定業種では「営業許可証」や「保健所の許認可証」が必要となることがあり、これも補足資料として証明力を持ちます。業種に応じた「事業資格の根拠」を明示できる資料もあわせて備えておくと安心です。
契約書や請求書など、取引の「実績資料」
事業開始から間もなく確定申告の実績がない場合でも、業務委託契約書や請求書といった実績ベースの資料を提出することで、現在進行中の就労実態を証明することが可能です。
たとえば以下のような書類が補足資料となります。
- 業務委託契約書・請負契約書
契約期間、報酬、業務内容が明記されており、仕事の継続性が把握しやすい。 - 請求書・支払明細書
取引先に提出した請求書や、支払側からの振込明細。報酬額と日付が記載されていれば、就労の事実を裏付けます。 - 銀行の入金記録
上記請求に対して入金が行われた通帳記録の写し。金額と振込日が一致していることで信ぴょう性が高まります。 - 納品書・業務メール
作業内容が明示された納品書や、クライアントとのやりとりを示すメールも就労の状況を証明する資料になり得ます。
これらの資料は可能な限り複数組み合わせて提出するのが効果的です。たとえば、契約書+請求書、請求書+入金記録といった形で提示することで、内容の整合性と信頼性が増します。提出前には、記載内容に矛盾がないか、日付や金額が一致しているかをよく確認しましょう。
【源泉徴収票・所得証明書】第三者発行の公的資料
源泉徴収票や支払調書は、原稿料や講演料などを受け取るフリーランスにとって有効な証明資料です。源泉徴収が行われた場合、支払者から年末に発行されることが多く、その金額は年間収入の裏付けとして活用できます。
加えて、市区町村が発行する「所得証明書(課税証明書)」は、前年の所得を証明する信頼性の高い公的書類です。保育園申請、住宅ローン審査、児童手当の申請など、提出が必要となる機会は多く、あらかじめ取得しておくことでさまざまな手続きに対応可能です。
副業・兼業の個人事業主が就労証明を求められた場合の対応は?
本業が会社員やパートでありながら、副業として個人事業主の活動をしている場合も、「就労証明」を求められることがあります。以下では、副業・兼業の個人事業主が就労証明に対応するために押さえるべきポイントを解説します。
本業と副業の両方を証明する必要がある場面
副業型フリーランスが就労証明を求められる場面では、本業と副業の両方の就労状況を正確に示すことが必要になります。保育園や学童の入園申請では、保護者の就労時間の合計や収入の安定性が審査基準となるため、両立している勤務状況を明示しなければなりません。
本業が9時〜17時の会社員で、夜間にライター業をしている場合、勤務時間や作業内容をそれぞれ明確に記載した上で、申告書類や確定申告書、勤務先の就労証明書などを組み合わせて提出する必要があります。副業の収入が少額でも、「定期的な活動がある」ことを説明できる資料が求められることがあります。
副業部分も確定申告しておくことで証明力が強まる
副業の活動が確定申告されていない場合、いくら作業実績があっても就労実態として認められないことがあります。保育園や補助金の申請などでは「申告されていない=働いていない」と判断されかねません。
そのため、副業であっても雑所得や事業所得としてしっかりと税務申告を行い、控えを保存しておくことが極めて重要です。たとえ所得が小さくても、申告によって副業の継続性と正当性が証明されるため、就労証明の補足資料として強い根拠になります。青色申告者であれば、決算書も添付するとさらに信用力が高まります。
また、業務委託契約書や請求書、支払記録、入金の通帳コピーなどを組み合わせて提出することで、副業の活動内容や報酬の有無を立体的に示せます。
フォーム上の記載方法と注意点
就労証明書(または就労状況申告書)のフォーム上では、副業の場合でも「自営業主」や「兼業」の欄に記入する必要があります。会社員としての就労証明は勤務先から発行されますが、副業分は本人が別途証明を作成しなければなりません。
自治体によっては、副業部分の記載について補足説明欄を設けている場合もあり、そこで「週に何時間、どのような業務を行っているか」を記述することが求められます。また、就労時間が本業と重複しないように示す必要があり、日中は会社勤務、夜に副業というように、時間帯の分離を明確にしておくと審査側にも伝わりやすくなります。
保育園申請などでは、「副業分を点数化するかどうか」は自治体の判断によるため、事前に確認しておくことが大切です。
個人事業主の就労証明には正確な準備と記録で備えよう
個人事業主が就労証明を求められる場面は、保育園の申請や住宅ローン審査、在留資格更新など多岐にわたります。会社員と異なり、自ら証明書を作成し、確定申告書や開業届、契約書などの補足資料で客観的に「働いている事実」を示す必要があります。証明力のある記録と書類の準備で備えておきましょう。
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ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
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